2014年04月17日

モバP「杏!仕事をもらったぞ!」

杏「えー、仕事休みでいいよー」



モバP(以下P)「おいおい、今頑張らないと印税生活なんて夢のまた夢だぞ」



P「それに、前出したCDの印税は…」





杏「…あぁぁぁ……」



P「り、莉嘉を悪く思うなよ?」



杏「……うん。わかってるよ…。それで、どんな仕事が入ったの?」



P「あぁ! 実はな、杏にとって良い仕事かもしれないんだ!」



杏「杏にとって良い仕事?」



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P「あぁ。杏向きというか何と言うか」



杏「杏向き? もしかして、ゲームテスター?」



P「いや、そういう仕事は紗南に任せてるんだ」



杏「えぇー。杏もしたいなー」



P「まぁまぁ。…こほん。この度、杏に持ってきた仕事とは……『アイドル1週間密着取材』だ!」



杏「密着取材? …えぇー、めんどくさそー」



P「まぁ確かにそうかもしれんが、作られた自分の部屋そっくりの空間でぐうたらしているところを撮られるだけと、必死にレッスンして舞台やテレビに出たりするの、どっちがいい?」



杏「うっ…それは…前者、かな…」



P「だろ?」

杏「いやでもほら、休むという選択肢もありかと…」



P「こんな仕事滅多に来ないんだけど、いいのか? ニートアイドルとして知名度を広めるにはもってこいの仕事だと思うのだが」



杏「うぐっ……」



P「それにこれ。杏が大好きな飴もやるからさ」



杏「飴………………はぁ。わかったよ。その仕事受けるよ」



P「おう! まぁ、拒否したところで、強制的に出させたんだがな」



杏「んなっ!? こ、この鬼プロデューサー!」



P「はっはっはっ。何とでもいうがいいさ。それじゃ、俺は手続きして来るから」ガチャッ



杏「んもう……はぁ。もう一つ、養ってもらうっていう選択肢もあったんだけどなぁ、プロデューサー……」

ちひろ「なになに? どうしたの杏ちゃん」



杏「うわぁっ!? ち、ちひろさん? い、いつから…」



ちひろ「えーっ。さっきからいましたよー」



杏「……ごめん。気づかなった」



ちひろ「……ふふっ。いいですよ。ところで杏ちゃん。さっきの仕事の事だけど、詳しく聞かなくてよかったの?」



杏「詳しく聞くも何も、ただ杏の日常生活を撮るってだけでしょ? 」



ちひろ「う、うん。まぁ、確かにそうなんだけどね?」



杏「? ちひろさんは何が言いたいの?」



ちひろ「えっとね、この企画は杏ちゃんの日常生活を撮るでしょ? もし、その日常生活に男の影が見えたら?」



杏「杏も一応アイドルなわけだし、それはやばいね」



ちひろ「でしょ? だから、あのプロデューサーさんのことだし、一週間、杏ちゃんの前に現れませんよ」



杏「………へっ? いやいや、それはないでしょ! 担当アイドルの仕事の事なんだから、プロデューサーとしてさ…」



ちひろ「密着取材中の1週間、杏ちゃんにほかの仕事は入ってないわ」



杏「えっ」



ちひろ「プロデューサーさんとしの配慮なのかもしれませんが、その1週間だけぽっかり空けてるんですよ」



杏「………」



ちひろ「多分、プロデューサーさんは杏ちゃんを映したモニターで監視するだけでしょうね」



杏「……プロデューサー…」



ちひろ「あっ、え、えっと…と、とにかく頑張ってね杏ちゃん! たった1週間だよ!」



杏「そう……だよね…」



ちひろ「う、うん……」



杏「……そうだ……たった1週間だ……いや、1週間も休みをもらえたみたいなもんだよ! あの馬鹿プロデューサーの顔も見ないですむ!やった!杏ちゃん大勝利!あはははっ!」



ちひろ(ほ、本当に大丈夫かしら……)

〜1日目〜



スタッフ「はーい。スタンバイオッケーです!」



P「気楽に、いつも通りでいいからな?」



杏「言われなくてもそうする気だよ。折角の休日なんだから、ゆっくりさせてもらうよ」



P「休日って……ははっ、そうかもな。それじゃ、俺はもう行くからな」



杏「えっ……あっ、うん」



P「頑張れよ!って、頑張ることはないか。ははっ。それじゃあな!」



杏「うん……杏頑張るよ……!」



スタッフ「双葉さーん。準備してくださーい」



杏「はいはーい、っと……見ててよね、プロデューサー!」

杏「………………」ポチポチ



スタッフ「始まって3時間……ずっとゲームしてますね」ヒソヒソ



スタッフ「あぁ……こんなんで本当に視聴率とれるのか?」ヒソヒソ



杏(さっきから聞こてるんだけどなぁ……まぁ、杏は悪くないよね。この企画を決めた人が悪いんだから)ポチポチ



スタッフ「しかし、これが本当にアイドルなのか……?」ヒソヒソ



杏「…………」ポチポチ



スタッフ「最近の流行りはわからんな」ヒソヒソ



スタッフ「それを俺らが言ったらダメだろ」ヒソヒソ



スタッフ「そうでした」ヒソヒソ



杏(……本当のアイドル、かぁ…………)ポチポチ



スタッフ「あのー、双葉さん」



杏「んー? なにー?」ポチポチ



スタッフ「そろそろ昼時ですが……」



杏「えーもうそんな時間? ……んーっ」ノビー



スタッフ(ご飯は自炊なのかな?)



杏「あー…めんど……」ビリビリ



スタッフ(カップラーメン……!?)



スタッフ「これ放送していいのかよ」ヒソヒソ



スタッフ「ま、まぁ都合が悪ければカットするさ……」ヒソヒソ



杏(杏は自分を曲げたりしないよーだ)

〜別室〜



P「あーあ……あんな食事して…バカ杏……」



スタッフ「いやいや、ニートアイドルらしい食事ですね!」



P「はぁ……でも、体調管理はきちんとして欲しいところです……あっ、そろそろ私は行かなくては」



スタッフ「ん? あぁ、他のアイドルの仕事の付き添いかい?」



P「はい。それでは、失礼します」ガチャッ



P(大丈夫かな、杏……)

〜杏の仮部屋〜



スタッフ「それでは私達は出ていきます。カメラは回し続けますので」



杏「はーい。おつかれさまでーす」



杏(ここから1週間、杏は1人、なんだよね…)



杏(外に出るときはまたスタッフが付き添うって言ってたけど、多分出ないだろうしなぁ)



杏「んー………あっ、プロデューサーから貰った飴食べよっと」



杏「んー、うまい。このために頑張ってるみたいなものだしね」コロコロ



杏(……ぐうたら三昧な1週間。始まってまだ数時間だけど…何か物足りない……あんなに望んていたことなのに……なぜ…)

ーーーーーー

ーーーー

ーー



杏「………………んっ、あーもうこんな時間か」



杏(寝てた、のかな……)ノビー



杏「………晩御飯、どうしよ……」



杏(冷凍をチンさせて食べようかな……あっ、そういえばこれ、プロデューサーが見てるんだよね……どうしよ…)



杏「って! 別に関係ないじゃんか!」



杏(どうせ『ちゃんと体調管理しろ!』って後で叱られるんだろうなぁ……でも、それもいいかも………うわぁあああ!! 違う! 違うぞ! ……プロデューサーも、料理ができる女性に憧れるのかな……うわぁあああ!!)



杏(おかしい今日の杏はおかしくなってるよ……)



杏「………焼きそばでも作るか」

杏「よーしっ!できた!」



杏(どうよプロデューサー! 杏だって料理くらいできるんだから!)フフン



杏(………何一人でカメラに向かってドヤ顔してんだか……)



杏「…………いただきます」



杏(………美味しい。けど…)



杏(なんだろ、この気持ち………)





杏(思えば、最近は仕事の合間とかに、プロデューサーや皆とご飯を食べることがしょっちゅうだったなぁ)



杏(そうか………杏、寂しいのか…)



杏「…………………ごちそうさま」



杏(……なんか微妙だった………)



杏「……………………はぁ」ピコピコ



杏(ダメだ……ゲームに身が入らない…)



杏「……みんな、どうしてるかな」タイムライン



杏「……………えっ!?」



莉嘉『仕事帰りにPくんとプリ!』プリツキ



杏(ど、どういうこと……プロデューサーはずっと杏を監視していたんじゃないの……?)



杏「ていうかこれ、大丈夫なの?」



P『おい莉嘉! こういうことしたらダメだろ!』



杏「お、プロデューサー。ちゃんと叱ってんじゃーん」



莉嘉『大丈夫だよPくん! 公開範囲はお姉ちゃんたちだけだから!』



P『いやいや、そういうことじゃなくてだな、もっとあるだろ、こう………』



まゆ『これはどういうことですかぁ、Pさん』



杏「あ、やばい」

P『莉嘉! 早くこの投稿を消してくれ!』



莉嘉『えー、もう仕方ないなぁ』



まゆ『Pさん、あとで話をしましょうねぇ』



杏「プロデューサー……」



杏(しかし、こんなやりとりを見ただけで、今までぽっかり空いていた心の隙間が塞がった気がする)



杏「暖かい…」



杏(なんだろな、ほんと、これ)

杏「………んんっ。今日はもう寝るか〜」



杏(明日はどうしようかなぁ。今日みたいにごろごろと……)



杏(出かけるのも、あり、かなぁ……zZZ)



一日目終了

〜二日目〜



杏「………ふわぁ〜……ん、今何時ー?」



時計【12:00】



杏「12時かぁ〜…んーっ、起きるかぁ」



杏「…………ん? あ、そういえばカメラ回ってるんだった」



杏(まぁ、別に気にすることないけどね)



携帯『ブーブーブー』



杏「ん? 誰だろ」



携帯(P)『少しは気にしろよ。服、はだけてるぞ』



杏「……えっ。プロデューサー、見てるの!?」



携帯(P)『だから気にしろって!』



杏(プロデューサー………!)

杏「えっと……」



杏『杏頑張るよ』



P『あぁ。頑張れよ』



杏「………えへへっ」



杏(今日は朝から気分がいいや!)



※昼です



杏「……………あっ」グゥー





ーーーーーー

ーーーー

ーー



杏「……ふぅ。食った食った!」



杏(うーん、今日は何をしようかなぁ……)カメラチラッ



杏(多分プロデューサーが見てる……ぐうたらするのが良いのか、それとも……あぁもう!)



〜別室〜



P「み、見てください! あ、あの杏が……あの杏が率先として部屋の片付けを始めましたよ!」



スタッフ「ははっ。普段は自分から掃除しないんだ。流石ニートアイドル」



P「やべぇ……涙出てきました……」



スタッフ「…ははっ。この企画を立てて良かったな」



P「はい……!」

〜数ヶ月前〜



スタッフ「なんだいお願いって」



P「はい……私のプロダクションのアイドル、双葉杏をご存知でしょうか?」



スタッフ「あぁ、知ってるよ。なかなか人気らしいね」



P「いえいえ…それで、その、杏にある企画を持ちかけたいな、と」



スタッフ「ほう。その企画とは?」



P「双葉杏を1週間密着取材するというものです」



スタッフ「………………ほう」

スタッフ「君のことだ。何か理由があってその企画を立てたのだろう?」



P「はい! 彼女はニートアイドルとして売れて、良い感じなんですが、やはり年頃の女の子として、もっときちんとして欲しいんです!」



スタッフ「ふむ」



P「監視下のもとなら、何か変わるキッカケになると思うんです!」



スタッフ「ズバリ?」



P「週休8日なんて言わない、仕事に前向きな双葉杏になって欲しいんです!」



スタッフ「……ははっ。君はホント面白いね」

P「そ、そうですかね…」



スタッフ「でもね、君がいうそれは、彼女の個性を殺すというものだよね?」



P「っ………」



スタッフ「それでも、君はやりたいのかね?」



P「…私も考えました…そして悩みました……でも! 杏なら! 双葉杏ならなんとかしてくれるはずです! いえ、私がなんとかしてみせます! 双葉杏はトップアイドルの素質を持っている……だからこそ! ここでその素質を埋めてはいけないんです!」



スタッフ「………ははっ。オーケー。わかったよ。その企画、うちが実行しよう」



P「ほ、ホントですか!?」



スタッフ「あぁ。君の熱意は伝わったよ。それに、君と僕の仲じゃないか」



P「スタッフさん……!」

〜現在〜



P「この企画で、杏が少しでも進化してくれれば、もうそれで」



スタッフ「ははっ。君は彼女を愛してるんだねぇ」



P「はいっ! 杏は俺の生涯の宝ですよ!」



スタッフ「………ははっ」





〜杏の仮部屋〜



杏「…………ふぅ。こんなもんかな」



杏(久しぶりに掃除なんてしたよ…いつもはプロデューサーがしてくれてるから……プロデューサー……)



杏「ちょっと汚れちゃったかな……汗もかいたし……」カメラチラッ



杏(お風呂、入ってこよっと)タッタッタッ

〜別室〜



スタッフ「あら、お風呂入っちゃったね」



P「はい。まぁ流石に、入浴シーン撮れませんね」



スタッフ「いえ……いかせてください」



P「えっ!? だ、ダメですよ! 」



スタッフ「大丈夫ですって! ほら、双葉ちゃんの体型なら、ね?」



P「絶対ダメです!!」



スタッフ「……ちぇっ」



P「あんた……実はこれが目的じゃ……」



スタッフ「……………」



P「うわぁ…」

スタッフ「な、ならさぁ、シルエットだけならどうかね?」



P「シルエット?」



スタッフ「あぁ。扉越しに映るシルエットさ」



P「そ、それなら大丈夫……かな? い、いやそれより、杏自身の意見を…」



スタッフ「おや? この前、双葉杏は適当で、契約書にある『多少の露出などのお色気サービスを許可する』っていう項目にもチェック入れてたって言ってたよね?」



P「うっ……」



スタッフ「よっしゃあ! いけぇカメラマン!」



P「シルエットなら大丈夫シルエットなら大丈夫シルエットなら大丈夫シルエットなら大丈夫」

〜杏の仮部屋〜



女カメラマン(ここが風呂場よね…うわっ、子供っぽい下着してるのね、あの子)



女カメラマン「双葉さーん。中に入りませんが、扉越しの双葉さんの姿を撮しますねー」



杏「えー? あ、うん。いいよー」



女カメラマン(いいんだ)



杏「………あっ、入浴剤忘れちゃった。ねぇねぇ、とってくれなーい?」



女カメラマン「あっ、はーい。……えーっと、あっ、これか」ヒョイッ



女カメラマン「はい、どうぞ……って、何扉開けてるんですか双葉さん!」



杏「えっ、だって開けないと貰えないじゃん」

〜別室〜



スタッフ「ちょっ、プロデューサーさん、見えないんですけど!」



P「あなたには見せてはいけないと思うんですよ、私!」



スタッフ「なんでぇ!?」

P「し、しかし……」チラッ



女カメラマン『は、はいっ! は、早く閉めてください!』



杏『大丈夫だよー。カメラに撮されてない限りだい…じょ…う……うわぁぁあ!? こ、これ!』



女カメラマン『へ? ……ぁあ!? カメラが向いてる……!? 』



杏『ってことは………プロデューサー!//』バンッ



P「うわっ!? ……あーあ、カメラに物ぶつけて…壊れたら弁償するの俺だぞ…」



杏『プロデューサーのエッチ変態すけべ!//』



P「………まぁ、いいものが見れたな」



スタッフ「君も僕と同じじゃないか」

P「もちろん、あの部分はカットですよ」



スタッフ「せ、せめてモザイク…」



P「ダメです。あと、女性の方に編集をおねがいします。いなければ、私が」



スタッフ「な、なんで君がやるのかね! ……わ、わかったよ。女性にやらせるよ」



P「ありがとうございます」



P(杏のあの姿を独占したいこの気持ちはなんだろ……)

〜杏の仮部屋〜



杏「ふぅ〜。さっぱりしたー」



杏(プロデューサーに見られたかな……後で聞かないとね)



杏「……んー。しかし、何をしようかなぁ……そうだ、あのゲームを………あっ」



杏(しまったぁ……事務所に持っていってそのまま忘れてきちゃったよ……はぁ )



杏「仕方ないなぁ……」



杏(事務所に誰かいるかな……♪)ガチャッ



スタッフ「おや? 双葉さん、どちらへ?」



杏「事務所だよー」

杏(うわぁ。ホントについてくるんだ……嫌だなぁ、これじゃ目立つよ)



おばさん「あら? はじめてのおつかいかしら?」



おばさん「偉いわねー」



杏「…………………違うもん」ムスッ



スタッフ(か、かわいい)





P「杏かわいい!」



スタッフ「お、落ち着きたまえ」ジー

〜事務所〜



杏「ちーっす」ガチャッ



ちひろ「あら杏ちゃん? どうしたの…ってカメラ!? はわわっどうしよ」



杏「ちょっと忘れ物取りに来たんだ」



ちひろ「そ、そうなんだ…」カメラチラッチラッ



杏「あー、あったあった。これこれ」



ちひろ「よ、良かったわね杏ちゃん」カメラチラッチラッ



「あれ? ちひろさんどうしたの?」

ちひろ「さ、紗南ちゃん? え、えっとね…カメラが…」



紗南「ん? あっ、ホントだカメラだー! …あれ? なんでカメラが?」



杏「杏を撮るためのカメラだよー」



紗南「えっ、杏さんの!? てことは、し、仕事……?」



杏「そうだよー」ドヤッ



紗南「………今日は色んなゲームサーバーが落ちそうだね…」



杏「どういうことだよ!」



紗南「……むむ? もしかして、そのゲームは……!」



杏「おっ、よく気づいたね! そう、この前発売したやつさ!」



紗南「おぉ! さすが杏さん! いやぁ、あたしも買ったんだけど通信相手がいなくて……杏さん!」



杏「みなまで言うな。あぁ、やろう!」



ちひろ「えっ、いいの?」



スタッフ「はい。双葉さんの日常生活を撮るものとして、こういうのもありです。…ぶっちゃけ、ほかのアイドルも撮れてこちらは喜ばしい限りです!」



ちひろ「そ、そうなんですか……紗南ちゃんも今日はもう何もないし……いいの、かな」



杏「よっしゃあ! いくぞ!」



紗南「おぉー!」

〜杏の仮部屋〜



杏「いやぁ、今日は充実した日だったねー」



杏(でも、やっぱりプロデューサーには会えなかったなぁ……)



杏「ううん。この調子だと1週間なんて楽勝だよね!」



杏(待っててよねプロデューサー……zZZ)



二日目終了

〜三日目〜



杏「………………………」ピコピコ



杏(しっかし、ホントに杏が密着取材されるべきアイドルなのかなぁ……料理が得意な響子ちゃんに取材して美味しそうな料理を撮すとか、杏より適任なのはいっぱいいる筈なのに……まぁいっか)



杏「…………今日は何しようかな」



杏(オンラインにでも潜るかな……ん? メンテナンス中? そりゃないよー)



杏「………はぁ」

ピンポーン



杏「ん? スタッフかな……はぁ、めんどいなぁ……はーい」ガチャッ



幸子「こんにちは杏さん! 可愛いボクが遊びに来ましたよ!」



杏「…………は?」



輝子「……フヒッ……私もいますけどー」



小梅「わ、私も合わせて…4人で来ました…」



杏「え、4人?」



幸子「違いますよ小梅ちゃん! いくらボクが人一倍可愛いからって、人数は変わりませんよ!」



小梅「い、いや…確かに幸子ちゃんは可愛いけど……わたし達とあの子合わせたら、4人だよ?」



幸子「えっ」



杏「なにそれこわい」

杏「で? なんで来たの?」



輝子「そ、それは、ぷ、プロデューサーが…フフ」



小梅「ぴ、Pさんが、幸子さんのところに、行けばって……あの子も行きたいって言うし…」



幸子「それに、ここにはカメラがあるそうじゃないですか! ふふん! 可愛いボクがカメラに映ればみんな大喜びですよ!」



杏「……あぁ……これはめんどくさくなってきたぞ…」

幸子「ところで杏さん! 今何をしてなさっていたんですか?」



杏「んー? ゲームだよー」



幸子「えっ、せっかくカメラがあるのに?」



杏「カメラなんて関係ないよー。杏は杏の道を行くよ」



小梅「か、かっこいいです、杏さん…」



輝子「なかなかイケてるじゃねぇかぁ!」



杏「ちょっ、静かにしてよ」



輝子「フヒヒヒ………ごめんなさい……」



杏「あ、うん」



杏(素直だなぁ)

幸子「杏さん! せっかくカメラがあるのですし、外に出かけてイキイキした姿を撮りませんか? 特にこの可愛いボクを!」



杏「いやこれ杏メインなんだけど……」



幸子「そ、そうでした! で、でも、外に出るのはいいことだと思いますよ!」



輝子「わ、私も…そう、思う……フフ」



小梅「う、うん…あの子も言ってる…」



杏(なんか怪しいなぁ。もしかして…)



杏「ねぇ、プロデューサーに頼まれたの?」



幸子「な、なんのことですかねー」



杏(やっぱり)

杏「嫌だよ杏は。外に出ないから」



幸子「ど、どうしてですか!?」



杏「めんどくさいからだよー」



幸子「そ、そんな理由で……もう! こんなに可愛いボクが頼み込んでるのに!小梅ちゃん、輝子ちゃんも杏さんを説得してくださいよ!」



輝子「……フヒ……そ、それは難しい…と…」



小梅「う、うん。輝子ちゃんの言う通りだと思う……」



幸子「少しは粘ってくださいよ!」



杏「ところで、3人は、今日は仕事は?」



幸子「……ありません。あぁぁっ! なんで可愛いボクが仕事なしで、そんなオフの日にこんなことをしなくちゃいけないんですかぁ!」



杏「帰ってもいいんだよ?」



幸子「それはいけません! Pさんと約束しましたから…!」



杏「約束?」

幸子「はい!」



杏「……ちなみに、どんな?」ヒソヒソ



幸子「杏さんを外に連れ出したら、次のオフの日に、一緒に出かけてくれんです! ふふん、可愛いボクと出かけたいからって、遠回りな誘い方しますよねPさんは!」ヒソヒソ



杏「なっ………」



杏(杏はこんなに……なのに……)



杏「…………ないぞ」



幸子・輝子・小梅「?」



杏「杏は絶対に外に出ないぞ!」



幸子・輝子・小梅「えぇー……」

幸子「……仕方ないですね。……はぁ。Pさんとのデート…」ボソッ



小梅「……残念、だね」



輝子「……ゴートゥーヘール!!」



杏「うわぁ……」



杏(幸子ちゃんの最後、入ってないよね……まぁ、プロデューサーがカットさせるか……)



小梅「あ、杏さんも……ざ、残念ですね」



杏「え? なにが?」



小梅「だって……外に出たら、わ、私達だけじゃなくて、杏さんにも何か、ご、褒美をあげるって、Pさん言ってたから……」



杏「えっ!? 聞いてないよ!」



幸子「えぇ、言いましたよぉ。可愛いボクがいい忘れるなんて……あれ?」



輝子「……フフ。さ、さっちゃん、忘れてたよ」



幸子「あ、あぁぁ……」



杏(ご褒美……杏ともで、デートしてくれるのかな……)

杏「………行くよ」



幸子・輝子・小梅「?」



杏「外に出てあげるよ!もう!ホント仕方ないなぁ!」ニマニマ



幸子・輝子・小梅「!」



小梅「や、やった!」



輝子「……フヒヒヒ…アッハッハッ!シイタケ!エリンギ!」



幸子「うふふ…」



杏「ご褒美……なんだろぉ…」ニマニマ

〜別室〜



スタッフ「彼女に用意しているご褒美とは何なのかね?」



P「あぁ、やっぱ聞いてきます? ……へへっ、実はですね…じゃーん!」



スタッフ「………? これは?」



P「なんと! 1日に限定10個しか販売していない、幻の飴です!」



スタッフ「ほう………えっ? なぜそれがこんなに……ひー、ふー、みー…」



P「100個ですよ」



スタッフ「ひ、100個!?」



P「買えない日もありまして、約一年かかりましたよー」ハハハッ



スタッフ「す、すごいねキミィ……」

〜杏の仮部屋 玄関〜



杏「よし。それじゃいこーか」



幸子「……え?」



小梅「あ、杏さん、そ、その格好で…い、いくの?」



杏「うん」



輝子「フヒッ……ラフだぜぇ…」



幸子「もっとおしゃれしなくてもいいんですか? 可愛いボクと歩くからって、そんな謙遜しなくてもいいんですよ!」



杏「いやいや、これが杏スタイルだよ」



幸子「そ、そうですか」

杏(ダメなのかな、この格好……プロデューサーはどうなんだろ……)チラッ



幸子・輝子・小梅「?」



杏「ぐっ」



杏(三人とも結構おしゃれしてるなぁ…)



杏「…………」



小梅「あ、あの、あ、杏さん?」



幸子「ぼ、ボク、何か悪いこと言ってしまいましたか!?」



杏「………あのさ」



幸子「は、はい!」



杏「買い物……付き合ってくれない? 服選びとか…」



幸子「……! は、はい! 可愛いボクに任せてください!」



小梅「ふふっ…が、頑張ろうね」



輝子「…フフ……フフフフフフ」



杏(やっぱり、プロデューサーも、おしゃれな子の方がいいよね……うん//)

〜杏の仮部屋〜







杏「あぁぁぁぁ……今日はつかれたぁ…」



杏(買い物先でファンにバレちゃうし……店員さんはすごい話しかけてくるし…)



杏「ていうかあの店員、杏のこと『妹さん』って言ってたなぁ! 杏の方がお姉さんなのに!」



杏(………はぁ。叫んだらもっと疲れたよ……寝よ……)



杏(……プロデューサー、喜んでくれるかなぁ……zZZ)



三日目終了

〜四日目〜



杏「ZZz……ん? いま、なんじ……」



時計【12:00】



杏「……んー、昨日は疲れたしなぁ……もう少し寝よ……」



ピンポーン



杏「………はぁ。誰〜?杏の睡眠の邪魔をするのはぁ……」



杏(どうせまたプロデューサーの差し金だろうけど……)



杏「はーい。だれー?」ガチャッ



きらり「にょわーっ! きらりだにぃ☆」



杏「」



杏(プロデューサーァァアア!!)

〜別室〜



P「…………はぁ」



P(これ絶対、杏怒ってるよなぁ…)



スタッフ「いやぁすまないね」



P「いえいえ。こちら…いえ、私のわがままで立ち上げた企画ですし…」



スタッフ「そう言ってくれるとこちらも助かるよ」



P(視聴率、かぁ…)

〜杏の仮部屋〜



きらり「うわぁスゴイにぃ! 杏ちゃんの部屋そっくりだにょー☆」



杏「そりゃ真似てるからね……」



杏(寝起きの杏にきらりのテンションはキツいよ…)



きらり「んん? 杏ちゃん元気ないのー?」



杏「んー…ないことはないよ」



きらり「そっかー☆」



杏「……で? きらりはプロデューサーになんて言われて来たの?」



きらり「それはねぇ、ここに来たら杏ちゃんと遊べるよって……えぇーっ!? なんで杏ちゃん、きらりがPちゃんに言われてきたって知ってるのー? エスパーっ?」



杏「いや、まぁ、うん。そうなんだ」



きらり「杏ちゃんスゴイにぃ!」



きらり「杏ちゃん! 何して遊ぶーっ?」



杏「遊ばないよ杏は。まだ寝るもん」



きらり「杏ちゃん寝不足なのーっ?」



杏「うん。そうなんだ。だから寝かせてよ」



杏(どうせ寝かしてくれないだろうけど…)



きらり「わかったーっ☆ 了解だにぃ!」



杏「……へっ?」



きらり「……きらり、杏ちゃんがいつも頑張ってること知ってるよーっ? だから、休めるときには休むのがいっちばーんっ☆」



杏「きらり……」



杏(杏、そんな頑張ってるかなぁ……)

きらり「でもでも、Pちゃんは杏ちゃんをハピハピするために頑張ってるんだから、そこは感謝しなきゃねーっ☆」



杏「………うん」



きらり「でも杏ちゃんは人気者だから疲れちゃうにぃ……そんな時は、きらりんルームにご招待すぅ!」



杏「えっ」



きらり「きらりんルームで疲れをとるにぃ!」



杏(あぁぁ…………うん。とりあえず今は寝よう、うん )



杏「おやすみぃ……」

杏「………………んあっ。……んー? きらりー? ……あれ? いないのかな」



時計【19:00】



杏「帰ったのかな……ん?これは……きらりの書き置きかぁ」



杏(結局、きらりと何することもなかったなぁ…仕方ない。今度遊んであげますかな。……程々に、ね)



杏「しかしよく寝たなぁ…これじゃあ夜寝れないよぉ……あっ」グゥー



杏(お腹すいたなぁ…そういえば今日はまだなんにも食べてないんだった)



杏「作ります、かな」

杏「………ん? これは……うわっ」



杏(何この食卓に置かれたグロテスクなもの……あっ、その隣に紙が……またきらりの書き置き?)



【ご飯作ったから食べて欲しいにぃ! 食べたらハピハピすぅお! おっすおっすばっちし☆】



杏(ハピハピできんの? これ……。でも、きらりの厚意を無下にすることもできないし……)



杏「水だ。水を準備しよう」



杏(それも大量に)

杏「……そ、それじゃあ、いただきます」ハムッ



杏「こ、これは……!」



杏(口の中に入れた瞬間に広がる旨味に下の上で溶けていくまろやかさ)



杏「美味しい! 美味しいよきらり!」



杏(見た目で判断してごめんねきらり……でも、この見た目からのこの味のギャップはある意味怖いよ…)



杏「…うん。あとでお礼のメールでもしとこっと」



四日目終了

〜五日目〜



杏「そりゃそりゃ! あーもう危ないなぁ! んーいけっ!そこだっ! …やった!………あれ?」



杏(明るくなってきたなぁ…結局ゲームで夜越しちゃったよ)



杏(今日も誰か来るのかなぁ……)ソワソワ



杏(って! なんで杏そわそわしてんの!? めんどくさいはずなのに……やっぱり楽しい、のかな。みんなといるのは…)



杏「………あっ。今日、燃えるゴミの日じゃん」



杏(この前掃除した時に集めたゴミを出さなきゃ……プロデューサー見てる? 杏はゴミの日を忘れない立派な女性だよ!)ドヤッ



杏「………なにやってんだろ、杏は」



杏(とにかく、出しに行こっと…)ガチャッ



P「あっ」



杏「えっ」

杏「ぷ、ぷぷぷぷぷプロデューサー!?」



P「………やっべ」



杏「な、なにやってんのさ!」



P「い、いや、今からまゆの仕事のところに…」



杏「いやいや。なんでここにいるのさ!」



P「えっ、だって……」チラッ



杏(ん? となりのへや……?)



※マンションの部屋をお借りしています

杏「も、もしかして……!」ガチャッ



P「お、おいっ」



スタッフ「………へ? は、はろー?」



杏「」



杏(杏の部屋が映し出されたモニター……やっぱり)



杏「プロデューサー……」



P「……あぁ。お察しの通りだ。俺はここで、杏の監視をしていた」



杏「そう、なんだ…」



杏(近くに、いたんだぁ…)

杏「あっ、そういえば、莉嘉とのプリの件だけどさぁ」



P「ヒィッ」ビクッ



杏「えっ……プロデューサー…あの後、一体何が…」



P「な、なんにもなかったさぁ! ただ、まゆは偉大で愛くるしいということが再認識できただけさぁ!」



杏「」



杏(な、なにをされたんだ……)



P「……それにしても、杏は優しいな」



杏「えっ?」



P「…ううん。なんでもない。それじゃ、俺は遅れたらやばいんで行くよ。じゃあな」



杏「う、うん。ばいばい…」



スタッフ「……」ニヤニヤ

杏「………あっ。杏もゴミ出し急がなきゃ!」ヨイショヨイショ



杏(杏もプロデューサーとのツーショット写真欲しいなぁ…)



杏「まっ、いつかチャンスがくるよね!」



杏(その時は絶対にみんなに内緒にしなくちゃ、ねっ!)





〜昼〜



杏「ズズズズ………んっ」ゴクリ



杏(やっぱりカップラーメンが手頃で美味しくていいね! 大丈夫。今はプロデューサーは見てないから…)



杏「……さて」チラッ



杏(今日も誰か来るのかな?)ソワソワ



シーン



杏(来ない、のかな?)



杏(いやでもまだ焦る時間じゃないよね、うん)



杏(誰か来てくれるよ、ね……)

時計【15:00】



杏「誰も…来ない…」



杏(なになに? 今日は派遣してないのプロデューサー? ……勝手だよ)



杏「…ゲーム、するか…」グデー



ピンポーン



杏「!」



杏(も、もしかして誰か来てくれたの!?)



杏「は、はい! すぐでまーす!」



杏(すぐ、かぁ……杏、嬉しいんだ…)ガチャッ



茜「ボンバー!! こんにちは杏ちゃん!!」



杏「」

茜「プロデューサーに言われて来ました!! お仕事お疲れ様です杏ちゃん!!!」



杏「あ、うん」



杏(何でよりにもよって茜なんだよプロデューサー!)



茜「あっ!! 本当にカメラが設置されているんですね!!!」



茜「そういえばさっき、外でスタッフさんとすれ違いました!!!」



茜「すいません! テレビつけてもいいですか!!!?」



杏「あ、うん」



杏(絶対杏とミスマッチだよ…)

茜「うーん…あんまり面白いのしてませんね!!」



杏「あ、うん」



茜「…どうしたんですか、杏ちゃん」



杏「えっ?」



茜「その…あんまり元気がないというか…楽しそうではないというか…」



杏(茜がこんな顔して…杏を、心配してくれてる…)



杏「う、ううん! 杏、楽しいよ!」



茜「本当ですか!!?」



杏「う、うん!」



茜「やったー!! よかったです!!!」



杏「あはは…うん。ねぇ茜、お茶飲む?」



茜「お茶ですか!!? 飲みます!! ありがとうございます!!!」

〜夜〜



杏(あの後、お茶を飲みながら茜と他愛もない会話を続けたんだけど……)



杏「つ、つかれたぁ…」



杏(あのテンションを相手するのはこんなに疲れるものなのか…きらりと似た何かを感じるよ…)



杏「それにしても…」



杏(茜、プロデューサーの事をすごい嬉しそうに話してたなぁ…)



杏(それも、プロデューサーが楽しんでそうなエピソードばっか……)



杏(それにひきかえ杏は…お世話かけまくる話ばっか。たまに一緒にゲームするくらい…)



杏「……今度、労ってあげようかなぁ…」



杏(ん? でも、杏も働いてるんだし、プロデューサーも杏を労わないといけないんじゃないかな?)



杏「………本気で疲れてきたや……おやすみ……zZZ」



〜五日目終了〜

〜別室〜



P「寝ている杏も可愛いなぁ!」



スタッフ「さ、流石に監視も疲れてきたよ…」



P「何言ってるんですか! こんな癒しが目の前に映っているっていうのに!」



スタッフ「いやまあ、癒されるよ? うん。可愛い寝顔だね」



P「でしょお!? これを起こさなければいけない俺…何てかわいそう!」



スタッフ「君…酔ってるんだね」



P「……はい。大人組に捕まっちゃいましてねぇ!」



スタッフ「ははっ、君が羨ましいよ」

スタッフ「それに…あまりそう言う事は人に言わない方がいいよ」



P「わかってますよぉ! 普段は気にしてますし、あなただから言ってるんですよぉ!」



スタッフ「えっ」ドキン



P「…んー。あぁ、俺も少し寝ますね。杏が起きたら起こして…くだ…さい……zZZ」



スタッフ「あ、あぁ。任せなさい」



スタッフ(あぁ! 君の寝顔も可愛いじゃないか!)



P「…ZZZ……っ」ゾクッ

〜六日目〜



杏「……んっ、ふわぁ」



杏(何時……?)



時計【16:00】



杏「……えっ、もうこんな時間!?」



杏(もしかして…杏が寝てる間にもう誰か来ちゃったかなぁ…)



杏(……ううん。来ないのが当たり前。こもってたら基本ぼっちだもんね。寂しいなんて…そんな…ね)



杏「…あと2日なんだ! 乗り切って見せるよ!」



ピンポーン



杏「………へっ?」

杏「………」ガチャッ



卯月「こんにちは杏ちゃん! 仕事帰りにきちゃった!」



杏「あー、お疲れ様でーす」ギィーッ



卯月「ち、ちょっと! 閉めないでよっ!」



杏「…………はぁ」



杏(仕事帰りだったのかぁ…なら、仕方ないかなぁ)



杏「どうぞ」



卯月「わぁーいっ! お邪魔しまーすっ!」



杏「……はぁ」

卯月「へぇー…」ジロジロ



杏「……なに?」



卯月「へっ? あっ、え、えっとね、結構綺麗にしてるんだなーって! えへへっごめんね!」



杏「…あ〜、うん。まぁ、一応ね」



卯月「それにしても、良いな〜杏ちゃん!」



杏「へっ、なにが?」



卯月「だってー、こんな大きな仕事貰えてさぁ!」



杏「いやー、まぁ、うん。杏だからね」ドヤァ



卯月「おぉ! すごい自信だね!」



杏「まぁね!」フフン



卯月「私もいっぱい仕事欲しいなぁ!」チラチラッ



杏(あっ、これプロデューサーにアピールしてるな…)



杏「んー…でも、杏はあんまり働きたくないけどね」



卯月「うぅ。それはいっぱい仕事貰えるから言えるんだよー」プンプン



杏(仕事もらう前からそうなんだけどなぁ)

卯月「そうだ! ここで杏ちゃんにひとつ質問! でれん!」



杏「へっ、質問?」



卯月「今日含めてあと2日となりましたが、ズバリ! 今の心境は?」



杏(これ絶対プロデューサーが言わせてるよね…)



杏「えー…あー…うん。もっと休みください」



卯月「えぇー!? まだ休みたいの?」



杏「当たり前だよぉ。年中有休でもいいくらいだねっ!」



卯月「えぇ…」



杏(ぼっちは…嫌、だけどね…)

杏「ところで、卯月ちゃんは何かプロデューサーにご褒美もらうの?」



卯月「ご褒美…? えっ、私そんなの聞いてない……」



杏「えっ」



杏(あちゃー…これは…)



卯月「もしかして他のみんなは…何かもらう約束してるのかな…」



杏「え、えっと……うん」



卯月「プロデューサーさぁん!!」



杏「」



杏(どうしよ…)

杏「あ、でもさ、ほら。頑張れば何かもらえるかもよ?」



卯月「えっ。……そ、そうかな?」



杏「……うん」



卯月「〜っ! よぉし! 島村卯月、頑張ります!」



杏(よ、よかった…立ち直ったみたいだ…)



卯月「それじゃ杏ちゃん! 一緒に頑張りましょう!」



杏「えっ」



卯月「外に出ましょう! いっぱい良いものが撮れるように頑張りましよう!」



杏「えぇぇぇ!?」



杏(なんか茜みたいになってるよ……)



卯月「では、行きましょう!!」

〜夜〜



杏「な、なんでこんなにも杏が疲れなくちゃ……」



杏(これはあれだね…プロデューサーにかなりの褒美を要求するひつようがあるね…)



杏「……ふわぁ。やばい…もう無理…おやすみ……zZZ」



〜六日目終了〜

〜最終日〜



杏「さぁて、今日で終わりか…」



杏(せっかくの休みを結構プロデューサーによって削られた気がするけど…)



杏(仕事だからって杏は妥協しないよプロデューサー! ぜったい、すごい褒美をもらうんだから!)



杏(な、なにしてもらおうかなぁ……えへへっ//)



杏「そういえば…」チラッ



時計【16:00】



杏「今日も遅いなぁ…」

杏(もう…この企画のせいで杏はすごい寂しがり屋になっちゃったよ…これはプロデューサーは責任取らないとね……責任っ//)



携帯『ブーブーブー』



杏「うわぁ!? …へっ? あっ、携帯か…プロデューサー!?」ピッ



P『今日は誰も行かないからゆっくり休んでいいぞ』



杏「………へっ? 誰も、こないの?」



杏(じゃあ杏、今日はひとり…ぼっち…?)



杏「…ほんと、どうしたんだろ杏…」



杏(みんなぁ…)

ピンポーン



杏「………へっ?」



杏(だ、誰…?)ガチャッ



凛「やぁ、杏」



卯月「えへへぇ、島村卯月、また来ちゃいました!」



杏「………」



卯月「あ、あれ?」



凛「もしかして…迷惑だった?」



杏「……凛ちゃん! 卯月ちゃん!」ダキッ



凛「えっ//」



卯月「はわわっ// わ、私、杏ちゃんに抱きつかれちゃったよ!?」



杏「やった…来てくれた…ありがとう…」



凛「」キュンッ



卯月「か、かわいい…//」

ーーーーー

ーーー





凛「…ふーん。そういうことだったんだ」



杏「うん……//」



卯月「杏ちゃん可愛かったねぇ!」



杏「う、うるさいなぁ!」



杏「…な、なんで、来たの? プロデューサーは今日は誰も来ないって…」



凛「うん。今日は誰も来る予定なかったんだ。でも、卯月がさ」



卯月「えへへっ。だって、もっと頑張ったらプロデューサーさんにもっとすごいご褒美もらえるかもしれないんだよ! これはもう頑張るしかないよ!」



凛「待って。ご褒美ってなに? プロデューサーの? え、なに?」



卯月「……はっ! こ、これはその…」



杏(賑やか…なんだか、暖かい…心地良い…ふふっ)



杏「杏はみんなが大好きだぞぉ!」



凛「えっ、どうしたの急に!?」



卯月「わぁーい! 杏ちゃん! 私も大好きだよ!」



凛「わ、私も…//」



杏(ねぇ、プロデューサー…杏、気が付いたよ…)



収録終了

〜翌日〜



事務所



杏「ふふふふ〜♪」グターリ



卯月「ね、ねぇ凛ちゃん。杏ちゃん、凄い笑顔でくつろいでるね」



凛「そうだね…」



P「ん? おっ、杏! 約一週間お疲れ様!」



杏「あっ、プロデューサー! えへへぇ、杏はやりとげたよ!」



P「まぁ、ほとんどだらけてただけだったけどな」



杏「な、なにぃ!? それはあんまりだよプロデューサー! 杏、けっこう頑張ってたよ!?」



P「……そうだな。杏、本当に良く頑張った。俺、この企画で杏は成長したと思っている」



杏「プロデューサー…!」



P「そんな杏に褒美をやろう! すごいぞ!」



杏「えっ、なになに!?」



杏(プロデューサーと休日過ごせたりできるかなぁ…!)



P「はいっ、飴」



杏「………へっ?」

P「へっ、て…嬉しくないのか? 飴だぞ? しかもこれ、あの幻の飴だぞ!」



杏「いやまぁ、嬉しいよ?」



P「だろぉ?」



杏「うん…でも、さ…なんか違うんだよぉ!」



P「えぇーっ!?」



杏「うわーっもう! プロデューサーのバカ!」



P「そんなぁ! 俺の約一年の努力がぁ!」

杏「…………ねぇ」



P「あぁぁ……な、なんだよ…」



杏「杏ね、この一週間、一人でいると…なんだか、寂し、かったんだ…」



P「………おう」



杏「それで、杏、気づいたんだ。あぁ、杏は寂しがり屋になっちゃったんだなぁって」



P「へぇ」



杏「そんで、さぁ…今日もさ、家に帰ったら杏、一人になるわけじゃん?」



P「ん、まぁそうだな」



杏「だからさ……その、さ………杏と結婚してよ、プロデューサー」



P「………は? はぁぁぁぁ!?」



アイドル「!?」ガタッ

P「あ、杏お前、何言って…」



杏「〜っ// あぁもうっ! 杏なに言ってんだろうねっ! …でもさ、杏を寂しがり屋にしちゃったのはプロデューサーなんだよ?」



P「な、なんでだよ!」



杏「なんでもだよっ! 杏もよくわかんないよっ! でも、杏はプロデューサーが好きなんだよ…プロデューサーは、杏と結婚、やだ?」



P「ぐっ…そ、それは……お、俺とお前はプロデューサーとアイドルで…」



杏「じゃあ杏がアイドルやめればいい話だよね」



P「ふざけるなぁ!」



杏「!?」ビクッ



P「あっ……。あ、あのな、杏」



杏「………なに」



P「俺はお前が好きだ」



杏「っ//」



P「結婚? あぁしたいさ。いますぐにでもな!」



杏「じ、じゃあ!」



P「でもできない」



杏「えっ」

P「俺は杏と結婚したいという願望ともう一つ…杏を輝かせたいという願望も持っているんだ」



杏「……」



P「なぁ杏。いつかはアイドルやめてくれても構わない。でも、今はダメだ。今からがもっとも輝くときなんだ!」



杏「……うん」



P「だから、さ…杏がアイドルの中で一番の輝きを見せるアイドルになったその時には……俺と、結婚してくれないか」



杏「えっ……い、いいの!?」



P「あぁ」



杏「ぷ、プロデューサー!」ダキッ



P「杏ぅ!」ダキッ





ちひろ「な、なにやってるんですかこの二人は……」

〜1ヶ月後〜



スタッフ「いやぁ、すごいねぇ双葉杏ちゃん。ここ最近いろんなところで見かけるようになったよ。ははっ、これも愛の力かね?」



P「よ、よしてくださいよ。…しかし、ホント頑張ってますよ杏は。そうです、聞いてくださいよ! あの杏が、最近は自分から事務所に来るようになったんですよ!」



スタッフ「へぇ、それはすごい」



P「いやもう感動しましたよ! あの企画は杏のやる気を上げるためのものでしたが、もっと嬉しい結果になって……スタッフさん。本当にありがとうございました!」



スタッフ「ははっ、いいのいいの。…君も、頑張りたまえよ」



P「はいっ!」

杏「ねぇ、プロデューサー」



P「ん? なんだ杏…って、近いな」



杏「いいじゃんこんくらい。寂しがり屋の杏はこれくらいが丁度いいんです!」



P「はいはい。で、なんだ?」



杏「んっ。あのさ…あとどんくらい頑張ればさ、その、け、結婚できる?」



P「んー……あと2,3年はかかるんじゃね?」



杏「えぇーっ!? そんなに……はぁ。杏はもうダメだぁ…」



P「ん?なんだ? 俺との結婚は諦めるのか?」



杏「……ううっ、ずるいよプロデューサー…うんっ。杏、頑張るよ!」



P「あぁ、頑張れ!」



杏「うん!」



P「そういえば……杏!仕事をもらったぞ!」



おわり



23:30│双葉杏 
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