2016年04月19日

モバP「晶葉の」ちひろ「高校卒業を祝って」




モバP「それじゃ、乾杯」



ちひろ「乾杯!」





モバP「いや、あの晶葉もついに高校卒業ですか。はやいもんだな」



ちひろ「出会ってから4年ぐらいですね」



モバP「もうそんなにたつんですね」



ちひろ「まあ、今主役はいないんですよね」



モバP「学校の友達と打ち上げに行ってるみたいですね」



ちひろ「大丈夫なんですか?色々と」



モバP「そこらへんの分別はあいつはついてると思いますよ」



ちひろ「夜道とかも危ないし」



モバP「あいつは護身ロボ持っているので大丈夫ですよ」



ちひろ「なんですかそれ?」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459863219





モバP「文字通り緊急時にあいつを守るためのガードロボですよ。最大出力で野生のゴリラとタイマンできる程度の実力らしいですよ」



ちひろ「法律的に大丈夫なんですかそれは」



モバP「SFの世界じゃないしロボット禁止法なんてないですしいいんじゃないですか?」



ちひろ「それもそうですね。しかし、私たちが晶葉ちゃんの卒業式に出てよかったんでしょうか?」



モバP「親御さんたちに仕事で出られないからと頼まれたわけだし、平気じゃないんですか?」



ちひろ「そうですよね。大丈夫ですよね」



モバP「俺たちがいるからか晶葉少し緊張してましたけどね」



ちひろ「歩くのがぎこちなかったですもんね」



モバP「いつももっと大勢の人に囲まれているのにダメなんですかね?」



ちひろ「アイドルモードじゃなかったんじゃないですか?」



モバP「ああ、そうかもしれませんね」



ちひろ「晶葉ちゃん可愛かったですね」



モバP「そうですね」



ちひろ「退場のときに少し涙目じゃなかったですか?」



モバP「そうですね……」



ちひろ「もう、なんでそんなうわの空なんですか」



モバP「晶葉の卒業式を見てたら色々考えてしまって……」



ちひろ「例えばどんなことですか?」



モバP「晶葉もいつかはアイドルを卒業しちゃうんだなって」



ちひろ「仕方がないことですけどね」



モバP「俺はとてもわがままな人間なんですよね。晶葉の成長を見守っていたい反面、いつまでもいまのままでいたいと願ってしまう」



ちひろ「みんなそんなものだと思いますよ。もちろん私も」



モバP「なんだか気を使わせてしまってすみません」



ちひろ「いいえ、そのためのアシスタントですから。こんな日ですし今日は晶葉ちゃんについて話しませんか?」



モバP「いいですね」



ちひろ「うちの事務所にきたのは14歳でしたよね」



モバP「あのころはまだ可愛げがあったんですけどね。生意気でしたけど」



ちひろ「今でもカワイイじゃないですか」



モバP「最近のあいつはな、可愛げがないんですよ。からかっても余裕があるし」



ちひろ「うざがられないだけいいじゃないですか」



モバP「そうですね。反抗期がないだけいいですね」



ちひろ「反抗期って、晶葉ちゃんは娘なんですか?」



モバP「もう娘みたいなもんですね。今日卒業式にも出させてもらったので親御さん公認みたいなものです」



ちひろ「怒られますよ」



モバP「実は俺、たまに晶葉の親父さんと飲みに行くんですよね」



ちひろ「なんですかそれ初耳です!」



モバP「晶葉の耳に入れないようにって言われているので」

ちひろ「それで今日の晶葉ちゃんを任されるほど信頼されているんですね」



モバP「はい。やっぱりなんだかんだ年頃の娘さんですからね。心配みたいですから安心してもらわないと」



ちひろ「あれ?でも晶葉ちゃんのお父さんって忙しい方なんですよね」



モバP「そこは合間を縫って。スケジュールを組むのが俺の仕事ですからね」



ちひろ「やっぱり無駄に有能ですね」



モバP「無駄って、失礼ですね」



ちひろ「あらあら、すみません」



モバP「それにしても大分親父さんに信頼されているみたいで、君になら晶葉を任せられる。あいつを幸せにしてくれとか言われましたよ」



ちひろ(あれ、それって違うんじゃ)



モバP「俺はもちろんですって答えたら俺を気に入ってくれたみたいで。嬉しいですね」



ちひろ(外堀を埋められているんじゃ)



ちひろ「Pさんって結婚とか考えたことありますか?」



モバP「急にどうしたんですか?」



ちひろ「いや、あるのかなって」





モバP「そりゃありますよ。両親、特に母親にうるさく言われます」



ちひろ「そんなときどうしているんですか?」



モバP「今はこの子がいるからって晶葉の写真を見せます」



ちひろ「……。お母さんの反応は?」



モバP「必要ないって言っているのにお見合いをたくさんさせようとしますね」



ちひろ「そりゃそうですよ……。お父さんはなんていっているのですか?」



モバP「うちの父親は晶葉のファンなのでお前に晶葉ちゃんは渡さないって言われました」



ちひろ「……面白いお父さんですね?」



モバP「……大分話がずれましたね」



ちひろ「そうですね」



モバP「晶葉のことですよね。自分的にはあいつが髪型を変えたのが印象的でしたね」



ちひろ「晶葉ちゃんが昔憧れたアイドルを参考にしたって言ってましたよね」





モバP「765プロの秋月さんですね。晶葉もアイドルのときはおさげで普段はパイナップルみたいな髪形してますもんね」



ちひろ「パイナップルって……もうちょっと上手い形容を思いつかなかったんですか?」



モバP「俺の少ない語彙では見つかりませんでしたね」



ちひろ「あいかわらず適当な人ですね」



モバP「照れますね」



ちひろ「褒めてないですよ」



モバP「わかってます」



ちひろ「身長も伸びてより大人らしくなりましたよね」



モバP「まだまだあいつはガキですよ」



ちひろ「ガキであってほしいんじゃないですか?」



モバP「……否定はしません」



ちひろ「わかりますよ。寂しいですもんね」



モバP「はい、寂しいです」



ちひろ「やけに素直ですね。普段はひねくれものなのに」



モバP「今日はそんな気分なんです」

ちひろ「今日のPさんを晶葉ちゃんに見せてあげたいです」



モバP「絶対見せません」



ちひろ「男の人ってどうしてこうも強がりなんだか」



モバP「いつでもかっこつけていたいんですよ」



ちひろ「まったく、子どもなんですから」



モバP「少年の心を忘れていないだけです」



ちひろ「そういえば昔はしょっちゅう晶葉ちゃんにイタズラしていましたね」



モバP「そうなんですけど最近晶葉がつれなくて」



ちひろ「晶葉ちゃんも色々思うところがあるんじゃないですか?」



モバP「そうやってあいつも大人になっていくんですね。認めたくないですけど」



ちひろ「そんなに器が小さいと晶葉ちゃんに嫌われますよ」



モバP「それだけは避けたいですね」



ちひろ「そんなに憂鬱になるほど晶葉ちゃんの卒業式は効いたんですか?」



モバP「そりゃ効きますよ」



ちひろ「めんどくさい人ですね。Pさん今日飲むペース早くないですか?」



モバP「おめでたいことですから」



ちひろ「顔も真っ赤ですね」



モバP「おめでたいことですから」



ちひろ「大分酔ってますね」



モバP「おめでたいことですから」



ちひろ「ダメだこの人。話題変えましょう。晶葉ちゃんの進路は工業大学でしたっけ?」



モバP「そぉうなんですよぉ!あぁ、心配だな」



ちひろ「アイドルやっていると勉強に追いつけないとかですか?」



モバP「そうじゃないです。あいつは最初は出来ないことが多いけれどそれを克服しますから」



ちひろ「受験勉強も忙しい中頑張ってましたもんね」



モバP「その通りです。あいつが事務所に来たばかりのことを思い出しますね。最初はダンスも出来ない、演技も出来ない、歌も下手とアイドルとしてはダメダメでしたけどそれも努力して克服する姿は今でも機能のことのように覚えています。あいつのそういう姿を見て俺はあいつに惚れこんだんです」



ちひろ「Pさん、Pさん、大分話がずれてますよ」



モバP「そうでした。いや、工業大学の機械工学科に進学しますけどあそこってほとんど男しかいないじゃないですか?晶葉ほどの美少女を雄猿の猿山に入れることが心配で心配で……」



ちひろ「保護者か!それに雄猿って」



モバP「護身ロボをもっと協力にして常に携帯させるべきですね」



ちひろ「過保護ですねえ。もし晶葉ちゃんが好きな男が出来たって報告してきたらどうするんですか?」



モバP「そこが問題なんですよね」



ちひろ「あれ?男のほうを消すぐらい言うと思いましたが」



モバP「俺をなんだと思ってるんですか。いや、あいつは昔からアイドルをやっていて青春とかを体験できてないじゃないですか。だから少し負い目を感じていて……」



ちひろ「Pさんが気にする必要はないと思いますよ。一応晶葉ちゃんが選んだ道ですから」



モバP「そうですか……そうですよね!えっと質問ですよね。晶葉の選んだ男ですからね、無下にはしません。自分と晶葉の親父さんとの二人で面接をしますね。その結果どうなるかわかりませんが」



ちひろ「怖いですよ……。消すのと同義じゃないですか」



モバP「消すなんて人聞きの悪い」





ちひろ「まあしばらくは大丈夫だと思いますがね」



モバP「どうしてですか?」



ちひろ(あなたにべったりだからですよ)



ちひろ「いえ、なんでもありません。最近晶葉ちゃんとの距離が近いとかは感じませんか?」



モバP「ああ、最近あいつね、あざといんですよ」



ちひろ「あざとい?なんかあるんですか?」



モバP「はい。昔のあいつはですね、新しい衣装とかを着ると不安そうに、P大丈夫か?かわいいかって聞いてきたんですよ」



ちひろ「昔はアイドルとしての自信があまりありませんでしたよね」



モバP「それが今はですね。新しい衣装を着てニヤニヤしながらかわいいかって聞いてくるんですよ。長いことアイドルをやっているから自分の魅せ方がわかっているから厄介です」



ちひろ「それで晶葉ちゃんはどうなんですか?」



モバP「かわいくないはずがないですよ!」



ちひろ「ははは……」





モバP「でもですね、弱点もあるんです。俺が生返事をしているとだんだん不安になってきて、しまいには涙目で本当にかわいいかって聞いてくるんですよ」



ちひろ「あんまりからかいすぎたらダメですよ」



モバP「わかってますよ」



ちひろ「本当だか」



モバP「善処します」



ちひろ「はぁ……。まったくこの人は……」



モバP「晶葉がかわいいのが悪いんです」



ちひろ「相変わらず都合がいいですね」



モバP「照れますな」



ちひろ「褒めてないです」



モバP「わかってます」



ちひろ「……そういえばですよ。こんな話酔ってるときにする話じゃないですけれど、いや、酔ってるからこそできる話なのかもしれません」



モバP「ずいぶん勿体つけてどうしたんですか?」







ちひろ「もしもの話ですよ?もしも晶葉ちゃんがアイドルを卒業したいって言ったらどうしますか?」



モバP「そりゃ卒業させますよ」



ちひろ「即答ですね。意外です」



モバP「流石にすぐには卒業させてやることは出来ませんよ。少なくとも一年はアイドルを続けてもらいます」



ちひろ「どうしてですか?」



モバP「半年の間に関係各所に連絡した後アイドル、池袋晶葉の引退発表をします。さらに半年後に卒業ライブをやります」



ちひろ「色々考えているんですね」



モバP「ええ、あいつのプロデューサーですから。最後もいいものにしてあげたいじゃないですか」



ちひろ「Pさんは絶対に引退は認めないとか言いそうだと思ってたんですけど」



モバP「俺をなんだと思ってるんですか?」



ちひろ「晶葉ちゃん大好きマンですね」



モバP「なんですかそのネーミングセンス……ひどいですね」



ちひろ「ぐっ……」

モバP「まあ本音を言うとやめて欲しくないですよ。30歳過ぎのアイドルもいますし、晶葉もそこを目標にして欲しいです」



ちひろ「あと10年以上ですか……夢が大きいですね」



モバP「実際あいつならできると俺は信じています。H○Kの自分の教育番組を持ってるアイドルなんてなかなかいませんよ」



ちひろ「確かにそれは晶葉ちゃんならではの特権ですね」



モバP「アイドルには流行り廃りがあると思います。でもあいつはそれに負けない力を持っているんですよ」



ちひろ「べた褒めですね」



モバP「当たり前です。晶葉は俺が選んだ最高のアイドルですから。あいつ以上なんていませんよ」



ちひろ「そのセリフ本人の前で言ってあげてくださいよ。晶葉ちゃんも望んでいますよ」



モバP「嫌ですよ、恥ずかしい」



ちひろ「素直じゃない人ですね」



モバP「男は背中で語るんですよ」



ちひろ「言葉にしないと伝わらないこともありますよ」



モバP「それで伝わらないならその程度だってことですよ」



ちひろ「ああもう、じれったい」



モバP「なんですか急に大きな声出して」

ちひろ「晶葉ちゃんたまに本当にPさんが自分のことを思っているか寂しがってますよ!ちゃんと告げてください」



モバP「そんな晶葉が寂しがっているという確証は……」



ちひろ「チキンか!私自身が見たんですよ」



モバP「うむ……晶葉が……」



PiPiPiPiPi



ちひろ「あ、Pさん携帯鳴ってますよ」



モバP「お、晶葉からです」



ちひろ「どうしてPさんに電話してきたんでしょうか?」



モバP「一応不安だから家に帰ったら一報入れるように言っといたんです」



ちひろ「保護者か!……っと早く出てあげてください。そしてさっきの言葉を告げてあげてください」



モバP「……わかりました」





「おう晶葉、ちゃんと帰れたか?」



「はは……ならよかった。高校卒業おめでとう」



「今日はそういう日だからな。何回も言われるさ」



「あーあー。今日は特別な日だ、おめでたい日だ。そして俺は今すごく酔っている」



「ん?いや、聞いててくれ」



「お前をスカウトしてから早いものでもう4年も経過している。今のアイドル生活は楽しいか?」



「そうか、ならいい。俺はだな。お前と出会えてよかった。お前をプロデュースできてよかったと思ってる。本当さ」



「急にどうしたって?そんな気分なんだよ。見逃せ」



「俺はお前が、池袋晶葉が最高のアイドルだと思ってる。疑いようのないことだと思ってる。今までありがとう。そしてこれからも一緒に歩いてくれるか?」



「そうだな。答えは聞くまでもなかったな」



「うるさい。こっちだって恥ずかしいんだ。ああもう切るぞ。また明日な」





モバP「なに笑ってるんですか」



ちひろ「いいえ、なんでも。顔が真っ赤ですよ」



モバP「酒のせいですよ」



ちひろ「そうですか」



モバP「そうですよ」



ちひろ「それじゃ私たちも帰りましょうか」



モバP「そうですね。明日なんて遅刻したら晶葉にどやされちまう」



ちひろ「それは怖いですね」



モバP「はい。最後にちひろさんも最高のアシスタントですよ。これからも支えてくれますか?」



ちひろ「急にどうしたんですか」



モバP「そんな気分にさせたのはちひろさんですよ」



ちひろ「ああ、私はニヤニヤしながら見てるだけの予定だったのに……こっちまで恥ずかしいです」



モバP「それでどうなんですか!」



ちひろ「はい、これからもよろしくお願いします」



モバP「ありがとうございます。今日はいい夢が見れそうだ」

おわり



17:30│池袋晶葉 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: