2016年02月01日

速水奏「大人の階段」

速水奏(17)のスレ



モバPと会話する速水奏さんの台詞だけで進行していきます



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452602188





……あ、いたいたPさん。こっちよ。



ごめんなさいね、忙しいのにこんなところに呼びつけたりして。



場所が違えば訳ありのカップルにも見えただろうけど、それはまた今度ね♪



…あら、つれないのね、残念。

ええ、それで、少しの間私とおしゃべりしてほしいなって思ったの。



いつもはPさんを煩わせることもないんだけど……



え?…それはPさんが勝手に勘違いして焦ってるだけじゃない、私のせいにされても、ね?



はいはい。……でも、今回はちょっと緊張しちゃって。



わ、私だって緊張ぐらいするわ。





だから…Pさんとお話すれば解れるかなって。

ちょっとは水も飲んで体も動かしてみたんだけど、余計に硬くなった気がして。



今の私には、コップ1杯の水よりもPさんと話をしたほうが身も心も潤う気がするの。



ココを直接潤してくれてもいいんだけど…それはダメ?はぁい♪



ふふっ、また顔が赤くなってる。Pさんのそういうところ、好きよ。

ま、冗談はこのくらいにしておきましょうか。



この間貸してくれたCDあったでしょ?



といっても半ば強引だったけど。あれについて話でもしたいなぁと思って。



私も中学生の時に合唱で歌ったことはあるんだけど、



元々アニメのエンディングに使われてたことは知らなくて。



このあたりは、奈緒や比奈ちゃんに聞くと目を輝かせたりするのかしら。

月並みな表現しかできないけれど、改めてあの曲、とってもいいわね。



スローテンポも相まって時間がゆっくり流れる雰囲気なのに、時計の音を気にしたりなんかしてね。



でも、あの曲をじっくり聞いてると、だんだんと不安になってくるような気もするの。



今日Pさんを呼んだ理由に緊張してるからって言ったけど、不安の方が大きいのかも。





だって、『階段を昇っているときはまだ』なんて言われ方したら、



降りたり、昇り切ってしまえばそうじゃなくなるみたいじゃない?

もちろん、あの歌がそんな意味合いのものじゃないのは分かっているわ。



あれは夢見る少女が自分の手足でしあわせを掴みに行かなきゃいけない物語。



これでも私だってトップになるために立ち止まったりしないんだもの。



…なんて、手取り足取り隅々まで教えてもらってるPさんには今更だったかしら?



ふふっ、こういう他愛もないやりとりのおかげで大分落ち着けてきたわ。







……出番までまだ少し時間があるわね。このままもうすこしお話…いい?







ふふっ、ありがと♪あとでちひろさんに一緒に怒られてあげるから、ね?

さて…少女に話を戻すわね。



17歳の私が少女の物語に自分を重ねるっていうのもちょっとずれてるかもしれないけれど、



大人じゃない、大人になろうとしているっていう意味では似通っていると思うの。



周りの子達やスタッフさん、Pさんにも大人びてるって言われるけれどそんなの嘘。



こう見えても背伸びしなきゃ届かなくて、必死なんだから。





…何に、誰に届くかはもう少し待っててほしいかな。

…それにしたって、まだ高校生なのをたまに忘れるだの、



あまつさえたまに思い出すだの、失礼な話よね。



まぁ、伊吹ちゃんは普段から私がからかっててどっちが年上か分からなくなるんだけどね。





……なぁにその目。



……ふぅん。Pさんもそんなこと思ってたの?



…あえてどっちかは聞かないでおいてあげる。



そのかわり、私の質問に答えてくれるかしら?いいえ、答えてもらうわ。

その前に、いくら鈍感なPさんでも気付いていると思うんだけど、



私の曲ってね、歌い出すまでに18回キスって囁くの。



もちろん知ってたわよね?あ、これは質問じゃなくてただの確認よ。



私達、こんなに近いのにただの1度もしたことなんてないのにね、ふふっ♪



あら、その顔はどっちに対して焦ってるの?それとも両方?



ま、気付いていたことにしておいてあげる。

続いて、サビの直前にさらに2回で、大人になってから今夜の約束を取り付ける格好ね。



17歳の私にとっては歌い始めからずっと背伸びして、大人になっていくような気分にさせてくれるの。



これ以上ないピッタリの曲をもらったと思ってるわ。



だから、Pさん。聞きたいの。







どうしてあのCDを私に?

…………そう。素顔、…か。



……確かにPさんには挑発したり誘惑してからかってばっかりで、



Pさんに対して感情をストレートにぶつけたことはなかったかもしれないわね。





…アイドルになるまでは、あんな言葉が心に刺さるなんて思いもしなかったのよ。





…でも、これで少しは身も心も潤って軽くなったかな。ありがとう、流石はPさんね。素敵よ♪



そんな素敵なPさんにお願いがあるんだけれど…当然、聞いてくれるわよね?



ふふっ、そんな顔しないの。…仮面を外したPさんも、素敵よ。

ねえ…





背伸びしたまま階段を昇り切ってしまっても…いいえ、



それが勘違いだったり、



足元が見えなくて途中で転んだり、



靴が脱げちゃうことだってあるかも知れないわ。





そんなことになっても…









変わらずに『シンデレラ』のままで、いさせてくれる?

ふふっ、よろしい♪





最初に出逢ったときは半信半疑だったけれど、空虚な私にしあわせを運んでくれたんだものね。



ありがとう。これで何の迷いもなくステージに向かえるわ。そしてこれからもずっと、ね。

…最後に一つだけ、いいかしら?



さっきは20回までで止めてたけれど、あれ、最後まで全部数えると53回にもなるの。



あいにく今の私じゃ、いくら背伸びしても届きそうになくてね。



大人の貴方ならこの謎、解るわよね?



このステージが終わったら、聞かせてもらえるかしら?



それとも…今夜一晩中悩んで、寝不足になっちゃってもいいのよ?



ふふっ、私の仮面もなかなか良くできたものでしょ♪じゃあ、行ってくるわね。









素敵な答え、いつまでも待ってるから。









おわり





17:30│速水奏 
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