2014年03月04日
渋谷凛『不思議なお店?』 第1話 何でも入る箱
第1話 何でも入る箱
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385298329
モバP「……すいません、電話出てもいいですか?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385298329
モバP「……すいません、電話出てもいいですか?」
凛「別に私に聞かなくてもいいんじゃない?」
モバP「失礼。はい、モバPです」ピッ
凛(私こと、『渋谷凛』は現役アイドル。この人にプロデュースされてアイドルになった)
凛(苦労はあるけど、毎日充実はしている。友人も増えたし、知らなかった世界に触れることもできた)
凛(アイドルになって良かったとは思っている)チラッ
モバP「…っ、……」デンワチュウ
凛(私のプロデューサーは不思議な人だ。優しく、物腰も丁重、礼儀正しいのに固い感じがしない)
凛(顔も悪くは無い、身体つきもいい。何より安心できる匂いがする)クンクン
凛(敬語だけは何回言っても止めてくれないけど)
凛(ただ、少しだけ変わっている。なんか、予知能力のようなものがある。そうとしか思えない)
〜回想中〜
モバP「今日の営業先は徒歩の方が近いので歩いていきましょう」
凛「天気も良いし、別にいいけど」
モバP「たまにはいいでしょう」テクテク
凛「まあ、悪くは無いかな」テクテク
モバP「………危ないっ!」
凛(なんでスーツケース振り被ってるの?)
凛(殴った!?あのプロデューサーが人を!?)
凛(え!?なんで!?)
「え、何?」
「喧嘩か?」
「おい、今あの人がスーツケースで誰か殴り飛ばさなかったか?」
「おい、ちょっと待て、なんでアイツ包丁持ってるんだ?」
「誰か警察呼べ!」
「あの包丁野郎目がヤバい」
凛(プロデューサー、何しているの?訳が分からないよ?)
凛(その後、警察が来てプロデューサーさんも同行、私は一旦事務所に戻ってちひろさんと待機。慌てて、社長が出て行った)
凛(両親が迎えに来てくれて、訳が分からないまま家に帰った)
凛(ニュースを見たら昼間のことがやっていた。薬物中毒者が幻覚を見て路上で包丁を振り回そうとしたところ、通りすがりの男性がスーツケースで包丁叩き落し、取り押さえた)
凛(過去にも薬物関係で問題を起こした人だったらしい)
凛(刺されそうになった女子高生はしばらく前からストーカー被害を受けていて、警察にも連絡済み)
凛(でも、プロデューサーは相手が包丁を取り出す前にスーツケースを振り被っていた。まるで、相手が包丁を取り出すのを待っていたみたいに)
凛(ちなみに、その時に助けられた女子高生が奈緒)
凛(別にアイドルとか興味無いからな!助けられた恩返しだからな!とか言ってるけど、どう見ても恋する女の子)
凛(スカウトじゃなくて、直接事務所に来て、応募してる時点でバレバレ。ツンデレに成りきれないツンデレって需要あるのかな?)
〜回想終了〜
モバP「すいません、少しだけ寄り道してもいいですか?」
凛「いいけど、どこに?」
モバP「実家です」
凛「え?実家?」
モバP「ちょっと取に行きたい物があって」
凛「ふーん、プロデューサーの実家って確かアンティークショップだよね?」
モバP「よく覚えてたね」
凛「ふふ、結構人の事はちゃんと覚えてるよ」
凛(動揺すると口調が変わるんだよね。昔から)
凛(プロデューサーの両親ってどんな人なんだろう?)
モバp「…ただいま、母さん」
「おかえりなさい」
モバP「担当の子も一緒なんだけど」
「早く連れてきなさい」
凛「失礼し……ま…す?」
凛(え、ちょっ、何?さすがにこれは無いよ!?)
高峯のあ「いらっしゃい」
凛(若っ!若すぎるよ!どう見ても20代の息子がいる外見じゃないよ!)
高峯のあ「ここは普通ではない、不思議なアンティークを売っているお店」
高峯のあ「使用者次第では益にも、害にもなる」
高峯のあ「さて、渋谷凛。あなたは何をお望みかしら?」
モバP「いい年して止めてくれ。見てるこっちが恥ずかしいんだけど」
高峯のあ「別にいいじゃない。たまには」プクー
モバP「頼むから年齢考えてくれ」
凛(カワイイ)
高峯のあ「さぁて、あなたに相応しいアンティークは何かしら?」
高峯のあ「これはどうかしら?」
凛(凄い綺麗なピアス)
モバP「…これって確か小梅の友達の」
高峯のあ「お友達が増えるわ」
モバP「止めろ。さすがにシャレにならない」
凛(大丈夫なのかな?このお店)
高峯のあ「なら、これは?」
凛(手掘りの木箱とダイヤル?)
モバP「まだあったんだ、ソレ」
高峯のあ「あなたの初期の作品。あなたの最初のアイドルにふさわしいのではなくて」
モバP「…確かにね。分かった。貰って帰るよ」
高峯のあ「おみやげ、期待してるわ」ニヤリ
モバP「高い買い物だな」
高峯のあ「当然、甘えるなと教えたはずよ」フフン
凛(よく分からないけど、カワイイお母さんだ)ワカイ
モバP「それじゃあ、渋谷さん」
モバP「いつもありがとうございます」スッ
凛「…これくれるの?」
モバP「昔、僕が作ったモノですけどね」
凛「へえ、これはダイヤルロック付きの箱?」
凛(箱に掘り込んであるひまわりとか本当に再現力とか高い。綺麗)
モバP「タイムカプセルかな?」
凛「ごめんなさい。ちょっと分からないや」
モバP「秒、分、時間、日付、年のダイヤルを設定してこの窪みを押す」
凛(ああ、時間指定でロックが解除されるんだ)
モバP「すると箱が消えます」シュンッ
凛「なんで!?」
モバP「10秒に設定しておいたので10秒後に手元に戻ってきます」シュンッ
凛「ど、どういう仕掛け」アセアセ
モバP「割とシンプルなトリックですよ」
凛「…何に使うの?」
モバP「タイムカプセルとか。渋谷さんも事務所内で仲の良い人が増えましたし、何か入れてみたらどうですか?」
凛「ま、まあ折角貰えるんだし、貰っておこうかな。ありがとう、プロデューサー」
凛(プロデューサー器用なんだなぁ。この一言で納得してしまう自分も毒されてるなぁ)トオイメ
モバP「あと、それなんでも入るんで注意してくださいね」
凛「なんでも?」
モバP「なんでも」
凛「た、たとえば?」
高峯のあ「うふふふ、例えば『モバPの財布』とか」シュンッ
モバP「あっ!?」
凛「…え?箱の中に財布が入ってる」スポッ
モバP「今のは悪い使用例です」
凛「…うん。そうだね」
モバP「ライブの写真とかが無難でしょう」
凛「うん。そうだね」
モバP「あ、あのー、渋谷さんなんですか、その肉食獣みたいな笑みは?」
凛「プロデューサーに私がいつも言っていることってなんだっけ?」
モバP「敬語を止めて普通に接しろと」
凛「なんでかな?」
モバP「それはアイドルとプロデューサーの適切な距離感を保つために」
高峯のあ「面白みに欠けるわね」
モバP「いったいどうしろと?」
高峯のあ「いつだって観客は修羅場を望んているわ」
モバP「おい、母親」
凛「全然、自分の事話してくれないし」
モバP「ここ実家なんですが」
凛「ふーん、そうなんだ」ニコニコ
高峯のあ「プライベートのモノがたくさんあるわね、日記帳とか」
モバP「ちょっと待てコラ」
凛「皆気にしてたよ。プロデューサーに助けてもらってばかりなのに、何も個人的に恩返しできないって」
凛(ツンデレの眉毛が可愛い子とかね)
モバP「仕事上の関係ですので、そういうのはちょっと」
高峯のあ「女の心を弄ぶような子供を育ててしまったわ」シクシク
凛「酷いよ、プロデューサー」
凛(ノリいいなぁ)
モバP「渋谷さん。止めましょう。お願いしますマジで」
高峯のあ「箱に入りなさい『モバPが一番アイドルに見せたくないもの』全部」
モバP「母さん!?」
凛「来たっ」シュンッ
モバP「待て、待て、流石にソレは不味い!」
凛「アルバム?」
高峯のあ「あら、まだ写真撮ってたのね」
モバP「か、金縛り?頼むから放してくれ!小梅と映画見なかったことは謝るから!」
XXXX年Y月U日『初担当』
渋谷凛さん
『プロデューサーとしての新人研修が終わり、初めて担当を持つことになった。
感謝を口にするのが苦手らしいが、芯が強く、優しい新人アイドルだ。
花屋の娘である彼女が精一杯、自分を伸ばせるよう、まずはてきることを』
凛「……へえ」
モバP「そこまでにしてください」
高峯のあ「次行きましょうか」
モバP「…」
XXXX年Z月R日
雑誌の切り抜き
『アイドル渋谷凛としての初仕事、雑誌のモデル。写真の写り映えは悪くないと思うが、やはり渋谷凛の最大の魅力は人を惹きつける動作にあり、個人的にはこの写真では十分伝わらないと思う』
『渋谷さんのご両親と面談。やはり、大学進学はして欲しいとのこと、将来のため給与の一部を学費のために積み立てることを決定。どのような道に進むにしろ、きっと魅力的な女性になるのだろう』
凛「…あぅ」
モバP「やめてください。しんでしまいます」
高峯のあ「恥ずかしいわね」
XXXY年S月I日
『初のソロライブ』
『緊張のため手足が震えていたが、一度始まるとプロの顔』
『自分を含め、完全に呑まれていた』
『ディレクターが天才と呼んでいたが、そんな安い言葉は好きではない』
追記:性的な目で見ている連中には制裁を加えておいた。
今後は渋谷さんの安全も十分に配慮しなければ
高峯のあ「それであの時アレを取りに来たのね」
モバP「そうだけど」
高峯のあ「ツンデレ乙」ビシ
モバP「歳考えろ」
凛(何歳なんだろう?)
モバP「…頼むからもう止めてくれ、さすがに怒るぞ」
凛「分かった。止める」
高峯のあ「その代わり」ニヤ
凛「一つだけ条件があるよ」ニヤニヤ
モバP「…なんだ?」
〜数日後〜
モバP「凛!撮影現場行くぞ!」
凛「ちょっと待って鞄持ってくるから」
奈緒(なんで凛だけ敬語じゃないんだよ)イライラ
加蓮(ヤキモチ奈緒カワイイ)
まゆ「うふふふっ、駄目ですよぉ。一人だけ特別扱いなんてしたら」
凛「大丈夫。皆の誕生日ちゃんと届くようにしておいたから」
凛(プロデューサーの恥ずかしい本音がね)
高峯のあ「なんでも入るってことは、なんでも入れられると同意義」
高峯のあ「例えば、好きなヒトのココロ」
高峯のあ「例えば、嫌いな人」
高峯のあ「例えば、隠しておきたい秘密」
高峯のあ「例えば、心臓だけ抜き取って箱に入れるとか」
高峯のあ「臭いものに蓋をすることができる不思議な箱」
高峯のあ「あの箱を手にしたのが『渋谷凛』でなければナニを入れていたのかしら?」
第1話 何でも入る箱 〜終〜
サア ナニヲ イレヨウカナア
モバP「失礼。はい、モバPです」ピッ
凛(私こと、『渋谷凛』は現役アイドル。この人にプロデュースされてアイドルになった)
凛(苦労はあるけど、毎日充実はしている。友人も増えたし、知らなかった世界に触れることもできた)
凛(アイドルになって良かったとは思っている)チラッ
モバP「…っ、……」デンワチュウ
凛(私のプロデューサーは不思議な人だ。優しく、物腰も丁重、礼儀正しいのに固い感じがしない)
凛(顔も悪くは無い、身体つきもいい。何より安心できる匂いがする)クンクン
凛(敬語だけは何回言っても止めてくれないけど)
凛(ただ、少しだけ変わっている。なんか、予知能力のようなものがある。そうとしか思えない)
〜回想中〜
モバP「今日の営業先は徒歩の方が近いので歩いていきましょう」
凛「天気も良いし、別にいいけど」
モバP「たまにはいいでしょう」テクテク
凛「まあ、悪くは無いかな」テクテク
モバP「………危ないっ!」
凛(なんでスーツケース振り被ってるの?)
凛(殴った!?あのプロデューサーが人を!?)
凛(え!?なんで!?)
「え、何?」
「喧嘩か?」
「おい、今あの人がスーツケースで誰か殴り飛ばさなかったか?」
「おい、ちょっと待て、なんでアイツ包丁持ってるんだ?」
「誰か警察呼べ!」
「あの包丁野郎目がヤバい」
凛(プロデューサー、何しているの?訳が分からないよ?)
凛(その後、警察が来てプロデューサーさんも同行、私は一旦事務所に戻ってちひろさんと待機。慌てて、社長が出て行った)
凛(両親が迎えに来てくれて、訳が分からないまま家に帰った)
凛(ニュースを見たら昼間のことがやっていた。薬物中毒者が幻覚を見て路上で包丁を振り回そうとしたところ、通りすがりの男性がスーツケースで包丁叩き落し、取り押さえた)
凛(過去にも薬物関係で問題を起こした人だったらしい)
凛(刺されそうになった女子高生はしばらく前からストーカー被害を受けていて、警察にも連絡済み)
凛(でも、プロデューサーは相手が包丁を取り出す前にスーツケースを振り被っていた。まるで、相手が包丁を取り出すのを待っていたみたいに)
凛(ちなみに、その時に助けられた女子高生が奈緒)
凛(別にアイドルとか興味無いからな!助けられた恩返しだからな!とか言ってるけど、どう見ても恋する女の子)
凛(スカウトじゃなくて、直接事務所に来て、応募してる時点でバレバレ。ツンデレに成りきれないツンデレって需要あるのかな?)
〜回想終了〜
モバP「すいません、少しだけ寄り道してもいいですか?」
凛「いいけど、どこに?」
モバP「実家です」
凛「え?実家?」
モバP「ちょっと取に行きたい物があって」
凛「ふーん、プロデューサーの実家って確かアンティークショップだよね?」
モバP「よく覚えてたね」
凛「ふふ、結構人の事はちゃんと覚えてるよ」
凛(動揺すると口調が変わるんだよね。昔から)
凛(プロデューサーの両親ってどんな人なんだろう?)
モバp「…ただいま、母さん」
「おかえりなさい」
モバP「担当の子も一緒なんだけど」
「早く連れてきなさい」
凛「失礼し……ま…す?」
凛(え、ちょっ、何?さすがにこれは無いよ!?)
高峯のあ「いらっしゃい」
凛(若っ!若すぎるよ!どう見ても20代の息子がいる外見じゃないよ!)
高峯のあ「ここは普通ではない、不思議なアンティークを売っているお店」
高峯のあ「使用者次第では益にも、害にもなる」
高峯のあ「さて、渋谷凛。あなたは何をお望みかしら?」
モバP「いい年して止めてくれ。見てるこっちが恥ずかしいんだけど」
高峯のあ「別にいいじゃない。たまには」プクー
モバP「頼むから年齢考えてくれ」
凛(カワイイ)
高峯のあ「さぁて、あなたに相応しいアンティークは何かしら?」
高峯のあ「これはどうかしら?」
凛(凄い綺麗なピアス)
モバP「…これって確か小梅の友達の」
高峯のあ「お友達が増えるわ」
モバP「止めろ。さすがにシャレにならない」
凛(大丈夫なのかな?このお店)
高峯のあ「なら、これは?」
凛(手掘りの木箱とダイヤル?)
モバP「まだあったんだ、ソレ」
高峯のあ「あなたの初期の作品。あなたの最初のアイドルにふさわしいのではなくて」
モバP「…確かにね。分かった。貰って帰るよ」
高峯のあ「おみやげ、期待してるわ」ニヤリ
モバP「高い買い物だな」
高峯のあ「当然、甘えるなと教えたはずよ」フフン
凛(よく分からないけど、カワイイお母さんだ)ワカイ
モバP「それじゃあ、渋谷さん」
モバP「いつもありがとうございます」スッ
凛「…これくれるの?」
モバP「昔、僕が作ったモノですけどね」
凛「へえ、これはダイヤルロック付きの箱?」
凛(箱に掘り込んであるひまわりとか本当に再現力とか高い。綺麗)
モバP「タイムカプセルかな?」
凛「ごめんなさい。ちょっと分からないや」
モバP「秒、分、時間、日付、年のダイヤルを設定してこの窪みを押す」
凛(ああ、時間指定でロックが解除されるんだ)
モバP「すると箱が消えます」シュンッ
凛「なんで!?」
モバP「10秒に設定しておいたので10秒後に手元に戻ってきます」シュンッ
凛「ど、どういう仕掛け」アセアセ
モバP「割とシンプルなトリックですよ」
凛「…何に使うの?」
モバP「タイムカプセルとか。渋谷さんも事務所内で仲の良い人が増えましたし、何か入れてみたらどうですか?」
凛「ま、まあ折角貰えるんだし、貰っておこうかな。ありがとう、プロデューサー」
凛(プロデューサー器用なんだなぁ。この一言で納得してしまう自分も毒されてるなぁ)トオイメ
モバP「あと、それなんでも入るんで注意してくださいね」
凛「なんでも?」
モバP「なんでも」
凛「た、たとえば?」
高峯のあ「うふふふ、例えば『モバPの財布』とか」シュンッ
モバP「あっ!?」
凛「…え?箱の中に財布が入ってる」スポッ
モバP「今のは悪い使用例です」
凛「…うん。そうだね」
モバP「ライブの写真とかが無難でしょう」
凛「うん。そうだね」
モバP「あ、あのー、渋谷さんなんですか、その肉食獣みたいな笑みは?」
凛「プロデューサーに私がいつも言っていることってなんだっけ?」
モバP「敬語を止めて普通に接しろと」
凛「なんでかな?」
モバP「それはアイドルとプロデューサーの適切な距離感を保つために」
高峯のあ「面白みに欠けるわね」
モバP「いったいどうしろと?」
高峯のあ「いつだって観客は修羅場を望んているわ」
モバP「おい、母親」
凛「全然、自分の事話してくれないし」
モバP「ここ実家なんですが」
凛「ふーん、そうなんだ」ニコニコ
高峯のあ「プライベートのモノがたくさんあるわね、日記帳とか」
モバP「ちょっと待てコラ」
凛「皆気にしてたよ。プロデューサーに助けてもらってばかりなのに、何も個人的に恩返しできないって」
凛(ツンデレの眉毛が可愛い子とかね)
モバP「仕事上の関係ですので、そういうのはちょっと」
高峯のあ「女の心を弄ぶような子供を育ててしまったわ」シクシク
凛「酷いよ、プロデューサー」
凛(ノリいいなぁ)
モバP「渋谷さん。止めましょう。お願いしますマジで」
高峯のあ「箱に入りなさい『モバPが一番アイドルに見せたくないもの』全部」
モバP「母さん!?」
凛「来たっ」シュンッ
モバP「待て、待て、流石にソレは不味い!」
凛「アルバム?」
高峯のあ「あら、まだ写真撮ってたのね」
モバP「か、金縛り?頼むから放してくれ!小梅と映画見なかったことは謝るから!」
XXXX年Y月U日『初担当』
渋谷凛さん
『プロデューサーとしての新人研修が終わり、初めて担当を持つことになった。
感謝を口にするのが苦手らしいが、芯が強く、優しい新人アイドルだ。
花屋の娘である彼女が精一杯、自分を伸ばせるよう、まずはてきることを』
凛「……へえ」
モバP「そこまでにしてください」
高峯のあ「次行きましょうか」
モバP「…」
XXXX年Z月R日
雑誌の切り抜き
『アイドル渋谷凛としての初仕事、雑誌のモデル。写真の写り映えは悪くないと思うが、やはり渋谷凛の最大の魅力は人を惹きつける動作にあり、個人的にはこの写真では十分伝わらないと思う』
『渋谷さんのご両親と面談。やはり、大学進学はして欲しいとのこと、将来のため給与の一部を学費のために積み立てることを決定。どのような道に進むにしろ、きっと魅力的な女性になるのだろう』
凛「…あぅ」
モバP「やめてください。しんでしまいます」
高峯のあ「恥ずかしいわね」
XXXY年S月I日
『初のソロライブ』
『緊張のため手足が震えていたが、一度始まるとプロの顔』
『自分を含め、完全に呑まれていた』
『ディレクターが天才と呼んでいたが、そんな安い言葉は好きではない』
追記:性的な目で見ている連中には制裁を加えておいた。
今後は渋谷さんの安全も十分に配慮しなければ
高峯のあ「それであの時アレを取りに来たのね」
モバP「そうだけど」
高峯のあ「ツンデレ乙」ビシ
モバP「歳考えろ」
凛(何歳なんだろう?)
モバP「…頼むからもう止めてくれ、さすがに怒るぞ」
凛「分かった。止める」
高峯のあ「その代わり」ニヤ
凛「一つだけ条件があるよ」ニヤニヤ
モバP「…なんだ?」
〜数日後〜
モバP「凛!撮影現場行くぞ!」
凛「ちょっと待って鞄持ってくるから」
奈緒(なんで凛だけ敬語じゃないんだよ)イライラ
加蓮(ヤキモチ奈緒カワイイ)
まゆ「うふふふっ、駄目ですよぉ。一人だけ特別扱いなんてしたら」
凛「大丈夫。皆の誕生日ちゃんと届くようにしておいたから」
凛(プロデューサーの恥ずかしい本音がね)
高峯のあ「なんでも入るってことは、なんでも入れられると同意義」
高峯のあ「例えば、好きなヒトのココロ」
高峯のあ「例えば、嫌いな人」
高峯のあ「例えば、隠しておきたい秘密」
高峯のあ「例えば、心臓だけ抜き取って箱に入れるとか」
高峯のあ「臭いものに蓋をすることができる不思議な箱」
高峯のあ「あの箱を手にしたのが『渋谷凛』でなければナニを入れていたのかしら?」
第1話 何でも入る箱 〜終〜
サア ナニヲ イレヨウカナア
17:30│渋谷凛