2015年08月20日
未央「よく考えたらさ」凛「うん」
未央「…あ、ごめん。この話する前にさ、まずウチのプロジェクトって…」
凛「…?」
未央「個性的じゃない?」
凛「…?」
未央「個性的じゃない?」
凛「…まあ、うん」
未央「小さい子、大きい子、外国人、猫耳、ロック志望、クローバー、お菓子、妹」
凛「うん…ん?…うん」
未央「で、さ…」
凛「…」
未央「私達、何かある?」
凛「…」
未央「…」
未央凛「「…」」
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凛「…それってさ」
未央「うん」
凛「何かないとダメなの?」
未央「そういうわけじゃないけど…みくにゃんとかが個性だーって時に、私達何も言えなかったじゃん?」
凛「…」
未央「あれさ、決してただ静観をしてたわけじゃないと思うんだよね」
凛「…別に、ただ…」
未央「しぶりんはなかった?」
凛「何が?」
未央「『私達って、個性あるのかな?』って」
凛「…」
未央「ぶっちゃけ私あの時それが九割だったよ」
凛「…」
未央「…」
未央凛「「…」」
凛「…なら、何か始めたら?」
未央「…例えば?」
凛「…何だろ…家庭菜園とか」
未央「家庭菜園アイドルって個性なの?」
凛「…犬飼う?」
未央「…考えたんだけどさ、ウチペット禁止なんだよね」
凛「…今すぐ始められて、尚且つ個性が出るもの?」
未央「…何かごめん。別にどうしてもってわけじゃないんだけど…ね」
凛「…あるには、あるけど…」
未央「何?」
凛「ほら、○○好きとか…」
未央「あー…私の好きなもの?」
凛「うん」
未央「……………………」
凛「…」
未央「……遊ぶこと」
凛「…」
未央「…」
未央凛「「…」」
凛「未央ってさ、料理出来るんだっけ?」
未央「簡単なのなら出来るけど…」
凛「え、意外…」
未央「え、嘘!?」
凛「それって、ご飯にふりかけとかじゃないよね?」
未央「しぶりんの中で私ってどういうキャラなの?」
凛「…正直、そういうイメージ無かったから…あ」
未央「?」
凛「じゃあ、実は料理出来ますアイドルとか…」
未央「それ三日で終わるやつだよね」
凛「むしろ三日もつんだ」
未央「もたせるよ。色んなネタ小出しにしてやるからね」
凛「…」
未央「…」
未央凛「「…」」
凛「どうしても個性欲しいわけじゃないんだよね?」
未央「まあ、そうなんだけどさ。周りが個性バリバリだから…」
凛「じゃあ逆にさ、私の個性って何?」
未央「しぶりん?…まず犬でしょ?花屋の看板娘だから花に詳しいでしょ?」
凛「…」
未央「…じゃん?」
凛「一言にまとめてみて?」
未央「犬と花好き」
凛「…個性なのかな?」
未央「個性だよ」
凛「まあ、自惚れるわけじゃないんだけどさ、花屋の看板娘は自負してるんだよね」
未央「うん」
凛「だから、少しは花には詳しいんだけどさ」
未央「うん」
凛「私が花に囲まれて嬉しそうな顔してたらどう思う?」
未央「…」
凛「…」
未央「…やってみないと分かんないかもよ?」
凛「今の間は何?」
未央「いや、全然想像出来なくて…ごめん」
凛「…」
未央「あ、でもハナコちゃん抱えて店先で笑ってたら良いかも」
凛「…」
未央「どう?」
凛「それ、個性ですって胸張って言える?」
未央「…」
凛「まあ家ではこんな感じですよじゃないの?」
未央「…だとしたら、私なんて部屋でケータイいじって寝てるだけだよ」
凛「やめてよ」
未央「たまに弟が文房具借りにくるとか」
凛「良いじゃん別に」
未央「…」
凛「…」
未央凛「「…」」
未央「そう考えたらさ、まだしぶりんは良いんじゃないかな?」
凛「…」
未央「やっぱり花言葉とか分かるの?」
凛「まあ、昔から教えられてきたから…」
未央「じゃあさ、ちょっと相手を注意する意味の花言葉とかはあるの?」
凛「…強いて言うなら、スイセンとか…」
未央「『ちょっとさ、それ本当スイセンだよ…』みたいな」
凛「ごめんそれやるくらいならアイドル辞める」
未央「…薔薇咥えて出てくるのは?」
凛「それでデビューして薔薇投げて避けられるんでしょ?やだよ」
未央「…個性って、何だろうね」
凛「…だね」
未央凛「「…」」
未央「例えばさ、みくにゃん」
凛「ん…」
未央「みくにゃんといえば、猫」
凛「うん」
未央「何で猫ってキャラが定着したの?」
凛「そりゃ猫耳ずっと着けてたら…」
未央「…」
凛「…」
未央「…やる?」
凛「やらない」
未央「…」
凛「…」
未央「しぶりんってさ」
凛「うん」
未央「割と何でも出来るよね」
凛「どうしたのいきなり」
未央「逆に言えばさ、何やっても形になるじゃん?」
凛「…?」
未央「私がトスしたボール思いっきり床に叩きつけたの覚えてる?」
凛「やめてよ」
未央「あれ跳ね返って美嘉姉の方までいったらしいけどさ」
凛「やめてよ」
未央「…まあ、それもいわゆる個性なんじゃないかなあって」
凛「顔赤くしてボール取りにいったのが?」
未央「そっちはいいよ。何で自分で傷口抉るの」
凛「…でも、スポーツ出来る人って結構いるよね」
未央「いるけどさ、しぶりんは結構上いけると思うんだよね」
凛「そんなことないよ…っていうか、たくさんいるなら個性じゃないよね」
未央凛「「…」」
未央「みなみんは?」
凛「…何だろう。ちょっと、色っぽい?」
未央「みりあちゃんは?」
凛「小さくて、明るくて、それでいて大人しい…?」
未央「しまむーは?」
凛「あ…」
未央「…」
凛「…サイドテール」
未央「…」
凛「…頑張ります」
未央「…」
凛「…ん」
未央「…私は?」
凛「…スタイル良いじゃん。ニュージェネレーションズの中で一番」
未央「でもみくにゃんには負けるよ」
凛「髪の毛、ちょっと短いよね」
未央「ハネてるだけで、アーニャと変わらないよ」
凛「…」
未央「…」
凛「…ごめん」
未央「…私こそごめん」
未央凛「「…」」
凛「…プロデューサー」
未央「?」
凛「プロデューサーに、聞いてみたら?」
未央「『笑顔です』」
凛「……もしかしたら、何かこう、ズバッと言ってくれるかも」
未央「…そういえばさ、プロデューサーもかなり個性的だよね」
凛「…まあ、そうだね」
未央「しまむーなんて初めて会った時人生の中で一番大きい声で叫んだんだって」
凛「どんな出会い方したのそれ」
未央「そこまでは聞いてないけど、まず一重まぶたで、背が高いでしょ?」
凛「うん」
未央「声めっちゃ低くて、誰に対しても敬語でしょ?」
凛「うん。結局タメ口やめたみたいだしね」
未央「…プロデューサーと仕事に行くとさ、向こうの人まず私達より先にプロデューサー見るんだよね」
凛「それって、クライアントが初めに目にするのはプロデューサーって、常務が言ってなかった?」
未央「それはほら、営業で出向いた時とか…」
凛「あ、そういうことなんだ…」
未央「…話戻すけど、私達と一緒に行った時もそうなんだよね」
凛「うん」
未央「どう考えても、私達より目立ってるよね」
凛「考えすぎだよ…」
未央「本当にそう思う?」
凛「…」
未央「月一でさ、プロデューサーの人達が集まってるのあるじゃん?」
凛「あるね。月の売り上げとかなんとかで…」
未央「あの時もさ、一人だけ頭一つ出てるんだよ」
凛「すぐに気づいたもんね。どこにいるか」
未央「私より、個性的なんじゃないかな」
凛「…それは置いといてさ、プロデューサーより大きいきらりって、凄いよね」
未央「凄いね。あそこまでなろうとは思わないけど」
凛「かなり引きで撮らないと杏髪の毛しか映らないもんね」
未央「…しぶりんも背高いよね」
凛「私?…まあ、クラスの女子の中では、一番だけど…」
未央「で、脚長いじゃん?」
凛「あ、ありがと…」
未央「ずるいよね」
凛「何があったの?」
未央「みんなで集合して写真撮るとさ」
凛「うん」
未央「しまむーとしぶりんの腰の位置がさ、みんなと違うんだよね」
凛「あまり気にしたことないんだけど…」
未央「かな子ちゃんめっちゃ見てたよ。二人の脚」
凛「そうなの?」
未央「うん。人の真顔ってあんな感じなんだって知ったよ」
凛「でも、未央も長くない?」
未央「二人よりは短いよ」
凛「そんな顔しないでよ。私達が何したっていうの?」
未央「たまにね」
凛「うん」
未央「弟がみんなのサイン欲しいって言うんだよ」
凛「うん」
未央「私ので我慢しなさいって言ったらさ、何て言ったと思う?」
凛「…何て言ったの?」
未央「姉ちゃんのやついつも違うからやだ」
凛「…個性の話じゃなかったっけ?」
未央「たまには愚痴りたいんだよ」
凛「最初から愚痴ってなかった?」
未央「練習してるんだよ。だけどまだ決めあぐねてるんだよね」
凛「まあ、確かに…」
未央「しぶりんは?」
凛「『渋谷 凛』」
未央「それにしたんだ」
凛「うん」
未央「ある意味、オリジナリティあるよね」
凛「あげるよ」
未央「ありがと。私のもあげる」
凛「ありがと」
未央「…あ、でもしぶりんの字って、すぐにしぶりんだって分かるよね」
凛「それ結構言われるんだ。だからそれにしたんだよ」
未央「ほー…」
凛「…で、個性はもう良いの?」
未央「…」
凛「まだ解決してなかったんだ」
未央「多分ね、私達で話しててもダメだと思う」
凛「だと思うよ」
未央「んー…」
武内P「サインの、練習ですか?」
凛「わっ!!?」
未央「わわっ!?」
武内P「…成る程。個性、ですか…」
未央「うん。私の個性ってなんだろうって」
凛「私達で話してたんだけど、解決しなくて…」
武内P「そう、ですね…」
未央「…」
凛「…」
武内P「…これだ、というものは、無いのかもしれません」
未央「えっ…」
凛「ちょっ…」
武内P「ですが…例えば、本田さんが100人の人達の中に紛れ込んでいたとしましょう」
未央「…?」
武内P「私は、その中からすぐに本田さんを見つけられる自信があります」
未央「え、なに、ちょっと?」
凛「プロデューサー?」
武内P「…つまり、その…普通よりも、一際輝いている、ということです」
未央「…ほー…」
凛「…輝いてる…」
武内P「…上手く説明出来ず、申し訳ありません」
未央「あ!う、ううん!いい、いいよ、全然!」
凛「結局さ」
未央「うん」
凛「個性って、何?」
未央「…これがあったら、この人ですよ、みたいな」
凛「で、見つかったの?」
未央「何も」
凛「何もって…」
未央「でも、まあいいかなあって」
凛「どうして?」
未央「だって、プロデューサーがあんな自信満々に言ってくれたんだし」
凛「…嬉しそうだね」
未央「へへー…どうでしょう?」
凛「…まあ、いいけど」
卯月「未央ちゃん、凛ちゃん。何の話?」
未央「えーっと、ね」
凛「個性の話してたんだけど…」
卯月「個性?」
未央「うん。結局これだってのは無かったけどさ」
卯月「あ、私未央ちゃんの個性、分かりますよ!」
凛「え?」
未央「え!なになに?教えて!」
卯月「ピンクのパーカー!」
未央「言うほど毎日着てないからね!?」
凛「あ、そういえばピンクのパーカーだね」
未央「しぶりんまで!?いや仮にそれだとしても私の個性地味過ぎない!?」
卯月「でも何で今日は着てないんですか?」
未央「夏だから!!!」
杏「あの三人さ」
きらり「んー?」
杏「個性個性って言ってるけどさ」
きらり「うん!」
杏「あんだけうるさけりゃ個性関係無く目立つよね」
きらり「そう、だにぃ…☆」
凛「個性を探していますキャラは?」
卯月「だとしたら今ですね!」
未央「やかましいわ!!!」
終