2016年06月07日

凛「今日はプロポーズの日だよ」李衣菜「そうなの?」




―――







凛「6月はジューンブライドって言うでしょ」



李衣菜「うん、知ってる。ウチのアイドルも何人かモデルやってるよね」



凛「その第一日曜日をプロポーズの日って言うんだって」



李衣菜「へー。調べたんだ?」



凛「これみよがしにゼクシィが置いてあったから。多分大人組が置いていったやつ」



李衣菜「あぁ、あのゼクシィ」



凛「だからね、待ってるんだ」



李衣菜「? なにを?」





凛「プロデューサーが私にプロポーズしてくれるのを。ふふっ」



李衣菜「聞き捨てならない」



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凛「え? どうして?」



李衣菜「いやいや。プロデューサーにだって選ぶ権利はあると思うな」



凛「絶対私しかないよ。プロデューサーは私を選ばざるを得ない」



李衣菜「……その自信はどこから?」



凛「私は喉から」



李衣菜「風邪薬か」



凛「蒼の系譜は伊達じゃないよ。喉を痛めたら大変」



李衣菜「あぁそういう意味ね。……いやよく分かんないけど」

凛「それに、私と結婚するとお得なんだよ」



李衣菜「お得?」



凛「今ならもれなくハナコが付いてくる」



李衣菜「応募者全員サービスかって。普通そこは料理とかでしょ」



凛「料理は……うん。ハナコでなんとか折り合いをつけてもらって」



李衣菜「ハナコちゃんの比重重くない? 頑張ろうよそこは」

凛「大丈夫。ハナコは毎日癒やしをもたらしてくれる」



凛「料理できなくても、ハナコはかわいい」



凛「愛想悪くても、ハナコはかわいい」



凛「ハナコさえいれば毎日がバラ色。プロデューサーだってきっとハナコのことを離したくなくなるはず」



凛「だからお得」キリッ





李衣菜「だったら凛じゃなくてハナコちゃんと結婚した方が良くない?」



凛「たしかに」

凛「ハナコとの結婚生活……ふふっ♪」ニヘラ



李衣菜「その顔、絶対ステージでは見せられないよね」



凛「見せるのはハナコだけ。もしくはプロデューサー」



李衣菜「私も今見ちゃったけど」



凛「なに、李衣菜も私と結婚したいの? 困るよ、そういうの」



李衣菜「ぶっこんできたね」

凛「女同士は結婚できないんだよ、この国では」



李衣菜「知ってるよそれくらい。……あれ、結婚じゃなくて似たようなのはできるようになったんだっけ?」



凛「えっ……」



李衣菜「露骨に後ずさるのやめてくれない? 全然まったくその気はないから」



凛「いくらロックだからって、そんな……あぁでも、李衣菜だったら……」



李衣菜「なんでちょっとまんざらでもない顔になってんの。やめてよ」

凛「たしかに李衣菜は料理上手だし」



凛「子犬みたいなかわいさもあるし」



凛「目上にはしっかり敬意を払うし」



凛「あわてんぼで童顔でチョロくてちょっぴりビビりだし」



李衣菜「悪口になってない?」



凛「私にはないものを李衣菜はたくさん持ってる。逆もまた然り……」



凛「つまり」





凛「李衣菜と結婚すれば丸く収まるのでは……!」



李衣菜「収まんないよ。やだよ私」

凛「安心して、ハナコも付いてくるよ」



李衣菜「どう安心すればいいのさ」



凛「毎日ハナコを抱っこできるよ」



李衣菜「…………」



凛「朝起きるの苦手でしょ? 私が起こしてあげる」



李衣菜「…………」



凛「それに百合営業しとけば人気も」



李衣菜「営業って言っちゃったよ」

凛「じゃあこうしよう」



李衣菜「どうすんの」



凛「私がプロデューサーと結婚して、李衣菜が娘になる」



李衣菜「そう来たかぁ」



凛「もしくは李衣菜がプロデューサーと結婚して私は娘」



李衣菜「ま、まぁプロデューサーとなら結婚してもいい、かな……えへへ」テレ





凛「ねぇお母さん」



李衣菜「やっぱやめ、気色悪い」

凛「気色悪いはひどいと思う」



李衣菜「ダメ、生理的に無理」



凛「じゃあ私は犬扱いでいいから飼ってください。李衣菜はプロデューサーと結婚していいから」



李衣菜「とんだ爆弾発言が飛び出しちゃった」



凛「わん」



李衣菜「…………。お手」スッ



凛「わんわん」ソッ



李衣菜「かわいい」

凛「私とハナコのダブルわんこが付いてくる」



李衣菜「これはお得かもしれない」ワシャワシャ



凛「わふん」



李衣菜「ていうか私がプロデューサーと結婚するとして、凛はそれでいいわけ?」



凛「プロデューサーと李衣菜が両方手に入るなら私はなんでも」



李衣菜「絶妙に絶妙なこと言うよね」

凛「もういっそのこと、私たちがプロデューサーの犬になればいいんじゃないかって思えてきた」



李衣菜「わん?」



凛「李衣菜ってプロデューサーに対する態度がまさに犬だし」



李衣菜「そ、そんなことないよ。私はいつだってロックでクールな一匹狼――」



凛「すっぽ抜けた鳴子がプロデューサーに当たりそうになって、涙目で謝る李衣菜はかわいかった」



李衣菜「ちょっ!? なんで知ってんの、北海道での話じゃんそれ!」



凛「私は李衣菜のことならなんでも知ってるんだよ」ニコォ…



李衣菜「……今日イチ寒気がした……」

凛「ふふ、なんてね。プロデューサーに教えてもらったんだ。怒ってないのに必死で謝ってきたって」



李衣菜「ぷ、プロデューサーめぇ……!」



凛「撫でてやったらとたんにおとなしくなって、まるで甘える子犬のようなふにゃふにゃ顔に」



李衣菜「わ、わんわんわん! わんっ!」ペシペシ



凛「あっ、ふふっ。いたいよ李衣菜、そんなに怒らなくても……」



李衣菜「う、うるさいっ! 結婚がどうたらって話はどこ行ったんだよー!」

凛「ふふふ、だからプロデューサーに飼ってもらえば――♪」タタタッ



李衣菜「ちがーう! 待て、この〜っ――!」テテテッ





P「…………」カタカタ…



P(かわいい)

















凛「――ってことで、私と李衣菜、どっちかと結婚してください」



李衣菜「もれなくどっちかが付いてきますっ」



P「はいはい、また今度な」



「「……今度とはいったい」」







おわり



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