2015年08月30日
モバP「礼さんだー」
P「おや、天気が悪くなってきたな……さっきまで晴れてたのに」
P「雲が出てきたか、こりゃ一雨きそうだな」
P「雲が出てきたか、こりゃ一雨きそうだな」
がちゃっ
ぞろぞろ ぞろぞろ
<ニョワー タダイマー! モドリマシタ…… Pサン モドリマシタヨォ……
P「皆も戻ってきたみたいだな」
P「おーう! おかえりー、今日はもう上がっていいからなー!」
P「雨振る前に早く帰るんだぞー!」
<ハーイ! ……ネェネェ テルテルツクロー!
P「……てるてる坊主の事か……? まあ少しくらいなら大丈夫か」
<トクダイ キラキラボーズー! ウフフ……ワタシハ リボンツケマスネ シルクハット ツケマスネ…
P「ははっ、天気は曇りでも気分は晴れみたいだな」
P「さて仕事仕事。あと戻ってきてないのは……礼さんかな?」
――――――――
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ぽつ ぽつ…… ぽつぽつ
P「あぁ……ついに降りだしたか」
がちゃっ
礼「ふぅ……ただいま」
P「あ、おかえりなさい礼さん。滑り込みセーフでしたね」
礼「えぇ。傘も持っていなかったから少し濡れちゃったわ」
P「おっと、タオルもってきますね」
礼「ありがとうP君。そのまま拭いてもらってもいいのよ?」クイッ
P「ちょっ、ご自分で拭いて下さいって……いたずらする気でしょう」
礼「ウフフ……拭いてもらうんだから私の方がいたずらされる側じゃない?」
P「と、とにかく持ってきますねっ」パタパタ
礼「ちょっとからかってあげるだけでおどおどしちゃって……可愛いんだから。ウフ」
P「はい、どうぞ。礼さんはもう少しからかわれる側の気持ちをわかってくださいよ……」
礼「あら? 分かっているからこうやって遊んでいるのよ? 楽しんでいるって」
P「そりゃあ……嫌って程じゃないですけれど……毎度こう、胸元とかですね、色々」
P「目のやり場に困るといいますか」
礼「ウフフ……それだけ私も魅力的ってことかしらね」
P「礼さん程の方が魅力的じゃないなんて事、絶対ありませんって」
礼「そんなに強く言ってくれるなんて嬉しいわ。お姉さん喜んじゃう♪」
ぽつぽつ…… ざぁぁぁぁぁ!
P「……おや、ついに本降りになっちゃいましたね」
礼「どうしましょうね……」
P「礼さんもこの後は予定はありませんし、強い雨ですからきっと通り雨で暫くすれば止むんじゃないでしょうか」
礼「そう? それならここで雨宿り代わりに少し休んでいこうかしら」
P「この調子だと傘を差しても雨が強すぎて濡れそうですし、全然構いませんよ」
礼「わかったわ。それなら向こうのスペースで一休みしましょうかs」
ゴロゴロゴロ……
礼「!」ビクッ
P「……? どうかされました?」
礼「い、いいえ。何でもないのよ。ウフフ……向こうへ行ってるわね」
P「あ、はい。自分はまだ仕事がありますので、何かあれば呼んで下さい」
礼「ええ、向こうで雑誌でも読んでるから大丈夫よ」
―――――――
――――――
―――――
礼(もう……嫌ね。雷まで鳴り始めるなんて……)
礼(すぐに収まってくれないかしら……)
ゴロゴロゴロ…… ピカッ!
礼「っ」ビクッ!
礼「……もう。ホントどうにかならないかしら……」
ピシャーン!
礼「やっ……!」
礼(いけない! ちょっと声が漏れちゃったわ。P君には……気づかれてないみたいね)
礼(こんな格好悪い所なんて見せたくないもの……我慢よ我慢)
P「お、雷まで鳴ってきたな……」
P「まぁ実家はこんなの比じゃないけど」
P「……ただ停電は怖いな。PCはノートの方に代えて仕事するか」
P「よし、データも移したしコード抜いておいたし大丈夫だな」
P「それじゃ続き続きっ……」
ピカッ! ビシャーン!!
<キャッ!
P「ん……? 今声が……? 気のせいかな。礼さんが悲鳴とか出さないよなぁ、気のせい気のせい」
ぶつん
P「げ。ホントに停電しやがった……PCは大丈夫でも暗くてだめだな」
礼(いやだ……嘘よね……こんな時に停電なんて。ねぇ、すぐ明かり点くわよね?)
・・・・・・・・・・・・
礼(雷も鳴っててこんな時に限って停電なんてどうかしてるわ!?)
礼(早く、早く明かり点いて頂戴……!)
ゴロゴロゴロ ビシャーン!!
礼「きゃぁぁぁぁぁっ! もう嫌ぁっ!」
ばたばたっ! バタンッ!!
礼「!」ビクッ
P「礼さん! どうしました!?」
礼「ぴ、P君脅かさないで頂戴……もう怖いんだから」ジワッ
P「!?」
P(礼さんが涙目に……!? これ、雷か停電で怖がってるのか!?)
P「あの、礼さん。つかぬ事を聞きますが……」
礼「もう我慢できないわ……こういうのすごく苦手なの」
P「雷とか……?」
礼「それもだけれど……怖いもの全般駄目なの。暗い部屋もあんまり……」
P(怖がりだったなんて全く分からなかった……いつもの雰囲気は全然無くなってて)
P(すっごい怯えてる感じに……)
P「……ってちょっと待って下さい?」
P「前にやったハロウィンとかのお仕事なんて思いっきりお化けをネタにした奴で……」
礼「ええ怖かったわよ……つくりものだったけれど皆すごい格好で内心驚かされてたわ」
P「そうとは知らず……すみません」
礼「いいのよ。怖がりだからといってプロとしての仕事はこなさなければならないもの」
P「でも事前に知っていれば代わりの子に誰か」
礼「駄目よ。私に折角持ってきてくれた仕事だったもの、もしもあの時言われてもきっと譲らなかったわ」
P「礼さん……」
ピカッ! ガァァァン!
礼「っ! でもこれは駄目ぇ!」ビクッ
P「……仕事に対する想いは分かりましたが……そう怖がられては説得力が……」
礼「もう! なんでP君は平気なの? こんなに酷く雷鳴ってるわよね!?」
P「なんというか、礼さんが自分の分以上に怖がってるもんで返って冷静になれてるというか」
礼「人の所為にしないで!? 怖いものは怖いのよ……!」
ゴロゴロゴロ……
礼「どうにかして頂戴……ぅぅっ」ギュッ
P「ちょっ!? 礼さん!?」
P「そんなに抱きつかれると、その!」
P「……って、すっごい震えてますよ」
礼「……言わないで。もう怖くてたまらないの」
礼「少し、このままに居させて……お願いだから……」
ぎゅうぅぅ ぐにぃっ
P(ほあああああ!? これはそ、想定外! 強く抱きついてきた所為で礼さんの胸が、胸が!)
P(背も高いから礼さんの顔が肩に! いい香りまで! ほああああ!)
P「あ、あのそんなに強く抱きつかれると」
礼「少しすればきっと大丈夫だから、大丈夫だから……」ブルブル
P「………………」
P(うぐおぉぉぉ……! 礼さんは怖がって怯えているというのに俺としたらこんな!!)
P(俺が狼狽えてどうする……! 心頭滅却……! 明鏡止水!!)
P(見えた! 水の一滴ィ!!)
そっ
P「……大丈夫ですよ。礼さんは心配する事なんて何もありません」
P「雷が止んで、停電が直るまで傍にいますよ。大丈夫」
P「背中、失礼しますね?」
すっ…なで なで
ピカッ!
礼「!」びくん
P「はい、大丈夫ですよ。自分がちゃんと居ますから」
礼「御免なさいね……す、少しこのまま体、支えにさせて頂戴……?」
P「ええ、いくらでも落ち着くまで構いませんよ」
礼(外は怖いけれど……P君はすごく暖かい声で、手も優しいのね……)
礼(いやね……いつもは少し頼りないなんて思った事もあったけれど)
礼(今はとても頼もしくて……少し和らぐわね……)
P「立ったままは疲れるでしょうから、そこのソファに座りましょうか」スッ
礼「え、ええ……御免なさいね」スッ
P「少し気恥ずかしいですが……どうぞ」
礼「…………」
ぎゅうっ
P(上半身だけじゃなくて足とかまで密着してきたけど……しょうがないか)
P(耐える、耐える……! 持つかな……)
ピカッ! びくん!
礼「っ!」
P「大丈夫です。何も怖い事はありませんよ」
礼「……だ、だけれどここに雷が落ちてきたら」
P「大丈夫ですよ、大丈夫。そんな事はあり得ません」
P「自分が言うから絶対大丈夫なんです」
礼「何よそれは……根拠なんて何もないわね……ふふ」
P「雷が落ちる根拠もありませんから、はは」
礼「……ありがとうね。今は少しだけ頼もしいわ」
P「えー……そこはもっと、すごく頼りにして下さいよ」
礼「い、いつもは少し遊んだだけでおどおどしちゃうんですもの」
礼「日頃の行い、よ」
P「む……それだけ言い返せる余裕が出たならもう大丈」
ぎゅうううう!
P「ちょっ、く、苦しいですよ」
礼「……そういう所が頼りないって言うのよ」
礼「女性のこんな姿見て放っておくなんて」
P「冗談ですって、礼さんが少し意地悪言うから、もう……」
P「落ち着くまで居ますから、安心して下さい」
ゴロゴロゴロ……
ピカッ! ガァァン!
キャァァッ! ダイジョウブデスヨ
―――――――
――――――
―――――
P「……外、静かになりましたよ」
礼「……も、もう大丈夫よね?」
P「ええ。すっかり雨も止んだみたいで……ほら」
礼「あ……雲の隙間から青空が」
P「隙間から光が差し込む光景って素敵ですよね」
礼「雷は苦手だけれど……これがP君と見られるなら少しは良かった、のかしらね」
P「で、こういう形で急に晴れると……」
ぱぁぁぁぁ
礼「あら、虹……素敵」
P「やっと顔が綻びましたね? よかった」
礼「あら……ウフフ。今日はP君に色んな姿見せちゃったかしら」
P「ええ、沢山。礼さんの可愛らしい所とか、ね?」
礼「よして頂戴……この事は皆には言わないでね」
P「ええ、苦手なものを変に茶化したりはしませんよ」
礼「本当? 少しだけ冗談を言ったから疑わしいわよ」
P「それは礼さんが意地悪したからですよ」
礼「それじゃ……口封じしてあげないといけないわね」
P「えっ?」
礼「んー……」スッ
P「ちょっ!? 何目をつぶって口を出してるんです!?」
礼「言ったでしょう? 口を塞がないと……ね?」
P「もう完璧元に戻ってる!? だ、だめですから! 絶対喋りませんから!」
礼「もう……こうして人に言えない事を付け足しておけば誰にも言えなくなると思ったのに。ウフフ」
P「そんな事しなくても黙っておきますって言ってるじゃないですか……」
ゴロゴロゴロ……
礼「っ!」ビクン
P「あ、ほら。意地悪するから雷も怒ってますよーだ。次はここに落ちちゃうかもしれませんね」
礼「ちょっと、脅かすのはずるいじゃない。私が悪かったから、はぁ……」
P「あはは。まぁ……また天気崩れる前に帰りましょうか、お送りしますから。どうぞ」
礼「今日は一日ついていてもらおうかしら……」
P「え」
―おしまい―
―おまけ―
別の日
ゴロゴロゴロ ピシャーン!
P「うひぃー急に雷雨とは参ったもんだ」
乃々「あ、プロデューサーおかえりなさいです……」
P「ん? ただいま乃々。どうした? 俺の机の前に立って」
乃々「ええと、その……もりくぼは雷は少しだけ、ほんの少しだけ苦手なのですが」
P「うん、机の下入らないのか?」
乃々「それが、その」ジッ…
P「……? 誰かの足がはみ出て……先客が居る、の……か……」
礼「」ガタガタガタ
P「え、ええー……」
-机の下同盟に仮住民が増えたとかなんとか-
ほんとにおしまい
18:30│篠原礼