2016年01月19日

李衣菜「私ってロックだよね!」泰葉「え?」加蓮「え?」




―――事務所







李衣菜「え?」



泰葉「?」



加蓮「?」





李衣菜「…………」



泰葉「…………」



加蓮「…………」





李衣菜「私ってろっk」



泰葉「え?」



加蓮「え?」





P「…………」カタカタ



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李衣菜「…………」



泰葉「…………」



加蓮「……や?」



李衣菜「…………す?」



加蓮「は!」



李衣菜・加蓮「いえーい」パシンッ



泰葉「……!?」





P(……なんだか分からないけど楽しそうだな)カタカタ…

李衣菜「いや、そうじゃなくてさ」



加蓮「うん」



李衣菜「私ってロックでしょ?」



泰葉「……どこが?」



李衣菜「ど、どこって……ほら、佇まいとかっ。気だるげに、達観してるこの感じだよ……」フッ…



泰葉「……具合でも悪いの? 変なもの食べた?」



加蓮「もう、拾い食いなんてするから……」



李衣菜「しないよ!?」

泰葉「『この前お腹空いたから、拾い食いしたんですよ……ロックですよね、私』……みたいな?」



李衣菜「ただの危ない人だよそれ!」



加蓮「触るとケガする危ないアイドル、リーナ?」



李衣菜「あ、ちょっとかっこいいかも……♪」





泰葉「腫れ物扱いなアイドル、って言うと途端に残念なことに……」



加蓮「うわぁ、きつー……」



李衣菜「」

泰葉「このままだと李衣菜が危ない人になっちゃうから、李衣菜のどこがロックなのか考えてみましょう」



加蓮「おー」



李衣菜「だからさ、私=ロックなんだってば。考えるとかそういうのがおかしいよ、うん」



泰葉「…………」



加蓮「…………」





加蓮「まず顔立ちからしてかわいい系だよね」



泰葉「ね。澄まし顔も見ていてなんだか微笑ましいし――」





李衣菜「Pさん! 2人が無視する!」



P「まーまー落ち着け李衣菜」ポフポフ

加蓮「Pさんも一緒に探そ、李衣菜のかわいいところっ」



P「え、俺も? うーん……じゃあ少しだけな」



李衣菜「ロックなところじゃないの!?」



加蓮「あ。……訂正、ロック改めかわいいところを探そー」



泰葉「おー」





李衣菜「……ろっくぅ……!」



P「かわいいなぁもう(大丈夫、李衣菜は充分ロックだぞ)」ナデナデ

加蓮「李衣菜のかわいいところ、そのいち!」



泰葉「顔立ちがかわいい」



李衣菜「どうせ童顔ですよーだ……」





加蓮「そのに!」



泰葉「どんなにかっこいい曲でも、李衣菜が歌うとなんだかかわいらしくなる」



李衣菜「……だって激しく歌おうとすると雑になっちゃうんだもん……」イジイジ…



P(いじけてる李衣菜もかわいい)

加蓮「そのさーん」



泰葉「テンション上がってすぐうっひょー」



P「あはは、語呂いいな」



李衣菜「うぅ、Pさんまでそんな……!」



加蓮「んー、そのよんっ」



泰葉「お料理が上手。……これはかわいいというより家庭的?」



李衣菜「い、いいでしょそれは別に!」



P「ロックとは真逆の方向に行ってるな……ある意味ロックだけど」

李衣菜「…………」ムッスー…



泰葉「ふふ……そんなしかめっ面しないで?」



加蓮「李衣菜〜、今度ロールキャベツ作ってー」



李衣菜「……どうしよっかなぁ。はぁーあ……」ツーン



加蓮「えー、そんなぁ。ふふっ♪」



泰葉「……んー……」





泰葉「……そのご。レッスンでは率先して取り組んでいて……とっても頼もしいんですよ、Pさん」



P「ほう」



李衣菜「!」ピクッ

加蓮「……♪」ティン



加蓮「そのろく。LIVEのとき緊張してても、ぎゅって手を握って励ましてくれるの。優しいんだよ、李衣菜って」



P「あはは、知ってるよ」



李衣菜「…………」



加蓮(……どう?)ヒソ



泰葉(ふふ、ナイスアシスト)ヒソ…





李衣菜「……し、しょうがないなぁ。作ってあげるよロールキャベツくらい! へへへ♪」



P(心配になるくらいちょろいんだけど……)



泰葉(かわいい……♪)



加蓮(ちょろかわ♪)

P「でもまぁ、確かに李衣菜は2人を引っ張ってくれてることが多いよな」



李衣菜「えっ、い、いや流石にそんなことは――!」



泰葉「そうなんです。私はどうも、慎重になりすぎるので……特に新しいことだと、尻込みしてしまって」



加蓮「私もダンスレッスンとかだと思うようにいかないから、出来るかなって不安になっちゃうんだけど……」



泰葉「そういうとき、李衣菜がすっと前に出てくれると安心するんです。ね?」



加蓮「うんうん。いつも思うんだけど、ほんとに頼りになるの。李衣菜かっこいい、って!」



P「ふふ……そっかそっか」





李衣菜「あ、やっ、え、えぇと、あの……そのぅ……!」カァ…!



P(茹でロック)

李衣菜「わ、私はね!? 2人を引っ張っていこうなんて全然思ってないから!」アタフタ



李衣菜「そのっ、出来ないって最初から諦めないで、まずは思いっきりぶつかってみるのがロックなんだよ!」



李衣菜「アイドルになって、そういうふうに思えるようになったわけで……私にとってこれだけは曲げちゃいけないことなの!」



李衣菜「だ、だから! 別に2人のためじゃないんだからね!?」





泰葉「……うん。ありがとう、李衣菜……♪」



加蓮「ふふっ……だから私、李衣菜のこと好きだよ♪」



李衣菜「お、お礼言われる筋合いないんだってば! なんだよもーっ!」

P「はは、なかなかかっこいいじゃないか、李衣菜」



李衣菜「か、かっこよくないですっ。当たって砕けるのがロックってだけですから!」



P「砕けちゃダメだろ」クス



加蓮「大丈夫だよ。李衣菜には私たちがついてるんだから」



泰葉「当たって砕けないように、一緒に壁を壊してしまえばいいんです」



P「そうだな……3人なら協力すればどんなことだって出来るよ」



李衣菜「く、うぅ……! も、もういいよっ!」タタッ

P「あ、おいっ。どこ行くんだ李衣菜?」



李衣菜「自主レッスンですっ、汗流して余計なこと考えないように……! 行ってきますっ!」





がちゃ ばたんっ





泰葉「……行っちゃった」



加蓮「ふふ。ちょっといじめすぎちゃったかな?」

P「ま、照れ隠しだろ。……行かないのか?」



泰葉「いえ、もちろん――」



加蓮「行くに決まってるよ。……負けたくないから!」



泰葉「李衣菜がロックなら、私たちだって……!」



P「うん、それでこそお前たちだ。その姿勢が一番大事だもんな。それじゃ……」



加蓮「うんっ」



泰葉「行ってきますっ」





―――





李衣菜「――げっ。……な、なんだよ2人ともっ。なんでついてきたの?」



加蓮「そんなつれないこと言わないでよ。一緒にやろ?」



泰葉「やるならしっかり、3人で動きを確かめながらやらないと……そうでしょう?」



李衣菜「……もう」クスッ





李衣菜「――今日中に振り付け、全部覚えるつもりでいくよ!」



泰葉・加蓮「ふふ、はいっ♪」







おわり



08:30│多田李衣菜 
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