2015年08月09日

やよい「幽霊よりも妖怪の方が怖いかなーって」

〜恐怖!心霊特集!!〜



春香「こういう心霊番組って久々に見たなぁ」



雪歩「最近は全然やらなくなっちゃったもんね」





響「鑑定の技術が上がっちゃって本物でもそうじゃなくても信じない、って人が多くなったからかな」



真美「まぁでも実際八割方は仕込みっしょ。ネットとかで出回ってるのもなんかピヨちゃんのパソコンに入ってる加工ソフト?で作れそうだし」



響「へー。ピヨ子のパソコンの中にそんなの入ってるのか。面白そうだな」



真美「仕事で使うって言ってたよ」



春香(事務仕事で画像加工が必要ってどんな仕事内容なんだろう……)





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427368005



ガチャ



やよい「うっうー!みなさんただいまですー!!」



貴音「ただいま戻りました……おや、ぷろでゅうさあは……不在のようですね」



雪歩「は、はい……美希ちゃんたちを迎えに行ったみたいですぅ」



春香「小鳥さんはちょっとコンビニに行ってきますって」



貴音「そうですか……」



響「なんだ貴音?プロデューサーに何か聞きたいことでもあったのか?」



貴音「いえ、夕食をお供しようかと」



真美「……たまには兄ちゃんにラーメン以外のものも食べさせてあげないとさすがに死んじゃうんじゃないかな……」



春香「あはは……」



雪歩(そういえばここ最近、毎夜四条さんとラーメンを食べに行ってるみたいだって真ちゃんが言ってたなぁ……)



貴音「残念ですね……ん?」



TV<お分かりいただけただろうか……



貴音「ひいいいいぃぃぃぃぃぃ!?!?!?」ガタガタガタドスン!



やよい「!?」



春香「ちょっ、貴音さん!?」



真美「おやおやお姫ちん……どうやら兄ちゃんの机の下に潜り込んで隠れているつもりのようだけど……そのおっきなおしりは隠しきれていないぜぃ!!」ツン



貴音「ひいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!お、お許しを……!!!!」ガタガタ



雪歩「はは……やっぱり四条さんは幽霊が苦手なんだね」



響「いささかオーバーすぎると思うけどな」



やよい「幽霊ですか……」



真美「やよいっちは幽霊とか大丈夫なんだね」



やよい「うーん……まぁ、ね。私は幽霊よりも妖怪の方が怖いかなーって」

貴音「よよよよ妖怪っ!?」ガタガタガタッ!



真美「お姫ちんビビりすぎっしょ→」



春香「でも妖怪って……河童とか?」



やよい「いえ、もっと身近な妖怪です……」



雪歩「身近……?」



やよい「妖怪『シ・ショクオ・バサン』です」



響「ししょ……なんだって?」



やよい「妖怪『シ・ショクオ・バサン』ですよ。私は幽霊なんかよりこの妖怪の方が断然怖いです……」



真美「そんな妖怪聞いたことないYO!」



やよい「じゃあ今から見に行く?」



真美「え」



春香「見に行く?ってそんな喫茶店にでも行こうみたいなノリで……」



雪歩「どこに行けばその妖怪に会えるの?」



やよい「スーパーとか商店街です!」



春香「ず、ずいぶんと家庭的な妖怪だね……」



やよい「今から私も夕食の材料を買いに行くんですけど良かったら皆さんもどうですか?なんだったら今日はうちでご飯食べませんか?」



響「ま、まぁ自分たち今日はもう仕事ないから事務所で駄弁ってたわけだし……」



真美「その妖怪も気になるからついていくけどさ……」



雪歩「夕飯のお誘いは嬉しいけど……こんなに大勢で押しかけちゃったら迷惑じゃ……」



やよい「そんなことないですよ!ご飯はみんなで食べるのが楽しいんですし!」



春香「んー……じゃあ今日の夕飯の材料はみんなで割り勘してちょっといいものにしちゃおっか?」



やよい「え?」



響「ん。そうだな!今日は奮発しちゃおう!ね、やよい!」



やよい「で、でもそんな……」



真美「良いって良いって!やよいっちのおいしいご飯が食べられるのに何にもしないってのはちょっとアレだしね」



雪歩「うん。遠慮なんかしなくていいよ?むしろ私たちがお邪魔するんだから……ね?」



やよい「は、はい……ありがとうございますぅ!!」ガルーン



響「ほら、貴音も行くよ。いつまで机の下に隠れてるのさ。地震が起こったわけでもあるまいし……」



貴音「わわわわたくしもですか……?」ブルブル



響「別にいかないなら良いぞ。ピヨ子が帰ってくるまで事務所にいるつもりだったけど貴音が行かないのなら留守番しててね。ひとりで、ね」



貴音「……行きます。だってわたくしたちは仲間、ですからね」ブルブルキリッ



響「震えてるから顔が引き締まってないぞ。若干ひきつってる」



春香「犬を見たときの雪歩みたいだね」



雪歩「うぅ……」



真美「じゃあ犬の妖怪が出てきたらゆきぴょんとお姫ちんはダブルKOなわけだね」



雪歩「そんな怖いこと言わないでよぉ……」



貴音「……」ピクピク



春香「今の真美の言葉で臨界点を超えちゃったのかな。気絶しちゃったよ貴音さん」



響「貴音の将来がいろいろと心配だぞ……」

〜スーパー〜



やよい「着きましたー!」



春香「ここがやよいがいつも買い物してるスーパーなんだね」



響「一見普通のスーパーだけど……」



雪歩「ここにホントに妖怪が出るの?」



やよい「はい!」



真美「ほほー……どんな妖怪なのか実に楽しみですな、ひびきん隊長!」



響「自分に振るのか!?……まぁでもどんな妖怪が出てきても自分がいるからなんくるないさー!真直伝のキックでやっつけちゃうぞ!」



貴音「なりません」



響「お?」



貴音「相手は妖怪なのですよ?ぱんちやきっくが通用するような輩ではありません。いくらあの百戦錬磨、天下無敵、稀代の豪傑などと名高い菊地真が師であったとしても……容易に勝てるような相手ではないのです」



真美「お姫ちんの中でのまこちんのイメージはいったいどうなってるのさ……」



貴音「ですから帰りましょう。さあ!今日は響の家でらぁめんぱぁてぃを……」



やよい「じゃあ行きますよー!!」



響「往生際が悪いぞ貴音。入り口で突っ立ってるのも他の人の迷惑だし、さっさと入るよ」グイグイ



貴音「あぁ!いやです!わたくしはまだ死にたくありません!助けてくださいあなた様ぁぁぁぁ!!」



春香「お化けとかが絡むとホントに人が変わるよね、貴音さんって」



雪歩「そうだねぇ」

春香「……で、今日のメニューは何にするつもりなの、やよい?」



やよい「今日は肉じゃがでもと思ったんですけど……」



響「おー。じゃあお肉をちょっといいものにしような!」



やよい「で、でも……」



真美「まーまーそんなに気にしなさんなやよいっち。ご馳走になるんだからこのくらいしなきゃ罰が当たるってもんだよ」



やよい「うー……ありがとうございます……私、皆さんのためにとーってもおいしい肉じゃがを作りますねー!」ニコッ



響「もー!可愛すぎだぞやよいぃぃぃ!」ギュッ



やよい「わわわっ響さんっ!……ってあれ?雪歩さんは……」キョロキョロ



雪歩「はい、やよいちゃん。にんじんとじゃがいも、芽とか出てない新鮮なものを持ってきたよ」スッ



真美「おー。ちょっと目を離したすきにゆきぴょんの溢れ出る女子力が炸裂ですな→」



雪歩「じょ、女子力って……えへへ」



貴音(妖怪が近くにいるというのに、なぜ皆こんなにのんびりとしているのでしょうか……わたくしはいつ妖怪がそのおぞましき姿を我々の前に現すか、気が気ではないというのに……)ガクガクブルブル



貴音(しっかりするのです、四条貴音!この中で最年長はわたくしなのです。いざというときは皆を守らなければならないのですよ。妖怪の一匹や二匹で取り乱している暇など、ないのです……)ガクガクブルブル



響(なんか暗い顔だけどまたなんか考えすぎてるな、貴音)



貴音(そうです。いざというときはじいやから教わった四条流最終奥義を躊躇なく使うのです。たとえわたくしが倒れようとも、皆には指一本触れさせませんよ……!)キッ



響(暗い顔になったりシャキッとした顔になったり忙しいなぁ……)



貴音(皆の事はわたくしの命に代えても守りますから安心していてください、響)



響(!?こいつ、直接脳内に……!!)

ジュージュー



貴音「む?」



貴音(なにやらあちらの方から食欲をそそる素敵な香りが……)フラフラ



「おやまあ別嬪さんだこと。その髪を黒に染めたらあたしの若いころにそっくりだよ!」



貴音「……ウインナー、ですか」



「そうだよー!新商品なんだけどね、焼いた時のこの香りと味と食感が売りでね。今すっごく売れてるの!」



貴音「ほう……」ジュルリ



「はい、お嬢ちゃん。おひとつどうぞ」



貴音「しょ、食してもよろしいのですか!?」



「ええ。実際に食べてみないとそのおいしさはわかんないでしょ?」



貴音「そ、そうですね……ではおひとつ……」ゴクリ…



やよい「貴音さんっ!!!」



貴音「?やよい、どうしたのですか……?」モグモグモグ



「あらーやよいちゃんじゃない。久しぶりねー!ってあれ、もしかしてこの子、なんか見覚えがあると思ってたんだけどやよいちゃんの……」



やよい「は、はい!同じ事務所の貴音さんです!」



「あー!!やっぱり『らぁめん探訪』の四条貴音ちゃんか!!」



貴音「え、あ、はい。そうですが……」



春香「どうしたの、やよいー。急に走り出したりして……」



響「やよいーこの牛バラ肉、松坂牛だってー!これにしよう!」



真美「やっぱり高いお肉はその分美味しいからね→。たまには贅沢しちゃおうZE!」



雪歩「うーん……焼き肉用のお肉ならわかるんだけどなぁ……」



「あれまっ!春香ちゃんに響ちゃんに真美ちゃん、雪歩ちゃんまで!も、もしかしてカメラ回ってるのかしらっ!!」キョロキョロ



やよい「きょ、今日はオフなんですー。この後私の家で夕御飯を食べるんですよ!献立は肉j……」



「あらあら765プロの子たちはカメラの裏でも仲が良いのね!おばさん感動しちゃったわ!はいっ!ホントはダメなんだけど内緒で半額シール貼っちゃうから持っていきなさい二袋っ!」



やよい「え、えぇー!!そんなわr……」



「いいのいいの遠慮しないでっ!おばさん、765プロの大ファンなんだから!こんなに勢ぞろいしてるところを見られるなんて、なんだったらこのウインナー全部タダにしてあげてもいいんだけどね……そういうわけにもいかないからっ!」



やよい「あっ、あうう……」



響(なんて口数の多いおばちゃんなんだ……)



春香(やよいの言葉を全部遮って……)



雪歩(無理やりウインナーをかごに入れちゃった……)



「また来てねっ!今度は全員よ!!」



やよい「は、はいー……」

やよい「もうっ!勝手に一人でウロウロしちゃだめですよ、貴音さん!」



貴音「す、すみません……」



やよい「うぅー……ウインナーなんて今日は使わないのに……それも二袋も」



真美「……なるほど。スーパーに現れる妖怪『シ・ショクオ・バサン』ってのはマシンガントークでこっちに何も言わせずかごに商品をぶち込む試食コーナーのおばちゃんだったってことだね」



貴音「なんと……あのご婦人が実は物の怪であったと……人間にしか見えなかったのですが……」



春香「た、貴音さん。そういうことじゃなくて……」



響「……まぁ戻そうにも勝手に別の棚に戻すのは気が引けるし、かといってかごに入れた張本人の目の前で返すのも……だしね」



やよい「はい……一度視界に入ってしまったら最後、いつもあんな感じでウインナーとかベーコンとか入れてくるんです」



雪歩「なんだかやよいちゃん、とっても気に入られてるみたいだしねぇ」



やよい「はい。それはすっごく嬉しいんですが……できるだけ出費は抑えたいですから……いつもできるだけあの人に会わないように買い物をしてたんですけど……」



響「……貴音が本能のままに近づいて、こうなっちゃったってわけか」



貴音「……すみません、わたくしの迂闊な行動のせいで……」



やよい「いえ……でもどうしましょう……このウインナー」



雪歩「あ、だったら明日の朝食にでもすればいいんじゃないかなぁ。ほら、半額シールあるから実質一袋はタダみたいなものなんだし……」



やよい「……そうですね!一つはタダですから!」



春香「だけど妖怪って……やよいがそんなこと言うなんて珍しいね」



やよい「亜美が言ってたんです!あのおばさんは妖怪なんだ、って。それが妙に頭に残っちゃって……」



響「息を吐くようにでまかせを……」



雪歩「冗談のつもりだったんじゃないのかなぁ」



真美「他には?何か言ってなかったの?」



やよい「えっと……ご飯の献立がなかなか決まらないときとか、ご飯炊くのを忘れちゃったりしたときとか、洗濯物を干してすぐ空が曇っちゃったりとかは実はみーんな妖怪の仕業だって……」



春香「なんでそんな主婦のあるあるネタみたいなのを……」

〜帰り道〜



雪歩「いっぱい買っちゃったね」



やよい「はい!……でも、ホントに良かったんですか?あれだけたくさん買ったのに6人で割り勘だなんて」



真美「やよいっちは心配性だねぇ。真美たちが良いっていうんだから良いんだYO!」



響「そうそう!やよいのおいしい手料理が食べられるんだからむしろお釣りがくるくらいさー!」



春香「うんうん……ってもうこんな時間か。終電、間に合わないかもしれないなぁ」



響「まぁそうなったらうちに泊まればいいぞ」



春香「本当、響ちゃん?」



貴音「ならばわたくしも」



やよい「あ、でしたらうちに泊まってもいいですよー!」



春香「え?」



やよい「皆さんもどうですか―?」



響「い、いや、さすがに……」



雪歩「5人押しかけるのは……」



真美「お誘いは嬉しいけどね……さすがに5人はだめっしょ→」



やよい「実は明後日までお父さんたち出張でいないんですよー」



春香「え、じゃあもしかしてやよいたちだけなの?」



やよい「はい」



春香「そっか……」



やよい「わ、私も皆さんが泊まりに来てくれたら嬉しいかなーって……その、そういうお泊り会ってしたことないですし……」



響「……ま、自分も今日は家に帰りたくない気分だし」



雪歩「み、みんなが泊まるなら……」



真美「んじゃ真美もー!」



貴音「そうですね。今日は満月の夜ですからじいやと会うのも危険ですし……」



春香「ど、どうしてですか……?」



貴音「じいやは満月の夜になるとですね……と、失礼。忘れてください。失言でした」



響「なんなんだよ……」



やよい「じゃあ決まりですねー!うっうー!楽しみですー!」



〜やよい特製肉じゃがはみんなでおいしくいただきました〜



やよい「ふわー……良いお湯でしたー」ホカホカ



響「おー。やよいも出たか―。最後だったけどお湯、ぬるくなってなかったか―?」



やよい「はい、大丈夫でしたよ。あの、長介たちは……」



春香「さっき寝ちゃったよ。それに真美と雪歩も」



雪歩「すー……」zzz



真美「ぐー……」zzz



やよい「そうですか……ふわぁ」



貴音「やよいも眠そうですし、わたくしたちもそろそろ床に就きましょうか」ゴロン



やよい「うー……もっと皆さんとお話ししたかったんですけど……」



響「ま、そのくらいいつでもできるさー。また今度お泊り会とかすればいいぞ。2〜3人くらいまでならうちでもできるしね」ゴロン



やよい「……そうですね。今度響さんのうちにお泊りしに行ってもいいですか?」



響「もちろん!いつでも歓迎だぞ!」



春香「じゃあじゃあ私も!」



貴音「ではわたくしも」



響「いいぞー。今度は自分が腕によりをかけておいしい料理を作ってあげるさー」



やよい「楽しみですー!あ、電気消しますね」パチン



響「ふわわ……なんだか横になったら自分も眠くなっちゃったぞ……」



春香「ふわわぁ……あはは、私もあくびうつっちゃった」



貴音「では、おやすみなさい。やよい、響、春香」



響「うん……おやすみ、みんな」



やよい「おやすみなさい……」



春香「おやすみー」







カタカタ







貴音「……?」







カタカタカタカタ







春香「……風、かなぁ?」



貴音「春香も聞こえますか、この妙な音……」



春香「は、はい……」



やよい「あー……えっと、それ、幽霊さんです……」



貴音「……はい?」



やよい「うち、結構昔から出るんですよ。えっと、ポル、ポルト……あの、家具とかが何もしないでも動いたりする……」



響「ポルターガイスト?」



やよい「はい!それです。それが結構起こるんですよー」



春香「……え?」



やよい「ですけど別に害はないので、安心してくださいね。じゃあ、おやすみなさーい……」zzz



響「ん……おやすみー」zzz



貴音「……え?」







カタカタカタカタ







春香「きゅ、急にそんなこと言われても……え?じゃあこの音ってまさか……」



貴音「……きゅぅ」チーン



春香「た、貴音さん!?……よかった。気絶しただけか……」



春香「……」



春香「いや、よくないよ!私ひとりじゃこの音が気になって眠れないよ!」



春香「え、えっと……や、やよいー?」



やよい「くー……」zzz



春香「ひ、響ちゃーん?」



響「ぐがー……」zzz



春香「……」







カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ…







春香「ハルカサンピーンチ」











〜翌朝〜



チュンチュン



春香「ふわわぁ……」



真美「なんだか眠そうだね、はるるん」



春香「ま、まぁね(あれから結局一睡もできなかったからなぁ)」



響「もしかしてあのラップ音で眠れなかったとか?」



春香「んー、まあ……っていうかなんでみんな平然としてるの……?」



真美「んー……だって真美んち病院だから。あーいうのはしょっちゅう聞いてるし」



春香「え」



雪歩「あ、あの……私の家もよく地面、っていうか下の方から変な声とか聞こえてくるから……地下室なんてないのに」



春香「え」



貴音「……」ガタガタブルブル



春香「そ、そっか……響ちゃんは……?」



響「うちも出るからなー」



貴音「え」



春香「そ、そうなんだ……」



響「まぁなー。でもやっぱりその分家賃がすっごく安いからな。家族みんなで暮らすにはもってこいの部屋なんだよ。やっぱりごはんとか仕送りとかで結構お金使うからなー。できるところで節約していかないとね」



貴音「ちょちょちょちょっと待ってくくくくださいひびびびびびきききき」ガタガタブルブル



響「待つのは貴音だぞ……もうちょっと落ち着いて喋ってよ」

貴音「ま、まさか響の暮らすあの部屋は……」



響「まぁ……出るぞ。自分はせいぜいラップ音とかを聞くぐらいで実際に目で見たことはないんだけど、動物は人間よりもああいうのには敏感だからなー。いぬ美とかもよく虚空を見つめてるし。だから家ではみんなで写真撮れないんだよ。変なの写っちゃうから。困ったもんだよなー」



貴音「で、ではこの前わたくしが泊まった際、夜中にカタカタ音が鳴っていたのは風でも、いぬ美たちの身じろぎの音でもなく……」



響「あー……ポルターガイストだろうね。自分もみんなも最初のうちは気にしてたけど最近は自分も含めて気にせず眠れるようになってきたし。第一、夜中に動き回るようなお行儀の悪い子はうちにはいないぞ」



貴音「……きゅぅ」バターン!



春香「あぁっ!貴音さんっ!!」



響「実際、ずっと聞いてると慣れちゃうよなー」



やよい「はい!私も最初は怖かったんですけど、今ではもう何とも思わなくなりましたー」



真美「っていうかひびきん、お姫ちんに出ること教えないで泊めたんだね。なかなか鬼畜よのぅ」



響「だって教えたら絶対怖がるだろうし、聞かれなかったしね。ていうか真美はともかく雪歩の家で聞こえてくる声ってまさか……」



雪歩「……この前お父さんに聞いたら、『雪歩、知らぬが仏、という言葉は知っているね?』って言われたんだ……」



真美「……そっか」



響「……好奇心は猫をも殺すっていうしね」



貴音「」グッタリ



春香「貴音さん!貴音さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」





おわり



20:30│高槻やよい 
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