2015年11月11日
やよい・千早「一秒一秒まっすぐ進んで」
よろしくお願いします。
書き溜めありです。
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某日・765プロ事務所
千早「あの、プロデューサー…お話があるのですけど」
P「ん?どうした?」
千早「この日なんですが、すでに何かお仕事が入ってるということはないでしょうか?」
P「この日か?うーん、春香と亜美真美のバラエティ収録に竜宮小町の歌番組収録と…あとは一番でかいのはやよいの単独ライブだな。千早の予定は今のところ入ってないよ」
千早「その日…弟の命日なんです。母とお墓参りに行こうかと話をしていて、できればお休みをいただきたいのですが…わがままなお願いだと思うんですけれども…」
P「…そうか。わがままなんかじゃないさ。まだ3か月後だしな。その日のスケジュールは空けとくよ」
千早「……!本当にありがとうございます、プロデューサー」
P「いいっていいって」
やよい「おはようございまーっす!」
P「お、やよいおはよう」
千早「おはよう高槻さん」
小鳥「おはよう、やよいちゃん♪」
やよい「おはようございます!何話してたんですか?」
P「いや、そのな…」
千早「いいんですよプロデューサー。765プロのみんなは家族のようなものですから」
P「千早…ははっ、そうか」
やよい「?」
千早「高槻さん、あのね…」
千早「…ということなの」
やよい「そうだったんですか…弟さんの命日…千早さん、お母さんと仲直りしたんですね!」
千早「仲直り…ふふっ、そうね。765プロのみんなのおかげよ。高槻さんは…その日ライブだったかしら?」
やよい「はい!そうなんです!」
千早「がんばってね、高槻さん」
やよい「はい!ありがとうございます!」
P「………」
千早「…プロデューサー…何ニヤついているんですか?」
P「い、いや、別に。千早もいい笑顔するようになったなーと思っただけで…」
千早「な!?そ、そんなこと…」
P「いやいや、ねえ、小鳥さん?やよいもそう思うだろ?」
小鳥「ふふっ。そうですね♪」
やよい「はい!すっごくいい笑顔です!」
千早「音無さん、高槻さんまで…もう」
P「ははっ!まああれだ。千早もいい意味で変わったってことだよ。さて、もうそろそろ時間だぞ、千早」
千早「はい。準備してきます」
P「おう。じゃあ下に車回しておくからな!よし、じゃあ音無さん、いってきますね」
小鳥「はい。いってらっしゃい。気を付けてくださいね♪」
P「はい。やよいは今日はレッスンだよな?がんばれよ〜」
やよい「はい!あの…プロデューサー」
P「なんだ?」
やよい「今日レッスンが終わったらお話したいことがあるんですけどいいですか?」
P「ん、いいぞ。どうかしたか?」
やよい「ライブのことでちょっとお話があるんです。あと千早さんって事務所に帰ってきますか?」
P「ああ、一回戻ってくる予定だけど」
やよい「千早さんにも一緒にお話したいんです」
P「わかった。千早にも伝えておくよ。じゃあまたあとでな」
やよい「はい!」
数時間後・765プロ事務所
P「ただいま戻りましたー」
やよい「おつかれさまです!プロデューサー!千早さん!」
千早「お疲れ様、高槻さん」
P「おう、お疲れやよい。ちょっと仕事のメールだけ送ってくるから待っててな」
やよい「はい、大丈夫です!お茶入れてきますね」
千早「ありがとう、高槻さん」
P「待たせたな。じゃあやよい、どんな話か教えてくれるか?」
やよい「はい。えっと、あの、今度のライブで歌う歌のレッスンを千早さんにつけてほしいんです!」
千早「え?私に?」
やよい「はい!お願いします!千早さん!わたし次のライブは元気な、わーって曲だけじゃなくておしとやかな?違うかな?うぅ〜なんていうんだろう…」
P「しっとりした曲調の歌とかか?」
やよい「はい!そういうことです!そういう曲もたくさん歌うから…もっとうまくなりたくて」
P「それでそういう曲が上手な千早にってことか」
やよい「はい」
千早「事情はわかったけれど…その…」
やよい「うぅ〜千早さん…ダメですか?」
P「どうだ?千早?スケジュールの調整は何とかするからそこは心配しなくていいぞ」
千早「……わかりました。引き受けるわ、高槻さん」
やよい「ほんとですか!?うっうー!よろしくお願いします、千早さん!」
千早「ふふっ。やるからには厳しくいくわよ」
やよい「はい!根性なら負けません!」
春香「やよい〜千早ちゃんほんとに厳しいよ〜」
やよい「はわっ!?春香さん!?」
P「春香、帰ってきてたのか。お疲れ様」
春香「お疲れ様です、プロデューサーさん!やよいと千早ちゃんも♪」
千早「お疲れ様、春香…ふふっ、もっと厳しくレッスンしないとだめみたいね?」
春香「きゃ〜♪やよい助けて〜」
やよい「は、春香さ〜ん重いですよ〜」
P「ははは…お前ら元気だな。ほら、送ってくから準備しろ〜」
三人「は〜い」
車の中
春香「私は駅までで大丈夫です。まだ電車もありますし」
P「そうか。じゃあ春香、千早、やよいの順で送っていくな」
千早「ありがとうございます、プロデューサー」
やよい・春香「ありがとうございます!」
P「アイドルとドライブできるんだからな。いいってもんよ」
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千早「ありがとうございました。おやすみなさい、プロデューサー、高槻さん」
P「おう、おやすみ」
やよい「おやすみなさい!千早さん!」
バタン
ブーン………
P・やよい「………」
P「やよい、千早に受けてもらえてよかったな」
やよい「はい!」
やよい「あの!プロデューサー」
P「どうした?」
やよい「私のライブの日、千早さんの弟さんの命日なんですよね?」
P「ああ、そうだけど…」
やよい「あの、おばあちゃんが言ってたんですけど、亡くなった人に一番声が届くようになるのは命日かお盆の時って…プロデューサー聞いたことありますか?」
P「いや、ないなー。でもなんとなくそんな気もするな」
やよい「私もそう思うんです!だから私のライブで歌う歌も千早さんの弟さんまで届くけばいいなーって!」
P「そうだな。やよいの歌声ならきっと届くよ」
やよい「はい!私、メラメラ〜って燃えてきたかも!」
P「ははっ!がんばれやよい。俺もできる限りのサポートはするからな!」
やよい「ありがとうございます、プロデューサー!」
P「ああ…任しとけ」
P(だめだ、年取って涙もろくなったな俺…)
数日後・レッスン初回・レッスンルーム
やよい「それじゃあよろしくお願いします!千早さん」
千早「ええ。始めましょうか。じゃあまずはライブで歌う曲を何曲か歌ってみてくれるかしら?元気な曲からしっとりした曲まで」
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やよい「〜♪…ふぅ。どうですか?千早さん」
千早「ええ。高槻さんの元気な歌での声量とパワフルさは素晴らしいと思うわ。私も見習いたいくらい。
でもきっとチクタクやmy songのような曲にはまた別の高槻さんらしさが必要だと思うの」
やよい「私らしさですか?」
千早「ええ。らしさっていうと曖昧な感じに聞こえるかもしれないけど、そのらしさは練習を積み重ねた中での技術や経験で生まれるものだと思うわ」
やよい「はい!私らしさをばばーって出せるようにがんばります!」
千早「ふふっ。そうしたら、一曲ずついきましょうか」
やよい「よろしくお願いします!」
千早「今日はここまでにしましょうか」
やよい「はい!ありがとうございました!」
千早「高槻さんすごいわ。私の言ったことを一つ一つ着実に自分のものにしてるもの」
やよい「千早さんの教え方が上手だからですよ!」
千早「私は教えるのそんなにうまくないと思うのだけれど…高槻さんにそう言ってもらえると少し自信になるわ。ありがとう」
やよい「えへへ…そうだ!千早さん、今日私の家で夕ご飯食べていきませんか?」
千早「え?そんな…急にお邪魔して迷惑じゃないかしら…」
やよい「大丈夫です!プロデューサーや伊織ちゃん、あと貴音さんもよく一緒に食べるんですよ!」
千早(食べ物の話だといつも四条さんが出てくるわね…)
千早「そうしたら…お邪魔しようかしら」
やよい「ほんとうですか!?それじゃあお母さんに連絡しますね!」
千早「ふふっ、よろしくね」
別の日・レッスンルーム
千早「そこで一度声量を下げてメリハリをつけるといいかもしれないわ」
やよい「はい!やってみます」
やよい「〜〜♪…どうですか?」
千早「ええ。良くなった思うわ」
やよい「うっうー!やりました!千早さん、はいたーっち、いぇい!」
千早「ふふっ。……私、ふと思ったのだけれど…」
やよい「?どうしたんですか?」
千早「この歌、高槻さんのこと表してるみたいって思ったの」
やよい「私ですか?」
千早「一秒一秒まっすぐと進んでいく…なんだか高槻さんみたいだと思うわ」
やよい「そうですか?えへへ…なんだか照れるかも…」
ガチャッ
P「お疲れ、千早、やよい」
千早「プロデューサー、お疲れ様です」
やよい「おつかれさまです!」
P「何か楽しそうに話してたみたいだけど何話してたんだ?」
やよい「えへへ、ないしょです♪」
P「何だよ〜気になるじゃないかよ〜」
千早「ふふっ」
P「仲間外れ…」
やよい「プロデューサーには今度おしえてあげます!」
P「はは、約束だぞ。よしじゃあ着替えてきな。下に車回しておくからな」
千早「ありがとうございます」
やよい「ありがとうございます!」
ライブ数日前・レッスンルーム
やよい「〜〜♪」
千早「…………」
やよい「〜〜♪…ふぅ。どうでしたか、千早さん?」
千早「とても…良かったわ。最初の頃よりもずっと」
やよい「うっうー!やりました!」
千早「ふふっ、レッスン終了です。お疲れ様、高槻さん」
やよい「はい!ありがとうございました!千早さん。忙しいのに私のために…」
千早「いいえ…私にとってもいい時間だったわ。後は本番ね」
やよい「はい!うぅ〜燃えてきました!」
千早「ふふっ。ファンのみんなにもパワーアップした高槻さんを見せてあげられるわ、きっと」
やよい「がんばります!それで…千早さんの弟さんまで歌声が届けばいいなーって!」
千早「高槻さん…ありがとう。きっと届くわ」
やよい「はい!」
ライブ当日・とある霊園
千早母「千早、お母さん先に行ってるわね」
千早「うん。私はもう少しここにいるわ。入口で待っててくれる?」
千早母「わかったわ」
千早「………」
千早「優、今日ね、私の友達が大きなステージに立つの。応援してくれるかしら?」
千早「………」
千早「それでね…優まで歌声を届けたいんですって。……心を温かくしてくれるような歌を歌う子なの。楽しみにしててね」
千早「またね、優」
数時間後・ライブ会場舞台袖
やよい「なんだがドキドキしてきたかも…!」
P「大丈夫だ。今のやよいなら絶対にできる!俺が保証する!」
やよい「プロデューサー…はい!」
千早「高槻さん!プロデューサー!」
やよい「あ!千早さん!」
P「おう、来たか」
千早「良かった、間に合って」
P「そしたら、如月先生、やよいに一言お願いします」
千早「先生だなんて…もう、プロデューサー、ふざけないでください」
やよい「千早先生!一言お願いします!」
千早「高槻さんまで…ふふっ、そうね、自分を信じて、そして何より…楽しんできて!」
やよい「はい!じゃあいってきます!」
P「おう!いってこい!」
やよい『みんなー!お待たせしました!高槻やよい、いっきまーっす!』
ワアアアアアアアアアアアア
P「始まったな」
千早「はい。楽しみですね」
P「ああ」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
ワアアアアアアアアアアアア
やよい『プラソニック・ラブでした!どうでしたかー?』
カワイイヨー
やよい『えへへ…ありがとうございます!』
やよい『次に歌う曲なんですけど、私の尊敬する人になんだか高槻さんみたいな曲ねって言われた曲なんです!』
やよい『だから…私はこの歌に私らしさと…歌を教えてくれたその人の思いを込めて歌いたいと思います!』
やよい『聞いてください!…チクタク!』
P「千早の思いも込めて…か」
千早「ほんとに…優しいですね、高槻さんは」
P「ああ…弟さんには届いてると思うか?」
千早「はい…きっと届いています…」
P「…ほらティッシュ」
千早「…ありがとうございます…」
ワアアアアアアアアアア
やよい『ありがとうございましたーっ!すっごくすーっごく楽しかったです!』
やよい『また会おうねの〜はいたーっち!いぇい!』
やよい『またねー!!』
タッタッタッタッタッ
やよい「プロデューサー!千早さん!やりました!大成功です!」
P「そうだな!誰が見ても大成功だ!最高のライブだったぞ!」
千早「高槻さん!とても良かったわ」
やよい「ありがとうございます!でもそれは千早さんがレッスンしてくれたおかげかなーって!」
千早「そんなこと…でも高槻さんにそう言ってもらえると嬉しいわ」
やよい「えへへ…それじゃあ千早さん!プロデューサー!いきますよ〜」
P「おうよ!」
千早「ふふっ」
やよい「大成功の〜はいたーっち!いぇい!えっへへ〜スタッフのみなさんもありがとうございました!はいたっちしましょー!」
ハイターッチ!ハイターッチ!
P「ははっ、みんなにハイタッチして回ってるよ」
千早「高槻さんらしいですね」
P「ああ…そうだな」
タッタッタッタッタッ
やよい「プロデューサー!千早さん!」
P「お、みんなとハイタッチし終わったのか?」
やよい「はい!この後うちあげがあるみたいなんです!一緒にいきましょー!」
P「はは、ライブ後とは思えないほど元気だな」
千早「そうですね。ねえ、高槻さん」
やよい「なんですか?千早さん」
千早「その…素敵な歌をありがとう」
やよい「……!…はい!届きましたか?」
千早「ふふっ。ええ、もちろん」
千早(…そうでしょ?…優)
おわり