2015年11月23日

的場梨沙「もうすぐ誕生日なのよね」 二宮飛鳥「へぇ」

11月14日 事務所





梨沙「あと5日だから、当日はセーダイに祝ってよね」





飛鳥「………」



梨沙「……飛鳥? なによ、黙っちゃって」



飛鳥「梨沙。キミは誕生日を祝うことについてどう思う」



梨沙「へ? いきなりどうしたのよ」





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飛鳥「ひとつ聞きたいんだけど、キミは自分が生まれた時のことを覚えているかい」



梨沙「生まれた時? そうねえ……あれは確か夕暮れ時。電話を受けて慌てて病院に駆け込むと、まるで天使のような産声が耳に届き」



飛鳥「それはキミの父親の感想だろう」



梨沙「いやあ、アタシってば生まれた時からかわいかったみたいね。うんうん♪」



飛鳥「それは結構なことだけど、ボクが聞きたいのはキミ自身に当時の記憶があるかどうかということだ」



梨沙「そんなの覚えてるわけないじゃない。赤ん坊なのに」



飛鳥「そうだろう。誰だってそうだ。生まれてきた時のことなんて覚えているモノじゃない」



梨沙「まあ、覚えてたらすごいわよね」



飛鳥「とすれば、誕生日とは当人の記憶に残っていない出来事が起きた日。そんな日を祭り上げ、祝うということに、果たしてどんな意味があるのだろうか」



梨沙「うーん……わからなくもない、かも。飛鳥にとっては、特に大事な日じゃないってことよね」



飛鳥「特別な日ではないんじゃないか、とは考えている」



梨沙「なるほど」





梨沙「で、プレゼントはなにくれるの?」



飛鳥「今までの会話の流れを完全に壊したね」



梨沙「アタシにとっての誕生日は、パパとママが祝ってくれて、みんなにプレゼントもらえる超お得な日! それだけ!」



飛鳥「その姿勢はいっそ清々しい」フフッ



梨沙「なによー。なんか文句あるの?」



飛鳥「いいや、ないさ。むしろ楽しい」



飛鳥「くだらない戯言だと流されるよりも、自分の意見を真っ向から否定されるほうが気分はいい」



飛鳥「ボクにとって、キミはそういうありがたい存在というわけさ」



梨沙「相変わらずよくわかんないこと言うわね、飛鳥は」



ガチャリ





P「おーい、二人とも。ちょっとそこスペース空けてくれ」エッサ



心「どけどけー、ちびっ子ども☆」ホイサ



梨沙「ん?」



飛鳥「Pに心さん。二人が運んでいるのは、ひょっとして」



P「ああ、こたつだよ」



心「もう11月も真ん中だし、そろそろ解禁してもいいでしょ♪」



飛鳥「こたつか。すっかり冬の訪れを感じさせるモノの登場だ」



梨沙「最近寒いし、ちょうどいいわね」



心「プロデューサー、コンセントはここのやつ使っていーい?」



P「はい、大丈夫です。お願いします」



心「よし☆んじゃ挿して……準備完了♪」



P「心さんが手伝ってくれたおかげで早く終わりました。ありがとうございます」



心「いいってことよ♪」



P「あ、そうそう。これ、うちの実家から送られてきたみかんです。こたつの上に置いときましょう」



心「みかんかぁ、いいねいいね♪」



心「こうやって二人でいろいろ準備するのって、なんだか家族みたいでスウィーティー☆」



心「プロデューサー♪一緒にこたつ入ってみかんの食べさせあいっこでも」



P「じゃあ俺、会議があるんで抜けますね」



ガチャ、バタン



心「……ムードが壊れた」ムー



梨沙「プロデューサーも忙しいわねー」ヌクヌク



飛鳥「担当しているアイドルが多いからね。働き者だよ」ヌクヌク



心「ていうか、キミらちゃっかりこたつ堪能してるね。なんて素早い身のこなし……」



梨沙「身体が勝手に引きこまれる感じだったわ」



飛鳥「こたつの魔力がなせる業だね」



蘭子「魔力!?」にゅっ



心「蘭子ちゃんどっからでてきたの?」



蘭子「魔の源満つる処、いずれも我が領域よ」



飛鳥「なるほど」



心「いやわかんないぞ☆」



10分後





心「ぐでー」



梨沙「だらけきってるわね」



蘭子「魔力の壺、甘き覇王の仮面を剥がしたり(こたつが心さんの素を……)」



飛鳥「アイドルシュガーハートが、佐藤心さんに戻る瞬間だね」



心「はー、ほんとこたつはいいわー。癒されるわー。実家思い出すわー」グダー



梨沙「ほい、みかんあげる。あーん」



心「ぱくっ」モグモグ



梨沙「わっ、なんかホワイトタイガーみたいでかわいい」



飛鳥「とっさにそのたとえが出てくるのはなかなかすごいと思う」



蘭子「た、タイガー……」



梨沙「ホワイトタイガーって言っても、赤ちゃんの、だけど。お仕事でちょっとお世話したことあったから、思い出したのよ」



梨沙「餌を口の前に持って来たら、こんな感じでパクって食いつくのよね」



心「もっとちょうだーい」



飛鳥「蘭子。今度はキミがやってみたらどうだい」



蘭子「わ、私っ? う、うん……」



蘭子「あ、あーん」ドキドキ



心「ぱくっ」モグモグ



蘭子「か、かわいい……!」



梨沙「次またアタシの番ね!」



飛鳥「キミ達、あまりやりすぎると心さんの顔が黄色くなってしまうよ」



梨沙「そこまではさすがにしないわよ」



翌日





梨沙「………」←こたつに入って漫画読んでる



梨沙「……うーん、なんか暇ね」



梨沙「飛鳥は雪美と一緒に仕事だし、心さんは休みだし、晴とありすは……ん?」





ペロ「………」



梨沙「アンタも暇なの?」



ペロ「にゃー」



梨沙「………」ナデナデ



ペロ「ごろごろ」



梨沙「おー、よしよし。猫ってあご撫でられるの好きよね」



ペロ「ごろにゃー」



梨沙「きゃっ、いきなり飛びこんできたらびっくりするじゃない。まあいいわ、しばらくアンタと遊んで暇つぶしね。ふふっ」



梨沙「聞いてよペロ。飛鳥ってば、結局誕生日プレゼントくれるかくれないかはっきり言わないのよ?」



梨沙「難しいことばっかり言って、肝心なところはしゃべろうとしないのよ」



梨沙「どう思う?」ツンツン



ペロ「にゃー?」



梨沙「なんて、アンタに言ってもしょうがないか。そうそう、この前ハートさんがライブではしゃぎすぎて腰痛めた時のことなんだけど――」







飛鳥「お疲れ」



雪美「……お疲れさま」



雪美「………」ソワソワ



飛鳥「落ち着かないようだね」



雪美「ペロ……ひとりにしちゃったから……」



飛鳥「なるほど。それは早く帰ってあげた方がいい」



雪美「……うん」



雪美「(きっと寂しがっている……かわいがってあげないと……)」



ガチャリ





飛鳥「ただいま」



雪美「ペロ……」







ペロ「にゃーにゃー」



梨沙「キャッ! ちょっと、くすぐったいでしょ! もう、アンタおとなしいかと思ったら、意外とやんちゃなのねっ」ニコニコ



ペロ「にゃっ」







雪美「」ガーン



飛鳥「梨沙と遊んでいたのか。寂しがっていないようで……大丈夫かい」



雪美「(寂しかったのは……私だけ……)」ヨロヨロ





梨沙「あっ、飛鳥と雪美帰ってきた。ほら、飼い主の代わりにアタシがペロと遊んどいてあげたわよ!」



梨沙「それと飛鳥、結局誕生日プレゼントは――」



雪美「………」ズーン



梨沙「って、なんでこの子こんなに落ち込んでるの?」



雪美「ねとられた……」



梨沙「ねと?」



飛鳥「どこでそんな言葉を覚えているんだ……やれやれ」



飛鳥「――というわけさ」



梨沙「なんだ、そんなことか」



梨沙「バカね。いくらアタシが動物にモテるからって、ペットは飼い主のことが一番好きに決まってるじゃない。ね?」



ペロ「にゃ、にゃ」コクコク



雪美「……本当?」



梨沙「当たり前でしょ。ほら、ペロ返すから」



ペロ「にゃー!」



雪美「ペロ……よしよし……」ニコ



ペロ「ぺろぺろ」



雪美「くすぐったい……ふふっ」









梨沙「やっぱり黒猫は雪美のほうが似合うわね」



飛鳥「一件落着、か。それにしても、キミは動物の扱いが上手いね」



梨沙「ダテに動物関係の仕事ばっかりやってないってことよ」



飛鳥「そのうち志○動物園に出演したりとか」



梨沙「ま、アタシの人気を考えたら近いうちにあるかもね!」



飛鳥「自信に満ち溢れた笑顔、ボクには少し眩しいよ」



梨沙「心配しなくても、アタシが出演する時は飛鳥も一緒に出してもらうから。ありがたく思いなさいよねっ」



飛鳥「……なるほど。そうなれば、退屈しないだろうね」フフッ



その後



11月18日夜 的場宅・梨沙の部屋





梨沙「……明日はいよいよ誕生日なんだけど」



梨沙「結局飛鳥が何かくれるのかどうかわからずじまいなのよね……」



梨沙「うーん……」



梨沙「………」





梨沙「というか、アタシがなんでこんなに気にしなくちゃいけないのよ。飛鳥からプレゼントもらえなかったとしても、他の子からもらえれば何にも問題ないじゃない」



梨沙「なによりパパからプレゼントもらえるんだから、それだけでも十分だし!」



梨沙「うん、よく考えたらそうよね! うんうん!」



梨沙「あー、すっきりした! 寝ようっと」



梨沙「………」



梨沙「………」



梨沙「……飛鳥って、他の子の誕生日の時、どうしてたんだっけ?」



梨沙「今からメールで聞くのは……さすがに無理やりくれって言ってるみたいで嫌だし」



梨沙「うーん……」←結局すっきりできていない





11月19日 事務所





飛鳥「ほら。誕生日のプレゼント」



梨沙「えっ」



飛鳥「なんだい、その反応は。欲しい欲しいと言っていたじゃないか」



梨沙「あ、うん。そうなんだけど……くれるんだ、普通に」



梨沙「誕生日に特別な意味はないみたいなこと言ってたから、何も用意しないのかなって」



飛鳥「あげないとは言ってないだろう」



梨沙「くれるとも言わなかったじゃない」



飛鳥「あぁ、そうだったかな」



飛鳥「キミが今日という日を特別視し、何年も時を重ねてきたのなら、それはもうキミにとっては唯一無二の特別な日だ」



飛鳥「ならばボクも、キミがこのセカイに生まれてきたことを祝福してもいいんじゃないかと思った」



飛鳥「そういうことさ」



梨沙「いや、どういうこと?」



心「素直じゃないなあ、飛鳥ちゃんは♪」



梨沙「あ、ハートさん」



心「要はお誕生日おめでとうってことだろ♪はっきり言えよ☆」



飛鳥「違う」プイ



心「違わない☆」



飛鳥「なら説明するけど、ボクはあくまで梨沙が生まれた事実を祝おうというだけで、誕生日という日に対しては――」



梨沙「(……なんか、あれだけ悩んでたのがバカみたいね)」



梨沙「ふふっ♪」



梨沙「ねえ、包装開けていい?」



飛鳥「つまりボクが言いたいのは……っと。いいよ、開けても」



梨沙「中身は……あ、ぬいぐるみだ。これ、ヒョウよね?」



飛鳥「少しサイズの大きいものを選んだけど、気に入ってもらえたかな」



梨沙「へえ、かわいいじゃない。ありがと、早速部屋に飾るわ」



飛鳥「どういたしまして」



心「ついでにはぁとのプレゼントも受け取っておくれ☆ はい、お誕生日おめでとー♪」



梨沙「ハートさんもありがと。……あれ、このブレスレット、ひょっとして手作り?」



心「そ♪はぁと特製の梨沙ちゃんにバッチリ似合う一品だぞ☆」



梨沙「すごいわね。お店で売ってるのと全然差がないっていうか……」



飛鳥「なんだかそういうレベルの高い物を出されると、こちらのプレゼントが見劣りしてしまうね」



梨沙「そんなことないわよ。こっちのヒョウもアタシ好みの顔してるし」



心「そうそう♪飛鳥ちゃんのだって、ぬいぐるみ売り場で2時間以上迷って選んだ、ハートのこもったプレゼントなんだし☆」



梨沙「え、ぬいぐるみ選ぶだけで2時間以上かかったの?」



飛鳥「……中途半端な選択はしたくなかったのさ」



梨沙「そっかそっか。それならなおさら大事にしないとね」



飛鳥「それはすでにキミの所有物だから、好きにするといい」



心「とか言いつつ、内心喜んでいる飛鳥ちゃんであった♪」



飛鳥「か、勝手に人の気持ちを想像するのはやめてくれ」



その後





P「安かったからケーキ買ってきたぞ」



晴「お、1ホールか。みんなでわけて食べようぜ」



ありす「イチゴケーキですか」



心「イチゴに生クリーム。王道だね♪」



飛鳥「今事務所にいるのは6人だけど……何等分すればいいだろうか」



梨沙「アタシ、夜も家でバースデーケーキ食べる予定なのよね」



晴「じゃあ梨沙のぶんはナシでいいな。代わりにオレが二切れ食べるから」



梨沙「ちょっと、誰の誕生日だと思ってるのよ!」



晴「冗談だって」



心「ほらほら、ケーキ切るからどいたどいた☆」



心「とりあえず8等分で、残ったのはこのあと早く事務所に来た子のものってことで♪」



P「ですね。あとで食べられなかった子が文句言いだしたら、その時は買い足します」



飛鳥「ほら、ありす。キミのぶんだ」



ありす「(あ、イチゴ大きい……やった)」



梨沙「アタシのは大きめにしてよね」



飛鳥「夜も食べるんじゃなかったのか」



梨沙「別にお腹壊したりしないわよ」



梨沙「それにアタシ、割と甘い物食べても太りにくい体質だし!」



心「イラッ☆」



P「どうどう」



ワイワイガヤガヤ





梨沙「やっぱりケーキは生クリームね」モグモグ



飛鳥「頬、クリームがついてるよ」



梨沙「え、どこ?」



飛鳥「じっとしていて……ほら、取れた」



梨沙「ありがとう」





飛鳥「………」



梨沙「……どうかした?」



飛鳥「梨沙。今日、楽しいかい」



梨沙「楽しい? なによ、急に」



飛鳥「さぁ。ボクもなんとなく聞きたくなっただけだ」



梨沙「なんとなくって、相変わらずねえ」



飛鳥「そうだね。相変わらずだ」



梨沙「……そうね」



梨沙「今日は楽しい。今までは、パパに祝ってもらうのが一番好きだったけど……」



梨沙「事務所のみんなにおめでとうって言ってもらえるのも……まあ、あれよね。ほんのちょっとだけ、肩を並べてる感じ?」



飛鳥「へえ。ボクらもついに、キミの父親と比肩する領域に達したのか」



梨沙「言っておくけど、ほんのちょっとだけだから! それも、事務所のメンバー全員あつめてやっとパパの足元に届くくらいだから!」



飛鳥「あぁ、理解(わか)っているよ」



梨沙「ホントにわかってるのかしら」ムー



飛鳥「フッ」



梨沙「あっ、なによその笑い!」



飛鳥「なんでもないさ。なんでも」







おしまい



おまけ 11月18日 デパートにて





飛鳥「………」←ぬいぐるみ吟味中



心「いやー、かわいい服をセールで買えて満足満足♪ ……って、あれ?」



心「飛鳥ちゃん、まだプレゼント選んでたの?」



飛鳥「ん……あぁ。心さん」



心「はぁとが服買いに来た時もここにいたよね? 相当迷ってる?」



飛鳥「そろそろ2時間になる」



心「ワオ……そいつはすごいな☆」



心「梨沙ちゃんの誕生日プレゼントでしょ? あんまり考えすぎないで、直感で決めちゃえば?」



飛鳥「………」



飛鳥「心さん。ひとつ聞きたいんだけど、贈り物とはどのように選べばいいんだろう」



心「うん?」



飛鳥「気持ちがこもっていればいい、なんて簡単に言う人は多いけれど……その気持ちとは、どうやって相手に伝えればいいんだろう」



心「ふむふむ……ま、その悩みはなんとなくわかるわ☆」



心「いくら気持ちこめましたーって言っても、本人が気に入らなきゃぶっちゃけ評価は低いもんな☆」



飛鳥「はっきり言うね」



心「いろいろ経験してきたからね♪」



飛鳥「年の功、というやつか」



心「いちいち年齢ネタに絡めんな☆」



心「とりあえず、はぁとから言えることはひとつかなぁ」



飛鳥「そのひとつとは」



心「その人のことをちゃーんと知ってる人が、ほんとのほんとにハートをこめて選べば、プレゼントを外したりはしない☆」



心「だから、飛鳥ちゃんなら大丈夫でしょ♪」



飛鳥「心さん……」



心「ハートを大事に、己を信じればオッケーだぞ☆」



飛鳥「………」







飛鳥「はぁとだけに?」



心「キミ真顔ですっごいギャグ言うね☆」





なんだかんだでヒョウのぬいぐるみを選びました





おまけおわり





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