2016年06月06日

北条加蓮「北海道に行った李衣菜から大量の写真が送られてくる」




―――ひとり足りない泰葉のお部屋







加蓮「――んだけどどうしたらいい?」ライーン ライーン





泰葉「ふふ、よっぽどPさんと一緒の旅行……もとい、お仕事が楽しいのね」



加蓮「連泊予定で初日からこれじゃ、ノイローゼになりそう……」ライーン ライーン



泰葉「私たちだってプラネタリウムとか遊園地とか行ったんだし、これくらいいいじゃない。ね?」



加蓮「むー……それもそっか。私もツーショット撮って送りまくったしー」ライーン ライーン



泰葉「うん、李衣菜ったらあのときの加蓮とそっくり。ふふふっ♪」



加蓮「あはは、そうかも」ライーン ライーン



ライーン ライーン ライーン…







加蓮「――にしたってうるっっさい! いい加減にしてよもうッ!!」ブンッ ボフッ!



泰葉「通知切ればいいのに……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1464787422



加蓮「あぁその手があった……設定どうやったっけ」



泰葉「えっと、ここをね……」



加蓮「……あ、できた。ありがと泰葉――ってもう未読溜まってる……。はぁ〜……」



泰葉「見る限り、行く先々で写真撮ってるみたいね……ふふっ、はしゃいじゃって」



加蓮「ほんとだよね、いくらPさんとふたりきりだからって……まったく、かわいいんだかr」





『見て見て!ミックスソフト!Pさんと半分こして食べたんだ♪』







加蓮「かわいくなぁ〜いっ!!」ブンッ ボフッ!



泰葉「スマホをベッドに叩きつけないで、ホコリ舞うから」

加蓮「食べ過ぎてお腹壊せ……!」



泰葉「どうどう、落ち着いて加蓮。李衣菜だってわざとやってるわけじゃ」





『お腹壊したらそのままPさんに看病してもらうもんね(*´ω`*) へへー、いいだろ〜』





加蓮「…………」



泰葉「わ、わけじゃ……」







加蓮「……ぁぁぁああああああっ!!」ブンッ ボフッ!



泰葉「だからやめて」

加蓮「私だって、私だってぇ! お見舞い来てもらったもん! 看病だってしてもらったんだからぁッ!」ボフッ ボフッ



泰葉「あああ、枕はサンドバッグじゃないってば……」



加蓮「ふんだ、李衣菜がPさんとふたりきりだって言うなら……私は泰葉とふたりきりだし! 最高の抱き枕だしっ!」



泰葉「それって釣り合ってるのかな……。あと抱き枕はもう暑いからやめてね?」





『さっきね、ナターリアちゃんと志希ちゃんと、そのプロデューサーさんたちと一緒にトランプやってたんだー』



『私とPさんのタッグでも苦戦したよ……なかなかロックな勝負だったぜ!』



『うっひょー♪』







加蓮「………………寂しい」グスン



泰葉「あぁもう……」ナデナデ…

加蓮「はぁ……いつ帰ってくるのかなぁ」



泰葉「今日出かけていったばかりじゃない……。一週間は向こうでレッスンして、それからお祭りに参加するって」



加蓮「分かってるけど……」



泰葉「それとも……私とちひろさんだけじゃ不満?」



加蓮「そ、そんなわけないでしょっ。そうじゃなくて……」



泰葉「うん」





加蓮「…………イヤじゃん、離ればなれ」



泰葉「……うん」

加蓮「いっそのこと付いてけば良かったかなぁ」



泰葉「もう……そんなこと言って」クスッ



加蓮「あはは、なーんて。私たちは私たちで、やれることやらなきゃね」



泰葉「ええ。李衣菜も遠い土地で頑張ってるんだもの!」



加蓮「だよねっ。李衣菜だってただイチャイチャしに行ったわけじゃない――」





『すごいでしょ、ホテルの部屋!ベッドすっごい大きいんだよ!』



『一緒に寝ますか?って言ったらさすがに怒られちゃった。えへへ(*´∀`)』







加蓮「タイミングぅぅうううッ!!」ブンッ ボフッ!



泰葉「私もそろそろイライラしてきた」

加蓮「やっぱり付いてけば良かった!」



泰葉「帰ってきたら説教ね……もう、こっちの気も知らないで」



加蓮「っとにもー……! しばらく無視しようかな――」





ドコマデーモー♪





泰葉「え?」



加蓮「あ……電話だ」

泰葉「この着信……李衣菜から?」



加蓮「うん、そう」





ヒカリサースー♪





泰葉「…………出ないの?」



加蓮「……どうしよっかなぁ〜」





ぴっ





泰葉「もしもし?」



加蓮「あぁっ」

李衣菜『――あれ? なんで泰葉が……あ、もしかして加蓮泊まりに来てるの?』



泰葉「うん、加蓮が出ようとしなかったから。こんばんは李衣菜」



李衣菜『ん、こんばんは。ていうかなんで出てくれないの加蓮』



加蓮「……自分の胸に手を当ててよーく考えたら?」ズイッ



李衣菜『おー、加蓮だ。……んー、あはは。やっぱり怒った?』



加蓮「当たり前でしょ、もうっ!」



泰葉「ま、待ってスピーカーにするから……話しにくい」

李衣菜『へへへ♪ この広くて大きくてロックな北の大地をふたりにも感じてほしくてさー?』



泰葉「白々しい。ウソつき李衣菜」



加蓮「うらぎりーな……!」



李衣菜『あはは、ごめんごめん! いやーもう楽しくて楽しくて、テンション上がっちゃって♪』



加蓮「……それだけ言うために電話してきたわけ? だったら切るけど?」



李衣菜『わー待って待って! い、一応謝っとこうかなと思って……お仕事だとしても、Pさん連れてっちゃったわけだし』

泰葉「あぁ、そのことは別に……」



加蓮「お仕事なんだからしょうがないでしょ? ……お仕事のことだけなら、ね?」ゴゴゴ…



李衣菜『……調子に乗りましたすみません』



加蓮「ふんっ……まぁいいけど。どう、デート楽しい?」



李衣菜『で、でーと……そっか、これもデートになるのか……。今日は観光だけだったから、うん……楽しかったよ』



泰葉「ふふ、そう。それなら良かった」

加蓮「観光ねぇ。どうなの、北海道って」



李衣菜『あ、聞いてくれるっ? なんかね、もうとにかくでっかくて! 羊とかいっぱいいたし!』



李衣菜『他にもかわいい動物たくさんいてね、あぁふたりにもあのふかふかな抱き心地を……!』



李衣菜『そうそう! 食べ物も美味しくってさー! ジンギスカンとか色々! あとね――!』





ぺらぺら……





加蓮「……おーい。いつまで喋ってるつもりー?」



泰葉「ふふっ、くすくす……♪」

李衣菜『え、あっごめん! ひとりで喋りすぎた……えへへ』



加蓮「んーん、いいって。残りの話は帰ってきてから聞いてあげる♪」



泰葉「明日からレッスン始まるんでしょう? 不慣れな場所だし早めに寝ないと」



李衣菜『あ、そだね。遠いところまでやってきてヘマはできないし!』



泰葉「うん、その意気。ロックな李衣菜なら、なんだってできるって信じてるから」



李衣菜『へへ、任せといて!』

加蓮「ウチの評判落とす真似しないでよ? Pさんや他の人にも迷惑かけないことっ」



李衣菜『あはは、分かってるって。それじゃそろそろ……』



泰葉「うん、時間も時間だし。おやすみなさい、李衣菜」



加蓮「おやすみ〜。寂しくなったらまた電話してきてもいいからね♪」





李衣菜『はいはいっと♪ じゃあおやすみ、またね……ふあぁ、お風呂入ろ――』





ぷつっ……

加蓮「……切れちゃった」



泰葉「うん、切れちゃったね」





加蓮「……えへ」



泰葉「……ふふっ」







加蓮「――よしっ。私たちも李衣菜に負けないように……!」



泰葉「ええ♪ 頑張らないと!」





―――



――





加蓮「――んーと、明日の予定は……っと」



泰葉「ダンスと演技……、それから衣装チェックと……」



加蓮「あ、私レッスン前に寄らなきゃいけないとこあるんだった」



泰葉「そう? じゃあ先にそっちへ行ってから……」



加蓮「いいの? ありがと、そしたら――」





















『お風呂上がりにばったり。Pさんと私、お揃いの浴衣〜♪(ノ´∀`*)』





加蓮「このぉぉぉぉおおおおおッ!!」ブンッ ボフッ!



泰葉「悪戯電話かけてあげましょう、朝まで絶え間なく」







おわり



23:30│北条加蓮 
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