2016年05月13日

モバP「やっぱり……有香の料理を……最高だな!」有香「……」














ガチャ  バタン



ちひろ「プロデューサーさん、お疲れ様です」



モバP「あ、ちひろさん。お疲れ様です」



ちひろ「時間なので私はこれで帰ろうと思うんですけど、プロデューサーさんは今日も残業ですか?」



モバP「ええ。有香達のCDデビューが決まりましたからね。ここが踏ん張りどころです」



ちひろ「みんな、デビューのために頑張ってましたもんね」



モバP「はい!だから、CDデビューは万全の形で迎えられるようにしてやりたいんです」



ちひろ「……んー」





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モバP「どうしました?」



ちひろ「プロデューサーさん、食事はちゃんととってますか?あんまり顔色良くないですよ?」



モバP「えっ……」



ちひろ「アイドルのために頑張るのはいいですけど、プロデューサーさんに倒れられてしまったらみんな心配するんですからね?」



モバP「あ、あはは……ぜ、善処します」



ちひろ(うーん、あんまり伝わってない顔してますね。かくなる上は……)



ちひろ「よし!」



モバP「?」



ちひろ「プロデューサーさん、ご飯行きましょう!」



モバP「ええ!?で、でも」



ちひろ「でももヘチマもありません!全く、残業なんてただでさえ体に負担がかかるんですから、せめて食事くらいちゃんとしてください!私がおごりますから!」



モバP「え、えぇ!?ちひろさんがおごり!?」



ちひろ「なんですかその反応……」



モバP「す、すみません。あまりに珍しかったものですから」



ちひろ「……まぁいいです。ほら、早く支度をしてください。お店しまっちゃいますよ」



モバP「は、はい!」



ちひろ(全く、世話が焼けるんですから……)













有香「…………」



―――――――――――





ちひろ「それじゃ、プロデューサーさん。今日もお疲れさまでした」



モバP「はい。お疲れさまでした」



ちひろ「……まだ忙しいんですか?」



モバP「ええ、まあ」



ちひろ「……」



モバP「大丈夫ですって。少ししたら帰ります。それに……」



ちひろ「?」



モバP「この前ちひろさんにご馳走してもらったんですから、その分しっかり働きたいですしね!はは…」









ちひろ「……はぁ」



モバP「ちひろさん?」



ちひろ「いえ、何でもありません。プロデューサーさんが阿呆なのは前から分かってました」



モバP「は、はぁ」







ちひろ「それじゃ、お先に失礼しますね。く・れ・ぐ・れも!体調には気を使ってくださいね!」バタン











モバP「……ちひろさんには心配かけちゃって申し訳ないなぁ」



モバP「よっし!早めに終わらせるためにも頑張るか!」カタカタカタカタ















有香「…………」





――――――――――――







モバP「……」カタカタ



グゥ〜〜〜〜









モバP「……腹減ったなぁ」





ガサゴソ



モバP「カップ麺、カップ麺……ない」



モバP「はぁ、しょうがないか。仕事終わったら、どこか開いてる店で食事でも……」







ガチャ



「……プロデューサー、お疲れ様です」



モバP「え?……あ!」







有香「……」



モバP「有香!?どうしたんだ?こんな夜遅くに」



有香「……あ、あのっ」



モバP「忘れ物か?もう遅いし、送っていくから早く忘れ物を見つけなさい」



有香「そ、そうじゃなくて!」



モバP「え?」



有香「プロデューサーにご飯を作りに来ました!押忍!」



モバP「えぇ…」



有香「だからプロデューサーはお仕事を続けていてください!すぐに準備の方に入りますから!」





モバP「あの……有香?」



有香「はい?」



モバP「気持ちはありがたいけど、そんなことしなくていいから。有香もCDデビューの準備で疲れがたまっているはずだ。俺なんかよりずっと忙しいんだから、早く家に帰って疲れを取ってほしい」



有香「……」



モバP「それに、アイドルが夜遅くに出歩いていたら、万が一のことがあった時に困る。有香にとっても大切な時期なんだからさ……」







有香「……あたしは、プロデューサーがここ最近毎日遅くまであたしたちの為に働いてくれているのを知ってます」



モバP「……」



有香「最近のプロデューサーを見ると、少し、心配なんです。いつも疲れているような感じで」



有香「プロデューサーには、いつも元気でいて欲しくて……だから、頑張ってくれているプロデューサーの為に、少しでもお礼がしたかったんです!……いけませんか?」



モバP「有香……」



有香「それに、今のあたしはアイドルじゃありません!」



モバP「え?」



有香「プロデューサーの為に料理を作りに来た、出張料理人の中野です!押忍!」



モバP「……」



有香「……だめ、でしょうか。うう……」





モバP「……ありがとな、有香」ナデナデ



有香「あっ……」



モバP「そんな風に言ってくれて、プロデューサー明利に尽きるよ」ナデナデ



モバP「今回CDデビューが決まったみんなが今まで頑張ってきたのを見てきたからさ。もう少しだけ、頑張りたいと思うからさ」ナデナデ



有香「プロデューサー……」







モバP「……よし!じゃあ、料理、作ってくれるかな?」



有香「!」



モバP「実はおなかすいててさ……えっと、出張料理人の中野さん、かな?おいしい料理を、お願いします」



有香「お、押忍っ!ありがとうございます!プロデューサー!」





――――――――――――――



モバP「……」カチッ カタカタ



モバP(しっかし、ちゃっかり冷蔵庫の中に材料買ってあったりとか、前から残業してたの気付かれてたのかな)



モバP(……)



モバP(まぁ、なんにせよ折角の厚意なんだから、受け取っておこう)



有香「……よし!」

有香「プロデューサー、出来ました!」



モバP「おう。今そっち行くよ」











有香「ど、どうでしょうか……?」



モバP「お、おぉ……!凄いじゃないか!こんなに品数があって!」



有香「え、えへへ……ありがとうございます!」



モバP「じゃあさっそく、いただきます。っと、これはサラダ……っていうか、スティック状の野菜かな?」



有香「押忍!ベジタルスティックです!すみません、彩りとかは勉強中で……でも、ソースはあたしの作った特製です!」









モバP「……うん、美味しい!凄く濃厚な、しっかりとした味だ」ポリポリ



有香「……!ありがとうございます!あたしのフルコース、しっかり堪能してくださいね!」パァァ



――――――――――

―――――――

―――――



モバP「んっ……ごちそうさま!パスタも肉もおいしかった!……にしても、ふふっ」



有香「えっ、なんです?」



モバP「デカい肉をそのまま焼いて出してくるところなんか、くくっ、有香らしいけどな」



有香「はは……その、プロデューサーにスタミナをつけてほしかったので」



モバP「そっか、ありがとな、有香」



有香「お、押忍!」



モバP「有香の料理のおかげでもうひと頑張りできそうだよ。とりあえず今日はもう遅い。送っていくから、準備してきてくれ」









有香「……」



モバP「……?有香?」







有香「……プロデューサーは、あたしを送ってくださった後、まだお仕事ですか?」



モバP「ああ。ちょっとやっておきたい事があってね」



有香「えっと……やっぱりそれって、あたしたちの……ですか?」



モバP「うん」



有香「……」











モバP「……そんな心配そうな顔しなくたって、ちゃんと無理はしないように休むから」



有香「でも、プロデューサー、最近ずっと……」



モバP「みんなにとって大事な時期なんだ。こんな時くらいいいカッコさせてくれ、な?」



有香「…………」

















有香「これはもうしょうがない、よね……」ボソッ















モバP「え?」



有香「なんでもありません。……あの、最後に一杯、何か飲み物を飲んでから行きませんか?せっかくなので」



モバP「おう、別に構わないけど」



有香「すぐ準備しますから、少し待っていてください」タタッ



モバP「……」



モバP(なにがせっかくなんだろう……)









有香「…………」スッ







サーッ!













有香「……これは、仕方のないこと……のはずです」









有香「お待たせしました!えと、冷蔵庫にアイスティーしかなかったんですけど」コトッ



モバP「ああ、問題ないよ。ありがとう」

















有香「……」ジーッ



モバP「……えっと、有香?そんなに見られると飲みにくいんだけど」



有香「あっ!す、すみません!ど、どどど、どうぞ!」



モバP「?」ゴクゴク



有香「……やった」











モバP「ふぅ……ごちそうさま。よし、じゃあ有香が飲み終わったら行こうか」



有香「はい」





有香「…………」チュー



モバP「……」







モバP(…………あぁ、いかん。ちょっと眠くなってきた、かな……最近忙しいから、か……?)ウツラウツラ













モバP(寝ちゃだめだ…………ね、ちゃ………………)





























モバP()









有香「……プロデューサー?」



モバP「……」



有香「プロデューサー?」



モバP「……」











有香「……ごめんなさい、プロデューサー。あたしたちの為にここ最近ずっと頑張りっぱなしなのは知っていたんですけど……」



有香「プロデューサーを見ると、最近ずっと疲れているように、辛そうに見えて……だから今日くらい、ゆっくり休んで、くださいね」











有香「よいしょっ、と」ドサッ



モバP「スー……スー……」



有香「……」キョロキョロ







有香「きょ、今日くらいいい……よね?お邪魔します」ススス



モバP「スー……スー……」



有香「わっ、プロデューサー、体、あったかい……」























チュッ



有香「お休み、なさい……」



――――――――――――――――

―――――――――――

―――――――





ガチャッ





ちひろ「おはようございま……っ!?」











ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ





有香「…………」



まゆ「…………」









モバP「」

―――――――さん!



―――――サーさん!



プロデューサーさん!







モバP「……はっ!」



ちひろ「やっと気が付きましたか。プロデューサーさん。おはようございます、さっそくで悪いんですけど、どうして、こんなことに?」



モバP「え、ええと、俺にもさっぱりわからないんです、けど」







まゆ「Pさんにおいたをした泥棒猫にはお仕置きが必要ですよねぇ?ねぇ、有香ちゃん?」



有香「たとえまゆちゃんが相手でも、あたしの行動は間違っていなかったと、そう、証明して見せます……!」





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ











モバP「な、なんか俺が原因みたいですね、あはは……」



ちひろ「」







まゆ「やっちゃいますよ?やっちゃいますよ!?」



有香「まゆちゃんには空手の基本、聖拳『月』から体感してもらいましょう……」





















ちひろ「あ、あはは……」



モバP「か、勘弁してくれ!俺なんかの為に、争わないでくれぇ――――――――――――!」











おわり



17:30│中野有香 
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