2016年03月15日

幸子「お料理を教えて下さい!」まゆ「どうしたんですか、急に?」

脳内設定を守るためには書かないといけないと思った。

勢いだけで書いたから何かおかしいかもしれない。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457457064





幸子「カワイイボクももう14歳ですから! そろそろお料理の一つや二つくらい覚えようかと思ったんです!」





幸子「それに、寮暮らしを始めるにあたって、自炊も必要になるでしょうから」



まゆ「え? 幸子ちゃん、寮暮らしを始めるんですか?」



幸子「はい。山梨から通いはつらいですからね。パパもママも、泣く泣く了承してくれました!」



まゆ(幸子ちゃんのご両親って、聞いた話によると確か…。きっと猛反対されたんでしょうね…)



幸子「そ、それに、花嫁修業とかは早い方が良いかもしれませんし…。ボクもあと2年すれば結婚できますから…」



まゆ「幸子ちゃん、何か言いましたか? 花嫁修業がなんとかと――」



幸子「い、いえ! なんでもありません!」



まゆ「なら良いのですけど…」



まゆ(幸子ちゃんの周りの男の人…。クラスに気になる子でも出来たんでしょうか?)



まゆ(…まさか、その相手がPさんだなんてことは…。いえ、Pさんとまゆは運命の紅い糸で結ばれていますし、そんなはずありませんよねぇ…)



幸子「それで、お料理の話は…」



まゆ「別にまゆは構いませんよ? でも、どうしてまゆなんですか?」



幸子「それはその…。輝子さんがまゆさんの手料理が美味しいって言っていたので…」



まゆ「そうですか…。うふ、輝子ちゃんも嬉しい事言ってくれますね」



幸子「そ、それに、Pさんもまゆさんは料理上手だ、って」



まゆ「え…?」



幸子「い、いえ! 別にPさんにご馳走するとかじゃあ無いですよ!? まあ、Pさんがカワイイボクの手料理をどうしても食べたいと泣いて懇願してくるなら話は

別ですけど!」



まゆ(…これは要警戒リストの順位上昇案件ですねぇ…。14歳だからと少し油断してました…)



幸子「じゃあ、次の週末辺りはどうですか? まゆさんも確かお休みでしたよね?」



まゆ「え、ええ…。でも、やっぱりまゆなんかじゃなくて、響子ちゃんや木場さんとかの方が――」



幸子「それじゃあ土曜日で決まりで良いですね? 楽しみにしていますから!」



まゆ「あ、あの! ちょっと待っ――」



幸子「頼りにしていますよ、まゆさん!」



まゆ(うぅ…。こ、これは断りづらいです…)



――――――

土曜日 まゆの部屋





幸子「さて、お料理を始めますか!」



まゆ「そうですね。今日は初回という事で、メニューはまゆが決めて、材料も用意しておきました」



幸子「流石はまゆさん、手際が良いですね! でも事務所の一番の料理上手の称号も、ボクがお料理を覚えるまでの話ですよ! フフーン!」



まゆ「いえ。葵ちゃんとか木場さんとか、お料理が上手な人は沢山いますからね?」



幸子「目標はまゆさんです! でも、すぐにまゆさんのお料理をマスターしてみせますから!」



幸子「それで、今日は何を作るんですか?」



まゆ「今日は基本のカレーとサラダですけど…。まず確認しておきたいのですが、幸子ちゃんはどれくらいお料理の経験があるんですか?」



幸子「全く無いです!」



まゆ「ま、全くですか…? その、全くの具合というのは…」



幸子「包丁を握ったことすらありません! カワイイボクの手にキズが出来たらいけないと、ママがキッチンに入れてくれませんでしたからね!」



まゆ(幸子ちゃんのご両親、噂以上ですね…)



幸子「学校の調理実習でも、ピーラー以上の刃物は持ってはいけないと言われていました!」



まゆ「それはもう過保護とかいう次元じゃあないような気がしますが…」



幸子「最初の調理実習の時は大変でしたね…。パパもママも、校門までこの世の終わりみたいな顔で見送りに来て…」



まゆ(過保護すぎて逆に家庭の闇を感じてしまうのはまゆの気のせいでしょうか…? 幸子ちゃんのご両親の過去に一体何が…?)



まゆ(でも、もしも幸子ちゃんみたいなカワイイ子がPさんとの間に出来た一人娘だったりしたら、まゆももしかしたらそれくらい過保護に…?)



幸子「どうしたんですか、まゆさん? 早くお料理を始めましょう!」



まゆ「そ、そうですね。エプロンは持ってきましたか、幸子ちゃん?」



幸子「はい! この日のために、カワイイボクに相応しいカワイイエプロンを用意しましたよ!」



まゆ「そうですか。うふ、とっても似合ってますよ」



幸子「フフーン! 当然です!」



幸子「それで、お料理ってまず何から始めれば良いのですか?」



まゆ「そうですねぇ…。じゃあ、まずは手をしっかり洗って下さい」



幸子「はい!」



まゆ「そうしたら、最初に材料を切りますから、まな板と包丁を用意して下さい。流しの下にありますから」



幸子「さ、早速包丁ですか…。流石に緊張しますね…」



まゆ「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。扱いを間違えなければ怪我なんてしませんから」



幸子「そ、そうですか…?それで、まずは何から切りますか?」



まゆ「今日は幸子ちゃんの練習ですから、好きなものからで良いですよ? 自信があるのを選んでみて下さい」



幸子「自信、ですか…。ま、まあカワイイボクに出来ないことなんてありませんけど!」



幸子「…で、でも、なんだかジャガイモは手強そうですね…。強敵感がヒシヒシと伝わってきます…」



幸子「豚肉はベトベトしそうですし、玉ねぎは涙が出るという話が…」



まゆ「…とりあえず、ニンジンから始めますか…?」



幸子「そ、そうですね! まずはニンジンで肩慣らしをしますか! どれも自信はありますけど!」



――――――



まゆ「そうそう、そうやって焦らずにピーラーで皮を剥いて…」



幸子「こ、これくらい余裕です! 大丈夫です! ボクはカワイイですから!」



まゆ「あっ!」



幸子「ヒィッ!?」



まゆ「もう、手元から目を離したらダメですよ…?」



幸子「うぅ…。あ、危うくボクの指の皮が…」



――――――



まゆ「こうやって、一口大に乱切りにするんです。同じ大きさにしないと上手に火が通ってくれませんからね」



幸子「あの、太いところと細いところがあるんですけど、どうやったらそんなに綺麗に大きさが揃うんですか…?」



まゆ「それは慣れるしか無いですね…。あっ、そこで切ると大きすぎますよ?」



幸子「もう、ニンジンってほんとカワイくないですね! なんでカワイイボクのために一口大で生えて来ないんですか!」



まゆ「頑張れば幸子ちゃんも上手に切れるようになれますよ?」



幸子「と、当然ですね! フフーン!」



――――――



まゆ「ジャガイモはまず、ピーラーの横のところので芽を取ってください」



幸子「あ、ボク知っていますよ! ジャガイモの芽には毒があるから食べちゃあいけないんです!」



まゆ「うふ…。幸子ちゃんは勉強熱心ですね」



幸子「ボクはカワイイだけじゃなくて真面目で向上心の塊でもありますからね!」



まゆ「ジャガイモはニンジンよりも丸くて危ないので、皮剥きは気を付けて下さいね…?」



幸子「だ、大丈夫なはずです! ニンジンの時みたいにはいきませんよ!」

――――――



幸子「うぅ…。玉ねぎってほんとに切ると涙が出て来るんですね…」



まゆ「涙が出にくくする方法も一応ありますけど…。今回は準備の時間がありませんでしたからねぇ…」



幸子「涙を流すボクもカワイイですから! 仕方ありませんね!」



まゆ「玉ねぎの細胞を潰さないように、断面を綺麗に切るのがコツですよ」



幸子「そうですか! では、カワイイボクの華麗な包丁捌きを見ていて下さいね!」

まゆ「サラダに使う分の玉ねぎは薄くスライスして、お水にさらしておきます」



幸子「水にさらす、ですか…?」



まゆ「辛味を抜くために、水に漬けておくんです。でも、漬けすぎると栄養素が抜けてしまうらしいので、気を付けて下さいね?」



幸子「そ、そうでしたか! 辛いのはダメですからね!」



まゆ「もしかして、カレーも辛いのはダメでしたか…? 中辛を買ってきましたけど、甘口の方が…」



幸子「そ、そこまで子供じゃあありません!」



――――――



まゆ「レタスは千切って一口大にして下さい」



幸子「フフーン! 任せて下さい! これは調理実習で経験済みですから!」



まゆ(本当にレタスを千切るくらいしか経験がなかったんですね…)



幸子「どうですか、まゆさん! 上手にカワイく千切れたでしょう!」



まゆ「そ、そうですね…。とてもお上手ですよ…?」



幸子「そうでしょう! もっと褒めても良いんですよ!」



まゆ「次はトマトを切りましょうね。丸いので手を滑らせないように気を付けて下さい」



幸子「はい!」



――――――



まゆ「さて…。とうとう強敵が来てしまいましたねぇ…」



幸子「お、お肉って一口大にバラバラにされて売っているんじゃないんですね…」



まゆ「まゆはいつも塊で買っていますからね…。幸子ちゃんのためにも、カレー用のを買って来れば良かったです…」



幸子「ふ、フフーン! これだけ経験を積んだんです! きっともう豚肉くらい余裕ですよ!」



まゆ「油断したらダメですよ? 豚肉はとっても滑る上に、切りづらいんですから」



幸子「うっ…。そ、そうなんですか…? それは気を付けなければいけませんね…」



まゆ「でも、ちゃんと注意していれば大丈夫ですよ。幸子ちゃんなら、きっと」



幸子「そ、そうですよね! じゃあ早速切っていきます!」



まゆ「ゆっくりで良いですから、滑らないように、ですよ…?」



幸子「はい! で、でもベトベトして本当に切りづらいですね…」



まゆ「手はネコの手を忘れちゃダメですよ」



幸子「ネコの手ですね! フフーン! ネコなボクもカワイ ――痛っ!?」



まゆ「さ、幸子ちゃん!?」



幸子「ゆ、指が…! ボクのカワイイ手が!」



幸子「ま、まゆさん、絆創膏とか――」



まゆ「だ、大丈夫ですか幸子ちゃん!! き、キズを見せて下さい!!」



幸子「え? は、はい…」



まゆ「よ、良かった…。それほどキズは深くないみたいです! あっ、早く消毒と絆創膏… ううん、包帯を!」



幸子「あ、あの…?」



まゆ「痛く無いですか、幸子ちゃん? すぐに治療を、いえここはもう救急車を呼んで――」



幸子「お、大げさですよ、まゆさん! 」



まゆ「そ、そうですか…? 幸子ちゃんは意外と落ち着いていて、やっぱりしっかり者ですね…」



幸子「いえ…。なんかまゆさんが錯乱しすぎて、逆に冷静になってしまったというか…」



まゆ「まゆのせいで幸子ちゃんに怪我をさせちゃいましたからね…」



幸子「とりあえず、消毒液と絆創膏だけ貰えますか? あとは自分でできますので」



まゆ「はい。今持ってきますね」



幸子「よろしくお願いします」



まゆ「…あっ。そういえば、まゆ、幸子ちゃんのご両親に怒られたりしないでしょうか…? カワイイ娘に傷をつけて、なんて…」



幸子「大丈夫ですよ! まゆさんはボクのためにこうやってお料理を教えてくれているんですから! そんな事はさせません!」



まゆ「そうですか…。うふ…、幸子ちゃんは優しいんですね…」



幸子「まあ、可能性は捨てきれないですが…。パパとママにはキズは隠さないといけませんね…」



――――――



まゆ「さて、手当ても済んだわけですが…」



幸子「つ、続きですね…」



まゆ「…そうだ、幸子ちゃん。お肉は少し難しいですし、ソーセージを乗せたカレーにしますか? 確か、お弁当用のが残っていたはずです」



幸子「ソーセージですか? それなら簡単そうです!」



まゆ「はい。じゃあ、今回のカレーはソーセージで――」



幸子「でも…」



まゆ「どうしたんですか、幸子ちゃん?」



幸子「まゆさんはいつもはお肉を使っているんですよね?」



まゆ「はい、そうですよ?」



幸子「…ならボクもお肉を使います! まゆさんと同じ物を使わないでまゆさんを超えられるワケが無いですから!」



まゆ「そうですか。幸子ちゃんはほんとに頑張りやさんですね」



幸子「フフーン! 遠慮せずにもっと褒めても良いんですよ!」



まゆ「じゃあ、続きをやりましょうか。次はもっともっと慎重にやりましょうね?」



幸子「はい!」



――――――



幸子「や、やりましたよ、まゆさん! 無事にお肉を切れました!」



まゆ「はい。頑張りましたね、幸子ちゃん」



幸子「フフーン! カワイイボクにかかればこの程度の作業、朝飯前です!」



まゆ「今回は練習ということで食材を纏めて切っていきましたけど、経験を積んだら色々な作業を並行して出来るようになれば良いですね」



幸子「並行して、ですか?」



まゆ「例えば、玉ねぎを水に晒し終わったタイミングでサラダの準備を始めたり、カレーを煮込んでいる時間にちょっとしたトッピングを作ったり、です」



幸子「お料理ってやっぱり奥が深いんですね…。極めるにはまだまだかかりそうです!」



まゆ「さて。では、次は煮込む前の下準備です?」



幸子「え? このまま材料と水をお鍋に入れてルーを溶かせば完成じゃあないんですか?」



まゆ「カレーは煮込む前にお肉や野菜を炒めるんですよ? まゆは最初に、玉ねぎだけをフライパンで別に炒めていますね」



幸子「玉ねぎだけ炒めるんですか?」



まゆ「玉ねぎをじっくり時間をかけて綺麗な飴色になるように炒めるのが、美味しいカレーの秘訣です」



幸子「そうですか! じゃあ、早速!」



まゆ「あっ、まだダメですよ! フライパンを温めて、バターを敷いてからじゃないと!」



幸子「えっ、ご、ごめんなさい!」



――――――



幸子「うぅ…。玉ねぎを炒めるのって結構大変なんですね…」



まゆ「そうですねぇ…。少し代わりましょうか、幸子ちゃん?」



幸子「大丈夫です! …ところで、まゆさん? これ、もう少し火を強くしたら、もっと早く終わったりしないんですか?」



まゆ「弱火で5分と強火で1分はイコールじゃあないですよ? 初めてお料理する人がついやってしまうことですけど…」



幸子「そ、そうでしたか…」



――――――



まゆ「うん。これくらいで良いですかね。じゃあ、これを1回お皿に取り出します」



まゆ「少し危ないので、これはまゆがやりますね」



幸子「で、でも…」



まゆ「…では、二人で一緒にやりましょうか」



幸子「はい!」



まゆ「そうしたら、今度はお肉と野菜を炒めますよ。まずはお肉からです」



幸子「これも順番があるんですね!」



まゆ「まずはお肉で、次にニンジンジャガイモです」



幸子「さあ、炒めていきますよ! ボクのカワイイ勇姿、見ていて下さい!」



まゆ「頑張って下さいね、幸子ちゃん」



――――――



幸子「うぅ…。玉ねぎに続いて、これも重労働ですね…。ジャガイモが重いです…」



まゆ「そろそろお水を入れる頃ですね。幸子ちゃん、少し代わりますので、計量カップでお水を測って下さい」



幸子「はい。えーっと、計量カップ計量カップ…。これですね!」



まゆ「そうです。カレールーの箱の後ろに分量が書いてあるので、測ってお鍋に入れて下さい」



幸子「さっきの玉ねぎはどうするんですか?」



まゆ「玉ねぎもお水と一緒に入れますよ」



――――――



まゆ「ここまで来たら、もう完成間近ですね。あとはアクを取りながら煮込んで、ルーを入れるだけです」



幸子「ようやく完成ですか。今回は流石のボクも少し疲れてしまいましたね」



まゆ「ここでアク取りを疎かにすると、せっかくのカレーが台無しになってしまいますよ…?」



幸子「そ、そうですか! じゃあ、まだまだ気は抜けませんね!」



まゆ「はい」



――――――



幸子「でも、少し意外でしたね…」



まゆ「何がですか?」



幸子「いえ。手料理なのに、市販のカレーのルーを入れていたので」



まゆ「幸子ちゃんは市販のものでは不満ですか?」



幸子「いえ! 決してそういうワケじゃあないです!」



まゆ「うふ…。まゆの料理は家庭料理ですからねぇ。材料とレシピがあれば、カレーも一から作れないことはないでしょうけど」



幸子「そうなのですか?」



まゆ「はい。でも、このルーもまゆが色々な物を試した中から選んだものですし、まゆがまゆの手順で作ったカレーは、まゆだけにしか作れませんから」



幸子「じゃあボクも、まゆさんのお料理を覚えた後は色々と試さないとダメですね!」



まゆ「その意気ですよ、幸子ちゃん」



まゆ「それに、このカレーには、ここからもう一手間加えるんですよ…?」



幸子「ここからもう一手間、ですか? でもルーも入れましたし、もう完成じゃあないんですか?」



まゆ「まゆが編み出した、秘密の隠し味です。幸子ちゃんだけに、特別に教えてあげます」



幸子「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」



まゆ「みんなには秘密、ですからね…?」



幸子「はい!」



――――――



幸子「さて、これでようやく完成ですか」



まゆ「はい。お疲れ様です、幸子ちゃん」



幸子「…でも、大丈夫なんですか? あんなものを入れて、甘かったり苦かったりしないんですか?」



まゆ「うふ…。不安ですか…?」



幸子「だってまゆさん、ボクには味見をさせてくれなかったじゃないですか」



まゆ「幸子ちゃんが初めて作ったお料理ですからね。ちゃんと完成したものを最初に食べて欲しいんです」



まゆ「じゃあ、最後の盛り付けをして下さい」



幸子「は、はい!」



まゆ「幸子ちゃんは福神漬け派ですか? ラッキョウ派ですか?」



幸子「付け合せですか…? は、話には聞いたことありますけど、両方食べた事ないですね…」



まゆ「じゃあ両方試してみましょうか」



幸子「さあ、まゆさん! 盛り付けは終わりましたよ! 早く食べましょう、早く!」



まゆ「はいはい。じゃあ、幸子ちゃんの初めての手料理、頂きましょうか?」



幸子「頂きます!」



まゆ「……」



幸子「……」



まゆ「食べないのですか?」



幸子「いえ、なんだか急に不安になってきて…。おいしく出来たでしょうか…?」



まゆ「きっと大丈夫ですよ。幸子ちゃんも気に入るはずです」



幸子「じゃ、じゃあ…」パクッ



幸子「……」モグモグ



まゆ「どうですか?」



幸子「凄く、おいしくです…」



まゆ「良かったですね、幸子ちゃん」



幸子「これ、本当にボクが作ったんですか!? 途中ですり替えたりしていませんよね?」



まゆ「そんなことしてませんよ? 幸子ちゃんが頑張って作った、初めてのカレーです」



幸子「そうですよね! 流石はボク! 初めての料理でもカンペキです!」



幸子「まゆさんもボクの作ったカレーを食べてみて下さい! おいしいですよ!」



まゆ「そうですね…。まあ、まゆは途中で味見したのですが…」



幸子「きっとカワイイボクの顔を見ながら食べるカレーのおいしさは5割増しです!」



まゆ「じゃあ、まゆも頂きますね」



幸子「はい!」



――――――

――――

――



幸子「今日はありがとうございました、まゆさん!」



まゆ「いえ、これくらいお安い御用ですよ。あ、そうだ。幸子ちゃんにはこれを」



幸子「これは…。今日のカレーのレシピですか?」



まゆ「気が向いたら、また作ってみて下さいね」



まゆ「あ。カレーは2日目の方がおいしいですから、残った分も楽しみにしておいて下さい。あと、温める時は水を加えるのも忘れないで下さいね」



幸子「はい! これから練習をして、いつか絶対にまゆさんを驚かせるくらいおいしい料理を作れるようになってみせますからね!」



まゆ「うふ…。楽しみにしていますね」



幸子「じゃあ、今日はこれで失礼します! 本当にありがとうございました!」



まゆ「はい。また事務所で会いましょうね?」







――――――

数日後



ガチャッ



まゆ「Pさん、お久しぶりです」



P「ああ、まゆか。久しぶりだな」



まゆ「ここ数日、お仕事ですれ違い気味で…。まゆは寂しくて寂しくて…」



P「そ、そうか…」



まゆ「あ。そろそろお昼の時間ですね。Pさんは今日のお昼はどうしますか?」



P「お、お昼…」



まゆ「…どうしたのですか、Pさん? 何も決まっていないなら、まゆが何か簡単に――」



ガチャッ



幸子「フフーン! 今日もカワイイボクがやって来ましたよ!」



P「さ、幸子!?」



幸子「あ。こんにちは、まゆさん」



まゆ「はい。こんにちは、幸子ちゃん」



P「幸子…。も、もしかして、今日も…?」



幸子「はい、勿論です!」



まゆ「…今日も? どうかしたのですか?」



幸子「しかし、まゆさんがいる前だと出しづらいですね…」



P「ん? どういうことだ?」



幸子「その…。Pさんには黙っていましたが、これ、まゆさんに教わったものなので…」



まゆ(まゆから教わった…? も、もしかして、その、手に持っている包みの中身は…?)



幸子「さあ、カワイイボクの手作りのお弁当です! ボクの手料理を毎日食べられるなんて、Pさんは幸せ者ですね!!」



まゆ(ま、まさか…。カレーライスをお弁当に? 保温効果ゼロなそのお弁当箱で、レンジも無い事務所へ、この寒い日に毎日…?)



P「まぁーゆぅー…」



まゆ「こ、これは違うんです! これはその…!」



幸子「どうしたんですか、Pさん、まゆさん?」



まゆ「そ、そうだ、幸子ちゃん! 今晩ヒマですか? ヒマなら冷めてもおいしいお料理を一緒にお勉強しましょう? ね?」



幸子「きゅ、急になんですか…? ま、まあ、ボクもそろそろ次のステップに進んでも良いと思っていたところなので、大歓迎ですよ!」



まゆ「そ、そうですか。良かったです…」



幸子「じゃあ、今晩もまたまゆさんのお部屋にお邪魔しますね! よろしくお願いします、まゆさん!」



P「まゆ…。頼んだぞ、マジで…」



まゆ「うぅ…。これはPさんのためにも、本格的に教えないといけませんね…」



幸子「カワイイボクはきっとお料理もマスターしてみせますから! 見ていて下さいね、Pさん! まゆさん!」







おわり





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