2016年01月28日

飛鳥「蘭子お姉ちゃん…」蘭子「!?」

美嘉「あっ!…こぉら莉嘉〜?」



莉嘉「ぅえっ!?お姉ちゃん!」









未央「でさ、ひどいと思わない?」



友紀「あっはっはっ!お姉ちゃんは辛いよね〜!」









飛鳥「…へえ、らしいよ蘭子」



蘭子「クク…血を分かつ者共の戯れ、余興には相応しかろう…」



飛鳥「そう、ボクと蘭子は一人っ子だったね」



蘭子「孤高たる我等には理解できぬ概念…故に興味深い」



飛鳥「へえ?蘭子は欲しいのか…どっち?」



蘭子「ぇえ?…っと、…妹…?」



飛鳥「そうかい……」









友紀「でさ、うちは兄貴が…」



未央「あー!わかる!」









飛鳥「…………蘭子お姉ちゃん」ボソッ



蘭子「!?」





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蘭子「……!?」



飛鳥「………」









蘭子「!」バッ



飛鳥「……っ」プイッ



蘭子「もう一回!もう一回!ね?」



飛鳥「何のことだかわからないな…?」



蘭子「じゃあそれでもいいからぁ…お姉ちゃーんって」



飛鳥「いやだ、絶対言わない」



蘭子「むぅ〜、飛鳥ちゃーん」



飛鳥「イヤだったらイヤだ!」

蘭子「じゃあ私が呼んじゃうもん…」



飛鳥「へえ?」



蘭子「妹ちゃん!…あれ」





蘭子「い、妹よ?…うーん…えと、あと…」





蘭子「あ、飛鳥ちゃん?」



飛鳥「ああ、どうしたんだい?」







蘭子「…………むぅ〜〜!」



飛鳥「はっはっはっ…しっくりこないだろう…」



飛鳥「なにせ、妹から姉に対する『お姉ちゃん』のような…姉から妹に向けてのこれといった呼び名は存在していない…名前を呼ぶのがそれだろうが、友達同士だとねぇ?」



飛鳥「つまり、キミはボクの承認なくして姉という観測を獲得することはできない…」



蘭子「っ!」



飛鳥「ボクはキミを”お姉ちゃん”とは認めない…ッ!」



蘭子「〜〜〜〜っ!」

飛鳥「結局キミとボクは同じ地平に生きる人間なのさ…姉妹ごっこがしたいならせめて年下でも連れてきて────」



蘭子「………!」





蘭子「…クックックッ…甘い…」



飛鳥「何だと…?」







蘭子「……えいっ」ギュッ



飛鳥「はうぁっ!?」ビクッ





飛鳥「な、何をするう!?」



蘭子「…………」ギュー…



飛鳥「は、恥ずかしいから離してくれ」



蘭子「………」ギュー…



飛鳥「ほら、見られているよ蘭子…」



蘭子「………、」ギュー…









蘭子「…ごめんね?」ナデナデ



飛鳥「…!?」

蘭子「お姉ちゃんが、お姉ちゃんが情けないからそんなこと言っちゃうんだよね…」ナデナデ



飛鳥「な、まさか…」



蘭子「でもね…お姉ちゃんはお姉ちゃんだから…」ナデナデ



蘭子「ダメなお姉ちゃんで良かったら、いっぱい甘えて…?」



飛鳥「蘭子…!」









飛鳥(──────『自称』ッ!)



飛鳥(他者からの観測に依らず、自己によって自己を規定してみせるというのかッ………神崎蘭子………ッ!)



飛鳥(なんという愚かな…しかし…大胆な…)





飛鳥「だから言ったろう!ボクはキミをお姉ちゃんとは…」



蘭子「それでもいいの…」ナデナデ





飛鳥(───これじゃボクは『ただのちょっと拗らせた反抗期』じゃあないかッ!)



飛鳥(あと猛烈どころじゃなく恥ずかしい!)



飛鳥「くそう、離せ…離せ…」



蘭子「ダメなお姉ちゃんでごめんね…」ムギューッ



飛鳥「どこで覚えてきたんだそんな台詞ゥ…!」



蘭子(ちょっと楽しい…)



飛鳥(何か…何か打開策を…!)











凛「…何あれ、衝撃の事実?」



加蓮「なになにー?スキャンダラス?」



未央「あ、なんか姉妹ごっこやってるらしいよ」



凛「再婚相手が連れてきた微妙に年の違う姉妹ごっこ?」



加蓮「あはは、えっぐ」









飛鳥(くそ…あらぬ誤解が…)









加蓮「───でもさ」



加蓮「あの二人だったら飛鳥が次女で蘭子が末っ子って感じしない?」







蘭子「───!?」



飛鳥「───!」







未央「あ!っぽいぽい!」



凛「……そうなの?」



加蓮「そうだよ絶対そうだって」



未央「うちの次男と末っ子もあんな感じだから」



凛「嘘でしょ?」



未央「嘘だよ?」









飛鳥「フ、くくくくく…!聞いたかい蘭子」



蘭子「っ………」



飛鳥「どうやらお姉ちゃんはボクの方だそうだ…」





飛鳥「…つまり!キミはボクに甘やかされて、素直でいい末っ子に育つんだよォーッ!!」



蘭子「むうぅーー!」

未央「あーでもそれじゃあちょっと物足りないなー」



加蓮「長女?でも二人姉妹飛鳥姉って感じは無いしなぁ」



凛「…あ、そうだよ私あの二人に用があるんだった」



凛「言ってくるね」



加蓮「誰か調度いい人いたら、な…」







凛「飛鳥、蘭子、ちょっといいー?」



飛鳥「ン…なんだい?今取り込み中なんだけど」



蘭子「うぬに我らが聖域を穢す権利があるというか!」



凛「全く…仕事の話だから。そういうのはあとでもいいでしょ?」



凛「…不満そうな顔しないの、子供じゃないんだからさ」



凛「ほら、行くよ、会議室だから」







未央「……」



加蓮「……」



凛「?…何」











加蓮「居た!」

未央「居たねぇ!」



凛「は?」

加蓮「あっはは!凛お姉ちゃんだ凛お姉ちゃん!」



未央「っていうか凛姉ちゃんだ!」



凛「な、何…?」





未央「下二人の面倒を任されたりして苦労する内に真面目だけど不愛想になった長女!」



凛「私が?」





加蓮「長女の事で親が忙しくなったり結局末っ子が居たりでほったらかしになってたらいつの間にか変な進化してた次女!」



飛鳥「失礼だね?」





未央「親の子育てのノウハウもいい加減溜まってきたり上が成熟したおかげで余裕を持って愛された結果素直でいい子になった末っ子!」



蘭子「…お姉ちゃんがいい」





加蓮「完璧…」



未央「完璧だ…」



凛「怒ればいいの?これ」



未央「怒っちゃだめだよ!お姉ちゃん!」



加蓮「ほら妹が見てるよ!我慢して!」



未央「あっはははははーー!ねーちゃんねーちゃん!」



凛「…っちょっと?調子に乗らないでよね…!」









─────…………



────────………………

凛「はぁー…」



凛「全く何がお姉ちゃんだっての…」







飛鳥「凛さん凛さん、ちょっと話があるんだ」



蘭子「蒼き瞳の姫!この威容をとくと視よ!」





凛「………」





飛鳥「む、聞いているのかい?」



蘭子「魔王の言霊の重さを知らぬではなかろう!」







凛「…………」







凛「卯月」



卯月「えっ?はい!何ですか?」



凛「………」













凛「卯月はさ、お姉さんなんだよね…?」









おわり





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