2016年02月19日

岡崎泰葉「コタツとチョコと未来の我が家」

イヴ「泰葉さーん、板チョコ刻み終わりましたぁ」



泰葉「はい。では湯煎してこれの型で、えっと……とりあえず20枚お願いします」



イヴ「は〜い♪」







P「数おかしくない?」



杏「板チョコを溶かして板チョコを作る。どっかで聞いた拷問みたい…」



P「ああ、穴掘らせてまた埋めなおすってやつか」



杏「それそれ。泰葉も変な所凝り性だよね」



P「で、あれは何作ってるんだ?」



杏「残念ながら口止めされてるから内緒」



P「ふーん…」



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P「そもそも内緒にしたいなら何故家で作業するのか…」



杏「だって今日はプロデューサー休みじゃん」



P「理由になってないんだけど…」



泰葉「ふふっ。Pさんいる所に泰葉あり、ですよ♪」



P「もはや休みの日の我が家に集まるの恒例みたいになってきてるよな」



杏「顔を合わせない日が思い出せないくらいだもんねぇ…」



泰葉「もう家族みたいなものですから」



イヴ「迷惑ですかぁ?」



P「そんな事はないよ。一人でいるよりはよっぽど良いし」



杏「それならさっさと家族になれば?」



泰葉「ばっちこいです♪」フンス



P「まだしません」



杏「…まだ?」



泰葉「まだ!」

イヴ「そうだ。杏さん、これどうぞ〜」



杏「ん?クッキーにプレッツェルにクラッカー…」



泰葉「余ったので。Pさんもぜひどうぞ。今お茶煎れますね♪」



P「ああ、ありがと。…プレーンばっかりだな」



泰葉「ディップ的なの作りましょうか?」



P「いや、大丈夫。それにしてもアレだな。材料からしたらまるでお菓子の家を作るみたいな量だな」ハハッ



イヴ「ひうっ!?」



P「え?」



泰葉「そそそ、そんな事はありませんよ?ありませんよ?」



P「え?当たり?」



杏「あーあ…」

杏「まあこれ見ちゃったら分かるよね」



泰葉「それもそうですね」



P「あー…悪いことした?」



泰葉「いえ。ですが、どんなお家になるかは内緒です」



P「うん。楽しみにしておくよ」



泰葉「はい。腕によりをかけて私の技術の粋を集めて作っていますので」



P「あんまりこりすぎて食べ辛くならないようにしてくれよ」



泰葉「ふふっ。期待しててくださいね♪」



P「もしもし。泰葉さん?」



杏「頑張れ、プロデューサー…。あ、泰葉。杏は去年のチョコ飴がまた欲しいかな」



泰葉「はい。合点承知です」



P「あ、ずるっ」

泰葉「それでは、こちらの作業も一段落してますしご飯にしましょうか」



イヴ「は〜い」



P「もうそんな時間か」



杏「………ねえプロデューサー」



P「ん?」



杏「覚悟は出来てる?」



P「何のだ?」



杏「思い出してよ。この流れからくる鍋と言えば?」



P「……………ちょ、チョコフォンデュ?」



杏「少し食べるだけならともかくアレで腹を満たすのはある意味苦行だったよね…」



P「すっかり忘れてた…」

泰葉「お待たせしましたー」



杏「来た……ん?」



P「あれ?匂いが…」



イヴ「どうしましたかぁ?」



P「いや、去年のパターンからいくと今日はチョコフォンデュかなって話してたんだけど…」



泰葉「今日はトマトカレー鍋ですよ?」



P「トマトカレー…?」



泰葉「はい。いま流行りのハイブリッド鍋といふヤツです。…チョコフォンデュの方が良かったですか?」



P「いや、そんな事はない」



イヴ「私はちょっぴり残念です〜」



泰葉「今日はちょっと足りるか微妙でしたので…。また今度改めてしましょうね」



イヴ「は〜い♪」

杏「で、なんだっけ?ハイブリッド鍋?」



泰葉「はい。美味しいものと美味しいものを足したら相乗効果でさらに美味しくなる、と言う理論らしいです」



杏「なにそのイチゴパスタ理論…」



泰葉「イチゴは入ってないですよ?」



P「そうじゃなくて…。誰かと違って泰葉が作るんなら味は問題ないだろうけど…」



泰葉「ふふっ。Pさんの為に日々花嫁修行中ですから♪」



イヴ「うふふ。らぶらぶですね〜♪」



杏「はぁ、あっついあっつい」



P「お前ら…。まあ良いや。食べるか」



杏「プロデューサーも大分受け入れてきたよね。いただきまー」



P「受け入れるってよりは慣れてきたって感じだけどな」

P「お、美味い…」



杏「よく考えたらカレーにトマト入れる事あるもんね」



イヴ「初めて食べる味ですけど、美味しいです〜♪」



泰葉「ふふっ。気に入ってくれて良かったです。本当は更にハンバーグも入れてみたかったんですが、時間がなくて…」



P「ああ、確かに合いそうではあるなぁ…」



杏「じゃあ次はそれで」



泰葉「了解です。ちなみにシメはリゾットの予定です」



P「それも良いなぁ」

P「ふぅ。ごちそうさま」



杏「いつもとは違うけど美味しかった…」



泰葉「お粗末さまです。さて、私達は続きを…」



イヴ「でもブリッツェンがまだですよ〜?」



泰葉「あ、そうでした…」



杏「そういえばブリッツェンどこ行ったの?」



P「来た時はいたよな…?」



イヴ「はい〜。チョコが足りなくなったので、お使いに〜」



P「ブリッツェンだけで!?」



イヴ「ちゃんとメモも渡したので大丈夫ですよ〜?」



杏「まあ、ブリッツェンならなんとかなりそうではある…かな?」

ピンポーン



P「ん?誰だろ…?」



イヴ「そろそろ帰る頃ですし、ブリッツェンでしょうかぁ?」



泰葉「はーい。今出ますね♪」



P「あっ、泰葉待て…!」



杏「こうして作られていく既成事実」



P「だから勘弁してくれ…」



泰葉「ブリッツェンでした」



P「助かった…」



ブリッツェン「ブモー」



イヴ「ブリッツェンお帰り〜。チョコあったぁ?」



ブリッツェン「ブモブモ」



泰葉「ありがとうございます。これだけあれば足りそうですね」



P「ちょっと多くない?」



杏「頑張れ明日のプロデューサー…」

泰葉「よいしょ。ではこの型のを6枚ほど…」



イヴ「は〜い。割らないようにしないとですねぇ」





P「え?なにあの大きさ…」



杏「あれだけで板チョコ何枚分だろ…」



P「絶対俺一人じゃ無理なんだけど…」



杏「そういえば去年の話なんだけどさ」



P「うん?」



杏「きらりからのバレンタインチョコ、等身大の杏チョコだったんだよね…」



P「…等身大?って、1分の1?」



杏「うい。結局きらりと二人で一月くらい杏を食べ続けたワケだけど…」



P「不安になるような事言わないでくれ…」

杏「どうする?泰葉が等身大泰葉作ってきてリアル私を食べて、をやったら」



P「食べ辛い。けど食べなきゃ泰葉に悪いし…」



杏「…泰葉ならどこまでリアルに作るかな」



P「どこまでとは?」



杏「キャストオフ」



P「………こ、今年は違うみたいだから」





泰葉「なんのお話ですか?」



P「なんでもないぞ!?」



イヴ「ブリッツェンもクッキー食べる〜?」



ブリッツェン「ブモ?」クンクン

P「あれ?もう終わったの?」



泰葉「はい。パーツはあれが固まれば大体。後は家で作るのと、明日組み立てるだけです」



杏「組み立てが必要なチョコって…」



泰葉「ふふっ。大作の予感です。もちろん杏さんのチョコ飴も用意してますので、待っててくださいね」



イヴ「あ、私からもちゃんとありますからね〜♪」



杏「うむ。至れり尽くせりだ」



P「そして杏からは何もなし、と」



杏「なに?プロデューサー、杏から貰いたいワケ?泰葉に言いつけるよ?」 



P「そうじゃないけど」



泰葉「まさか、よりによって杏さんと浮気するなんて…」ヨヨヨ



P「泰葉も。浮気なんてするつもりないし」

泰葉「ふふっ。そういう訳ですので、Pさんには申し訳ないですが今日は実家に帰らせて頂きます」



P「いや、そもそも泰葉は実家住みだろうに…」



泰葉「なんなら今日からでもこちらに住む準備は出来てますよ?」



P「しなくていいです」



泰葉「むう…。そうだ。夜ご飯は作ってますから、温めて食べて下さいね」



P「いつの間に…」



杏「すっかり泰葉の尻に敷かれつつあるよね」



P「洒落にならないからやめてください」



泰葉「安心してください。ちゃんとPさんをたてる泰葉でいますから」フンス



杏「もう手遅れだったかー」

P「じゃあ気を付けて帰れよ」



イヴ「は〜い」



泰葉「明日は楽しみにしててくださいね♪」



P「お手柔らかに」



杏「にしても改めて見ると凄い量だね。ブリッツェン大丈夫?」



ブリッツェン「ブモ!」



P「一人じゃ絶対無理な量だろ…」



泰葉「ふふっ。それでは」



P「はいよ」

ー事務所ー



ガチャ



きらり「おっはゆー☆Pちゃん、杏ちゃん連れてきたよー!」



杏「おいっすー」



P「ああ。毎日ご苦労様」



きらり「うぇへへへ。なんのなんの」



P「お前もいい加減一人で来いよ」



杏「えー?でもきらりだって楽しんでるんだし良いじゃん」



きらり「うんうん。きらりん的には問題なっしんぐだよー☆」



杏「だって」



P「良いんだか悪いんだか…」

杏「あれ?そう言えばプロデューサーだけ?泰葉とイヴは?」



きらり「そいえばいないねぇ」



P「ん。何か来て早々会議室使わせてくれって言ってそっち行ってる」



杏「ああ、作ってんのか」



P「出来たら呼ぶから、ってさ。杏用の飴とイヴ作のケーキっぽいのを置いて行った」



きらり「すっごーい!これ、ブッシュ・ド・ノエルかにぃ?」



P「いや、マジパン?とか言うので作ったらしいぞ。ケーキとは違うけどかなり甘い」



杏「ふーん…もぐ…甘っ!」



P「な?」

きらり「そうそう。PちゃんPちゃん」



P「うん?」



きらり「はい。きらりからの、はぴはぴバレンタイン☆だゆー!」



P「おお。ありがとう!これは…カップケーキ?」



きらり「うん。フォンダンショコラだにぃ☆いーっぱい作ったから、いっぱい食べてね!杏ちゃんも!」



杏「わーい!さすがきらり!」



きらり「んふふふ。ちなみにぃ、杏ちゃんには別にあるから後でまたあげるねぇ☆」



杏「お、おう…」



きらり「うへへ。それではきらりんはお仕事行ってまいりまっす☆」



P「うむ。頑張ってこい!」

杏「はい、プロデューサー」コロッ



P「ん?チロル?」



杏「バレンタイン限定パッケージだって」



P「へー…………えっ!?いま俺、杏からチョコ貰った!?」



杏「何さ!いらないなら返せ!」



P「いえいえ、ありがたーくいただきますよ」



杏「まったく。プロデューサーが欲しそうにしてたからわざわざきらりに寄らせたのに…」ブツブツ



P「いやはや、まさか杏から貰える日が来るとはなぁ…」



杏「あー、恥ずかしい…」

泰葉「Pさ〜ん」



P「お、どうした?」



泰葉「はい。出来上がりましたので、呼びに来ました。あ、杏さん。おはようございます♪」



イヴ「おはようございます〜」



杏「おは。泰葉、飴貰ってるよー」コロコロ



泰葉「ふふっ。お味はどうですか?」



杏「んむ。相変わらず絶品!」



泰葉「良かったです」



P「で、あっち行けば良いのか?」



泰葉「はい。お願い出来ますか?」



P「うん。大丈夫」



イヴ「杏さんは私とここで待ってもらえますかぁ?」



杏「そうなの?おっけ」

泰葉「ふふっ。ではでは…」



ガチャ



P「おっ?」



泰葉「じゃーん!」



P「おおおっ!………でかっ!」



泰葉「ふふっ。気合を入れて作りましたから」



P「にしても丸々一軒とは…」



泰葉「題して、泰葉お手製・ドールハウスチョコレート〜将来はこんな家に住みたいな〜です♪」



P「…お、おう。ただ流石に予想以上と言うか、これ一人は無理だぞ…」



泰葉「はい。ですので、事務所の皆さんで食べたいな、と」



P「なるほど」

泰葉「ただ、Pさんにどうしても食べて貰いたい部分がありまして」



P「おう。どこだ?」



泰葉「はい。えっと……これです」



P「チョコのコタツと…人形?」



泰葉「はい。私とPさんと…pちゃんです♪」



P「なるほど。細かいな。……pちゃん?」



泰葉「私とPさんの娘ですよ?」



P「……ああ、前に日菜子と話してたってやつか」



泰葉「はい。これだけはどうしても」



P「まあ、これくらいなら一人でも食べきれるか」

泰葉「ふふっ。いまお茶淹れてきますね。あと杏さんとイヴさんも呼んできます」



P「ああ。……あ、泰葉」



泰葉「はい?」



P「この家、設計図みたいなのはあるのか?」



泰葉「?…はい。中まできっちり作ってますので、ありますが…」



P「そっか。じゃ、くれぐれも無くさないようにな」



泰葉「?」



P「チョコの方は食べたらなくなるからな」



泰葉「………あっ、はいっ♪」





終わるであります!



23:30│岡崎泰葉 
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