2015年07月22日

モバP「浴衣の似合うイイ女」

のんびりと書いていきます



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−−−事務所−−−









カタカタ...







ちひろ「ふぅ...」



海「お疲れ様ちひろさん、アイスコーヒーだよ」



ちひろ「あら、すみません海ちゃん...」



海「いいよいいよ、でも最近は蒸し暑くってイヤだね」



ちひろ「そうですねぇ、本当に参っちゃいますよ」



ありす「なんでも、今年の夏は例年より湿度が高めでジメジメした夏になるらしいです」



ちひろ「へぇ、そうなんですか」



海「ありすはいろんなこと知ってるね、えらいえらい♪」



ありす「ちょ...い、いちいち撫でないでください!それに名前じゃなくてたちば...」



海「あー、はいはい、わかったわかった、それよりありすもアイスコーヒー飲む?あっ、でもありすだとカルピスとかの方が...」



ありす「むぅ...大丈夫です!アイスコーヒー!アイスコーヒーをください!」

ガチャッ





P「ただ今戻りましたー」



ちひろ「あっ、おかえりなさいプロデューサーさん」



P「なんかドアの外にまで声が聞こえてましたけど、なにがあったんですか?」



海「へぇー、なんだろうねありす?」



ありす「さ、さあ...?」カァァァァァ



海「とにかくおかえり、外は暑かったでしょ、Pさんもアイスコーヒー飲む?」



P「ああ、ありがたくいただくよ」



海「ちょっと待っててね、今淹れてくるから」



ちひろ「プロデューサーさん、そういえばさっきプロデューサーさん宛てに荷物が届いてましたよ」



P「ああ、多分あれだな...」



ありす「なんですか、あれって?」



P「ふっふっふ、いい物だ」



ありす「いい物?」

海「はーい、アイスコーヒーお待た...んっ?」



P「どうだ、気に入ったか?」



ありす「わぁ...」



ちひろ「ふふっ、聞くまでもないみたいですね」



海「なになに?なにかあったの?」



P「今度のイベントでありすが着る衣装が届いたんだよ」



海「おぉー、綺麗な浴衣だね♪」



ありす「プロデューサー、これ着てみてもいいですか?」



P「いいぞ、ここに着付けのマニュアルがあるからこれを見ながら...」



ありす「大丈夫です、私が自分で調べますから」



海「あははっ、タブレットなんかで調べなくても大丈夫だよありす♪」



ありす「むっ、どうしてですか?」



海「ウチが着付けできるもん、ほらおいでよ、やったげるから」



ありす「い、いいです...自分で...」



海「なに恥ずかしがってんの、遠慮なんかするなって、ほらおいで!」グイッ!



ありす「きゃあっ!ち、ちょっと!離してー!」ジタバタ...



海「Pさん、ちょっと衣裳部屋借りるね?」



P「おう、悪いけど頼むよ」

−−−−−−







P・ちひろ「おぉー...」







ありす「な、なんですか、そんなにジロジロと...」



海「ふふっ、ありすの浴衣姿が可愛いからだよ♪」



ありす「そ、そうなんですかプロデューサー?」



P「ああ、その通りだ、あんまりありすが可愛いから見とれちゃったよ」



ちひろ「本当ですねぇ、とっても可愛いですよありすちゃん♪」



ありす「そ、そうですか...えへへ...」



海「よかったねありす、すごくよく似合ってるよ」



ありす「あ、ありがとうございます...海さん...」



ありす「その...上手ですね...着付け...」



海「まあね、実家じゃウチがみんなの着付けやってるし♪」



ちひろ「へぇ、海ちゃんが担当なんですか?」



海「そうさ、だからもう慣れたもんだよ」



P「さすがは海だ、しっかりお姉さんしてるな」



海「へへっ、ありがと♪」

ちひろ「今度のイベントって確か夏祭りイベントでしたよね?」



P「ええ、3日後に会場の下見に行く予定です、ちょうど地元の祭りもやってるみたいなので集客量の調査も兼ねて...」



海「へー」



ありす「お祭りもやってるんですか?」



P「ああ、そうらしいけど...」



ありす「だったら、私も一緒に下見したいです!」



P「えっ?いや俺一人で...」



ちひろ「いいんじゃないですか?現地の空気を知っておくのもいいかもしれませんし...」



P「うーん...そうかもしれませんが...」



ちひろ「なんでしたら海ちゃんも一緒に行ったらどうですか?」



海「えっ、ウチも?」



ちひろ「はい、海ちゃんがいればありすちゃんも安全でしょうし...」



ありす「どういう意味ですか?私が迷子にでもなると思っているんですか?」



ちひろ「いえ、そういう意味では...」



P「...まあ、男一人で祭りの会場をウロウロしてるってのもなんだしな」



海「じゃあウチも行っていいの?」



P「海がイヤじゃなければな」



海「ううん、まさか!行くよ!行く行く♪」



P「よし、じゃあ3日後に現地集合ってことでいいか?」



海「オッケー!」

−−−−−−







海「フンフン♪」



海「こっちの方がいいかな...?」



海「いや、でもこっちも捨てがたい...」





ガチャッ!





朋「海ちゃーん!マンガ貸してー!」



海「わぁっ!急に開けないでよ!」



朋「おっとと...ゴメンゴメン♪」



海「もうー、人の部屋に入る時はちゃんとノックしないとダメだっていっつも...」



朋「はいはい、ところでなにやってるの海ちゃん?」



海「明日着ていく服を選んでるんだよ」



朋「へぇー...どこか行くの?」



海「明日Pさんとお祭りにね」



朋「えっ!それってデート!?」



海「ちがうちがう、イベント会場の下見に行くだけ」



朋「ホントに〜?」ニヤニヤ...



海「ホントだってば...」



朋「んっ?明日...明日...あっ、ちょっと待ってね!」バタンッ!



海「なんだろ一体...?」

ドタドタ...





朋「お待たせっ!」



海「どうしたの?」



朋「海ちゃん、お祭りに行くのって明日よね?」



海「うん、そうだけど?」



朋「やっぱり!ほらほら見て見て!明日の蟹座は浴衣がラッキーアイテムなんだって!」



海「あっ、ホントだ...」



朋「しかも明日は『恋愛運が最高潮に高まる日!気になる異性と急接近できるでしょう』これは期待できるかもしれないわよ?」



海「だからなにもないってば、大体明日はありすとPさんと3人で行くんだから」



朋「あれ、そうなの?」



海「そう、だからなにも起こりっこないってワケ、わかった?」



朋「いやいや、でもなぁ...」



海「それに朋だってウチと同じ蟹座なんだから明日は恋愛運絶好調だよ、なにかしないの?」



朋「えっ?あ、あたしは別に...」



海「やれやれ...ほら、早く出てってよ、あんまり裸見てるとお金取るよ?」



朋「あぁ!ち、ちょっと待ってよー!マンガー!」





バタン





海「まったくもう、朋ったら...」



海「...浴衣か」

−−−祭り当日−−−







P「へぇー、小さなお祭りだけど結構人が多いな」



P「出店もそれなりの規模で出てるし、集客力もあるみたいだ」メモメモ...



P「...にしても海のやつ遅いな?あいつが時間に遅れて来るなんて...」





「よ、よぅPさん...」





P「おっ、やっと来た...か...」





海「うん...お待たせ...」





P「お、おう...」



海「ま、祭りだって言うから浴衣着てみたんだ...」



P「そ、そうなのか...」



海「あんまり似合わないだろうけど...」



P「そ、そんなことないぞ!そんなことない!すごく似合ってる!」



海「ち、ちょっと...あんまりジロジロ見ないでよ...」



P「わ、悪い...」



海「はぁ...なんか暑いな、やっぱ夏だからかな...」



P「ど、どうだろうな...」



海「ところでありすは?まだ来てないの?」



P「あー、それなんだが...」



海「なあに?」













海「熱出したぁ!?」

P「ああ、さっき親御さんから連絡あってな」



海「どうして...」



P「どうも前日から張り切りすぎたみたいで...」



海「そういうことか...」



P「本人はすごく行きたがってたんだが、電話口で...」









ありす『心配いりません、ちゃんと行きます』



ありす『行くったら行くんです!』



ありす『大丈夫です!たかが39度くらいがなんですか!人間は42度までなら耐えられるんですから!』



ありす『やだ...グスッ...行くんだもん...プロデューサーとお祭り...』









P「という感じだったわけで...」



海「なるほどね...まあ、こんな時もあるか...」



P「どうする?ありすのために来てもらったけど来れないんじゃしょうがないし、会場の下見なら俺一人でも大丈夫だから...」



海「...いいよ、一緒に回ろ?」



P「いいのか?」



海「ここまで来て、今さら帰るってのもなんだし...」



海「それに、お祭りなんて久しぶりだもん、ウチだって楽しみたいしさ」



P「...じゃあ、一緒に回るか」



海「うん!今日は下見がてらいっぱい遊んじゃおっ、へへっ♪」

テクテク...





P「しかし...」



海「どうしたの?」



P「なんかこう、新鮮だな...海の浴衣姿は...」



海「まあね、弟たちの着付けやったりはしてたけど、自分が着るのは...ちょっと久しぶりだよ...」



P「そうなのか?」



海「うん...準備に手間取っちゃった」



海「それに...なんか歩きにくいし...」



P「ああ、なるほど...」



海「そういえば下見ってまずどこから始めるの?」



P「実はもうほとんど終わらせてるんだよ」



海「えっ、そうなの?」



P「今日はちょっと早めに来てあらかじめ調べておいたんだよ、会場周りの地理とかトイレの場所とか...」



海「他にやらないといけないことは?」



P「ぶっちゃけあんまりないんだよなぁ...」



海「それじゃこのあとはどうするつもりだったの?」



P「ありすとお前にゆっくり遊んでもらおうと思ってたんだが...」



海「なーんだ、じゃあ気負うことなかったんだね」



P「まあな、どっちかっていうと下見よりも、たくさん遊んでお祭りの空気を感じてもらうことが今日のメインの目的だったし」



海「ふふっ、Pさんってホント優しいね、ウチはその気持ちだけでとっても嬉しいよ♪」



P「そう思うなら、今日はリラックスしてお祭りをおもいっきり楽しめ」



海「うん、そうするよ!」

−−−−−−







「はい、おまちどう」



海「ありがとおじさん!はむっ♪」



P「美味しいか?」



海「うん、わたあめなんて食べるの久しぶり!」



P「いつもは弟たちに買ってあげてたのか?」



海「へへっ、当たり♪Pさんウチのことならなんでもわかっちゃうね」



P「なんか目に浮かぶからな、弟たちと出店を回ってる海の姿が」



海「多分想像してるとおりだと思うよ、あいつら目を離すとすぐにどっか行っちゃうからさ」



P「気が休まらないだろうなぁ、でもまあ年頃の男なんてそんなもんだ」



海「そうだね、でも今日はとっても安心できるよ」



P「そうなのか?」



海「だって今日はPさんがウチのこと見ててくれるからね♪」



P「そっか...」



海「へへっ、初めてだよ、こんな気持ちでお祭りに来れるのって...」



P「遠慮することないぞ海、お前は普段からお姉さんみたいにみんなの世話を焼いてるんだからな」



海「Pさんのお世話もね♪」



P「ま、まあな...確かに俺も普段からいろいろやってもらってるけど...」



P「だからこそ!今日ぐらいは自分のことだけを考えて、祭りを楽しんでみろ」



海「...いいのかな」



P「当たり前だ、普段の頑張ってる分のゴホービだと思えばいいさ」



海「...うん、ありがと」



海「じゃあさ...」





ギュッ





海「腕、掴まってもいいかな?ホラ、歩きづらいし...」



P「お、おう...」

P「......」



海「......」





P(ヤバい...)



P(浴衣越しでもハッキリわかる...)



P(俺の腕に海の素晴らしく柔らかいのが...)





海「...Pさんの腕ってさ」



P「お、おう!なんだ?」



海「意外とたくましいんだね、なんか...男の人って感じだよ...」



P「そうでもないだろ、最近は運動不足だしヒョロヒョロして...」



海「ううん、そんなことないよ」



海「なんだか...すごく安心する...」ギュウウウウウ



P「海...」



海「へへっ、なんだかウチらしくないかな、こういうセリフって...」



P「そんなことないだろ、すごく女の子らしくて可愛いぞ?」



海「...もう、Pさんったら...そんなこと言うんだったら、今日は女の子らしくいっぱい甘えちゃうよ?」



P「おう、たまには思いっきり甘えてみろ」



海「ふふっ♪じゃあお面買おうよ、お面!」



P「欲しいのか?」



海「だってさ、祭りと言えばお面でしょ?」



P「それもそうだな...よし、なんでも買ってやるよ、今日は俺のオゴリだ!」

−−−−−−





パンッ! 





P「やった!当たった!」



「ダメダメ、倒れないとあげられないよ」



P「くそぉ...」



海「Pさん、頑張って!」



P「よーし、もう一発...どうだ!」パンッ!





ポテッ





海「やった!倒れたよ!」



「やるねぇ兄さん!はい、どうぞ!ぴにゃこら太のマスコット人形だ!」



P「ははっ、ブサイクな人形だなぁ」



海「ふふっ、ホントだね♪」



P「海にやるよ、ほら」



海「えっ、いいの?ありがとう!大事にするね!」

P「とりゃっ!」パシャッ!



「あー、破けちゃった、残念だったねぇ」



P「ぬぅぅ...」



海「へへっ、Pさん金魚すくい苦手なの?」



P「別に苦手ってわけじゃ...ただ久々なだけで...」



海「ちょっとどいてよ、ウチが見本見せてあげる!」



P「できるのか?」



海「もちろんだよ♪よく見ててね?」





海「ん〜...はっ!」パシャッ!





P「おぉ...」



海「はい、まず一匹ね♪」



P「すごい...」



海「まだまだ行くよー、それっ!」パシャッ!

−−−−−−







P「すごいな、5匹も取るなんて」



海「へへっ、見直した?」



P「ああ、海は器用だな」



海「ありがと♪でもこれどうしよっか?」



P「事務所に持って行けばいいんじゃないか?きっと七海が喜ぶぞ?」



海「でもみくとかが嫌がるかもしれないからなぁ...うーん...」





「てめー!」



「なんだコノヤロー!」





P「なんだ?」



海「あっ、見て!子供がケンカしてる!」





「この...ヤロー!」



「いてててて...てめー!」





P「うわー、すごい取っ組み合いだな...」



海「あのままじゃ危ないよ、ケガしちゃうかもしれないし、止めないと!」





海「こらー!やめろー!ストップストーップ!」

「はぁ...はぁ...」



「ふー...ふー...」





海「せっかくのお祭りなのにケンカしちゃダメでしょ?」



「フン!」



「フン!」



海「どうしたのいったい?」



「こいつの方からやってきたんだ!」



「ちがう!おまえがぼくの買ったアメリカンドッグたべちゃったんだ!半分こしようっていったのに!」



海「そうなの?」



「......」



海「黙ってちゃわかんないよ?」







「おなか減ってたんだもん...」

海「だからって、人の分まで食べていいの?」



「......」



海「キミも食べられて怒るのはわかるけど、叩いたりしちゃダメでしょ?」



「だって...」



海「転んでケガでもしたらどうするの?それに、歩いてる人に当たったらその人にもケガさせるかもしれないんだよ?」



「うっ...」



海「はい、まずキミは人の分まで食べちゃったことを謝りなさい」



「......」



海「ほら早く!」



「...ゴメンなさい」



海「よし♪じゃあキミは叩いちゃった事を謝りな」



「...ごめんなさい」



海「はい、それじゃ仲直りの握手!」



「ゴメンね...」



「うん...」



海「うん、二人ともえらいぞ♪じゃあお姉ちゃんからゴホービあげる!」



「ゴホービ?」

「へいお待ち、アメリカンドッグとジャンボフランク二つずつね!」





海「ありがと!はい、どうぞ♪」



「ぼくたちお金ないよ?」



海「お姉ちゃんのオゴリだよ、二人ともちゃんと謝ったからね!そのゴホービ♪」



「ありがとうおねえちゃん!」



「ありがとう!」



海「ふふっ、もうケンカしちゃダメだよ?」ナデナデ



「うん!」



海「いい返事♪じゃあこれもあげる!」



「わぁ!金魚だ!」



「もらっていいの?」



海「ちゃんとお世話するならね」



「うんっ!ちゃんとお世話する!」



「ありがとう!バイバーイ!」





海「バイバーイ」

海「ふぅ...」



P「海、お疲れ様」



海「あははっ、あの子たちすごく喜んでたね」



P「ああ、そうだな」



海「ウチの弟もさ、すぐにああやってケンカしちゃうんだ」



P「それで海がいつもやめさせるってわけか」



海「うん、ケンカするのは仕方ないけど相手にケガさせるのはダメだぞってウチいつも言ってるんだ」



P「なるほどな...」



海「もし相手に大きなケガでもさせちゃったら仲直りできなくなっちゃうかもしれないんだぞ、ってね」



P「へぇ...」



海「あの子たちもちゃんとその事がわかってくれれば...って、どうしたの?」



P「いや...やっぱり海はお母さんっぽいなぁと思ってさ...」



海「もう!ウチまだ18歳の花も恥じらう乙女なんだよ?」



P「わかってるよ、でもそれにしたって...」



海「それを言ったら、ウチはPさんこそお父さんっぽいと思うよ?」



P「お父さん?俺が?」



海「だっていつも事務所の子たちのお世話したり、ワガママ聞いてあげたりしてるでしょ?」



P「それはまあ、仕事のうちだから...」



海「どっかなー?もともとそういう性格なんじゃないの?」



P「じゃあ俺と海で事務所のお父さんとお母さんってわけか」





海「ふふっ、そうかもね、ア・ナ・タ♡」





P「っ...」





P(今のは...正直ヤバかった...)





海「ち、ちょっと!なにか言ってよ!恥ずかしいじゃん!」



P「えっ?あ、ああ...」





「Pくん、海ちゃん♪」





P「あれ、亜里沙さん?来てたんですか?」



亜里沙「うふふ、今の見てたわよ〜?」

海「見てたって、あのケンカしてた子供たちのこと?」



亜里沙「そう♪海ちゃん仲直りさせるの上手ねぇ、先生感心しちゃった♪」



ウサコ(ウサコも見てたウサ!)



海「へへっ、ありがと!」



亜里沙「まるでお母さんみたいだったわ、知り合いの幼稚園が人を探してるんだけど、保母さんやってみない?」



海「せっかくのお誘いだけど、遠慮しとく♪今はアイドルやってる方が楽しいからね」



亜里沙「あら残念、海ちゃんならいい保母さんになれそうなんだけど...」



P「だってさ、亜里沙さんのお墨付きだぞ海?」



海「もう、Pさんまで...」



亜里沙「ところで、二人はデート?」





P・海「で、デート!?」





亜里沙「だってなんだかいい雰囲気だったから...ねぇウサコちゃん?」



ウサコ(その通りだウサ!どう見てもカップルウサ!リア充ウサ!羨ましいウサ!)



P「ち、違います!ちょっとイベント会場の下見に来ただけで...」



海「そ、そうそう!」



亜里沙「ふぅーん、じゃあそういうことにしておいてあげる♪」



P「お、お願いします...」

亜里沙「それじゃ二人のお邪魔をしちゃ悪いし、先生もう行くわねぇ?」



P「ええ、気を付けて」



亜里沙「はぁーい♪あっ、そうそう、さっきそこで七夕の短冊イベントやってたわよ?」



海「短冊イベント?」



亜里沙「ほら、そろそろ七夕でしょ?願い事を書けるんですって、よかったらやってみたら?」



P「どうする海?」



海「うん、おもしろそうだしやってみようかな!」



亜里沙「もうすぐ花火も始まるらしいわ、じゃあ二人ともごゆっくり〜♪」



ウサコ(バイバイウサー!)

−−−−−−







海「あっ、これに書けばいいみたいだよ」



P「うーむ、願い事か...」



海「なにかないの?」



P「『もっと給料が増えますように』とか...」



海「ダーメ、そんなの夢がない!」



P「『もっとあんたんできますように』とか...」



海「なにそれ...」



P「うーん、じゃあ...これでいいか」



海「どれどれ...『もっとしっかりする』」



P「俺はどうも少しだらしなかったり、うっかりなミスをしたりするからな、それを無くしてプロデューサーとして成長したい!ってことで」



海「ふふっ、だらしないのはその通りかな?前も酔ったまま事務所に帰ってきて大変だったし♪」



P「だ、だからそういうのを無くしたいんだって!」



海「いいんじゃない?あんまりだらしないままだと、アイドルたちに愛想を尽かされちゃうよ?」



P「気を付けるよ...ところで海はなんて書いたんだ?」



海「ウチはこれ!」



P「なになに...『目指せイイ女』」



海「もっともっと自分に磨きをかけていきたいからね!」



P「なるほど...」



海「あっ、でもその前に...」カキカキ...



P「『まずは女らしく!』」



海「へへっ、もうちょっとガサツなところを直したいかなって...」

P「もうだいぶ直ってきたと思うぞ?」



海「ん〜、そう思う?」



P「というか海は自分のことをガサツだなんだって言うけどさ、全然そうじゃないと思う」



P「周りをよく見てるし、気遣いもできるし...浴衣だってすごく似合ってて...」



P「あれだ、いい嫁さんになる条件がそろってる...ていう...か」



海「っ...///」カアァァァ



P「す、すまん!い、今のはついうっかり口が滑って...」



海「う、うん...」







ドーン!







P「おっ、花火始まったみたいだな」



海「うん...」

ヒュルルルルル... ドーン!







P「海...」



海「なあに?」



P「今日は楽しかったか?」



海「うん、すごく楽しかったよ、久々にお祭りをエンジョイできたって感じがする」



P「そうか...」



海「たまにはこういうのも...悪くないよね」



P「ああ...」



海「ねえPさん...」



P「なんだ?」



海「今日はいっぱい甘えさせてくれて、ありがとね...」



P「別に気にすることないぞ?」



海「へへっ、やっぱりPさんってホントに優しいな...♪」



P「さっきも言ったろ、お前はまだ18の女の子なんだ、誰かに甘えたりワガママ言ってもいい年頃さ」



P「それに普段からみんなの面倒を見たりしてる」



P「だから、せめて俺にだけは好きなだけワガママ言ってもいいんだぞ?」



海「もう...Pさんにはかなわないなぁ」



海「今日だっていっぱい甘えたのに...」



海「そんな風に言われたら、もっと甘えたくなっちゃうよ...」ギュウウウウ

P「海...」



海「じゃあさ、もうひとつワガママ言ってもいい?」



P「どんなのだ?」



海「ウチさ、もう少ししたら実家に帰省するんだ」



P「ああ、知ってるよ、お盆だしな」



海「その時にさ、一緒に来てくれない?」



P「海の実家にか?」



海「そうだよ、どう?」



P「でもせっかくの帰省でゆっくりできるのに...」



海「気にすることないよ、Pさんと一緒だと楽しいしね♪」



P「それに...海の家族に嫌がられたりしないかな?」



海「大丈夫だよ、ウチがPさんのいいトコいっぱい言っといてあげるから」



P「うーむ...」



海「ちょうどね、地元のお祭りもやってるはずなんだ」





海「だから...また、一緒に行こうよ」





P「...いいのか?」



海「うんっ!」



P「...海がそこまで言うんなら、行ってもいいかな」



海「へへっ、やったぁ!ウチ、いーっぱいお世話するからね!」

P「ああ、俺も楽しみにしてる」



海「今度はさ、Pさんも浴衣着てお祭りに行こうよ♪」



P「浴衣か...だけど俺は浴衣持ってなくてな...」



海「心配しなくていいよ、ウチのお父さんの浴衣があるから」



P「海のお父さんの?でもサイズが...」



海「大丈夫だって、ウチに任せといて!」



P「お、おう...」





ヒュルルルル... ドーン!





P「おっ、見ろよ海、また大きいのが打ちあが...」





チュッ





P「んむっ...」



海「えへへっ、Pさん...」





海「ホント、今日はありがとね!」

−−−数日後−−−







P「ありす、これが次のライブの資料だ、地図と注意事項も書いてあるから読んでおいてくれ」



ありす「はい...あの、プロデューサー...」





Prrrrrr♪





P「はい、CGプロです...はい、いつもお世話に...」





ありす「はぁ...」





海「どうしたのありす?元気ないよ?まだ身体ダルいの?」



ありす「いえ...もう大丈夫です...」



海「あっ、ひょっとしてPさんとお祭り行けなかったから落ち込んでるんじゃ...」



ありす「ち、違います!そんなことありませんから!私そんな子供じゃありませんから!」



海「ふーん、ならいいけどさ...あんまり暗い顔してちゃダメだよ?」



ありす「わかっています...ところで海さん、なにしてるんですか?」



海「ああこれ?浴衣の裾上げだよ」チクチク



ありす「裾上げ...?」



海「そうそう、サイズの合わない浴衣だからちょっと手直ししてるの」



ありす「それなら業者とかに頼めば...」



海「ダーメ、これは自分でやりたいの」



ありす「まあ、いいですけど...じゃあ私はレッスンに行ってきます」



海「うん、車に気を付けるんだよ」



ありす「わかっています、心配しすぎです、それじゃ失礼します」バタン





海「よし、これで完成っと!」

P「はい、ではよろしくお願いします、失礼します...」ガチャッ



海「Pさん、ちょっと来てくれる?」



P「んっ、なんだ?」



海「そこに立って、動かないでね?」スッ...



P「お、おう...」



海「...よし、ピッタリだね♪」



P「悪いな、わざわざ...」



海「いいよ、どうせウチのお父さんは着ないし、Pさんに来てもらった方が浴衣も喜ぶって♪」



P「ありがとな海...」



海「どういたしまして♪それより準備はしてる?」



P「とりあえず海のご両親や兄弟へのお土産は用意したけど...」



海「そんなのいいって、それより下着とか服とかタオルは?」



P「あー、それはまだ全然...」



海「もう!Pさんったら...」



P「悪い...今日家に帰ったらやるから...」



海「仕方ないなぁ、それじゃ...」









海「ウチも一緒に用意してあげるよ、Pさんの荷物♪」









おわり



20:30│杉坂海 
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