2015年09月15日

若林智香「お兄さん!アタシ、アイドルになりたいんです!」


若林ちゃんのssだよ

デレステのコミュからネタを得てるから、ネタバレ?的なのあるかも

そういうの嫌な人は、若林ちゃんのコミュ見てから見た方が良いかも









SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442065225





智香「ただいまー...」



智母「おかえり。野球場でのチア、どうだった?」



智香「うんっ、よく出来たと思うけど...」



智母「けど?」



智香「始球式にね?アイドルの子が来てたんだっ」



智母「へえ」







智香「それでね?その子がとってもキラキラしてて...」



智香「その子を見て、みんな応援してキラキラしてて...」



智香「アタシもああなりたいなって...そう思った!」



智母「ふうん...何か感動出来るものがあったみたいね」



智香「うんっ☆」



智母「ああ、そういえば忘れてたけど」





智母「お兄さん、今日泊まって行くから」







智香「えっ?」



母「あら覚えてない?確かに最後に会ったの五年くらい前だけど、あなたよく遊んでもらってたし...」



智香「覚えてる、覚えてるよっ!そ、それでどうして突然?」



母「この近くに出張するから泊めてくれないかって、一週間くらい前に頼まれてね?」



智香「もう!そういうことはもっと早く言ってよーっ!」



母「ごめんなさいね。まだ来ないから、掃除したいならしてくれば?」



智香「いつ?いつくるの!?」



母「さあ...夜遅くなるかもしれないとは聞いたけど」



智香「よしっ!」ドタドタドタドタ







自室





智香(忘れるはずがない)



智香(七歳離れてる、いとこのお兄さん。アタシが中学生になってからは、殆ど会えなくなったけど...)



智香(それでも、お兄さんがアタシと遊んでくれたこと、勉強を教えてくれたこと、いっぱい話してくれたこと、アタシ覚えてますっ!)



智香(突然だけど五年ぶり...アタシに気付いてくれるかなあ...)



智香「...」



智香「い、一応...部屋は掃除しよっかなっ☆」







ピンポーン





智香「...」



智香「ふあぁ...」



智香「...」



智香「何時...?」





21:05





智香「あれっ?アタシ寝ちゃってた...?」



『あらー、久しぶりねー!』



『お久しぶりです、おばさん』



智香「き、来ちゃった...」







P「突然のお願いで申し訳ありません」



母「いやいや、気にすることはないわよ。昔みたいにくつろいでって」



P「ありがとうございます。...っと、後ろにいるのは智香か?」



智香「あ、は、はひっ!」



P「...大きくなったな」



智香「そ、そうですかっ?五年経ってますからっ☆」







P「髪も随分伸びたな」



智香「へ、変ですかっ?」



P「いいや、似合ってると思うよ」



智香「そ、そうですか...えへへ☆」



母「Pちゃん、ちょっと遅いけどご飯食べる?用意はあるんだけど」



P「あ、何も食べてないんで。喜んでいただきます」



母「智香もご飯まだだったわね。一緒に食べなさい」



智香「うんっ!」







..........





智香「アイドルのプロデューサー!?」



P「うん、今二人プロデュースしてるんだよね。あ、この煮物凄く美味しいです」



母「お口にあって何よりです。アイドルのプロデューサーねえ...私にはよく分からない職業だけど、忙しそうね」



P「まあ...俺も大変ですけど、一番大変なのは本人達かもしれませんね。アイドルは、みんなが思うよりずっと地味な仕事の積み重ねなんで」



P「そういったことも本人達が楽しんでくれるのが一番ですけど...そうはいかないことも多いですね」



智香「その、お兄さんがプロデュースしてるアイドルの子って、今どうしてるんですかっ?一緒に来てるんですよね?」



P「ん、来てるよ」



P「他のアイドルとお酒のみに行ったけどね」







智香「お、お酒...」



母「アイドルもお酒飲むんだねえ..」



P「あ、ちゃんと成人してますよ。見た目はアレですけど」ゴソゴソ



P「こいつですね。今日始球式のイベントがあったので...」



母「あら、成人してるようには見えないわね」



智香「この人...」



P「ん?智香はファンなのか?」



智香「今日、アタシこの球場に行ってたんですよ!」







P「本当か!いやあ、気付かなかったなあ...何処にいたんだ?」



智香「チア部の活動で行ってたんです!アタシ、チアリーダーとして頑張ってるんですよっ☆」



P「それは凄いな。...で、どうだった始球式パフォーマンスは?」





智香「とっても凄かったですっ!」



智香「アタシ、誰かを応援したくてチアを始めたんですけど...」



智香「あの子が頑張ってるのを見てると、それだけでアタシも応援されてる気分になって...アタシもあの子を応援したくなって...」



智香「なんだか球場全体がキラキラしてたみたいな...上手く言えないんですけどっ」



智香「でも、今まで感じたこと無かったくらい、アタシ感動したんですっ!」







P「いやあ、そこまで言われるとプロデューサーとして嬉しい限りだなあ...」ウンウン



P「誰かの心を動かすのって難しいことなんだよなあ...あいつに言ったらきっと喜ぶぞ」



母「智香本当に感動したみたいだったから...私も見てみたかったわ」



P「良かったらファンになって下さいよ。ウチの子達を応援してやって下さい」



智香「はいっ!アタシ、ファンになりますっ!応援しますよーっ☆」



P「おっ、ありがとう!本当に嬉しい限りだよ」



智香「プロデューサーさんも頑張って下さい♪」



P「はは...智香からそう言われると少し恥ずかしいなあ」







母「さて、そろそろ夜も遅いしPちゃんお風呂入って来たらどうかしら?」



P「ああそうですね、じゃあお先に...」



智香「あ、アタシ先入りますっ!」



P「え?...ああ!」



P「じゃあ智香、お先にどうぞ」



P(男のあとは嫌かもしれないな)



智香「は、ハイっ!」タタッ



智香「お風呂上がったら...アタシの部屋に来て下さい...」ボソッ



P「へ!?」







P(なんだろう、突然...)



母「...」



母「Pちゃん」



P「はい?」



母「あの子、ああ見えて意志の強い子だから...きっと無茶なことお願いするかもだけど」



母「しっかり向き合ってあげてね」



P「...はあ」







.........





智香『お風呂上がりましたー!』



P「あ、じゃあ次俺行ってきます」



母「どうぞー」



智香「じゃ、部屋で待ってますから」ボソボソ



P「あ、ああ...髪乾かしたら行くよ」



智香「お願いしますねっ」パタパタパタ



P「...」







.......





P「...来たぞ」



智香「は、はいっ!中へどうぞっ☆」



P「お邪魔します...」



P「...それで早速だけど」



P「どうして俺を呼んだんだ?」



智香「実は、お兄さんにお願いというか相談というか...お話があって、お呼びしましたっ」



P「...」









智香「お兄さん!アタシ、アイドルになりたいんです!」





P「駄目だ」











智香「え...」



P(しっかり向き合うこと。それはただ道を教え導くだけじゃない)



P(しっかり向き合って、現実を知ってもらうこと。その上で自分で責任をしっかり持つこと)



P(ただ...)



P「...」



智香「駄目...ですかね...?」







P「智香。俺は智香ととても長く付き合ってたわけじゃないし、智香について知らないことも多いと思う」



P「だけど業界人としてではなくて近しい人として、あえて厳しいことを言わせてもらう」



P「俺はアイドルになることを必ずしもお勧めしない」



智香「...どうして、ですか?」



P「まあ、理由はいくつもあるんだけどな...順番に説明していくよ」







P「まず一つに。ご飯の時も言ったけど、アイドルってのは想像しているほど華々しい世界じゃない」



P「そりゃステージの上では華々しく着飾ってるし、そう見えるかもしれない。だけどその裏では本当に泥臭く努力してるんだ」



P「智香もチアをやってるなら分かると思うけど、本番で結果を出すには沢山の練習が必要だ。それに加えアイドルは、様々な小さなイベントに出ることもしばしばある」



P「そうした場は華々しいもんじゃない。みんながみんなじゃないけど、冷たい視線を送る人だっている。酷いことを言う人もいる」



P「今よりもずっと、肉体的にも精神的にも厳しい環境に身をおくことになるかもしれない」



智香「...はいっ」







P「それから二つ目。言い方は悪いが見せ物になるってことを忘れないでほしい」



智香「見せ物?」



P「そう。アイドルとして働く以上、不特定多数の人に見られる」



P「中には応援してくれる人もいるかもしれないが、そういう目で見ない人だっている」



P「だからこそ、アイドルは自由なようで自由じゃない。事務所も個人情報を保護するとか最低限のサポートは出来るけど、最後に自分の個人情報を守るのは自分自身だ」



P「軽率な行動は慎んでもらわなければならないし、場合によってはそれが智香の生活範囲を狭めることもあるかもしれない」







P「最後に。これらのことをきちんと守って、辛いことに耐えて、頑張ったとしても...」



P「それでも、結果が出ないことだってある」



P「まあそこで結果を出せるようにするのがプロデューサーの役目だが...」



P「万が一売り込めなかったプロデューサーはクビになるか、担当が変わるだけだが、アイドルはそうはいかない」



P「身を引かなくても時機を逃して売れなかったり、身を引いても日常生活に多少の支障があったり...なんてこともある」



P「アイドルの世界に踏み込むことは、決して軽いことじゃないんだよ」



智香「...」







P「ただー...」







P「そうしたことに耐えながら、また日々の仕事を楽しみながら、そうして一つの何かを完成させた時の喜びや達成感は...」



P「きっと凄く大きな物だと思う」



P「そして多くの人に感動を与えてることが出来ると、俺は思う」





P「以上のことをふまえて、その上でも智香はアイドルになりたいって思うか?」



P「アイドルの世界に踏み込みたいって思うか?」



智香「...」











智香「...はいっ!」







智香「アタシ、考えてたんです。どうすれば人を応援出来るかって。どうすれば、一番励ますことが出来るのかって...」



智香「だから、今日の始球式のパフォーマンスを見て、これだっ!って思ったんです。アイドルなら、みんなを励ますことが出来る。誰かを元気に出来るって!」



智香「そのためには、アタシも沢山努力をして頑張らないといけませんよねっ」



智香「そしてアタシの頑張る姿を見てもらって、みんなを応援したいですっ!」



智香「アタシのアイドルを目指す理由...それは今のお話を聞いても変わりませんっ!」







P「...そっか」







P「そこまで強い意志があるなら、俺からはもう何も言うまい」ゴソゴソ



P「これ」ピッ



智香「この番号は?」



P「ウチの事務所の番号だ。そこに電話してアポとって、実際にプロデューサーと会ってきちんと話してみなさい」



智香「え?でも今お兄さんが...」



P「俺は近しい人として話してるの!今までのはプロデューサーじゃないのでノーカン!」



智香「わ、分かりました...」



P「最後に、智香」



智香「はいっ!」







P「明日、朝になってこの家から出たその瞬間からー...」



P「俺は智香のいとこじゃなくて、一つの事務所の一人のプロデューサーになる」



P「一人の社会人の大人になるんだ」



P「そして智香も俺にとっていとこじゃなくて、一人の女の子になる」



P「もうそこからは、どうすべきなのか分かるな?」



智香「...はいっ!」







智香「お兄さん!お話聞いて下さって、アドバイスもありがとうございましたっ!」



智香「アタシ、絶対に頑張りますっ☆」







翌日





智香「ここが事務所...」



智香「なんとかアポは取れたけど...緊張して来たっ」



智香「フレー、フレー智香ー!ゴーゴーレッツゴー智香ー!」ボソボソ



智香「...よしっ☆」







「あなたが、連絡を入れてくれた若林さんですね?」



智香「あっ、はいっ...て、お兄さん!?」



P「...」



智香(あっ...)



智香(そっか...)



智香(アタシは今、アイドルの世界へ踏み込もうとしてるんだっ!)



智香(だから今のアタシは一人のー...)















智香「はじめまして、プロデューサーさん。.........













終劇!!







21:30│若林智香 
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