2016年01月13日

千早「入れ替わリング!」雪歩「んっふっふ〜」


千早「……ほんとに千早お姉ちゃんになった!」



雪歩「いやぁ、うまく行ったね亜美さんや」





千早「『入れ替わリング』、本物ですなぁ。真美さんや」



雪歩「ねえねえ、これでもっと遊べない?」



千早「誰かと誰かを入れ替えたり!」



雪歩「自分たちでまた入れ替わったりね!」



ちはゆき「「んっふっふ〜」」





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 ――



亜美「……ん」



真美「あ、あれ……?」



亜美「どうしたの、真美……あら」



真美「わ、私……真美ちゃんになってる……」



亜美「私の声が違う……身体も? どういうこと……!?」



真美「あ、亜美ちゃん……亜美ちゃんじゃない、よね」



亜美「千早、だけど……あなたは、萩原さん?」





真美「う、うん」



亜美「これ、いったい……」



真美「どっ、どうしよう! 私の身体は……真美ちゃんは!?」



亜美「私の身体には亜美がいるのかしら……」



真美「なんでこんなことに……」



亜美「もしかして、さっきの指輪が原因なのかしら」



真美「ゆ、指輪? ……ああっ!」





 ××



 亜美「ゆきぴょん、千早お姉ちゃん!」



 雪歩「え?」



 真美「この指輪、付けてみてくれない?」



 千早「どうしたの、これ」



 亜美「ひみつっ!」



 真美「さあさあ、左手の薬指でもいいよん」



 雪歩「な、なんだか高そうだね……」





 亜美「そしたら、亜美と真美のどっちかを見つめて!」



 千早「おまじないか何か?」



 真美「そーそー! さ、熱いシセン浴びせてみて」



 雪歩「こ、こうかな」



 あみまみ「「せー、のっ!」」ギュ



 千早「っ!?」



 ×××





亜美「あれで気を失って、気がついたらこうだったのだから」



真美「もしかして、心と身体を入れ替える指輪だったのかな……」



亜美「そんなものがあるとは思えないけれど……私たちがこうなっているなら……」



真美「……千早ちゃん、こういうときも冷静なんだね」



亜美「まさか。でもパニックになっているままじゃ話が進まないもの」



真美「そっか、そうだよね……私も、頭を切り替えないと」





亜美「ねえ、萩原さん。このあとの予定は?」



真美「私はレッスンがあるけど……」



亜美「……面倒なことになったわね」



真美「このままじゃ行けないし……真美ちゃんは知らないよね」



亜美「イタズラされる前に、早く見つけないと」



真美「ち、千早ちゃん! どこに行くの!?」



亜美「とりあえず、ふたりの行きそうな場所に行きましょう」





 ――



千早「あれ、はるるんじゃない?」



雪歩「そだね。コンビニ入った……あ、そうだ!」



千早「えっ、なに?」



雪歩「真美たちトクイのモノマネ、この身体ならカンペキにできるんじゃない?」



千早「そっか! 見た目も声も違うもんね!」



雪歩「はるるんにバレないかどうか試してみようよ」



千早「やってみよー!」





春香「あ、おはよー雪歩! 千早ちゃんも!」



千早「おはよう、春香」



雪歩「えへへ、おっはよっ、春香!」



千早(ま、真美! それはまこちんだYO!)



雪歩(やばっ)



春香「……? 雪歩、きょう元気だね」



雪歩「そ、そうなんだ! 好きなお茶っ葉を見つけて」



春香「お茶っ葉かー」





春香「ふたりでコンビニにいるの、珍しいね」



千早「ちょっと欲しい物があったの」



春香「へえ……あ、ヤキニクマンのチョコ! 雪歩好きだったんだ」



雪歩「えっ!? あ、うん!」



千早(ゆきぴょんがヤキニクマンなんて見てるわけないっしょ!)



雪歩(ついクセで……)



春香「千早ちゃんは……コーラ? 炭酸は喉に悪いって言ってなかったっけ」





千早「げっ!? あ、えーと……これは頼まれモノなの」



春香「そっかそっか」



雪歩(千早お姉ちゃんは炭酸飲まないっしょ!)



千早(喉乾いたから……)



春香「まあ、いいや。事務所には誰かいるの?」



千早「あ、亜美と真美が居ると思うわ」



雪歩「ふたりとも、寝てるんじゃないかな?」



千早(しばらくは起きないみたいだしね)





春香「ああ、じゃあコーラは亜美と真美からの頼まれモノなんだ」



千早「ええ」



春香「千早ちゃんを使い走るなんて」



千早「いいのよ、ふたりともとっても可愛いから」



雪歩(なっななな何言ってんの!?)



春香「生意気だけどねー。まだ子供だもん」



雪歩「こ、子供じゃないよ!」



春香「えっ!?」







千早(なにやってんの真美まで!)



雪歩(うう、つい)



春香「ま、まあそうだよね……共演するアイドルには、まだ小学生の娘とかもいるし」



雪歩「そうそう」



春香「これ、亜美と真美には内緒ね? 子供扱いされてたら怒って、また私の脇腹くすぐると思うし」



千早「そうね、黙っておくわ」



雪歩(これは後で脇腹刑ですなぁ)





春香「私、そろそろこれ買って事務所行くけど……ふたりは?」



千早「ちょっと散歩でもしようかしら、って話していたところよ」



雪歩「うん。お仕事も入ってないから」



春香「あれ、雪歩って私と一緒にダンスレッスンじゃなかった?」



雪歩「そ、それまでには戻るよ! お昼の2時からだよね」



春香「もー、ちゃんと覚えててよ。3時からBスタジオ!」



雪歩「うん!」





春香「じゃあね!」



千早「またね」



雪歩「また後でね!」



千早「……ゆきぴょん、レッスン入ってるんだって」



雪歩「予定がないのをチェックして、入れ替わリングを使ったのに……」





千早「ゆきぴょんに身体返しちゃう?」



雪歩「でも、そしたら千早お姉ちゃんにも返さないと」



千早「そしたらまた別の誰かにいたずらすればいいっしょ!」



雪歩「そだね!」





 ――



亜美「萩原さん。あれ、私たちよね」



真美「そ、そうだね……なんか変な感じ」



亜美「自分が動いているのを見るのは、ちょっと不思議ね」



真美「どうしよう。正直に話したら身体を返してくれるかな」



亜美「……ねえ、萩原さん。ちょっと考えがあるんだけど」



真美「えっ?」





亜美「私たち、亜美と真美のフリをするの」



真美「それ……どういうこと?」



亜美「私と萩原さんが、この身体に居なかったらパニックになると思わない?」



真美「ま、まあ……それで、自分の身体の中に自分自身が残ってる、っていう風にするの?」



亜美「きっとその方が正直に話してくれると思うの。試しに戻してみよう、ってなったら大成功でしょう」





真美「そっか……さすが千早ちゃん」



亜美「ただ、私は演技にあまり自信がないから……そこは萩原さんに任せてみたい」



真美「ちゃんと出来るか不安だけど……モノマネみたいな感じだよね。たぶん大丈夫ですぅ」



亜美「それじゃあ、行きましょう」



真美「うん!」





 ――



千早「あ、あれ? 亜美と真美が歩いてるよ?」



雪歩「ってことは……ゆきぴょんたち、もう起きちったの!?」



千早「あっちのリングをつけた人はしばらく起きないって……バレてるかな?」



雪歩「バレてるっしょー……こうなったら、身体も返そっか」



千早「だね、ゆきぴょんはレッスンがあるみたいだし」



雪歩「ちぇー、ふたりにバレてたらもうリングでいたずらできないよ」



真美「あっ、千早お姉ちゃん! ゆきぴょんも!」



亜美「こんなとこでどしたの?」



雪歩「えっ!?」



千早「え……その、えっ?」



亜美「コンビニ?」



雪歩「ちょ、ちょっ……千早お姉ちゃん、だよね?」





亜美「えっ? 亜美だよ?」



真美「んっふっふ〜、もしかしてゆきぴょん。亜美が歌ウマすぎて千早お姉ちゃんに見えちった?」



千早「ま、待ってよ! 亜美たちは千早お姉ちゃんと、ゆきぴょんと身体を入れ替えて……」



真美「身体? 入れ替わり? ……なんのこと?」



亜美「亜美も亜美だよ?」



雪歩「ま、まさか……ゆきぴょんと千早お姉ちゃん、消えちゃったの?」





千早「ね、嘘はやめてよゆきぴょん! 千早お姉ちゃん! 亜美たち、もとに戻すからぁ!」



雪歩「ゆきぴょんもレッスンあるんだよね!? ちゃんと謝るからっ!」



亜美「……もうこれぐらいでいいんじゃない?」



千早「!」



真美「あはは、ごめんね。ちょっとお芝居しちゃった」



雪歩「ゆ、ゆきぴょんなんだよね!?」





真美「千早ちゃんのアイデアなんだ。ふたりを怖がらせようと思って」



亜美「あの指輪は人を入れ替える指輪なんでしょう? いたずらにしても度が過ぎてるわ」



千早「ごめんなさい……」



雪歩「ほ、ほんとにヒヤッとしたよ……消えちゃったのかと思ったもん」



真美「もう使ったらダメだよ、亜美ちゃんも真美ちゃんも」



亜美「萩原さんはこの後レッスンがあるんだから、戻してくれないと」





千早「ごめんね、いま入れ替わリングを……」



亜美「入れ替わリングってどういうものなの?」



雪歩「リングをはめた人同士で見つめ合って、手を触ると身体が入れ替わるんだよ」



真美「なんだか怪しいね……」



雪歩「知らないおばちゃんにもらったの」



亜美「そんな危ないもの、使わないほうが……」





雪歩「あはは、もうやめとくよ。でも、メッチャ楽しかったよね。亜美?」



千早「……ない」



真美「えっ」



千早「い、入れ替わリングが! どこにもないっ!」



真美「えっ、ええええっ!? どうして!?」



千早「ポケットに入れといたのに……もしかして、落とした?」



雪歩「落とした、って……!?」





亜美「それじゃあ私たちは、元に戻れないの……!?」



千早「ま、待って……事務所とコンビニしか行ってないから、道とかに落ちてるかも」



真美「わ、私コンビニを探しますぅ!」



雪歩「真美、あっちの信号まで探してみる!」



亜美「私たちは事務所に戻るわよ!」



千早「うう……」



亜美「ほら、急いで! 泣くのは後にして!」



千早「う、うんっ」グズッ





 ――



春香「おっはよーござ……あれ? 誰も居ない?」



美希「ミキがいるの」



春香「あ、美希。おはよー……美希だけなんだ?」



美希「そうみたいなの。ミキが来た時は誰も居なかったよ、鍵はあいてたけど」



春香「ちょっと怖いね……それは?」



美希「ここに置いてあった指輪なの。綺麗だよね」





春香「なんだか高そう……あんまり触らないほうが」



美希「ペアリングみたい。そうだ、春香も付けてみて」



春香「あ、ちょっと……」



美希「あはっ、ピッタリなの!」



春香「ほんとだねー……すごく綺麗」





亜美「……春香、美希!」



千早「はるるん! ミキミキ!」



春香「あ、千早ちゃん。亜美」



美希「おはよーなの」



亜美「そ、その指輪は付けちゃいけないの! 今すぐ外して!」



千早「これ付けてると大変なことになっちゃうんだよぉっ!」



美希「なんだかふたりとも、喋り方……ヘンだよ?」





春香「あははっ、千早ちゃん、モノマネへたっぴだね」



千早「モノマネじゃなくて……」



美希「これ、亜美のだったの?」



千早「そ、そだね……」



美希「あれ、やっぱり千早さんの? ……まあいっか、いま外すね。春香、手貸して」



春香「うん」



千早「あ、ダメっ!」





 ――



真美「千早ちゃん! 亜美ちゃん!」



雪歩「ミキミキとはるるんは大丈夫なの!?」



亜美「……たぶんダメだと思う」



千早「なんで手触っちゃうの……」





春香「……あふ」



美希「あ、あれ……?」



 おわり



17:30│アイマス 
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