2014年02月22日
【モバマス】フェイクファー【榊原里美+α】
P「時子…お前な」
時子「何よ」
里美「怒っちゃダメですよぉ、お兄ちゃん」
時子「何よ」
里美「怒っちゃダメですよぉ、お兄ちゃん」
時子「おにっ……ハッ、これは驚いたわね!!まさかじぶんとこのアイドルに『お兄ちゃん』って呼ばせてるなんて…いいご趣味ね?お兄ちゃん」
P「違うわ!!」
里美「ほわぁ〜時子さんもお兄様を探してるんですかぁ?」
P「お前もややこしくすんな!!!!」
時子「やれやれ…とんだお笑い事務所にスカウトされたものね…」
くるみ「あ…あの…今日お呼ばれしたのわ…」
P「ん?あぁ悪い悪い。今日はな、ここにいる里美の仕事っぷりを見学させようと思ってな」
時子「は?この子の」
P「この子のです!!…全く…どんだけ偉そうなんだよ」
くるみ「あの…よろしくお願いしましゅ…」
里美「はぁ〜い、よろしくおねがいま〜す♪」
P「今日の予定は…昼過ぎまで予定無しか…」
里美「じゃあ〜事務所とかレッスン場とか案内しちゃいますねぇ〜」
P「おお、そうだな。よろしく頼むぞ!!里美」
里美「はい〜♪えっとぉ〜それじゃあ〜…ここが事務所ですぅ!!」
くる・時・P「「「…」」」
P「後はよろしく頼むぞ、くるみ」
くるみ「ふぇ…!!?」
里美「お菓子はここですよぉ〜♪」
**********************************
里美「まずはぁ〜…ここがロッカールームですぅ〜」
時子「ふぅん…狭いわね」
里美「みなさんの荷物の他に衣装も保管してるのでぇ」
くるみ「うあぁ…カワイイ衣装ですねぇ…」
里美「それですかぁ〜?法子ちゃんがバレンタインの時着てた衣装ですねぇ〜」
時子「こっちは何これ…?」
里美「あぁ〜雫ちゃんのメイン衣装ですねぇ〜」
時子「へぇ〜…あの牧草娘にピッタリの衣装じゃない」
里美「そうなんですよぉ〜、すっごく似合うんですよ〜♪」
里美「あぁ、お二人とも着てみますぅ?」
時子「嫌よ。私まで家畜臭くなるわ」
くるみ「多分胸が入らないですぅ…」
里美「まあまあそう言わずにぃ〜♪」
時子「ちょっと!!??何っ!?力強っ!!!??」
〜数分後〜
時子「…」
里美「…ちょっとイメージと違いますねぇ…」
時子「当たり前よ!!!…こんな家畜みたいな衣装…胸もブカブカだし…」
くるみ「ふぇっ…胸が収まらないぃ…」
里美「う〜ん…じゃあコッチはどうですかぁ?」
〜さらに数分後〜
時子「ふむ…これはいいわね」
里美「うわぁ〜♪やっぱり似合いますぅ〜、瞳子さんの衣装〜」
時子「何かこう…支配者っぽくていいわね…ふふふ…ひれ伏しなさい!!」
くるみ「あの〜…」
里美「ほぇ?ああー♪ぴったりじゃないですかぁ〜早苗さんの水着ぃ〜♪」
くるみ「ふぇ…はい…」
時子「下品な上に古臭い水着ねぇ、バブルで脳内止まってるの?あのプロデューサー?」
里美「でもこれ…確か早苗さんの私物ですよぉ〜?」
時子「ふぅん…どんなババァか知らないけど、お目にかかってみたいわね」
早苗「誰 が バ バ ァ だ っ て ?」
時子「…え?」
里美「あっ、早苗さ〜んおはようございま〜すぅ♪」
早苗「里美ちゃん、おはよう。…おう、新入り。先輩をババァ呼ばわりとはいい度胸じゃないの…えぇ?」
時子「あら失礼、こんな小さいお嬢さんがババァなんて…言い過ぎました」
くるみ「あ…あの…」
早苗「ほぉ〜…活きがいいねぇ〜嬢ちゃん…ちょっとお姉さんと屋上行こうっか☆」グイッ!ヒョイッ
時子「なっ…ちょ!!!!!!!?????」
早苗「あら、アンタ意外に重いわね?絶対P君に申告した体重サバ読んでるでしょう?」
時子「そっ…そんな事は…!!!おっ…下ろしなさい!!!!!!!」
里美「あっ、早苗さ〜ん待ってくださ〜い」
くるみ「え…!?くるみ、着替えが…ふぇっ、紐がぁ…」
****************************
〜レッスン場〜
時子「さっきは酷い目にあったわ…」
くるみ「アイドルって恐いですぅ…ぐすっ…」
里美「私は見慣れちゃいましたよぉ?」
時子「あれがアイドル事務所の日常だというの…?」
里美「いつもは拓海さんとかぁ〜プロデューサーさんがされますけどぉ…早苗さんなりの親愛の証ですよ〜♪」
時子「あの女…絶対跪かせてやるんだから…」
くるみ「水着…褒められました…そんなに悪い人じゃ…ない…と…」
時子「なに?」ギロッ
くるみ「……何でも無いですぅ…」
里美「さぁ〜ここがレッスン場ですぅ〜」
トレーナー「あら、里美ちゃん。今日レッスンだったっけ?」
里美「トレーナーさん、おはようございます〜」
トレ「おはようございます。そっちの二人は確か新人の…」
時子「財前時子よ」
くるみ「大沼…くるみです」
トレ「あぁ、そうだったわね。ところで今日はどうしたの?」
里美「今日はぁ、この二人が私のお仕事を見学するんですけど、お仕事の時間まで色々案内してるんですぅ」
トレ「へぇーそうなの。二人もせっかくだし何かやってく?」
時子「嫌よ」
トレ「え?」
時子「貴女いくつか知らないけど私とさして変わらないわよね?こんな小さなスタジオの若手なんかに指導されたくないわ」
トレ「…」
時子「私は世界中の無能な豚どもをひれ伏せるためにアイドルになるの、貴女本当に私に指導できるの?」
トレ「あのね財前さん…」
???「待って」
里美「ほぇ?」
ヘレン「聞き捨てならないわね。この私を差し置いて世界?片腹痛いとはこの事ね」
時子「貴女誰?年増はお呼びで無いのだけれど」
ヘレン「あらあら私を知らないのね、可哀想に…」
時子「可哀想なのは自分の分際と身長を知らない貴女よ」
ヘレン「…」←158cm
時子「…」←168cm
くるみ「あ…あの…」
ヘレ・時「「何かしら?」」ゴゴゴゴゴゴ…
くるみ「ひぅっ…ごめんなさいごめんなさい…」
里美「よ〜しよ〜し、恐くないですよぉ〜」
ヘレン「ふん、まぁいいわ。誰でも新人の時は無知なもの…許してあげるわ、ナイ乳」
時子「ありがとうございます。垂れ乳」
トレ「はいはいはい!!そこまで!!!!もうヘレンさん!!貴女はマストレ姉さんのレッスンの途中でしょ!!」
ヘレン「ごめんなさい。休憩中に通りかかったらあまりにも哀れで見てられなくて」
時子「ふん」
マストレ「あぁ、いたいた。ダメじゃないかヘレン、レッスンの続きをするぞ…ん?君たちは確か…」
ヘレン「ごめんなさい。新人の顔を見たかったからすぐ戻るわ」
時子「待ちなさい」
ヘレン「…何かしら?」
時子「せっかくの世界レベルな先輩のレッスンだもの見学させていただくわ」
マストレ「ほぅ…殊勝な心がけだな財前。構わないかな?ヘレン」
ヘレン「えぇ、構わないわ。誰がいようといつも通りにやるだけよ」
マストレ「君達も来なさい。いい勉強になるだろう」
くるみ「は…はい…」
里美「ヘレンさんは凄いんですよ〜、ダンスもお歌もお上手なんですから〜♪」
時子「…」
マストレ「じゃあ、さっきやった所をもう一度最初から踊ってみてくれ」
ヘレン「えぇ」
ピッ
♪〜♪〜♪
時子「(随分アップテンポな曲ね)」
くるみ「(凄い…あんなに激しく動いてるのに…キレイ…)」
里美「〜♪」
トレ「里美ちゃんリズム全然追いつけないのになんで踊れるの?」
ピッ
マストレ「よし、いいだろう」
ヘレン「…ふぅ、どうだった?80%くらいは行ったかしら?」
マストレ「いや90は行ったさ、言われた部分を殆ど修正するところはさすがだが、細かいミスがあったな」
ヘレン「そうね、じゃあ今回も失敗ね」
くるみ「え…?成功じゃないんですか…?」
ヘレン「何を言っているの?90%の完成度で成功するほどこの業界は甘くないわよ」
くるみ「ふぇ…そうなんですか…?」
ヘレン「それがプロよ。どうだったかしら?目つきの悪いそっちの子は?」
時子「…そうね、さすがプロって訳ね」
里美「ヘレンさん凄いですぅ〜あんなに動いてほとんど息切れてないんですもの〜♪」
時子「(言われてみれば…)」
ヘレン「ありがとう里美。お礼に歌でも歌ってあげるわ」
マストレ「おい…まぁ、いいかプロの実力を見てもらういいチャンスだ」
ヘレン「ありがとう、曲は…何がいいかしら?」
里美「えっとぉ…前に凄い賞もらったって言ってた曲がいいでぇ〜す♪」
ヘレン「あぁ、チャカの『Through The Fire』ね。いいわ歌ってあげる」
マストレ「伴奏無しでいいのか?」
ヘレン「えぇ、あっても私の声の前ではお飾りよ…コホンッ…あーっ、あーっ…」
ヘレン「I look in your eyes and I can see〜♪」
くる・時「「!!!!」」
くるみ「(ふわぁ…この人)」
時子「(上手い…)」
トレ「(さすが本場でレッスン受けただけあるわね…基礎はしっかりしてるし、そもそも体作りからして他のアイドルとは別格だわ…)」
ヘレン「Through the fire To the limit, to the wall♪」
里美「〜♪」
時子「…」
ヘレン「For a chance at loving you♪ I'd take it aaaaaaaaaaaaaall the way〜♪」
くるみ「(うわぁ…)」
トレ「(凄いわ…聞きなれてるはずなのに、鳥肌が立ちそう…)」
ヘレン「Right down to the wire Even through the fire〜♪」
一同「「「「…」」」」
ヘレン「…どうかしら」
里美「ほわぁ…」
くるみ「凄い!!凄いです!!!!…凄すぎてくるみ…くるみぃ…ぐすっ…ぐすっ…」
ヘレン「あらあら、刺激が強すぎたかしら?でそっちの子は肩を抱いてどうしたの…?」
時子「なっ…!!??べっ…別に何とも思わなかったわね!!」
ヘレン「そう、残念だわ。本当は貴女を失神させるくらいのつもりだったのだけど…私もまだまだね」
時子「…」
P「おーい、里美〜いるか〜?」
里美「あ、プロデューサーさ〜ん」
P「おお、いたいた。あ、マストレさんいつもお世話になってます」
マストレ「こんにちわ、今ヘレンの出来をチェックしてたところさ。やはり彼女は凄い。何でオファーが来ないのか不思議で仕方ないよ」
P「すいません…僕の力不足で…」
ヘレン「全くよ。こんな才能を眠らせて置くだなんてこの国のショービズ界はどうなっているの?」
P「(お前のその性格が一番問題のような…)」
P「おぉそうだ、里美そろそろ時間だぞ」
里美「ほわぁ〜そんな時間ですか〜。じゃあ時子さんくるみちゃん行きましょうかぁ〜」
時子「そうね」
くるみ「あの…また来てもいいでしゅか…」
ヘレン「いつも来ることになるのよ。そしてそこの…時子…だったかしら」
時子「なに?」
ヘレン「待ってるわよ」
時子「…ふん」
くるみ「ぷ…ぷろでゅーしゃー…どうしてヘレンさんはあんなに凄いのにおふぁーこないの?」
P「ん?まぁ…色々理由はあるが…日本のアイドル業界に求められる実力とは違うからな…」
くるみ「?」
P「アイドルに実力が必要ないわけじゃない。だけど実力=評価につながらないのさ」
時子「ふん…無様ね」
P「ああ…でもかの有名なマドンナだってわずか数千円の所持金でNYに出て成功したんだ。成功者に無様な姿は付き物さ」
時子「…」
**********************************
〜スタジオ〜
スタッフ「榊原里美さん入りまーっす!!!」
里美「おはようございま〜す♪」
くるみ「ふぇっ…ビックリしたぁ…」
時子「何だか暑苦しいわね…」
P「さて…まずはグラビアの撮影だ」
時子「ふぅん…」
くるみ「おっきな…機械です…」
P「あーその辺のものに触れて迷惑かけんなよー」
里美「じゃー着替えちゃいますね〜♪」
P「おい、里美ここで脱ぎだすな!!あっちで着替えなさい!!」
里美「上着を脱ぐだけですよ〜」
P「いいから!!」
里美「はぁ〜い♪」テッテッテッテッテ…
P「全く…」
時子「…気持ち悪い女ね」
P「ん?」
時子「あの女の事よ。『上着を脱ぐだけですよ〜☆』とか…バカじゃないの」
P「今の里美のモノマネか…?」
時子「…そうよ…察しの悪い木偶の坊ね!!」
P「どっちにしても気持ち悪いは無いだろ」
時子「ふん、これだか男はバカなのよ!!…何?貴方の脳みそは股間にでも付いてるの?」
P「はぁ?」
時子「あんなの演技に決まってるじゃない。あんな純情可憐な天然女なんて、中身は男の事しか考えてないスポンジ頭のメス豚よ」
P「頭の中がスポンジ状になるのって狂牛病じゃね?」
時子「あら、ごめんなさい。家畜の区別って付かなくて」
くるみ「さとみさん…いい人だと…」
時子「あんたもよ」
くるみ「う…うぅ…ぐすっ」
時子「せいぜい泣いてればいいじゃない。やさし〜い男共が優しくしてくれるわよ?」
P「おい、お前な…」
時子「ふん」
くるみ「ぐすっ…ぐすっ…」
時子「…」
P「はぁ…(扱いづらさはヘレンに比肩するのにな…)」
里美「お待たせしました〜」ポヨンッポヨンッ
P「お…おぉ、やっぱり似合ってるなその水着…」
時子「盛りのついた犬ね」
P「ん?」
時子「何でも」
P「そうか。あ、カメラマンが呼んでるぞ。早く行って来い」
里美「はぁ〜い」
時子「ふ〜ん、ああいう体が好きなの?」
P「あぁ…アイツ胸だけじゃなくて結構いい尻してんだよなぁ…」
時子「…で?寝たのアレと」
P「はぁ?」
時子「抱き心地はどうだった?」
くるみ「??…?」
P「子供の前でそういう話はやめろ、それに手なんて出してねぇよ」
時子「へぇ、見た目以上にヘタレなのね。それより大丈夫なの?あの子日常会話も怪しいのに第3者と単独で打ち合わせなんて」
P「アイツだってもう素人じゃないから、心配なんてしないさ」
時子「へぇ…信頼してるのね」
P「まあな」
カメラマン「はいじゃあ行くよ〜、先ずは真ん中に立ってー」
里美「は〜い」
パシャッパシャッパシャッ
時子「…」
くるみ「…」
カメ「よぉし、それじゃあちょっと屈んでみようか…そそっ、いいねいいねぇ〜慣れてきたじゃない」
里美「〜♪」
パシャッパシャッパシャッ
カメ「おっ、いい笑顔もらいましたっと…今度はその椅子に…そうそう」
パシャッパシャッパシャッ
時子「案外サクサク撮るものなのね」
P「必ずしもそうじゃないけどな、今のカメラマンの人は里美と一番付き合いがある人だから、リラックスして撮れるのさ」
時子「ふぅん…」
くるみ「恥ずかしくないんですか…?」
P「ん〜…里美もああ見えてもの凄く人見知りだから初めは苦労したぞ〜。ま、慣れだろうな」
くるみ「そうなんですか…?」
P「ああ、顔は真っ赤になるし動きはギクシャクしてくるし表情は硬いし…最初の宣材は苦労したよ」
くるみ「やっぱり慣れですか…」
P「まぁ、他にも何か本人的にキッカケがあったみたいだけど、詳しくは知らん」
くるみ「…」
カメ「よし、一旦休憩しようかっ」
里美「はぁ〜い」
トテトテトテ…
P「お疲れ」
里美「ふぃ〜やっぱり緊張しますぅ…」
くるみ「あの…」
里美「はい?」
くるみ「怖くないんですか?」
里美「?」
くるみ「知らない人ばっかりのところで、水着になって…ずっと見られてて…」
里美「ん〜…怖いですよぉ?怖いですけど…喜んでくれる人がいますから♪」
くるみ「…」
里美「それにぃ…お胸が大きいからってくるみちゃんはくるみちゃんですよぉ〜?」
くるみ「え…?」
里美「お胸が大きいと転んじゃったり、痴漢にあったり色々ありますけどぉ…くるみちゃんはくるみちゃんで…それも含めて自分じゃないですかぁ」
くるみ「でも…でも…」
里美「う〜ん…」
くるみ「ぐすっ…ぐすっ…」
P「…」
時子「…」
里美「くるみちゃん」
くるみ「ぐす…ふぁい…?」
里美「私…今日お会いしたばかりですけどぉ、くるみちゃんのこと好きですよぉ〜」
くるみ「ふぇ?」
里美「ちっちゃくてふわふわで〜、子犬さんみたいで可愛いですぅ〜♪」ギュッ
くるみ「ふみゅっ!?」
里美「よしよ〜し♪」ギュウッ
くるみ「里美さんっ…苦しいです…うぅ…」
里美「くるみちゃんは私の事嫌いですかぁ〜?」
くるみ「ふぇ!?そんな事無いです!!!…」
里美「じゃあ私の好きなくるみちゃんは好きですかぁ?」
くるみ「え?…ふぇ?」
里美「うふふぅ〜♪」ナデナデ
くるみ「ふぇ…ふぇぇ…」
里美「うふふ…私お手洗いに行ってきますね〜♪」
P「おう、場所わかるよな?」
里美「はぁ〜い♪」
くるみ「…」
P「ふふ…」
時子「何でアンタが満足げなのよ」
P「いや、里美も成長したなぁと思ってな」
P「(巨乳キマシ…これはアイドル業界に一大旋風を巻き起こせるやも…)」
時子「ふぅん…どうでもいいけど前屈みでその顔しないで、気持ち悪いから」
P「」
時子「貴方のもずいぶん大きくなったみたいね。気持ち悪い、近寄らないで頂戴」
P「…」シュン…
P「(その後、もちろん里美は道に迷ってちょっと騒ぎになりました)」
P「ていうかお前、水着でロビーをふらつくな!!!!!」
里美「ふぇ〜…ごめんなさ〜い…」
***********************************
P「次はバラエティーの収録だ」
くるみ「ふわぁ…」
時子「何この頭の悪いセット」
P「アイドルが体を張ってクイズやったりゲームをする深夜番組だ。視聴率もそこそこあるんだぞ?」
時子「下らないわね」
P「世の中下らないものが好きな連中が多いのさ、深夜番組見てる連中は特にな」
くるみ「くるみも…アイドルになったらこれを…?」
P「この番組は深夜だから安心しな」
くるみ「ほっ…」
P「深夜じゃなくてもこういう番組はあるけど」
くるみ「ふぇぇ…」
スタッフ「榊原さん入りまーす!!!!」
里美「こんにちわ〜」
P「お前な…またボタン掛け違えてるぞ…」
里美「ほわぁ?どこですかぁ〜?」
P「腹のところ、へその少し上くらいのボタン」
里美「見えないんですよぉ〜直してください〜」
P「全く…」
時子「…」
くるみ「…」
時子「何アンタ『わかるわ』みたいな顔してんのよ」
くるみ「へぇ!?だって…」
時子「…チッ」
スタッフ「はい!!本番入りまーす!!!!!」
P「おっ、始まるみたいだな」
くるみ「(どきどき…)」
〜♪〜♪
司会「ハイッ!!!今夜も始まりましたーっ!!!今日はねっ、今が旬の若手アイドルさんをお呼びしております!!!!」
助手「刺激的なゆるふわボディで人気上昇中!!榊原里美さんです!!!!」
里美「こんばんわ〜♪」
司会「いやぁ〜初めましてー…なんですけども何だかとってもおっとりしてらして…癒されますねぇ〜」
里美「ありがとうございます〜♪」
助手「スタイルも良くて、女性の私から見てもとっても羨ましいんですけど…何かスタイルを保つ秘訣は何ですか?」
里美「う〜ん…みんなと一緒にダンスしたりぃ…お歌の練習したりぃ…甘いお菓子を食べたりですね〜♪」
芸人A「あぁ〜分かります。僕も同じ事してますもん」
芸人B「お前鏡見てから言えや!!!!」
時子「で?これ何する番組なの?」
P「ん?毎週色んなゲスト呼んで、レギュラーの芸人とクイズで対決する番組だぞ」
時子「ふーん…普通ね」
司会「それではルール説明をお願いします」
助手「はい、それでは皆さんには今から私が出すクイズに答えていただきます」
助手「ただし!!お皿の上に乗っている10粒の小豆を箸で摘んで隣のお皿に移し終わった方のみ回答権があります!!」
司会「里美さん、ちなみに手先の方は?」
里美「ほぇ?ん〜…不器用ですけどぉ頑張ります〜」
助手「それでは第一問!!天ヶ瀬冬馬さん、伊集院北斗さん、御手洗翔太さん、この3人のアイドルグループは?」
司会「チャレンジィ…スタートォ!!!」ピーッ!!
芸人A「……っだぁー!!???」
芸人B「………あぁ…あっ…あああああああ」
里美「よいしょ…よいしょ…」
司会「おっとぉ…里美さんが決して早く無いものの着実に摘んでます」
里美「…はい。終わりましたぁ〜♪」
助手「里美さんお答えをどうぞ!!」
里美「えっとぉ〜…ゆぴてるさん?」
助手「残念ながら…ハズレです!!!!」
芸人B「っしゃあ!!!!…ハイハイハイ!!!!ジュピター!!!!!!!」
助手「正解!!!!!」
芸人B「よしっ!!!」
助手「それでは第2問!!!!豊臣秀吉がたった一晩で建てたというい伝説があるお城は『墨俣の』何城?」
司会「チャレンジィ…スタートォ!!!」ピーッ!!
芸人A「よし…ぃよし……っだあああっ!!!!」
司会「はい、A君うるさいよー」
芸人B「………」
助手「Bさん黙々とこなしてますねぇ…」
里美「よいしょ…よいしょ……」
ツルンッ
ポスッ
里美「ほぇ?」
一同「「「!!!!!!!?????」」」
里美「ほわ…胸元に入ってっちゃいましたぁ〜…」
芸人A・B「「…」」ジーッ
司会「二人とも手ぇ止まってる!!!!手ぇ止まってる!!!!!!」
里美「ふえぇ〜…奥に入っちゃってとれないですぅ〜」ゴソゴソ
助手「里美さんも胸まさぐっちゃダメですよ!!!!!」
時子「何コレ…」
P「…いつもの事だ」
くるみ「…」
時子「なに、これも『わかるわ』なの?」
くるみ「うぇっ!?…あ…うぅ…」
〜収録後〜
『お疲れ様っしたーっ!!!!』
里美「お疲れ様でした〜♪」
P「お疲れ。みんなバカ受けだったぞ」
里美「えへへぇ〜♪」
くるみ「何だか…楽しそうでした」
里美「楽しいですよぉ〜、くるみちゃんもすぐ出れますよぉ〜♪」
くるみ「ふぇ…でも、さっきの足場が揺れるのは…怖いですぅ…」
里美「足元見えませんもんねぇ〜」
くるみ「うぅ…ごめんなさい…」
「ちょっと!!どこ見て歩いてるのよ!!!!」
里美「?」
くるみ「ふぇ…!?」
P「うお…待てよ、おい…」
時子「どこ見て歩いてるのかって聞いてるの!!」
スタッフ「すいません!!すいません!!!」
時子「すいませんじゃないわよ!!!私は仮にもアイドルよ!!!怪我したらどうするの!!??」
スタッフ「すいません!!気をつけます!!」
時子「土下座」
スタッフ「え…?」
時子「土下座なさい。謝りたいんでしょう?だったら誠意を見せなさいな」
スタッフ「え…いや…」
時子「どうしたの?できないの?」
スタッフ「……」
P「ストップ!!!!ストップ!!!!!!なになに!!どうしたの!!!???」
時子「この男が私にぶつかって来たのよ。肩に大荷物担ぎながらね」
スタッフ「すいません…僕の不注意で…」
時子「だから…!!」
P「ああーっ!!!待った待った!!!いいからいいから!!……時子お前なぁ…」
時子「何?貴方がコレの代わりに土下座してくれるの?それなら必要ないわ。必ずコレにやらせるもの」
P「っ…おまっ!!!!!」
里美「ほわあぁぁぁ〜!!??」
P「ストップ!!!!ストップ!!!!!!なになに!!どうしたの!!!???」
時子「この男が私にぶつかって来たのよ。肩に大荷物担ぎながらね」
スタッフ「すいません…僕の不注意で…」
時子「だから…!!」
P「ああーっ!!!待った待った!!!いいからいいから!!……時子お前なぁ…」
時子「何?貴方がコレの代わりに土下座してくれるの?それなら必要ないわ。必ずコレにやらせるもの」
P「っ…おまっ!!!!!」
里美「ほわあぁぁぁ〜!!??」
ドテーンッ!
時子「!?」
P「おい!!里美!!??」
里美「痛ぁ…転んじゃいましたぁ〜…」
時子「貴女なにを…」
スタッフ「あの…えっと…」
里美「よいしょ…えぇとぉ…あのぉ…」
スタッフ「?」
里美「ごめんなさい」
P・時「「!?」」
スタッフ「え…?」
里美「うちの時子さんがお騒がせしました」
時子「ちょっと貴女…」
里美「静かにしてもらえますか」
時子「なっ…!?」
里美「お仕事のお邪魔してしまいました。だからごめんなさい」
時子「何で貴女が出しゃばるのよ!!私は…!!」
里美「時子さん」
時子「何よ」
里美「今日何人に挨拶しましたか?」
時子「はぁ?」
里美「今日一日時子さんとご一緒しました。でも、時子さんが自分からご挨拶するところ…殆ど見てないです」
時子「何が言いたいのよ」
里美「時子さん。アイドル業界の主役って誰ですか?」
時子「はぁ?…意味が分からないんだけど…」
里美「アイドルはみんなから愛されてみんなの憧れになれる存在です。でもアイドルは一人ではなれません」
里美「プロデューサー、作詞家さん、作曲家さん、振付師さん、セットを組んでくれる大道具さんにライトアップしてくれる照明さん」
里美「ディレクターさん、カメラマンさん、衣装さん、メイクさん…そして私達のファンや私達を嫌いな人達…」
里美「そういった人達がいるから私達は活動できるんです」
時子「…所詮はアイドルの為にいるような人達じゃない」
里美「違います。この人達がいなければ私達が存在できない以上、この人達は私達の一部です」
里美「私達アイドルはこの人達の上に立ってるんじゃありません。前に立ってるんです」
時子「…意味がわからないわ」
里美「…そうですか」
スタッフ「あの…里美さん…ありがとうございます。でも、やっぱり僕が悪いんで…どうせ下っ端ですし、土下座しますよ…」
里美「いいんです。お仕事に戻られて下さい。それと…今後ともよろしくお願いします」
スタッフ「…………すいません!!ありがとうございます!!!!」
時子「っ……ふんっ!!」
P「おい!?時子どこ行くんだ!!!!」
時子「帰るのよ」
P「おい!!待てって…おい!!!…はぁぁ…」
くるみ「うぅぅ…えっと…えっとぉ…ふぇぇ…」
里美「…」
くるみ「里美さん…?」
里美「ほぇ〜…大丈夫ですよぉ〜怖い思いさせてごめんなさいねぇ〜」ナデナデ
くるみ「ふぇ……」
P「くるみ、悪いけど飲み物買ってきてくれないか?」
くるみ「ほぇ…?」
P「自販機がここ出て左にまっすぐ行ったところにあるから…ミルクティーと何か適当なやつ、あとお前の分もな」チャリン
くるみ「は…はいぃ…」
トッテッテッテ…ハウッ!?…イタタ…グスン……
P「大丈夫かな…」
里美「大丈夫ですよぉ〜きっと♪」
P「お前は?」
里美「…ほぇ?」
P「もう気を張る必要ないぞ」
里美「……えへへ…」
P「くるみはあの性格だからジュース買うのに時間かかるだろうからさ…それまではいいんだぞ?」
里美「……………プロデューサーさん」
P「ん?」
里美「手……握ってていいですか…?」
P「…いいぞ」
ギュ…
P「…」
里美「…ごめんなさい」
P「謝るな」
里美「…」コクン…
**********************************
P「(時子のヤツ…結局自分も道がわかんねぇんじゃねぇか…)」
P「(帰りの車内があの空気じゃ俺のモチネタ、アイドル業界のスベらない話もできる訳ねぇよ…)」
P「(時子の次の出勤は明後日か…来るかなぁ)」
くるみ「それじゃ…えっと…お疲れ様でした…」ペコリ
時子「…お先に」
P「おー、お疲れー出勤日間違えんなよー」
里美「お疲れさまですぅ〜」
ガチャ
バタン
P「…」
〜ロッカールーム〜
くるみ「…」
時子「…」
くるみ「…時子…さん」
時子「何よ。貴女も私に説教?」
くるみ「ひぅ…」
時子「…ふん」
くるみ「時子さんは…その…えっと…何でそんなに…強いんですか?」
時子「は?」
くるみ「どうしてそんなに…色んな人と…戦えるんですか…?」
時子「偉そうって意味?」
くるみ「いやっ…そのっ、そういう意味じゃ…」
時子「…気に入らないからよ」
くるみ「ふぇ?」
時子「弱者は強者に食われるためにあるのだから、弱者でなんていられないわ」
時子「私が私でいるために私の前にいる連中が邪魔なのよ」
くるみ「そう…ですか…」
時子「だから、アンタみたいな弱い癖にちやほやされるヤツが嫌いなの。ただ胸がデカイだけなのに」
くるみ「うぅ…」
時子「お分かり?」
くるみ「………」
くるみ「くるみ…強くなりたいです…」
時子「は…?」
くるみ「くるみ…胸が大きいくらいしか特徴の無いおバカですけど…ぷろでゅーしゃーに…言われたんです」
くるみ「くるみも輝けるって…アイドルとして…輝けるって……」
くるみ「もし…輝くために…強くならなきゃ…いけないなら…強くなりたいんです…」
時子「…で?」
くるみ「くるみ…くるみ…負けたくないです……自分にも…時子さんにも…」
時子「…」
くるみ「…」
時子「……………ハンッ!!」
くるみ「!!」
時子「フフッ…フフフッ…アーッハッハッハッハ!!!!!」
くるみ「…」
時子「まさかこんなおバカなお乳ちゃんから宣戦布告されるなんてね…フフッ…上等だわ」
くるみ「…」カタカタカタ…
時子「いいわ、その挑戦受けてあげる。どっちがアイドルとして上へ行けるか…勝負よ」
くるみ「…はい」
時子「せいぜいお胸を揺らして精進しなさい。……あーあ…今日は疲れたわ」
ガチャッ
バタンッ
くるみ「………」
くるみ「(泣かないもん…泣かないもん…)」
くるみ「(泣いたら…泣いたら…)」
ガチャッ
くるみ「!!!??」
時子「あら、まだ泣いてなかったの。意外だったわ」
くるみ「…」
時子「ちょうどいいわ、帰るわよ。どうせ駅まで一緒でしょ」
くるみ「…はぇ?」
時子「外はもう暗いんだから、そんな乳ぶら下げてちゃ危ないでしょ。つべこべ言わずに早くしなさい」
くるみ「ふぇ…」
時子「?」
くるみ「ふぇええええええ…時子さあああ…ん」ボロボロ
時子「ちょっ…あなたねぇ…」
くるみ「ごめんなさぁい…ごめんなさぁい……」ポロポロ
時子「全く…ほら、これで涙拭きなさい。ついでにそれあげるから」
くるみ「うぇ……うわああああああん、ありがとうございますぅ〜…大事にしますぅ…」ボロボロ
時子「はぁ…これがライバルかぁ…」
**********************************
〜事務所〜
P「…今、またくるみの泣いてる声が聞こえた気が……」
里美「ほぇ?…そうですか…?」スリスリ…
P「いや、気のせいかな…」
里美「ふふふ…変なプロデューサーさん♪」スリスリ…
P「ところで里美」
里美「はい〜?」スリスリ…
P「いい加減人の胸に顔スリスリするのやめてくれませんかね?」
里美「いやですぅ〜♪」スリスリスリスリスリ
P「あー…その…あれだ、化粧が〜だな」
里美「嫌ですぅ」
P「いててて…安いソファーだから尻が痛いぜ…」
里美「知りませ〜ん」
P「その…誰かに見られると」
里美「いいですぅ」
P「よく無いだろう…それに…ほら、男と女がこんな人気の無い事務所でだな…」
里美「…」
P「…」
里美「……プロデューサーさん…エッチです…」
P「さっきからベッタリのお前に言われたくない」
里美「………」
P「はぁ…お前の考えてる事くらい分かるぞ」
P「今日は仕事したり怒ったりいっぱい頑張ったから甘えてもいいでしょ!!…違うか?」
里美「………」
P「……里美。お菓子食うか?」
里美「食べますぅ!!」
P「犬より分かり易いなお前…」
里美「おっかし♪おっかし♪」
P「じゃあ…ほ〜ら、ホワイトチョコだぞう」
里美「あ〜ん♪」
P「………ホレ」
里美「ぱくん…………〜♪」
P「そんな顔されたらソイツもチョコ冥利に尽きるだろうな…ホレもう一個」
里美「あ〜ん………はむっ」
P「…?」
里美「んー…」
P「よし、説明してくれ。チョコを口に含まず唇からちょっと出した状態で俺に何を望んでいるんだ?」
里美「んー…んー!!!!」
P「………せいっ」ズビシッ
里美「あむぅっ!!……んー…」
P「不満そうな顔してんじゃ…っておい…人の指まで食うな」
里美「…モゴモゴ」
P「人の指をしゃぶるな!!!えぇい離せ!!!離せ!!!!」
里美「んーっ…んーっ!!」
チュポンッ
P「まったく…」
里美「……プロデューサーさん意地悪ですぅ…」
P「お前が言うか」
里美「…」プクゥー
P「おーおー、フグがおるぞフグがおるぞー」
里美「ーッ!!!」ポカポカポカ
P「はっはっは〜痛い痛い」
里美「…」
P「…」
里美「…」ギュッ
P「…」
P「……里美…」
里美「…何ですか?」
P「ありがとな…今日の事」
里美「別に…そんな…」
P「『みんなの上に立っているんじゃない。みんなの前に立っているんだ』か……覚えてたんだな」
里美「プロデューサーさんに初めて教わった事ですから…」
P「そっか…ありがとな」
里美「いえ…」
P「……そういや、くるみの事見てると里美がデビューしたての頃を思い出してな…ついつい構いたくなるんだ」
里美「そんなに泣き虫じゃないですよぉ〜…」
P「そうだな。むしろ時子くらい警戒されてたような気も…」
里美「そんな事ないですぅ〜…初めて会った時から………その…」
P「…どした?」
里美「…………」
P「…」
里美「…プロデューサーさん」
P「どした?」
里美「私…世間知らずで…どんくさくて…いっつもご迷惑かけてます…けどぉ」
里美「今…とっても嬉しいですぅ…お兄様を探してたら、幸せを見つけちゃったみたいで…」
P「………そっか」
里美「だから…その………………………えいっ!!」
ボフンッ
P「おわ!?」
里美「……」フー…フー…
P「………まさか里美に押し倒される日が来るとはな…」
里美「ほわぁ………と…あの…」
里美「今日はいっぱい甘えるって…決めたんです………」
P「やれやれ…里美のお兄さんの精神力は超合金だな…こんな可愛い妹に甘えられたら…」
里美「しませんよぉ…?」
P「え?」
里美「……お兄様には…こんな事……しません…」
里美「プロデューサーさんだから…です…」
P「」
P「…里美」
里美「プロデューサーさん…」
ガチャ
ちひろ「あら、プロデューサーまだいらっ…しゃ…」
P・里美「「!!!???」」
ちひろ「えっとぉ…」
P「ちひろさん!!!???待ってくれこれは!!!!!」
ちひろ「…」
P「待ってぇ!!!死んだ口座を見るような目で俺を見ないでぇ!!!!!!!」
里美「あの…えっとぉ…」
ちひろ「プロデューサー…」
P「…はい」
ちひろ「首を切られるか、私に1000万寄こすか、全裸で土下座…選んでくださいますか?☆」
P「………………土下座させて頂きます」
P「(その後俺は、一生残る心の傷を負わされた…)」
P「(ちひろさんのまるで腐った豚の肛門を見るような目と、里美の真っ赤な顔とその奥で爛々と輝く目は…)」
P「(死ぬまで忘れる事は無いだろう…)」
**********************************
〜数日後〜
ワイワイガヤガヤ…
P「みんなー集まったかー?今後の活動について発表するぞー」
P「まず…泰葉。しばらく年少組のコーチをしてくれるか」
泰葉「私がですか…?」
P「あぁ、子役時代からこの業界にいる泰葉なら適任だと思ってな」
泰葉「…わかりました…やってみます」
P「次ー早苗さ〜ん。着エロのオファーきてまーす」
早苗「…」ニッコリ
P「…後で屋上で待たせていただきまーす(震え声)」
P「次ー…ユニットを組んでもらう人たちが何人かいまーす。まず聖來ー、伊吹ー」
聖來「はい」
伊吹「はーい」
P「二人にはダンスを主軸にしたユニットを組んでもらいます。詳細は後で伝えます」
聖來「よろしくね、伊吹ちゃん」
伊吹「よろしくお願いします☆」
P「次はぁ…くるみ!!」
くるみ「ほぇ!!??…は、はい…」
P「くるみは里美と組んでもらう
くるみ「ふぇ!!???」
P「緊張するな、里美がちゃんと面倒みてやる。里美よろしく頼むぞ」
里美「はぁ〜い♪くるみちゃん〜よろしくお願いしますねぇ〜」
くるみ「里美さん!!…えっとぉ…そのぉ…」
里美「ん〜?」
くるみ「よっ…よろしくお願いしましゅ!!!!」
里美「はぁ〜い、お願いされましたぁ〜♪」
P「(いい…実にいい)」
ちひろ「…」
P「はっ!!!!????………つ…次ぃ…時子ぉ〜」
時子「何よ人の名前呼ぶ位満足にできないの?何年生?何組さんなの?」
P「うるせ!!…えぇと…時子もしばらくユニットです」
時子「何ですって?私が…?ハンッ!!笑わせないで。私は一人で十分よ、相方なんて足手まといだわ」
P「は〜い、メンバー発表しまーす」
時子「ちょっと、人の話を…」
P「時子と一緒に活動してもらうメンバーは…早苗さん、ヘレンのお二人で〜す」
時子「なっ!!!???」
ヘレン「お手柔らかにね?」ニッコリ
早苗「あら、よろしくね…お嬢ちゃん☆」ニンマリ
時子「待ちなさい!!!いくら何でも!!!!!」
P「それが嫌ならきらりの付き人でぇ〜す」
きらり「うっきゃー☆ときちゃんもぉーきらりとハピハピ☆するぅー?」
時子「…わかったわ」
くるみ「時子さん…頑張ってください!」
時子「…」ギロッ
くるみ「ひぅ!?」
時子「えぇ…アンタも精々頑張んなさいよ」
くるみ「………はい!!」
里美「うふふ♪」
おしまぁい
P「違うわ!!」
里美「ほわぁ〜時子さんもお兄様を探してるんですかぁ?」
P「お前もややこしくすんな!!!!」
時子「やれやれ…とんだお笑い事務所にスカウトされたものね…」
くるみ「あ…あの…今日お呼ばれしたのわ…」
P「ん?あぁ悪い悪い。今日はな、ここにいる里美の仕事っぷりを見学させようと思ってな」
時子「は?この子の」
P「この子のです!!…全く…どんだけ偉そうなんだよ」
くるみ「あの…よろしくお願いしましゅ…」
里美「はぁ〜い、よろしくおねがいま〜す♪」
P「今日の予定は…昼過ぎまで予定無しか…」
里美「じゃあ〜事務所とかレッスン場とか案内しちゃいますねぇ〜」
P「おお、そうだな。よろしく頼むぞ!!里美」
里美「はい〜♪えっとぉ〜それじゃあ〜…ここが事務所ですぅ!!」
くる・時・P「「「…」」」
P「後はよろしく頼むぞ、くるみ」
くるみ「ふぇ…!!?」
里美「お菓子はここですよぉ〜♪」
**********************************
里美「まずはぁ〜…ここがロッカールームですぅ〜」
時子「ふぅん…狭いわね」
里美「みなさんの荷物の他に衣装も保管してるのでぇ」
くるみ「うあぁ…カワイイ衣装ですねぇ…」
里美「それですかぁ〜?法子ちゃんがバレンタインの時着てた衣装ですねぇ〜」
時子「こっちは何これ…?」
里美「あぁ〜雫ちゃんのメイン衣装ですねぇ〜」
時子「へぇ〜…あの牧草娘にピッタリの衣装じゃない」
里美「そうなんですよぉ〜、すっごく似合うんですよ〜♪」
里美「あぁ、お二人とも着てみますぅ?」
時子「嫌よ。私まで家畜臭くなるわ」
くるみ「多分胸が入らないですぅ…」
里美「まあまあそう言わずにぃ〜♪」
時子「ちょっと!!??何っ!?力強っ!!!??」
〜数分後〜
時子「…」
里美「…ちょっとイメージと違いますねぇ…」
時子「当たり前よ!!!…こんな家畜みたいな衣装…胸もブカブカだし…」
くるみ「ふぇっ…胸が収まらないぃ…」
里美「う〜ん…じゃあコッチはどうですかぁ?」
〜さらに数分後〜
時子「ふむ…これはいいわね」
里美「うわぁ〜♪やっぱり似合いますぅ〜、瞳子さんの衣装〜」
時子「何かこう…支配者っぽくていいわね…ふふふ…ひれ伏しなさい!!」
くるみ「あの〜…」
里美「ほぇ?ああー♪ぴったりじゃないですかぁ〜早苗さんの水着ぃ〜♪」
くるみ「ふぇ…はい…」
時子「下品な上に古臭い水着ねぇ、バブルで脳内止まってるの?あのプロデューサー?」
里美「でもこれ…確か早苗さんの私物ですよぉ〜?」
時子「ふぅん…どんなババァか知らないけど、お目にかかってみたいわね」
早苗「誰 が バ バ ァ だ っ て ?」
時子「…え?」
里美「あっ、早苗さ〜んおはようございま〜すぅ♪」
早苗「里美ちゃん、おはよう。…おう、新入り。先輩をババァ呼ばわりとはいい度胸じゃないの…えぇ?」
時子「あら失礼、こんな小さいお嬢さんがババァなんて…言い過ぎました」
くるみ「あ…あの…」
早苗「ほぉ〜…活きがいいねぇ〜嬢ちゃん…ちょっとお姉さんと屋上行こうっか☆」グイッ!ヒョイッ
時子「なっ…ちょ!!!!!!!?????」
早苗「あら、アンタ意外に重いわね?絶対P君に申告した体重サバ読んでるでしょう?」
時子「そっ…そんな事は…!!!おっ…下ろしなさい!!!!!!!」
里美「あっ、早苗さ〜ん待ってくださ〜い」
くるみ「え…!?くるみ、着替えが…ふぇっ、紐がぁ…」
****************************
〜レッスン場〜
時子「さっきは酷い目にあったわ…」
くるみ「アイドルって恐いですぅ…ぐすっ…」
里美「私は見慣れちゃいましたよぉ?」
時子「あれがアイドル事務所の日常だというの…?」
里美「いつもは拓海さんとかぁ〜プロデューサーさんがされますけどぉ…早苗さんなりの親愛の証ですよ〜♪」
時子「あの女…絶対跪かせてやるんだから…」
くるみ「水着…褒められました…そんなに悪い人じゃ…ない…と…」
時子「なに?」ギロッ
くるみ「……何でも無いですぅ…」
里美「さぁ〜ここがレッスン場ですぅ〜」
トレーナー「あら、里美ちゃん。今日レッスンだったっけ?」
里美「トレーナーさん、おはようございます〜」
トレ「おはようございます。そっちの二人は確か新人の…」
時子「財前時子よ」
くるみ「大沼…くるみです」
トレ「あぁ、そうだったわね。ところで今日はどうしたの?」
里美「今日はぁ、この二人が私のお仕事を見学するんですけど、お仕事の時間まで色々案内してるんですぅ」
トレ「へぇーそうなの。二人もせっかくだし何かやってく?」
時子「嫌よ」
トレ「え?」
時子「貴女いくつか知らないけど私とさして変わらないわよね?こんな小さなスタジオの若手なんかに指導されたくないわ」
トレ「…」
時子「私は世界中の無能な豚どもをひれ伏せるためにアイドルになるの、貴女本当に私に指導できるの?」
トレ「あのね財前さん…」
???「待って」
里美「ほぇ?」
ヘレン「聞き捨てならないわね。この私を差し置いて世界?片腹痛いとはこの事ね」
時子「貴女誰?年増はお呼びで無いのだけれど」
ヘレン「あらあら私を知らないのね、可哀想に…」
時子「可哀想なのは自分の分際と身長を知らない貴女よ」
ヘレン「…」←158cm
時子「…」←168cm
くるみ「あ…あの…」
ヘレ・時「「何かしら?」」ゴゴゴゴゴゴ…
くるみ「ひぅっ…ごめんなさいごめんなさい…」
里美「よ〜しよ〜し、恐くないですよぉ〜」
ヘレン「ふん、まぁいいわ。誰でも新人の時は無知なもの…許してあげるわ、ナイ乳」
時子「ありがとうございます。垂れ乳」
トレ「はいはいはい!!そこまで!!!!もうヘレンさん!!貴女はマストレ姉さんのレッスンの途中でしょ!!」
ヘレン「ごめんなさい。休憩中に通りかかったらあまりにも哀れで見てられなくて」
時子「ふん」
マストレ「あぁ、いたいた。ダメじゃないかヘレン、レッスンの続きをするぞ…ん?君たちは確か…」
ヘレン「ごめんなさい。新人の顔を見たかったからすぐ戻るわ」
時子「待ちなさい」
ヘレン「…何かしら?」
時子「せっかくの世界レベルな先輩のレッスンだもの見学させていただくわ」
マストレ「ほぅ…殊勝な心がけだな財前。構わないかな?ヘレン」
ヘレン「えぇ、構わないわ。誰がいようといつも通りにやるだけよ」
マストレ「君達も来なさい。いい勉強になるだろう」
くるみ「は…はい…」
里美「ヘレンさんは凄いんですよ〜、ダンスもお歌もお上手なんですから〜♪」
時子「…」
マストレ「じゃあ、さっきやった所をもう一度最初から踊ってみてくれ」
ヘレン「えぇ」
ピッ
♪〜♪〜♪
時子「(随分アップテンポな曲ね)」
くるみ「(凄い…あんなに激しく動いてるのに…キレイ…)」
里美「〜♪」
トレ「里美ちゃんリズム全然追いつけないのになんで踊れるの?」
ピッ
マストレ「よし、いいだろう」
ヘレン「…ふぅ、どうだった?80%くらいは行ったかしら?」
マストレ「いや90は行ったさ、言われた部分を殆ど修正するところはさすがだが、細かいミスがあったな」
ヘレン「そうね、じゃあ今回も失敗ね」
くるみ「え…?成功じゃないんですか…?」
ヘレン「何を言っているの?90%の完成度で成功するほどこの業界は甘くないわよ」
くるみ「ふぇ…そうなんですか…?」
ヘレン「それがプロよ。どうだったかしら?目つきの悪いそっちの子は?」
時子「…そうね、さすがプロって訳ね」
里美「ヘレンさん凄いですぅ〜あんなに動いてほとんど息切れてないんですもの〜♪」
時子「(言われてみれば…)」
ヘレン「ありがとう里美。お礼に歌でも歌ってあげるわ」
マストレ「おい…まぁ、いいかプロの実力を見てもらういいチャンスだ」
ヘレン「ありがとう、曲は…何がいいかしら?」
里美「えっとぉ…前に凄い賞もらったって言ってた曲がいいでぇ〜す♪」
ヘレン「あぁ、チャカの『Through The Fire』ね。いいわ歌ってあげる」
マストレ「伴奏無しでいいのか?」
ヘレン「えぇ、あっても私の声の前ではお飾りよ…コホンッ…あーっ、あーっ…」
ヘレン「I look in your eyes and I can see〜♪」
くる・時「「!!!!」」
くるみ「(ふわぁ…この人)」
時子「(上手い…)」
トレ「(さすが本場でレッスン受けただけあるわね…基礎はしっかりしてるし、そもそも体作りからして他のアイドルとは別格だわ…)」
ヘレン「Through the fire To the limit, to the wall♪」
里美「〜♪」
時子「…」
ヘレン「For a chance at loving you♪ I'd take it aaaaaaaaaaaaaall the way〜♪」
くるみ「(うわぁ…)」
トレ「(凄いわ…聞きなれてるはずなのに、鳥肌が立ちそう…)」
ヘレン「Right down to the wire Even through the fire〜♪」
一同「「「「…」」」」
ヘレン「…どうかしら」
里美「ほわぁ…」
くるみ「凄い!!凄いです!!!!…凄すぎてくるみ…くるみぃ…ぐすっ…ぐすっ…」
ヘレン「あらあら、刺激が強すぎたかしら?でそっちの子は肩を抱いてどうしたの…?」
時子「なっ…!!??べっ…別に何とも思わなかったわね!!」
ヘレン「そう、残念だわ。本当は貴女を失神させるくらいのつもりだったのだけど…私もまだまだね」
時子「…」
P「おーい、里美〜いるか〜?」
里美「あ、プロデューサーさ〜ん」
P「おお、いたいた。あ、マストレさんいつもお世話になってます」
マストレ「こんにちわ、今ヘレンの出来をチェックしてたところさ。やはり彼女は凄い。何でオファーが来ないのか不思議で仕方ないよ」
P「すいません…僕の力不足で…」
ヘレン「全くよ。こんな才能を眠らせて置くだなんてこの国のショービズ界はどうなっているの?」
P「(お前のその性格が一番問題のような…)」
P「おぉそうだ、里美そろそろ時間だぞ」
里美「ほわぁ〜そんな時間ですか〜。じゃあ時子さんくるみちゃん行きましょうかぁ〜」
時子「そうね」
くるみ「あの…また来てもいいでしゅか…」
ヘレン「いつも来ることになるのよ。そしてそこの…時子…だったかしら」
時子「なに?」
ヘレン「待ってるわよ」
時子「…ふん」
くるみ「ぷ…ぷろでゅーしゃー…どうしてヘレンさんはあんなに凄いのにおふぁーこないの?」
P「ん?まぁ…色々理由はあるが…日本のアイドル業界に求められる実力とは違うからな…」
くるみ「?」
P「アイドルに実力が必要ないわけじゃない。だけど実力=評価につながらないのさ」
時子「ふん…無様ね」
P「ああ…でもかの有名なマドンナだってわずか数千円の所持金でNYに出て成功したんだ。成功者に無様な姿は付き物さ」
時子「…」
**********************************
〜スタジオ〜
スタッフ「榊原里美さん入りまーっす!!!」
里美「おはようございま〜す♪」
くるみ「ふぇっ…ビックリしたぁ…」
時子「何だか暑苦しいわね…」
P「さて…まずはグラビアの撮影だ」
時子「ふぅん…」
くるみ「おっきな…機械です…」
P「あーその辺のものに触れて迷惑かけんなよー」
里美「じゃー着替えちゃいますね〜♪」
P「おい、里美ここで脱ぎだすな!!あっちで着替えなさい!!」
里美「上着を脱ぐだけですよ〜」
P「いいから!!」
里美「はぁ〜い♪」テッテッテッテッテ…
P「全く…」
時子「…気持ち悪い女ね」
P「ん?」
時子「あの女の事よ。『上着を脱ぐだけですよ〜☆』とか…バカじゃないの」
P「今の里美のモノマネか…?」
時子「…そうよ…察しの悪い木偶の坊ね!!」
P「どっちにしても気持ち悪いは無いだろ」
時子「ふん、これだか男はバカなのよ!!…何?貴方の脳みそは股間にでも付いてるの?」
P「はぁ?」
時子「あんなの演技に決まってるじゃない。あんな純情可憐な天然女なんて、中身は男の事しか考えてないスポンジ頭のメス豚よ」
P「頭の中がスポンジ状になるのって狂牛病じゃね?」
時子「あら、ごめんなさい。家畜の区別って付かなくて」
くるみ「さとみさん…いい人だと…」
時子「あんたもよ」
くるみ「う…うぅ…ぐすっ」
時子「せいぜい泣いてればいいじゃない。やさし〜い男共が優しくしてくれるわよ?」
P「おい、お前な…」
時子「ふん」
くるみ「ぐすっ…ぐすっ…」
時子「…」
P「はぁ…(扱いづらさはヘレンに比肩するのにな…)」
里美「お待たせしました〜」ポヨンッポヨンッ
P「お…おぉ、やっぱり似合ってるなその水着…」
時子「盛りのついた犬ね」
P「ん?」
時子「何でも」
P「そうか。あ、カメラマンが呼んでるぞ。早く行って来い」
里美「はぁ〜い」
時子「ふ〜ん、ああいう体が好きなの?」
P「あぁ…アイツ胸だけじゃなくて結構いい尻してんだよなぁ…」
時子「…で?寝たのアレと」
P「はぁ?」
時子「抱き心地はどうだった?」
くるみ「??…?」
P「子供の前でそういう話はやめろ、それに手なんて出してねぇよ」
時子「へぇ、見た目以上にヘタレなのね。それより大丈夫なの?あの子日常会話も怪しいのに第3者と単独で打ち合わせなんて」
P「アイツだってもう素人じゃないから、心配なんてしないさ」
時子「へぇ…信頼してるのね」
P「まあな」
カメラマン「はいじゃあ行くよ〜、先ずは真ん中に立ってー」
里美「は〜い」
パシャッパシャッパシャッ
時子「…」
くるみ「…」
カメ「よぉし、それじゃあちょっと屈んでみようか…そそっ、いいねいいねぇ〜慣れてきたじゃない」
里美「〜♪」
パシャッパシャッパシャッ
カメ「おっ、いい笑顔もらいましたっと…今度はその椅子に…そうそう」
パシャッパシャッパシャッ
時子「案外サクサク撮るものなのね」
P「必ずしもそうじゃないけどな、今のカメラマンの人は里美と一番付き合いがある人だから、リラックスして撮れるのさ」
時子「ふぅん…」
くるみ「恥ずかしくないんですか…?」
P「ん〜…里美もああ見えてもの凄く人見知りだから初めは苦労したぞ〜。ま、慣れだろうな」
くるみ「そうなんですか…?」
P「ああ、顔は真っ赤になるし動きはギクシャクしてくるし表情は硬いし…最初の宣材は苦労したよ」
くるみ「やっぱり慣れですか…」
P「まぁ、他にも何か本人的にキッカケがあったみたいだけど、詳しくは知らん」
くるみ「…」
カメ「よし、一旦休憩しようかっ」
里美「はぁ〜い」
トテトテトテ…
P「お疲れ」
里美「ふぃ〜やっぱり緊張しますぅ…」
くるみ「あの…」
里美「はい?」
くるみ「怖くないんですか?」
里美「?」
くるみ「知らない人ばっかりのところで、水着になって…ずっと見られてて…」
里美「ん〜…怖いですよぉ?怖いですけど…喜んでくれる人がいますから♪」
くるみ「…」
里美「それにぃ…お胸が大きいからってくるみちゃんはくるみちゃんですよぉ〜?」
くるみ「え…?」
里美「お胸が大きいと転んじゃったり、痴漢にあったり色々ありますけどぉ…くるみちゃんはくるみちゃんで…それも含めて自分じゃないですかぁ」
くるみ「でも…でも…」
里美「う〜ん…」
くるみ「ぐすっ…ぐすっ…」
P「…」
時子「…」
里美「くるみちゃん」
くるみ「ぐす…ふぁい…?」
里美「私…今日お会いしたばかりですけどぉ、くるみちゃんのこと好きですよぉ〜」
くるみ「ふぇ?」
里美「ちっちゃくてふわふわで〜、子犬さんみたいで可愛いですぅ〜♪」ギュッ
くるみ「ふみゅっ!?」
里美「よしよ〜し♪」ギュウッ
くるみ「里美さんっ…苦しいです…うぅ…」
里美「くるみちゃんは私の事嫌いですかぁ〜?」
くるみ「ふぇ!?そんな事無いです!!!…」
里美「じゃあ私の好きなくるみちゃんは好きですかぁ?」
くるみ「え?…ふぇ?」
里美「うふふぅ〜♪」ナデナデ
くるみ「ふぇ…ふぇぇ…」
里美「うふふ…私お手洗いに行ってきますね〜♪」
P「おう、場所わかるよな?」
里美「はぁ〜い♪」
くるみ「…」
P「ふふ…」
時子「何でアンタが満足げなのよ」
P「いや、里美も成長したなぁと思ってな」
P「(巨乳キマシ…これはアイドル業界に一大旋風を巻き起こせるやも…)」
時子「ふぅん…どうでもいいけど前屈みでその顔しないで、気持ち悪いから」
P「」
時子「貴方のもずいぶん大きくなったみたいね。気持ち悪い、近寄らないで頂戴」
P「…」シュン…
P「(その後、もちろん里美は道に迷ってちょっと騒ぎになりました)」
P「ていうかお前、水着でロビーをふらつくな!!!!!」
里美「ふぇ〜…ごめんなさ〜い…」
***********************************
P「次はバラエティーの収録だ」
くるみ「ふわぁ…」
時子「何この頭の悪いセット」
P「アイドルが体を張ってクイズやったりゲームをする深夜番組だ。視聴率もそこそこあるんだぞ?」
時子「下らないわね」
P「世の中下らないものが好きな連中が多いのさ、深夜番組見てる連中は特にな」
くるみ「くるみも…アイドルになったらこれを…?」
P「この番組は深夜だから安心しな」
くるみ「ほっ…」
P「深夜じゃなくてもこういう番組はあるけど」
くるみ「ふぇぇ…」
スタッフ「榊原さん入りまーす!!!!」
里美「こんにちわ〜」
P「お前な…またボタン掛け違えてるぞ…」
里美「ほわぁ?どこですかぁ〜?」
P「腹のところ、へその少し上くらいのボタン」
里美「見えないんですよぉ〜直してください〜」
P「全く…」
時子「…」
くるみ「…」
時子「何アンタ『わかるわ』みたいな顔してんのよ」
くるみ「へぇ!?だって…」
時子「…チッ」
スタッフ「はい!!本番入りまーす!!!!!」
P「おっ、始まるみたいだな」
くるみ「(どきどき…)」
〜♪〜♪
司会「ハイッ!!!今夜も始まりましたーっ!!!今日はねっ、今が旬の若手アイドルさんをお呼びしております!!!!」
助手「刺激的なゆるふわボディで人気上昇中!!榊原里美さんです!!!!」
里美「こんばんわ〜♪」
司会「いやぁ〜初めましてー…なんですけども何だかとってもおっとりしてらして…癒されますねぇ〜」
里美「ありがとうございます〜♪」
助手「スタイルも良くて、女性の私から見てもとっても羨ましいんですけど…何かスタイルを保つ秘訣は何ですか?」
里美「う〜ん…みんなと一緒にダンスしたりぃ…お歌の練習したりぃ…甘いお菓子を食べたりですね〜♪」
芸人A「あぁ〜分かります。僕も同じ事してますもん」
芸人B「お前鏡見てから言えや!!!!」
時子「で?これ何する番組なの?」
P「ん?毎週色んなゲスト呼んで、レギュラーの芸人とクイズで対決する番組だぞ」
時子「ふーん…普通ね」
司会「それではルール説明をお願いします」
助手「はい、それでは皆さんには今から私が出すクイズに答えていただきます」
助手「ただし!!お皿の上に乗っている10粒の小豆を箸で摘んで隣のお皿に移し終わった方のみ回答権があります!!」
司会「里美さん、ちなみに手先の方は?」
里美「ほぇ?ん〜…不器用ですけどぉ頑張ります〜」
助手「それでは第一問!!天ヶ瀬冬馬さん、伊集院北斗さん、御手洗翔太さん、この3人のアイドルグループは?」
司会「チャレンジィ…スタートォ!!!」ピーッ!!
芸人A「……っだぁー!!???」
芸人B「………あぁ…あっ…あああああああ」
里美「よいしょ…よいしょ…」
司会「おっとぉ…里美さんが決して早く無いものの着実に摘んでます」
里美「…はい。終わりましたぁ〜♪」
助手「里美さんお答えをどうぞ!!」
里美「えっとぉ〜…ゆぴてるさん?」
助手「残念ながら…ハズレです!!!!」
芸人B「っしゃあ!!!!…ハイハイハイ!!!!ジュピター!!!!!!!」
助手「正解!!!!!」
芸人B「よしっ!!!」
助手「それでは第2問!!!!豊臣秀吉がたった一晩で建てたというい伝説があるお城は『墨俣の』何城?」
司会「チャレンジィ…スタートォ!!!」ピーッ!!
芸人A「よし…ぃよし……っだあああっ!!!!」
司会「はい、A君うるさいよー」
芸人B「………」
助手「Bさん黙々とこなしてますねぇ…」
里美「よいしょ…よいしょ……」
ツルンッ
ポスッ
里美「ほぇ?」
一同「「「!!!!!!!?????」」」
里美「ほわ…胸元に入ってっちゃいましたぁ〜…」
芸人A・B「「…」」ジーッ
司会「二人とも手ぇ止まってる!!!!手ぇ止まってる!!!!!!」
里美「ふえぇ〜…奥に入っちゃってとれないですぅ〜」ゴソゴソ
助手「里美さんも胸まさぐっちゃダメですよ!!!!!」
時子「何コレ…」
P「…いつもの事だ」
くるみ「…」
時子「なに、これも『わかるわ』なの?」
くるみ「うぇっ!?…あ…うぅ…」
〜収録後〜
『お疲れ様っしたーっ!!!!』
里美「お疲れ様でした〜♪」
P「お疲れ。みんなバカ受けだったぞ」
里美「えへへぇ〜♪」
くるみ「何だか…楽しそうでした」
里美「楽しいですよぉ〜、くるみちゃんもすぐ出れますよぉ〜♪」
くるみ「ふぇ…でも、さっきの足場が揺れるのは…怖いですぅ…」
里美「足元見えませんもんねぇ〜」
くるみ「うぅ…ごめんなさい…」
「ちょっと!!どこ見て歩いてるのよ!!!!」
里美「?」
くるみ「ふぇ…!?」
P「うお…待てよ、おい…」
時子「どこ見て歩いてるのかって聞いてるの!!」
スタッフ「すいません!!すいません!!!」
時子「すいませんじゃないわよ!!!私は仮にもアイドルよ!!!怪我したらどうするの!!??」
スタッフ「すいません!!気をつけます!!」
時子「土下座」
スタッフ「え…?」
時子「土下座なさい。謝りたいんでしょう?だったら誠意を見せなさいな」
スタッフ「え…いや…」
時子「どうしたの?できないの?」
スタッフ「……」
P「ストップ!!!!ストップ!!!!!!なになに!!どうしたの!!!???」
時子「この男が私にぶつかって来たのよ。肩に大荷物担ぎながらね」
スタッフ「すいません…僕の不注意で…」
時子「だから…!!」
P「ああーっ!!!待った待った!!!いいからいいから!!……時子お前なぁ…」
時子「何?貴方がコレの代わりに土下座してくれるの?それなら必要ないわ。必ずコレにやらせるもの」
P「っ…おまっ!!!!!」
里美「ほわあぁぁぁ〜!!??」
P「ストップ!!!!ストップ!!!!!!なになに!!どうしたの!!!???」
時子「この男が私にぶつかって来たのよ。肩に大荷物担ぎながらね」
スタッフ「すいません…僕の不注意で…」
時子「だから…!!」
P「ああーっ!!!待った待った!!!いいからいいから!!……時子お前なぁ…」
時子「何?貴方がコレの代わりに土下座してくれるの?それなら必要ないわ。必ずコレにやらせるもの」
P「っ…おまっ!!!!!」
里美「ほわあぁぁぁ〜!!??」
ドテーンッ!
時子「!?」
P「おい!!里美!!??」
里美「痛ぁ…転んじゃいましたぁ〜…」
時子「貴女なにを…」
スタッフ「あの…えっと…」
里美「よいしょ…えぇとぉ…あのぉ…」
スタッフ「?」
里美「ごめんなさい」
P・時「「!?」」
スタッフ「え…?」
里美「うちの時子さんがお騒がせしました」
時子「ちょっと貴女…」
里美「静かにしてもらえますか」
時子「なっ…!?」
里美「お仕事のお邪魔してしまいました。だからごめんなさい」
時子「何で貴女が出しゃばるのよ!!私は…!!」
里美「時子さん」
時子「何よ」
里美「今日何人に挨拶しましたか?」
時子「はぁ?」
里美「今日一日時子さんとご一緒しました。でも、時子さんが自分からご挨拶するところ…殆ど見てないです」
時子「何が言いたいのよ」
里美「時子さん。アイドル業界の主役って誰ですか?」
時子「はぁ?…意味が分からないんだけど…」
里美「アイドルはみんなから愛されてみんなの憧れになれる存在です。でもアイドルは一人ではなれません」
里美「プロデューサー、作詞家さん、作曲家さん、振付師さん、セットを組んでくれる大道具さんにライトアップしてくれる照明さん」
里美「ディレクターさん、カメラマンさん、衣装さん、メイクさん…そして私達のファンや私達を嫌いな人達…」
里美「そういった人達がいるから私達は活動できるんです」
時子「…所詮はアイドルの為にいるような人達じゃない」
里美「違います。この人達がいなければ私達が存在できない以上、この人達は私達の一部です」
里美「私達アイドルはこの人達の上に立ってるんじゃありません。前に立ってるんです」
時子「…意味がわからないわ」
里美「…そうですか」
スタッフ「あの…里美さん…ありがとうございます。でも、やっぱり僕が悪いんで…どうせ下っ端ですし、土下座しますよ…」
里美「いいんです。お仕事に戻られて下さい。それと…今後ともよろしくお願いします」
スタッフ「…………すいません!!ありがとうございます!!!!」
時子「っ……ふんっ!!」
P「おい!?時子どこ行くんだ!!!!」
時子「帰るのよ」
P「おい!!待てって…おい!!!…はぁぁ…」
くるみ「うぅぅ…えっと…えっとぉ…ふぇぇ…」
里美「…」
くるみ「里美さん…?」
里美「ほぇ〜…大丈夫ですよぉ〜怖い思いさせてごめんなさいねぇ〜」ナデナデ
くるみ「ふぇ……」
P「くるみ、悪いけど飲み物買ってきてくれないか?」
くるみ「ほぇ…?」
P「自販機がここ出て左にまっすぐ行ったところにあるから…ミルクティーと何か適当なやつ、あとお前の分もな」チャリン
くるみ「は…はいぃ…」
トッテッテッテ…ハウッ!?…イタタ…グスン……
P「大丈夫かな…」
里美「大丈夫ですよぉ〜きっと♪」
P「お前は?」
里美「…ほぇ?」
P「もう気を張る必要ないぞ」
里美「……えへへ…」
P「くるみはあの性格だからジュース買うのに時間かかるだろうからさ…それまではいいんだぞ?」
里美「……………プロデューサーさん」
P「ん?」
里美「手……握ってていいですか…?」
P「…いいぞ」
ギュ…
P「…」
里美「…ごめんなさい」
P「謝るな」
里美「…」コクン…
**********************************
P「(時子のヤツ…結局自分も道がわかんねぇんじゃねぇか…)」
P「(帰りの車内があの空気じゃ俺のモチネタ、アイドル業界のスベらない話もできる訳ねぇよ…)」
P「(時子の次の出勤は明後日か…来るかなぁ)」
くるみ「それじゃ…えっと…お疲れ様でした…」ペコリ
時子「…お先に」
P「おー、お疲れー出勤日間違えんなよー」
里美「お疲れさまですぅ〜」
ガチャ
バタン
P「…」
〜ロッカールーム〜
くるみ「…」
時子「…」
くるみ「…時子…さん」
時子「何よ。貴女も私に説教?」
くるみ「ひぅ…」
時子「…ふん」
くるみ「時子さんは…その…えっと…何でそんなに…強いんですか?」
時子「は?」
くるみ「どうしてそんなに…色んな人と…戦えるんですか…?」
時子「偉そうって意味?」
くるみ「いやっ…そのっ、そういう意味じゃ…」
時子「…気に入らないからよ」
くるみ「ふぇ?」
時子「弱者は強者に食われるためにあるのだから、弱者でなんていられないわ」
時子「私が私でいるために私の前にいる連中が邪魔なのよ」
くるみ「そう…ですか…」
時子「だから、アンタみたいな弱い癖にちやほやされるヤツが嫌いなの。ただ胸がデカイだけなのに」
くるみ「うぅ…」
時子「お分かり?」
くるみ「………」
くるみ「くるみ…強くなりたいです…」
時子「は…?」
くるみ「くるみ…胸が大きいくらいしか特徴の無いおバカですけど…ぷろでゅーしゃーに…言われたんです」
くるみ「くるみも輝けるって…アイドルとして…輝けるって……」
くるみ「もし…輝くために…強くならなきゃ…いけないなら…強くなりたいんです…」
時子「…で?」
くるみ「くるみ…くるみ…負けたくないです……自分にも…時子さんにも…」
時子「…」
くるみ「…」
時子「……………ハンッ!!」
くるみ「!!」
時子「フフッ…フフフッ…アーッハッハッハッハ!!!!!」
くるみ「…」
時子「まさかこんなおバカなお乳ちゃんから宣戦布告されるなんてね…フフッ…上等だわ」
くるみ「…」カタカタカタ…
時子「いいわ、その挑戦受けてあげる。どっちがアイドルとして上へ行けるか…勝負よ」
くるみ「…はい」
時子「せいぜいお胸を揺らして精進しなさい。……あーあ…今日は疲れたわ」
ガチャッ
バタンッ
くるみ「………」
くるみ「(泣かないもん…泣かないもん…)」
くるみ「(泣いたら…泣いたら…)」
ガチャッ
くるみ「!!!??」
時子「あら、まだ泣いてなかったの。意外だったわ」
くるみ「…」
時子「ちょうどいいわ、帰るわよ。どうせ駅まで一緒でしょ」
くるみ「…はぇ?」
時子「外はもう暗いんだから、そんな乳ぶら下げてちゃ危ないでしょ。つべこべ言わずに早くしなさい」
くるみ「ふぇ…」
時子「?」
くるみ「ふぇええええええ…時子さあああ…ん」ボロボロ
時子「ちょっ…あなたねぇ…」
くるみ「ごめんなさぁい…ごめんなさぁい……」ポロポロ
時子「全く…ほら、これで涙拭きなさい。ついでにそれあげるから」
くるみ「うぇ……うわああああああん、ありがとうございますぅ〜…大事にしますぅ…」ボロボロ
時子「はぁ…これがライバルかぁ…」
**********************************
〜事務所〜
P「…今、またくるみの泣いてる声が聞こえた気が……」
里美「ほぇ?…そうですか…?」スリスリ…
P「いや、気のせいかな…」
里美「ふふふ…変なプロデューサーさん♪」スリスリ…
P「ところで里美」
里美「はい〜?」スリスリ…
P「いい加減人の胸に顔スリスリするのやめてくれませんかね?」
里美「いやですぅ〜♪」スリスリスリスリスリ
P「あー…その…あれだ、化粧が〜だな」
里美「嫌ですぅ」
P「いててて…安いソファーだから尻が痛いぜ…」
里美「知りませ〜ん」
P「その…誰かに見られると」
里美「いいですぅ」
P「よく無いだろう…それに…ほら、男と女がこんな人気の無い事務所でだな…」
里美「…」
P「…」
里美「……プロデューサーさん…エッチです…」
P「さっきからベッタリのお前に言われたくない」
里美「………」
P「はぁ…お前の考えてる事くらい分かるぞ」
P「今日は仕事したり怒ったりいっぱい頑張ったから甘えてもいいでしょ!!…違うか?」
里美「………」
P「……里美。お菓子食うか?」
里美「食べますぅ!!」
P「犬より分かり易いなお前…」
里美「おっかし♪おっかし♪」
P「じゃあ…ほ〜ら、ホワイトチョコだぞう」
里美「あ〜ん♪」
P「………ホレ」
里美「ぱくん…………〜♪」
P「そんな顔されたらソイツもチョコ冥利に尽きるだろうな…ホレもう一個」
里美「あ〜ん………はむっ」
P「…?」
里美「んー…」
P「よし、説明してくれ。チョコを口に含まず唇からちょっと出した状態で俺に何を望んでいるんだ?」
里美「んー…んー!!!!」
P「………せいっ」ズビシッ
里美「あむぅっ!!……んー…」
P「不満そうな顔してんじゃ…っておい…人の指まで食うな」
里美「…モゴモゴ」
P「人の指をしゃぶるな!!!えぇい離せ!!!離せ!!!!」
里美「んーっ…んーっ!!」
チュポンッ
P「まったく…」
里美「……プロデューサーさん意地悪ですぅ…」
P「お前が言うか」
里美「…」プクゥー
P「おーおー、フグがおるぞフグがおるぞー」
里美「ーッ!!!」ポカポカポカ
P「はっはっは〜痛い痛い」
里美「…」
P「…」
里美「…」ギュッ
P「…」
P「……里美…」
里美「…何ですか?」
P「ありがとな…今日の事」
里美「別に…そんな…」
P「『みんなの上に立っているんじゃない。みんなの前に立っているんだ』か……覚えてたんだな」
里美「プロデューサーさんに初めて教わった事ですから…」
P「そっか…ありがとな」
里美「いえ…」
P「……そういや、くるみの事見てると里美がデビューしたての頃を思い出してな…ついつい構いたくなるんだ」
里美「そんなに泣き虫じゃないですよぉ〜…」
P「そうだな。むしろ時子くらい警戒されてたような気も…」
里美「そんな事ないですぅ〜…初めて会った時から………その…」
P「…どした?」
里美「…………」
P「…」
里美「…プロデューサーさん」
P「どした?」
里美「私…世間知らずで…どんくさくて…いっつもご迷惑かけてます…けどぉ」
里美「今…とっても嬉しいですぅ…お兄様を探してたら、幸せを見つけちゃったみたいで…」
P「………そっか」
里美「だから…その………………………えいっ!!」
ボフンッ
P「おわ!?」
里美「……」フー…フー…
P「………まさか里美に押し倒される日が来るとはな…」
里美「ほわぁ………と…あの…」
里美「今日はいっぱい甘えるって…決めたんです………」
P「やれやれ…里美のお兄さんの精神力は超合金だな…こんな可愛い妹に甘えられたら…」
里美「しませんよぉ…?」
P「え?」
里美「……お兄様には…こんな事……しません…」
里美「プロデューサーさんだから…です…」
P「」
P「…里美」
里美「プロデューサーさん…」
ガチャ
ちひろ「あら、プロデューサーまだいらっ…しゃ…」
P・里美「「!!!???」」
ちひろ「えっとぉ…」
P「ちひろさん!!!???待ってくれこれは!!!!!」
ちひろ「…」
P「待ってぇ!!!死んだ口座を見るような目で俺を見ないでぇ!!!!!!!」
里美「あの…えっとぉ…」
ちひろ「プロデューサー…」
P「…はい」
ちひろ「首を切られるか、私に1000万寄こすか、全裸で土下座…選んでくださいますか?☆」
P「………………土下座させて頂きます」
P「(その後俺は、一生残る心の傷を負わされた…)」
P「(ちひろさんのまるで腐った豚の肛門を見るような目と、里美の真っ赤な顔とその奥で爛々と輝く目は…)」
P「(死ぬまで忘れる事は無いだろう…)」
**********************************
〜数日後〜
ワイワイガヤガヤ…
P「みんなー集まったかー?今後の活動について発表するぞー」
P「まず…泰葉。しばらく年少組のコーチをしてくれるか」
泰葉「私がですか…?」
P「あぁ、子役時代からこの業界にいる泰葉なら適任だと思ってな」
泰葉「…わかりました…やってみます」
P「次ー早苗さ〜ん。着エロのオファーきてまーす」
早苗「…」ニッコリ
P「…後で屋上で待たせていただきまーす(震え声)」
P「次ー…ユニットを組んでもらう人たちが何人かいまーす。まず聖來ー、伊吹ー」
聖來「はい」
伊吹「はーい」
P「二人にはダンスを主軸にしたユニットを組んでもらいます。詳細は後で伝えます」
聖來「よろしくね、伊吹ちゃん」
伊吹「よろしくお願いします☆」
P「次はぁ…くるみ!!」
くるみ「ほぇ!!??…は、はい…」
P「くるみは里美と組んでもらう
くるみ「ふぇ!!???」
P「緊張するな、里美がちゃんと面倒みてやる。里美よろしく頼むぞ」
里美「はぁ〜い♪くるみちゃん〜よろしくお願いしますねぇ〜」
くるみ「里美さん!!…えっとぉ…そのぉ…」
里美「ん〜?」
くるみ「よっ…よろしくお願いしましゅ!!!!」
里美「はぁ〜い、お願いされましたぁ〜♪」
P「(いい…実にいい)」
ちひろ「…」
P「はっ!!!!????………つ…次ぃ…時子ぉ〜」
時子「何よ人の名前呼ぶ位満足にできないの?何年生?何組さんなの?」
P「うるせ!!…えぇと…時子もしばらくユニットです」
時子「何ですって?私が…?ハンッ!!笑わせないで。私は一人で十分よ、相方なんて足手まといだわ」
P「は〜い、メンバー発表しまーす」
時子「ちょっと、人の話を…」
P「時子と一緒に活動してもらうメンバーは…早苗さん、ヘレンのお二人で〜す」
時子「なっ!!!???」
ヘレン「お手柔らかにね?」ニッコリ
早苗「あら、よろしくね…お嬢ちゃん☆」ニンマリ
時子「待ちなさい!!!いくら何でも!!!!!」
P「それが嫌ならきらりの付き人でぇ〜す」
きらり「うっきゃー☆ときちゃんもぉーきらりとハピハピ☆するぅー?」
時子「…わかったわ」
くるみ「時子さん…頑張ってください!」
時子「…」ギロッ
くるみ「ひぅ!?」
時子「えぇ…アンタも精々頑張んなさいよ」
くるみ「………はい!!」
里美「うふふ♪」
おしまぁい
02:30│榊原里美
