2015年12月04日

岡崎泰葉「こんな事務所おかしいです!」


泰葉「おはようございま――って、あれ」





シーン







泰葉「誰もいないの…?」



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『ちょっと超得売りつけに行ってきます。お留守番お願いしますね。 ちひろ』ヌーン







泰葉「……はぁ」



泰葉(書き置きだけ残して事務所を空けるなんて……)



泰葉「…………」



泰葉(それとも実は誰かいたり…?)キョロキョロ





シ――ン





泰葉(……そんな不用心な)

泰葉「うーん……」チラッ



泰葉(カメラを仕掛けられそうなのは……)



泰葉「……」



泰葉(本当に誰もいないって訳は無いだろうし、何かのドッキリだと思うんだけど……)



泰葉(ならなるべく動いた方がいいし…でも下手なことはできないし……)



泰葉「うーん……」ムムム













「……んがっ」



泰葉「!!」ビクッ

泰葉(えっ、何、今の何!?)キョロキョロ





布団「」





泰葉「え、布団…?」



泰葉(オフィスの隅っこにおもむろに布団…? やっぱりドッキリ…?)



泰葉「……」キョロキョロ



泰葉(とりあえず確認するに越したことはない、よね……)テッテッテ





杏「んが……zzz」





泰葉「……」



泰葉(……なんだ杏さんか)



泰葉(っていうことは、ドッキリじゃなくていつも通りの事務所。ちひろさんの書き置きも杏さん宛てってことで……)



泰葉「ふぅ……」



泰葉「――って、いやいやいや! それはそれでおかしい!」ブンブン



杏「むにゃ……うーん……」ゴロリ

杏「もう…何……? 騒がしいなあ……」ムクリ



泰葉「あ、杏さん……」



杏「あれ、ちひろさんは…?」



泰葉「へ? 出て行ったみたいですけど……。Pさんもまだ来てませんし……」



杏「あ、そう。じゃあおやすみ……zzz」



泰葉「いやいやいや! 起きてください!」



杏「何もう……」

泰葉「え、いつも事務所に布団持ってきてるの…?」



杏「ああ、事務所用に買ったんだよコレ」



泰葉「へ…?」



杏「仕事場で堂々と寝る優越感ったらないよね。これが確立されたニートアイドルの生き様だよ。どやぁ」



泰葉「」ボーゼン

泰葉(こ、この事務所……なんかもう全部おかしい……!)



泰葉(平気で事務所空にするしオフィスに布団あるし……)



泰葉(いやそもそもニートアイドルって何!?)



杏「とにかく、留守番頼まれてるなら丁度良いよね。泰葉に任せるから杏は寝とくよ」ゴロン



泰葉「だから起きてくださいってば!」



杏「んもう何さ……杏はこれまでもこれからもこうして生きていくんだぁー……」ゴロゴロ



泰葉「もう…!」





杏(……あ、そうだ)

杏「ねえ泰葉」



泰葉「……何ですか?」ムゥ



杏「泰葉もここで寝てみなよ」



泰葉「…!?」

杏(そう、これはチャンス)



杏(事務所で一番生真面目(多分)な泰葉をこちら側に引きずり込めば今後が一気に楽になるに違いない…!)



杏「ほんのちょっとだけさ、寝転がってみなよ。すごく気持ちいいよ」



泰葉「そんなことしません!」



杏「まあまあ。何もぐっすり眠れなんて言ってないじゃん。まだ仕事まで時間あるんでしょ?」



泰葉「ダメです!」



杏「そうお堅いことばっかり言ってちゃ大変だよ。ほら、プロデューサーにもいつも言われてるでしょ」



泰葉「…! いや、でも……」

杏「ほらほら、毎日必ず誰かしらが干すからふかふかだよ」グイ



泰葉「わっ……きゃっ」ポスン



杏「よーし、あとは横になるだけ」



泰葉「もう…ちょっとだけですよ? ちゃんと起きてくださいね」コロン



杏(……かかったね)ニヤリ

杏「よし、そのままそのまま……っと」



ボフン



泰葉「わっ」



杏「もうだいぶ寒いからね。セットで毛布も被らなきゃ意味ないでしょ?」



泰葉「ま、まあたしかにあったかいです、けど……」ヌクヌク



杏「でしょ? ところで、その毛布ね……」

















杏「――プロデューサーのなんだ」

泰葉「へ……?」



杏(ここで畳みかける!)



杏「プロデューサーもよく事務所に寝泊まりするからね。毛布の一つも持ってるよ」



杏「ソファで寝る時に使ってたみたいだね」



泰葉「へ、へぇ……やっぱりそういうのも用意してるんですね……」



泰葉「Pさんの……毛布……」キュン





泰葉「――っ!?」



泰葉(な……何、今の…? ……一瞬――お腹の奥……あつ――)



杏「……」ニヤリ



杏「ほら……ふかふかで、ふわふわで……あったかいでしょ?」



泰葉「こ、これはたしかにいい布団ですね……!」ビクッ

杏「あ、そうそう。杏が布団買ってからはプロデューサーもよく使ってるみたいなんだよね」



泰葉「……」



杏「『匂い』とか……染みついてたりして…?」



泰葉「!?」ビクン



泰葉(な、なんで…? 『匂い』って言葉が、耳に入った途端――)



泰葉「――っ」ビクビク



泰葉(やっ、だめ……カラダの芯、あつい……!)

泰葉「〜〜っ」プルプル



泰葉(そんな……おかしい…! ニオイで興奮してるなんて…!)



泰葉(そんな変態みたいな…とにかく抑えないと……!)ビクビク



泰葉(これは……そう、やましいことなんて何一つないただのお昼寝……匂いなんて気にならない……そう、ニオイなんて…!)



泰葉(こんな……こんな頑張った汗……私のために流してくれたこともあるような汗の匂いなんて……気にならないんだから……!)ビクンビクン

杏「…………」



泰葉「ふーっ、ふーっ」プルプル



杏「……ねえ泰葉」



泰葉「は、はひっ…!」









杏「頭まですっぽり被ったら気持ちいいんだよね」ニヤ

泰葉「…………」ハァハァ





バサッ













泰葉「ふぁああっ やっ、あっ!? 〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」ビクビクビクビクンッ

泰葉(全身っ――全身包まれて――!?)



泰葉「やっ、やあああっこれっ」ガクンガクンッ



泰葉(うそ、うそっ、頭からつま先まで全部匂いの中――っ)ゾクゾクッ



泰葉「ふぁあっやぁっ」ビクビクビクビクビク



泰葉(止まって――声とまってぇぇええ…!)ビクビクゥッ

泰葉「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」プルプル



杏「……」













杏(完全にやり過ぎたよコレ)

杏(嘘ぉ……いや、プロデューサー好き過ぎでしょこれ)



杏(もう完全に行っちゃいけない方に引き摺られてんじゃんこれ。もう志希とか凛の方のやつじゃん)



杏(嘘ぉ……ここまでなる普通……?)













ガチャ



杏「……?」











P「」



ちひろ「」











杏「」



泰葉「〜〜〜〜〜〜〜っ」ビクンビクン

杏(…………事務所で二人きり+布団+一方の痴態……)



杏「」ダラダラ



P「……」



ちひろ「……」









杏「ち……チガウヨ?」









P「……」



ちひろ「……」





バタム

杏「ま、待って待って!! これには事情が!! いや説明は出来ないけど!!」



P「ああ大丈夫大丈夫わかるわものすっごいわかるわ」



ちひろ「わかるわですから大丈夫ですよええそうですとも全部わかるわですから」



杏「待って待って待って本当に違う二人が思ってることだけは確実に違うからあああああああああああああ」















その日、杏はどんなライブよりも汗をかきながらひたすら声を上げ続けた











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