2016年05月25日

モバP「もしもし、柚?」


喜多見柚(以下、柚)「はーい、柚ダヨーっ」



モバP(以下、P)「柚、今時間大丈夫か?」





柚「うん、大丈夫。家にいるし」



P「オッケー。……まあ何の話かは、言うまでもないと思うけど」



柚「うん。今ちょうど見てたトコロ」



P「そうだよな。ついさっき発表があったところだし」



柚「第5回シンデレラガール総選挙……だね」



P「ああ。とりあえず、お疲れさま」



柚「うん、Pサンもお疲れさまっ」





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P「総合11位、そしてタイプ別4位、おめでとう。過去最高順位だ」



柚「へへっ、アリガト」



P「やっと、って感じだけどな。ここまで長かったな」



柚「アタシ的には、あっという間だったカナーって思うけどね」



P「そっか。まあ何にせよよかったよ」



柚「うん、嬉しいっ」



P「でもさ、俺は柚に謝らないといけないことがあるんだ」



柚「えっ?」



P「柚はそう思ってないかもしれないけど……これだけは言わなきゃって、俺は思ってるから」



P「だから、ごめん……そのまま聞いててくれ」



柚「……」



柚「……うん、わかった」





P「……柚は、中間発表ではタイプ別3位だった。最終発表ではそこから順位を一つ落として、CDデビューの圏内から外れてしまった」



柚「……」



P「もう少しで、デビューさせてやれたのに……柚をもっと、今よりもっと活躍させられたのに……できなかった。俺の力不足だ」



柚「……」



P「本当に、申し訳ない。順位を、よりによってそこの1つを落としてしまうなんて……俺が至らなかったばっかりに」



柚「……そんなこと、ないよ」



P「もっと上を目指すことだって出来たはずなのに……俺の力が足りなかったから」



柚「そんなことないっ!」



P「そう言ってくれるのは嬉しい。でも……」



柚「ねえねえ、Pサン、アタシの話を聞いて」



P「……」



柚「Pサンの力不足なんて、そんなことないよ。もっと結果を見てみようよ」



P「……え?」





柚「結果のページ、今見れる?」



P「ああ、ちょっと待って……うん、OK」



柚「確かに、心サンには抜かされちゃったかもしれない。でも、票数を見てみて」



P「票数……?」



柚「心サンが38万票で、アタシが37万票。美嘉サンは23万票ってなってるよね」



P「ああ」



柚「でも、中間発表の時は、3位がアタシ、4位が美嘉サン。心サンは5位だった」



P「そうだったな……」



柚「つまり、アタシの言いたいのは、そういうコト」



P「?」



柚「心サンは、中間発表からぶっちぎりで順位を上げて、この結果になったってコト。アタシやPサンが弱かったんじゃない。心サンが強かったんだよ」



P「……」



柚「Pサンがアタシの為にずっと頑張っててくれたコト、アタシは知ってるからっ。だから、CDメンバーには届かなかったとしても、アタシは嬉しいんだっ」



P「柚……」





柚「それにっ。総選挙が始まった時に、アタシが言ったこと、覚えてる?」



P「えっと……『それなりに頑張って、それなりにハッピー!』だったっけ」



柚「そう、ソレソレ」



柚「……えっと、あの時言ったことは、アタシの本心なんだ」



柚「アタシ、自分で言うのもなんだけど、あんまり目立った所があるわけじゃないし、キャラも普通だし。何が何でも上を目指そうって感じでもないんだ」



柚「『それなりに頑張る』。アイドルがそんな事言っちゃダメなのかもしれないけど、そういうアイドルがいてもいいんじゃないかって」



P「……」



柚「Pサンが頑張ってくれたことはとっても嬉しい。でも、思い通りにいかなかったからって落ち込んだり、悔しがったりするのって、ちょっと違うと思うんだ」



柚「上を見てばっかりだと、疲れちゃうよ?まっすぐ前を見て、少しずつ、一歩一歩階段を上がっていくのも、悪くないと思うなっ」



P「……」





柚「なーんて。へへっ、ちょっとクサいかな」



P「……そうだな。ちょっと急ぎすぎてたのかもしれない。頑張んなきゃって、気負いすぎてたのかもな」



柚「今回の結果は結果として、またこれから頑張っていけばいいと思うな。みんなで一緒にねっ」



P「そうだな。ありがとな、柚」



柚「えへへっ、どーいたしまして」



P「なんかカッコ悪いな俺。担当アイドルの子に慰められるなんて」



柚「そんなことないよっ。謝ってるPサンもかっこよかった♪なんちゃって、テヘ」



P「ははっ。柚はいつも通りだな。安心したよ」



柚「うんっ。柚はいつでも柚モード全開っ」



…………………………



P「それじゃ、こんな所でいいかな。また明日な」



柚「うん、また明日ね。バイバイ」



ピッ



柚「……さて、どうしよう」



柚「ちょっと早いけどおフロ入って今日はもう寝ちゃおうかな……」



柚「あれ?メッセージいっぱい入ってる……皆から?」





工藤忍『電話しようとしたけど、お話し中だったからメッセージでごめんね。柚ちゃん、11位おめでとう!今回は負けちゃったけど、アタシもまだまだ頑張るからっ。次は負けないよ!』



綾瀬穂乃香『柚ちゃん、総選挙おめでとう。電話しようとしたんですけどつながらなかったから、メッセージで送りますね。柚ちゃんが上位にいて、私も自分のことのように嬉しいです。柚ちゃんの元気さを見習って、私ももっと頑張ろうと思います』



桃井あずき『柚ちゃん、11位だって!おめでとう!メンバーみんな喜んでるよ!みんなで一緒にお祝い大作戦しようね!ところで、電話つながらなかったんだけど、誰かとお話ししてた?』





柚「……みんな……ありがとう」



柚「へへっ、ちょっと泣けてきちゃった……グスッ」



ピリリリリリリ



柚「わわっ、電話だ……はいもしもし、あずきちゃん?……うん、ありがとう…」





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ガチャッ



柚「おはようございまーす!」



P「おはよう。今日は早いな」



柚「うんっ。今日も頑張ろー」



P「そうだな。『それなりに』頑張ろうな」



柚「……」



柚「……ね、Pサン」



P「どうした?」



柚「昨日あんなこと言って、昨日の今日でなんだけど……」



柚「やっぱりアタシ、もうちょっと頑張ってみようカナーって」



P「……え?」



柚「昨日、あの後みんなからも電話もらって……それで思ったの。こんなアタシでも、応援してくれる人がいるんだなって」



柚「よく考えたら、あんなにいっぱい票もらってたから、当たり前なんだけど……でもあまり実感なくて。Pサンや、フリルドスクエアのみんなにもおめでとうっていっぱい言ってもらって、やっと実感できたんだ」



P「柚……」



柚「いっぱい応援してもらってたからこその結果なんだよね。……だったら、応援してくれたみんなのためにも、もっと頑張ろっカナー、なんて」



P「そっか……」



柚「へへっ、それに」



P「?」



柚「何より、アタシを見つけてくれて、アタシのために頑張ってくれるPサンのために。Pサンが喜んでくれるんだったら、もっと上を目指すのも悪くないカナ、なーんて」



P「柚……」



ワシャワシャ



柚「きゃっ、急に頭撫でるのやめてよー」



P「嬉しい事言ってくれるじゃん。こいつめ」



柚「あははっ。ねえねえ、カンドーした?カンドーしちゃった?」



P「自分でそれ言わなきゃ最高だったな」



柚「あちゃー、詰めが甘かったかー」



P「ははっ、冗談だよ」





P「それじゃこれから、『もうちょっと』頑張ってみるか」



柚「うんっ!みんなで一緒に、てっぺん目指そっ」



P「ちょうど今日はみんなで一緒にダンス合わせの日だな。気持ちも新たに、また頑張ってくれ」



柚「うんっ」



ガチャ



柚「あっ、ウワサをすれば!みんなオハヨー!」





柚「うんっ、今日もみんなで頑張ろうねっ!」





おわり







22:30│喜多見柚 
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