2014年04月10日

モバP「ほたるには自信が足りない!」ほたる「え?」


      がちゃっ



P「ただいま! 早速なんだがほたる、次の仕事が決まったぞ!」





ほたる「おはようございますプロデューサー、次の仕事ですか?」





P「うむ、ほたるにもメインの一人として頑張ってもらう形でな」



P「次は『ミュージカル』だ!」



ほたる「みゅ、ミュージカル……ですか?」



ほたる「ミュージカルって歌いながらお芝居をするような……」



P「うん、そんな感じでな」



P「内容はざっくり中世風の剣でファンタジーな世界の物語」



P「その中でもほたるは剣士の役をやってもらおうと」



ほたる「わ、私にそんな大きな役を……大丈夫でしょうか?」



P「ほたるならできる! 自信を持っていけば大丈夫!」



ほたる「で、でも歌いながらお芝居なんて……やったことなくて」



P「それは他のメインになる子もそうだぞ。そのへんは練習していくから」



ほたる「きっとかっこいい剣士なら別の人がお似合いになるんじゃないでしょうか……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396959589



 

P「そんな事はないと思うぞー、ほたるのスラッとしたスタイルに」



P「西洋風の鎧をあしらった衣装と細身の剣はよく似合うと思う」



ほたる「でも、でも……その……まだ笑顔がいつも上手にできなくて」



ほたる「大きな舞台なんて……」



P「うーん……ほたるには少し別の練習も必要かな?」



P「よし! それなら早速練習にレッスンスタジオへ行こうか」





―――――――

――――――

―――――



-レッスンスタジオ-





ほたる「……ええと、あの」



P「うん?」



ほたる「練習はいいんですけど、ここにどうして」





時子「………………」





ほたる「時子さんがいらっしゃるのでしょうか……?」



P「うむ、ほたるのレッスンにうってつけの人を呼んできた」



ほたる「私の……? あ、あの、ご迷惑なのでは……」



P「心配ない、時子はつい前のイベントで一仕事終えた後だから」



P「時間はちょうどあいた所でね、俺がお願いしたら快く受けてくれたよ」



ほたる「こんな私のレッスン相手して頂けるんでしょうか?」



P「ほたるには自信が足りないと思ったんでな」



ほたる「自信、ですか……?」

P「十分な経験を積んでできる事も増えてきた」



P「完全とは言わないがそれだけ努力してきても尚不安っていうのも分かる」



P「ただその自信の無さは性格にも拠る所があるから」



P「そこで堂々としていられるように自信を出せる練習、ということで」



P「時子にお願いをしたというわけさ」





ほたる「あ、あの……」



時子「いいのよ? 貴方は心配すること無いのだから」



時子「楽しそうな仕事なら私も色々してあげるわよ」



ほたる「その……白菊ほたるです。宜しく、お願い、します……」ペコッ

 

時子「なるほどねぇ、豚がお願いだなんてする理由も分かったわ」



時子「そうね……彼女のレッスンに貴方も協力しなさい、豚」



P「ん? ああもちろん、俺にできる事があるなら」



時子「えぇ、貴方にピッタリの役があるわよ」



時子「私はそれを貴方とこの子に教えてあげる」





時子「たっぷりと……ねぇ」



ほたる「…………」ゴクリ





時子「それじゃあ早速始めましょうかしらね」



ほたる「ええと、私はどうすれば……」



時子「まずは簡単な所から教えてあげるわよ、そこに立ったままでいなさい」

ほたる「は、はい」



時子「それじゃぁ……」スッ……





ほたる(あれは……鞭でしょうか?)



             ひゅんっ! びしっ!



P「あひっ!」



ほたる「ぷ、プロデューサー!?」



時子「豚、跪きなさい」



P「お、俺?」



            びしっ!



P「あうっ!?」



時子「二度は無いわよ」



P「痛くはないが、びっくりするぞこれ」スッ……





           びしっ! びしっ!



P「うおっ!」



時子「私に跪くんじゃなくてこの子にするのよ」

P「こ、これでいいか」スッ



時子「まぁ……最初に愚図愚図していたのは大目に見てあげる」



ほたる「ぷ、プロデューサーが私の前で……あの、その」



時子「いいのよそのままで」



時子「ほたるちゃん……だったかしら? 彼に立てと命令してごらんなさい」



ほたる「え!? えっと……人にそういうことするのは……」



時子「人じゃなくて豚よ、やってごらんなさい」





ほたる「ええと……じゃあ、プロデューサー……立ってください」



時子「それじゃあ命令じゃなくてお願いねぇ」



時子「遠慮なんていらないのよ、ここでは貴女のほうが上」



時子「当然でしょ? これは貴女の為なのだから」



ほたる「私の……為……」



時子「息を吸って落ち着いて」



ほたる「すぅっ……はぁっ……」



時子「もう一度命令してごらんなさい」





ほたる「はい……プロデューサー、立ちなさい」



P「…………はっ」スッ





ほたる「わぁ、す、すごい本当に立って……」



時子「それでいいの、彼は貴女の為ならなんでもする」



ほたる「なんでも……」





ほたる「じゃ、じゃぁ……もう一度跪いて」



P「はっ! ほたる様」スッ





時子「クックック……中々豚も様になってきたじゃない」



ほたる「す、すごい……」

 

時子「貴女に足りないのは『自信』」



時子「この場においては私に次いで2番目に偉いと思い込んでみなさい」



時子「当然、プロデューサーが一番下」



ほたる「私が、そんなに……」



P「そう。ほたるは今まで頑張ってきたんだ、それだけ凄い事をやってこれてるんだ」



P「もっと自信もっていいんだぞ」





時子「誰が口を開いていいと言ったかしら?」ペチペチ



P「あひっ、すみません!」



時子「でも、まぁ……ここでアイドルとしてやってきたのなら」



時子「あながち間違いでもないわ」



時子「それじゃあ次のレッスンをしてあげる」



ほたる「……はい! お願いします!」

時子「それじゃあ、はい。持ってごらんなさい」スッ



ほたる「その鞭を……ですか?」



時子「それでこの豚を叩いてみなさい」



ほたる「ええっ!?」



時子「それ程痛いものではないから心配いらないわ」



時子「勿論痛くしても構わないのよ?」



ほたる「そ、そういう痛い思いさせてしまうのは……」



ほたる「こ、これぐらいで……」





         ぺち ぺち



時子「それじゃあ撫でてるようなものじゃない……手本を見せてあげるわ」



       ひゅんっ!  ビシィッ!! スパァン!!



時子「この豚! いい? 貴方はここでは最底辺、人にも及ばない屑なの!」



時子「自分で『私めは豚に御座います』とでも鳴いてごらんなさい!」



       ビシッ! ビシッ!!



P「ぶひぃ! 有難う御座います! 有難う御座います!」



時子「違うでしょ? ほらちゃんと豚らしく鳴いて御覧なさい!」





      スパァン!



P「ぶひぃぃ! 私めは卑しくもお二人にかしずく豚にございます!」



ほたる「」





時子「どう? これぐらいしても問題は無いの。楽しいでしょ?」ホッコリ



ほたる「え、ええと……」





      ぺたん ぺたん



ほたる「えっと、プロデューサー、豚さんみたいに鳴いてみてください」



P「ぶひぃ」





時子「まだ足りないけれど……まぁいいわ」



時子「これからはお願いではなくて命令すること」



時子「その時に必ず鞭を振るってみなさい」



時子「堂々としていれば何も問題ないのよ」



ほたる「は、はい。頑張ってみます」







――――――

―――――

――――

    こうして特訓が始まった・・・…―――――





時子「ほら、もう一度跪かせてごらんなさい」



ほたる「えっと……跪きなさい」ペチン



P「はっ! ほたる様」スッ





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



時子「少しこの豚を罵倒してあげなさい」



ほたる「ええと、こんな駄目駄目な私に跪いて……あのごめんなさい」



時子「もう一息ねぇ。この台本読んでごらんなさい」





ほたる「その、『早く跪いて足を舐めなさい。顔を近づけて本当に舐めるんですね』」



ほたる「『いい大人がそんな事をして、もうプライドなんて無いですね』」



ほたる「『本当に無様な姿ですよ、ふふふ』……ええとごめんなさい」



P「ぶひぃ!」



時子「少しは様になってきたわね。前後がちょっと要らないけれど」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ほたる「すぅっ………」



ほたる『貴方は本当に汚い豚さんですね、私よりもずっと大人の人なのに』



ほたる『この私に跪いて情けないと思わないんでしょうか』



ほたる『それとももっとこの痛そうな鞭でおしおきして欲しいからやっているんでしょうか』



        ぺちっ ぺちっ





ほたる「……ど、どうでしょうか」



時子「台本無しでも大分良くなってきたわね、もっと自信持ってやってごらんなさい」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



時子「こういうのはどうかしら?」



ほたる「ええっ、縄とかそういうのはさすがに……叩くの頑張ってみますからそれは……」



P「ほたる様! どうかその縄でこの豚を縛り付けて下さいませ!」



ほたる「」





ほたる『この豚さんっ。誰もお話してくださいなんて言ってませんよっ』



     ひゅっ ぴしっ



P「ぶひぃ! 有難う御座います!」



ほたる「うぅ、ちゃんとやらないとプロデューサーが縛られ……」



ほたる『ほら、もっと鳴いてみてください』





時子「そろそろもっと本気で叩いてみてもいいんじゃない?」



時子「そうしないと……縄がぎゅっと豚を締め上げるわよ」

ほたる「ぅぅ、や、やってみます」





ほたる「……えいっ!」





      ヒュンッ! スパァン!



P「有難う御座います! 有難う御座います!」ビクンビクン





ほたる「…………な、なんでしょうこの感じ」



      ヒュンッ!  ビシィッ



ほたる「…………ふふふ」



時子「あら……いい顔できるじゃない」



時子「ほらもっとこの豚を悦ばせてあげなさい」



ほたる「はい、分かりました」





      ヒュンッ!  ビシィッ!  スパァン!



P「ぶひぃぃぃぃ!」



ほたる「ふふ、うふふ……少しだけ分かったかもしれません」



時子「この調子でどんどんやってみなさい」



―――――――

――――――

―――――

ほたる「もう貴方は完全に豚さんですね」



ほたる「それとも縛られて喜んでしまう変態さんなのですか」



ほたる「……ふふ、どっちもですね」



       ヒュンッ! スパァン!



P「」ビクンビクン





ほたる「もう言葉も喋れないくらい豚になりきっちゃいましたね」



ほたる「とっても似合ってますよ……ふふふっ」

――――

―――――

――――――





P「だいぶ堂々とできるようになりましたね、ほたる様」



ほたる「あ、はい」



P「少し芝居の雰囲気もつかめるように衣装をこちらに」



P「更衣室で着てみて頂けますか」



ほたる「わぁ……しっかりした感じの鎧なんですね……」



P「因みに時子様も参考にという事でちょっと借りた衣装をお渡ししております」



ほたる「あ、いつの間にか時子さんがいらっしゃらないのはそのせいなんですね」

        ガチャッ! バァン!







時子「クックック……この私の剣の前に跪くがいい!」



P「オールハイルトキコ!」シュタッ



ほたる「」



時子「中々いい衣装じゃない、私も次のイベントに混ざりたくなってきたわね」



ほたる「な、なんかすごい迫力……やっぱり私より時子さんのほうが」



時子「いいからほたるも着替えてらっしゃい」



時子「それと入ってくる時には役になりきってみなさい」



ほたる「は、はい」スタスタ……





――――――

―――――

――――

時子「そろそろかしら」



           がちゃっ……ヒュォォォ……



時子「……ふぅん」





        バァ―――――z____ン!



ほたる「ふふふ……私は復讐の剣士、『ブレイバーほたる=シュバリエ』さぁ……跪きなさい」



P「オールハイルホタル! オールハイルホタル!」



時子「上出来じゃない、剣を持つ姿も十分様になってるわね」





ほたる「えっと……はい、時子さんから渡された鞭を持つようにしてみて」



時子「生憎これは作り物だから切り刻むなんて真似はできないけれど」



時子「少し力を入れて素振りしてみるといいわよ」





ほたる「はいっ……えいっ! やぁっ!」



          ヒュンッ!  ヒュンッ!



時子「そのレイピアはフェンシングの要領で突く形がいいのよ」



ほたる「えっと、こうでしょうか」



         シュッ!



時子「少しレッスンすればすぐにダンスもできると思うわよ」



時子「私には及ばなくてもそれで下僕を増やすといいわ」



時子「クックック……アーッハッハッハ!」スタスタ……

ほたる「あ、帰っていっちゃいました……」



P「時子様の免許皆伝って所ですな」



P「この調子でレッスンもこなしてイベントを成功させましょうぞ!」



ほたる「はいっ!」



――――――

―――――

――――

P(そして厳しいながらもしっかりとレッスンして)





ほたる『この剣の錆にしてあげる……あんこくけん!』ビュオッ





P(与えられた役を存分にこなし)



P(自信も身に着けた)



ほたる『……くっ……復讐は何も生み出さないというの……』





P(そしてこの役をほたるに充てた理由……)



P(普段の暗いイメージの奥底に隠された強い意志)





ほたる『今まで振るってきた剣は間違っていた……だから』



ほたる『ここで生まれ変わって……みんなを守る! この伝説の聖剣に誓って!』





ほたる『パラディンほたる……参ります……とぁーーっ!』



http://i.imgur.com/7FKgqes.jpg





P(……立派になられて!)







―――

―――――

―――――――

P「ほたる様、イベントは大成功ですな」



ほたる「なんだか癖がまだ抜けてないような……?」



ほたる「でも、時子さんのお陰でうまくいって……よかったです」





時子「あら、別に私は何もしてないわよ」



時子「少しだけ豚の調理方法を教えただけ。あとは貴女の成果よ」



ほたる「そんな……色々ご迷惑かけてしまってごめんなs……いえ、えっと」



ほたる「ありがとうございます」

 

時子「そう、少しは見違えるようになったわよ。ほたる」



P「これでもう心配いらないですね。これからはお一人で色々頑張って頂くように」



ほたる「えっ……むぅー……」





ほたる『プロデューサー、私の前に跪いて忠誠を誓いなさい』



ほたる『豚は私の下を離れるなんて許さないのだから』



P「ぶひぃっ! ほたる様に永遠の忠誠を誓います!」シュタッ





ほたる「えへへ……」







-イベントは成功したものの、少しほたるが我侭になったような気がします-





おしまい



20:30│白菊ほたる 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: