2014年04月19日
鷺沢文香「...ツンデレ?」
のんびりと書いていきます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397115578
由里子「文香ちゃんツンデレ知らないの?」
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由里子「文香ちゃんツンデレ知らないの?」
文香「言葉自体は聞いたことがありますが....具体的にどういう物なのか...詳しくは...」
比奈「まあ、どういう定義なのかは人によって異なるっスから...」
由里子「昨今のツンデレはツンデレじゃねぇ!とか言う人もいるよね」
比奈「あるっスねー、そもそもツンデレっていうのは時間経過による態度の変化とかの事だったらしくて...」
由里子「そうそう!今だとすっかり二面性っていうか照れ隠しの事みたいになってるけど当初は...」
文香「...なんだかすごいですね...」
由里子「あっ、ゴメンゴメン!つい文香ちゃんの事ほったらかしにしちゃった」
比奈「文香ちゃんってラノベとか読まないんでスか?」
文香「あまり...読む方ではないですね...」
比奈「んじゃこれ貸してあげるっスよ、ちょうどヒロインがテンプレのツンデレなんで」
文香「ありがとうございます....ファンタジーなんですね..」ペラッ
由里子「それあたしも持ってるよ!主人公が使い魔になっちゃうやつね♪」
文香「文字が、ずいぶん...大きい...」
比奈「挿絵も結構多いんスよ、半分マンガみたいな感じだから気楽に読めると思いまス」
文香「今は...こういうヒロインが...人気なんですか?」
由里子「人によるかなぁ、合わない人は合わないけど合う人はもうメロメロになっちゃうらしいじぇー」
文香「メロメロに...」
由里子「そっけない態度とか、わざとツンツンしてるとかそういうのがいいんだって」
文香「なるほど...」
比奈「確かプロデューサーがツンデレ好きだって言ってたような気がするっス」
文香「....」ピクッ
由里子「そうなの?なんか意外かも」
比奈「いや、この前喋ってたらそんな事を言ってたような気が...」
由里子「マジかー!じゃあプロデューサーも家で『くぎゅううう』とかなってるのかな?」
比奈「あはははっ!そりゃないと思うっスよー、いくらなんでも」
文香「Pさん...」
由里子「『この駄犬!』とか言われると、ハァハァしてたりとか...もしくは日々そんな妄想を...」
比奈「ないんじゃないっスか?さすがに...」
文香「ツンデレ....」ペラッ
由里子「いやいやわかんないよ?実は受け体質で言われると拒めなかったりして...」
文香「まあ、確かに拒めないというより優しい性格なのは認めるっスけど...」
文香「.....」ペラッ ペラッ
比奈「...なんかすごい勢いでページめくってますねぇ...」
由里子「ん〜?文香ちゃん、プロデューサーの好みと聞いて目の色変えちゃったかな〜?」
文香「べ、別に...そんなことは...」
由里子「ふーん♪」ニヤニヤ
比奈(うーん、隠してるつもりでしょうけど文香ちゃんは普段からプロデューサーLOVEっスからねぇ...)
比奈(...どうなるかな?)
−−−翌日−−−
P「.....」カタカタ...
ガチャッ
文香「おはようございます...」
P「おう文香、おはよう」
文香「あっ、おは...」
P「んっ、どうした?」
文香「......」
P「文香?」
文香「.....」プイッ
P「ふ、文香さん?」
文香「き、気安く話しかけないで....この...変態...」
P「っ!!」
文香「か、勝手に口を聞くなんて...生意気...よ...」
P「ど、どうしたんだ文香?病気か?」
文香「べ、別にどうもしてま...あっ、してないわ...」
P「お、おい...」
文香「それより今日はラジオのお仕事なんだから...早く行く...わよ...」カアァァァァ
P「文香...」
文香(こんな感じかな...こういうのが好きなのかな...)チラッ
P(は、反抗期なのか?)
文香(...なんだかいまいち喜んでいないような...)
文香(も、もう少し分かりやすい方が...)
P「な、なあ?俺に何か不満でも...」
文香「は、話しかけないで...」
文香「ぴ...Pの事なんて...好きじゃないんだから...」
P「っ!!!」ガーン!
−−−−−−
ディレクター「鷺沢ちゃんお疲れー、段々慣れてきたねー」
文香「あ、ありがとうございます....」
P「文香...その...お疲れ...」
文香「はい、Pさ...あっ...」
文香「......」プイッ
P(ほ、他の人とは会話するのに....)ガーン
ディレクター「あれ、CGプロさんどうかしたの?ケンカ?」
P「い、いえ!なんでもないです!」
ディレクター「ふーん、まあいいけどね、じゃあ次もよろしくねー」
P「お、お疲れ様でした...」
文香「...お疲れ様でした」
ブロロロロ...
文香「....」
P「.....」
P(き、気まずい...)
P「な、なあ文香?」
文香「はい...あっ...なに?」
P「ち、ちょっとコンビニ寄るな?買いたい物あるから...」
文香「す、好きにすれば...いいじゃない...ですか...」
P「何か欲しい物あるか?な、なんでも買ってやるぞ?」
文香「べ、別に...」
P「そっか...じゃあちょっと行ってくるな...」トボトボ...
文香(Pさん...喜んでるの...かな?)
文香(...今日は朝からまともな会話してない...)
文香(...ツンデレって大変だな...)
文香(この本でも...ヒロインが素直に気持ちを伝えられなくて...お互いにすごく苦労してる...)ペラッ
文香(気持ちを伝えられないのは...辛いよね...)
文香(あっ、でも言葉や態度の節々に好きって気持ちがにじみ出てるから私もそれを真似すれば...)
文香(でも、どうやったら...)
ガチャッ
P「お、おーい文香...飴買ってきたから...」
文香「っ!?」ビクッ!
バサッ!
P「おっと、ゴメンゴメン...本が落ち...」
文香「だ、ダメです!触らないで!」
P「えっ...」
文香(こ、この本の真似してるのバレちゃう...)
文香「じ、自分で拾えますから...」
P「そ、そうか...」
文香「....」
P「....」
文香(つい大声出しちゃった...)
文香(Pさん、拾おうとしてくれたのに...)
文香(あ、謝らないと...)
文香「あ、あの...」
P「さっきはゴメンな、文香は本を触れるの嫌だもんな、ゴメンゴメン...」
文香「ち、ちが...」
P「もう事務所に着くからな、今日はお疲れ様」
文香「....はい」
−−−−−−
P「文香、これ今週のイベントの資料だ」
文香「は、はい...」
P「確認しておいてくれ、じゃ」スタスタ...
文香「あっ...」
文香(Pさんと全然お話出来なくなっちゃった...)
文香(必要最低限の会話だけして...すぐにいなくなっちゃう...)
文香(...好きじゃなかったのかな...ツンデレ...)
ガチャッ
比奈「お疲れ様っス〜」
P「よう、お疲れ比奈」
比奈「いやー、本当に疲れたっスよー、とりあえずお茶でも飲んで...」
文香「あ、荒木さん....」
比奈「んっ、どしたんスか?」
文香「その...あっちでお茶飲みませんか?私、淹れるので...」
比奈「いいっスけど、別にここでも...」
文香「....ここだと...ちょっと...」
比奈「うーん、まあいいけど...」
文香「...どうぞ」
比奈「ありがとうございます、いただきます」グビッ
文香「....あの」
比奈「そういえばこの前貸したラノベ、どうでした?」
文香「.....」
比奈「文香ちゃんは純文学とか読んでるイメージっスから、やっぱり面白くなかったっスかね?」
文香「....荒木さん」
比奈「んっ?」
文香「....私、どうしたらいいんでしょう?」
比奈「...はい?」
文香「私...とんでもないことをしてしまったかも....」
文香「...嫌われたかもしれなくて...」ポロポロ...
比奈「ち、ちょっと文香ちゃん!?」
−−−−−−
比奈「なるほど、そういうことっスか...」
文香「....ぐすん」
比奈「すみません、アタシが余計なことしちゃって...」
文香「いえ、荒木さんは悪くありません....私がバカだったから...」
比奈「やっぱり文香ちゃんはツンデレキャラじゃなくてクーデレキャラの方が...いや、それは置いといて....」
文香「Pさんに...謝ろうと思ったんですけど...きっかけがなくて...」
比奈「普通にプロデューサーのところに行って『すみませんでした』って言えばいいんじゃないっスか?」
文香「だけど...口も聞いてくれなかったらと思うと....」
文香「Pさんに嫌われたら....私...」
比奈「大丈夫っスよ、きちんと謝れば平気っス」
文香「でも...」
比奈「文香ちゃんに貸したラノベでもケンカするのはお互いの気持ちがわからないからけんかしちゃうんスよ」
比奈「だからプロデューサーに今の自分の気持ちを全部打ち明ければ、丸く...」
文香「収まるんですか?」
比奈「....多分」
文香「....Pさん」
比奈「まあプロデューサーも文香ちゃんのこと大事にしてたし、理由を説明すればあるいは...」
文香「理由...」
比奈「そうっス、『Pさんの気を引こうと思ってやったんです』って...」
文香「い、言わなきゃダメですか...?」
比奈「ありのままっスからね」
文香「...やっぱり私にはツンデレは難しいみたいです」
比奈「そうみたいっスね、文香ちゃんにはツンツンっていうのは似合わないっスよ」
文香「はい...Pさんと会話できないのは...すごく嫌ですね...」
比奈「じゃあツンはやめてデレのほうがいいかもしれないっスね」
文香「で、デレ?」
比奈「ツンデレの行き着く所はデレデレっス、これでもかってくらい甘えまくるんっスよ!」
文香「そ、それもちょっと難しい...です...」
比奈「まっ、何はともあれとりあえずプロデューサーに事情を説明するところからっスね」
文香「はい....やってみます...」
−−−−−−
P「.....」カタカタ...
文香(いた...一人だ...)
文香(正直に...正直な気持ち...)
文香(....よし!)グッ!
文香「あ、あの...Pさん...」
P「んっ、文香か?どうした?」
文香「えっと....私...言いたいことが...」
P「言いたいこと?」
文香「....その...この前の...」
P「ああ、わかってるよ」
文香「えっ?」
P「俺のことなんて好きじゃないんだろ?」
文香「....P...さん?」
P「言わなくともわかってるぞ、この前からずっとだったもんな」
P「大丈夫だよ、文香に嫌われても仕事自体は手を抜いたりしないよ」
P「必要以上に話しかけないし、話も簡潔にまとめる」
P「だからそんなに無理して俺に近寄ってこなくてもいいぞ?」
文香「そん...な.....」
P「もう本にも絶対に触らないよ、約束する」
P「そういえば無理やり遊びに連れて行ったとしたこともあったな、あれもやめるよ」
P「ただ資料にだけは目を通しておいてくれよ?それだけはちゃんとやってくれ」
文香(Pさんが...Pさんが...)
文香(もう私と話をしてくれない...)
文香(私をどこかへ連れて行ってもくれない...)
文香(私...完全に...嫌わ...れ...)
P「なーんちゃって、実はだな...っ!?」
文香「グスッ....ヒック....」ポロポロ...
P「ふ、文香!?」
文香「ふえぇぇぇぇん....」ポロポロ...
P「お、おい....」
文香「ふぇぇぇぇん...」ポロポロ...
P「ふ、文香...」オロオロ...
文香「ごめんなさい....ごめんなさい....」
P「あ、あのな...別に怒ってるわけじゃ...」
文香「わ、わたしが....わるかった...グスッ...ですからぁ...」
文香「ごめんなさいぃぃ....」
P(ヤバイ...完全に泣きのスイッチが入っちゃってる...)
文香「グスッ....ヒック...」
P(え、えーっと....)
ギュッ
P「よ、よーしよーし...大丈夫だ、文香のことを嫌いになんてならないぞー」ナデナデ
文香「グスッ...」
P「だから...その...泣き止んでくれ....」ナデナデ
文香「.....」ギュッ
−−−−−−
P「.....」ナデナデ
文香「.....」ギュウウウウウウ
P(文香が離してくれない....)
P(さっきからずっと無言で文香の頭を撫でてるんだけど...)
P(この後、どうすれば...)
文香「あの...Pさん...」
P「んっ、なんだ?」
文香「その...ゴメンなさい...」
P「何がゴメンなさいなんだ?」
文香「....好きじゃないとか言って...ゴメンなさい...」
P「別に怒ってないよ」
文香「...本当ですか?」
P「ただビックリしたのは確かだな、文香があんなことを言うとは...」
文香「それなんですけど...実は...」
P「比奈から貸してもらった本の真似してたんだろ?」
文香「えっ...なんで知って...」
P「この前ラジオの収録の帰りに、文香の本を拾おうとしただろ?」
文香「はい...その事も謝ろうと...」
P「あの時にもちょっとおかしいなと思ったんだよ、文香は普段ラノベとか読まないはずだからさ」
P「もしかして事務所の誰かに勧められたのかなって考えたんだ、だとすると比奈か由里子か、それ以外だと奈緒あたりなら何か知ってるんじゃないかと思って...」
P「んで由里子に聞いてみたら比奈が文香に貸してたって言われてな、それと話の中でツンデレの事を興味深そうに聞いてたって....」
文香「それで....荒木さんにも聞いたんですか?」
P「いや、比奈は自分から俺に言いに来たよ」
P「『最近、文香ちゃんの態度がちょっとおかしいと思ったかもしれないっスけど、あれは多分アタシの貸したラノベのせいっス』」
P「『でも怒んないであげてください、文香ちゃん悪気があってやったわけじゃないっスから』って、言ってた」
文香「荒木さん...」
P「『文香ちゃんなりにプロデューサーの気を引こうとしたからで...』って...」
文香「えっ...それは...」
P「あっ、いけね...これ口止めされてた...」
文香「それじゃ...怒ってないんですか?」
P「怒ってないよ」
文香「でも...最近全然お話できなったのは...」
P「ああ、あれは他のプロデューサーが急病で倒れてその業務を俺が代理でやってたんだ」
P「二人分の業務を抱えてたからすごく忙しくてさ、そのせいであんまり文香と話す時間取れなかったな」
P「もしかして、それで俺が文香のこと嫌ってると思ったのか?」
文香「本を拾ってくれようとしたのに...大声を出してしまったことも...」
P「あんなことでいちいち腹を立てたりしないって」
文香「...好きじゃないって言ったことは...」
P「大丈夫だよ、心配性だな」ナデナデ
文香「....よかった...」ギュッ
文香「本当に...よかった...」
P「安心したか?」
文香「はい....」
P「じゃあもう大丈夫だな?」
文香「....あれ?」
P「どうした?」
文香「怒ってないなら...どうして『俺のこと好きじゃないんだろ』って...」
P「えーっと、それはだな...」
文香「なにか...理由が?」
P「...文香がさっき俺のところに来たときに、謝ろうとしてるのはなんとなくわかったんだよ」
文香「はぁ...」
P「比奈からも『多分あとで文香ちゃんが謝りに行くと思うっス』って言われてたし....」
文香「じゃあどうして...」
P「いや...文香が俺のことを『好きじゃない』って言ったときにすごく驚いたからさ...」
P「その...今度は俺がちょっとだけ...驚かせてやろうかなーって....」
文香「つまり...仕返しってこと...ですか?」
P「まあ、身も蓋もない言い方をするとそうなるけど...」
P「でもまさかあんなに泣き出すとは思わなかったよ、また俺が驚かされちゃったなって...」
文香「.....」
P「文香?」
ポカッ
P「いてっ」
文香「.....」ポカッ ポカッ...
P「い、痛いって文香...痛くないけど痛い...」
文香「....が」
P「えっ?」
文香「わ、私が...どんな気持ちで...あ、謝ったと...」ポカッ ポカッ
P「お、怒るなって、ちょっとした冗談だよ...」
文香「バカ...バカ...嫌い..嫌い...」ポカッ ポカッ
P「ゴメンゴメン」ナデナデ
文香「Pさんなんて...嫌い...」
P「おっと、ここに来てそれか...」
文香「もう...」
ギュウウウウウウ
文香「好き...」
P「やっぱり文香にツンデレは向いてないな」
文香「自分でも...そう思います...」
文香「演技でもなんでも...Pさんに嫌いって言ったり...酷いことを言うのは...いや...」
P「俺は悪くなかったと思うな」
文香「そう...ですか?」
P「無理に言おうとしてた文香はなかなか可愛かったし」
文香「....いじわる」
P「でも本当のことだしなぁ」
文香「むぅぅ.....」
チュッ
P「んんっ...」
文香「無理は...もうやめます...」
文香「ツンデレはもうおしまい...」
P「おしまいなのか?」
文香「これからは...デレデレになるんです...」
P「デレデレかぁ...」
文香「そうです...あ、甘えるんです...」
P「そうか、じゃあ文香のデレが見れるのか」
文香「...嫌い..ですか?」
P「まさか、俺はツンデレは好きだぞ?」
P「特にデレデレになった状態が大好きだ、甘えてくるところとか」
文香「じゃあ...たった今から...なります...いっぱい甘えちゃいます...」
P「文香が甘えるってのはどんな感じだろうなぁ、イマイチ想像がつかないけど...」
文香「それは...」
P「でも俺にできることならなんでもしてやるぞ?さあ言ってみろ」
文香「えーっと...手をつなぐとか...」
P「こうか?」ギュッ
文香「は、ハグするとか....」
P「今されてるけど...」
文香「き、キス....////」カアァァァ
P「さっき文香のほうから...」
文香「じ、じゃあデートです!デートしてください!」
P「デートか...」
文香「そ、そうです!本屋巡りに...付き合って...くだ...さい...」
P「なんかだんだん尻すぼみになったな...まっ、本屋巡りくらいなら付き合うよ」
文香「は、はい...それと...何かおいしいものを食べて...それから...」
P「ああ、どこでも好きなところに連れて行ってやる」
文香「ず、図々しいでしょうか...」
P「いやいや、積極的な文香も可愛いぞ」ナデナデ
文香「うぅぅ...///」カアァァァ
P「文香、可愛いぞ」
文香「....ふんっ」プイッ
P「あれ、怒ったか?」
文香「...いじわるをするPさんは...嫌いです....」
P「ゴメンゴメン、悪かったよ」
文香「じゃあ....」
文香「...素敵なデートにしてくれなきゃ許しませんから...」
おわり
20:30│鷺沢文香