2016年06月16日
李衣菜「みんなただいまーっ!」里奈「あ、だりなちゃんお疲れぽよ〜☆」
【モバマス・デレステSS】です
――――事務所
――――事務所
夏樹「ああ、だりー帰ってきたのか。お帰り、北海道楽しかったか?」
李衣菜「うんっ! もう熱気がスゴくてでもすっごくクールで……最高だったぜー! あ、ちゃんとお土産も買ってきたからね!」ドサッ
里奈「おおー、いっぱいあるぢゃん。呼んでくれたら運ぶの手伝いにいったし?」
李衣菜「いやいや、そこまでしてもらう必要はないって。とりあえず色々あるから好きなの選んでよ!」
夏樹「おう、ありがとな。その様子だと本当に満喫してたみたいでなによりだ」
里奈「テレビとかでもお祭りの様子は見てたぽよ〜☆ だりなちゃん的にはなにが一番気に入った感じ?」
李衣菜「うーんそうだなぁ、いっぱいあるけどやっぱり一番はミックスソフトかな!」
夏樹「えらく普通の物を気に入ったなだりー……もっと他にあるんじゃないか?」
李衣菜「いやいや、ミックスソフトが一番だったよ? いっぱい食べたし食べて食べて……食べて……」ガクガク
夏樹「お、おいだりー!? どうした震えてるぞ!?」
里奈「や、ヤバッ!? だりなちゃん寒いの!? お湯、お湯とか持ってきたほうがいい感じっ!?」
李衣菜「アハハハまたミックスソフトはい食べます美味しい美味しいまだまだあるんですかアハハハハハッ」ガクガク
夏樹「しっかりしろだりー!?」ユサユサ
李衣菜「……ッハ!? あ……私、今なにか言ってた……?」
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夏樹「よ、良かった、元に戻ったか……」ホッ
里奈「なんかー、この話題にはあんまり触れないほうが良い的な……?」
夏樹「ああ、そうしたほうがいいみたいだ……」
李衣菜「……? あ、それで何の話してたんだっけ?」
里奈「えっ、ええと……こ、このお土産たくみん達にもあげていい系? っての話てたぽよ〜☆」
李衣菜「そだっけ……? まぁでもいいや、もちろん拓海さん達にも渡せるように買ってきてるから大丈夫!」
夏樹「そうか。ならアイツらが戻ってきたら休憩ついでになにか選ばせてやるかな」
李衣菜「喜んでくれるかなぁ……それでなつきち達のほうのイベントはどうだったの? 私その辺りずっと気になっててさー」
夏樹「そりゃもう最高だったぜ? また5人でライブしたいよな里奈!」
里奈「うんうん! 超気持ちよかったちょ〜♪ キラキラワクワクドキドキって気分があんなにずーっと続いたのは初めてだったし☆」
李衣菜「そっかー……ふーん……見たかったなぁ……」ションボリ
夏樹「はは、次の機会があったら、だりーには特等席でライブの興奮を味合わせてやるって。なぁ?」
里奈「もちろんぢゃん! だりなちゃんのロックな応援がないとちょっとさびしーって気もしてたし〜?」
李衣菜「……わぁ! そ、そうだよね! やっぱりなつきち達には私がついてないとダメかー! えへへっ」テレテレ
夏樹「まぁ実際だりーがいないとちょっと寂しかったしな……」スッ グイッ
李衣菜「えっ!? ……あっ……」アセアセ
里奈「おっ、アタシは退散しちゃったほうがいい感じ?」
李衣菜「い、いいよ里奈そこまでしなくてもっ! というかなつきちも変にからかわないでよもーっ!」プンプン
夏樹「あははっ、ほんとだりーは面白いな」ナデナデ
李衣菜「まったく……ところで帰ってきてからずっと気になってたことがもう一つあるんだけど……」
里奈「んー? なになにー?」
李衣菜「あの部屋の隅に置かれたオレンジ色の機械……なんなの?」
夏樹「あれか。あれはパンチングマシンだな」
李衣菜「……は?」
里奈「あの機械はちひろさんから炎陣イベントが成功したお祝いってことで設置されたぽよー」
李衣菜「いやいやおかしいでしょ!? お祝いにパンチングマシンって……アイドルの事務所なのに……」
夏樹「でも拓海の奴がちひろさんから欲しい物を聞かれた時『気分がスカッとするもの』って言った結果だからしょうがない」
李衣菜「えぇ……」
夏樹「でも結構好評なんだぜあのパンチングマシン。多分事務所にいる連中なら1回は必ず殴ってるんじゃないか?」
里奈「るーみんなんか『バッティングセンターに行くよりいいかもしれない……』とか、大人の人たちがわりとお気に入りって感じ?」
李衣菜「へぇー、私のいない間にそんなことに」
夏樹「せっかくだ、だりーも試しに1回殴ってみたらどうだ?」
李衣菜「うーん……そうだね、やっと帰ってきたんだし、あるものは試さないとロックじゃないぜ!」ガタッ
里奈「お、それじゃあだりなちゃんガンバッ☆ 目指せ高得点っ♪」
李衣菜「任せてよ! 北海道で踊って鍛えられたし、ロックな魂ぶつけちゃうぜ!」ギュギュッ
夏樹「あんまり無茶はするなよー」
李衣菜「大丈夫大丈夫ー! りーなのパンチはそんなやわじゃないって! それじゃ、せーの――とりゃあ!」バシッ
ティロロロロ……
パンチングマシン【126】
里奈「おおーっ、三桁! だりなちゃんスゴーイ♪」
李衣菜「へへーん! どーだなつきちっ!」ドヤァ
夏樹「やるなぁだりー、涼より数値上じゃないか」
李衣菜「私のロック魂にかかればこんなもんだぜっ! それでこの点数かなり高いんじゃない? もしかして最高得点だったりして!」ワクワク
夏樹「いや、最高得点は今のところ拓海の842点だな」
李衣菜「ガクッ……全然だめじゃん!?」
夏樹「一応最初にパンチングマシンがあったゲームセンターでだと拓海の奴999点のハイスコアを出したらしいが、こっちではまだだな」
李衣菜「スコアが999まであるならもっとだめじゃんかー!? もーっ、ぬか喜びさせないでよー///」
里奈「でもでもー、りょーちゃが68点だったし、だりなちゃん十分スゴイぽよ〜」ナデナデ
李衣菜「むう……じゃあなつきちや里奈は一体いくつだったの?」
夏樹「アタシ? アタシは452点だったな」
里奈「アタシは735!」
李衣菜「……もっかいやる! せめてなつきちと同じくらいの数値にはするーっ!」
夏樹「ははっ、頑張れだりー」
――バタバタバタッ
里奈「おっ、外が騒がしいぽよ。ってことはー」
バタンッ!
亜季「――ゼェー……ゼェー……! か、勝ったぁ! 勝ちましたぁ……」ヨロヨロ
拓海「……く、くそ……亜季、てめぇ……ぜぇぜぇ……さ、最後の最後で……ゲホッゲホッ……うぇ……」ヨロヨロ
里奈「たくみん! あっきー! お帰りー☆ ていうかダイジョブ……? お水いる?」
拓海「……(コクコク)」ゼェゼェ
亜季「わ、私は大丈夫です……げほっ……ふぅ」ドサッ
里奈「はーい、それじゃたくみんちょっと待ってて……ヨイショ」コポコポ
夏樹「二人共ヘトヘトだな。トレーニングしてくるって言ってたけど走りこみもしてたのか。どれくらい走ったんだ?」
亜季「じ、事務所の周りを50周……で、あります……ふぅ……おや、李衣菜殿、お帰りなさい」ハァハァ
李衣菜「う、うん、ただいま……って今50周って言った!? なにそれ無茶苦茶……」
亜季「あ、茜殿とのお仕事で痛感したであります……まだまだ私には鍛えられる部分があると……そのために拓海にも付き合ってもらって……」
里奈「たくみん息出来てるー? はいお水」スッ
拓海「さ、サンキュ――んぐっ……んぐっ……ぷはぁ! 生き返るっ!」ゼェゼェ
夏樹「まったく、相変わらずだな二人共」
拓海「うるせーっ! 亜季が鍛えるってんならアタシも鍛えてねえと負けちまうだろ!」ゼェゼェ
亜季「しかし、私の考えた特別メニューに最初から着いてこれるとは……さすがは拓海です」ハァハァ
拓海「当たり前だろ亜季には負けてられねぇ……ていうかここまでして鍛えねえと勝てない茜ってなんなんだよ一体……」ゼェゼェ
李衣菜「茜ちゃんは無尽蔵の体力がそのまま人の形をしたような子だからなぁ……」
拓海「……ん? てか李衣菜お前帰ってたのか。いつ戻ってきたんだ?」
李衣菜「ついさっきかな。疲れたならお土産の中に甘い物もあるから、それ食べてね」
拓海「ああ後で貰うぜ……てか、帰ってきてそうそうパンチングマシンで遊んでんのかお前」
李衣菜「そうだよ。拓海さんのハイスコアには追いつけなくても、せめてなつきちの点数に並ぶために今頑張ってるんだから!」
拓海「へぇ、いい心がけじゃねえか。ちなみにいくつ叩きだしたんだ?」
李衣菜「ま、待って、もう一回やって記録更新するから! 集中して……よし! そりゃーっ!!」バシンッ
ティロロロロ……
パンチングマシン【217】
李衣菜「……もうっ!」
拓海「はははっ! それじゃだめだろ李衣菜、殴るときに脇が開きすぎだ、もっと絞めろ」
李衣菜「こ、こう?」グイッ
拓海「そうそう、それで目線はまっすぐ前を見ろ。んで、殴る時はミットで勢いを止めるんじゃなくて、ミットを貫く感じでやってみな」
李衣菜「ミットを貫く感じで……よ、よぉし……何度目かの正直! とりゃーっ!!」バシンッ!
ティロロロロ……
パンチングマシン【452】
李衣菜「……や、やったーっ! なつきちと同じ数字になったーっ!」ピョンピョン
夏樹「おっと、おめでとだりー。やるじゃないか」
李衣菜「どんなもんだ!」エッヘン
亜季「さすが拓海、的確なアドバイスをされますなぁ」
里奈「たくみんこゆうこと得意だしー☆ 案外先生とかに向いてたりしちゃう的な?」
拓海「よせよ、そこまでじゃねえって。さっきのは流石に李衣菜の構えが駄目すぎただけだ、つーか構えもなにもなしに700超えたてめェらが言うか」
夏樹「そういや亜季は797だったけか。こりゃ拓海の記録が抜かれるのも時間の問題っぽいな」
拓海「……ハァ? ナメんなよ夏樹、アタシだって強くなってんだ、昨日までの記録が最高だと思うんじゃねえ! おいグローブ貸せ李衣菜!」
李衣菜「は、はい!」スッ
里奈「おっ、たくみんやる気ー?」
拓海「夏樹に焚きつけられちまったからな、アタシの本気ってのを見せてやらねーと。999をちゃんと出したことあるんだからよ!」
夏樹「焚きつけたつもりはないんだがな」
亜季「拓海ですから。しかし先程までヘトヘトだったというのに、やはりあの復活の早さは見習うべきところが……」
拓海「ゴチャゴチャうるせえぜ! 見てろっ! これが今のアタシの全力だぁ!! オラアアアッ!!」ドゴンッッ!
ティロロロロ……
パンチングマシン【866】
里奈「うぇーい! ついにこっちでも850点超えしたぢゃん! さっすがたくみん!」パチパチ
拓海「おうよ! どんなもんだ!」ガシッ
李衣菜「はぇー……すっごい……」ポカーン
亜季「目の前で新しい記録を出されるとクルものがありますな……むう、もっと腕立て伏せの回数を増やすべきでしょうか?」
夏樹「あれに張り合うつもりなのか……」
拓海「いいぜ、ライバルがいねえとこういうのは盛り上がらねえ! けど簡単には抜かれるつもりもねぇぞ!」
夏樹「やれやれ、こうなったら本当に拓海の記録を抜ける奴は少なくなりそうだな」
李衣菜「そもそも850点以上なんて出せそうな人って他に――」
ガチャ
早苗「まったく、ダメよプロデューサー君! 涼ちゃんに輝子ちゃんも! いくら小梅ちゃんが可愛いからって映画の年齢制限は守らないと!」
モバP「いやしかしっスね、小梅に限って言えば今更っつうかなんつうか……」
涼「小梅のやつ、この映画かなり楽しみにしてたんだ、見逃してやってくれないか……?」
輝子「た、頼む早苗さん……小梅ちゃんも悪気はないんだ……」
早苗「そ、それは分かってるけど……で、でもダメよ! 家でDVDを見るのとは訳が違うの、映画館ではルールを守るべきよっ!」
小梅「デップー……」ションボリ
李衣菜「――いたーっ!!」
6人「「「!?」」」ビクッ
李衣菜「……あ///」
里奈「だりなちゃん声大きすぎマジうける〜☆」
夏樹「だりーらしいけどよ」フフッ
早苗「び、びっくりしたー……な、なに李衣菜ちゃん帰ってたの?」
李衣菜「あ、はい、スイマセン……///」
モバP「いきなり『いたーっ!』とか心臓止まるかと思ったぜ……ていうかなんだ揃いも揃ってパンチングマシンの前で」
亜季「あ、これはですねプロデューサー殿。先程拓海が最高得点を更新しまして」
モバP「またかよ拓海、やるじゃねえか」
拓海「へへっ」
夏樹「それでその記録を更新出来るのは誰かなって話をしてたら涼達が来て、だりーがそれに反応したってわけだ」
李衣菜「うぅ……///」
モバP「ああなるほどな……ん、記録……そうだ早苗さん! こういうのはどうッスか!」
早苗「なに?」
モバP「この場にいる連中が1回ずつパンチングマシン殴って、最後に最高得点更新した奴の願いを聞くっつーのは!」
早苗「……それ、本気で言ってるの?」
モバP「マジもマジ、大マジっスよ!」
拓海「……なぁ、話が見えねェぞ、なにがあった?」
涼「ああいや、今日『デッドプール』っていう映画を小梅と輝子と一緒に見に行こうとしたら早苗さんに見つかっちゃってさ」
亜季「たしかそれは最近なにかと話題のヒーロー映画でしたな! しかし、そのような映画を小梅殿と一緒に? 珍しいですな?」
小梅「……せ、宣伝や、PVを見てたら……面白そうで……」
輝子「こ、小梅ちゃんが好きそうな残酷描写が、あるって話、だからな……フフッ」
涼「ただそういう描写があるから15歳未満は見ちゃダメでさ。プロデューサーサンの手も借りてなんとか誤魔化すつもりだったんだが」
李衣菜「うーん、でも見ちゃダメっていう決まりなら、守らないとダメだと思うよ?」
里奈「だりなちゃんってこういう時ホントマジメー♪」
李衣菜「あっ……え、えと、そ、そうだね年齢制限守らないのはロックかも!」
夏樹「無理しなくていいから。けど事情は分かった。なるほど、でもそれなら尚更あんな提案に早苗さんが乗るとは」
早苗「……いいわ、プロデューサー君。その提案受けてあげる」
モバP「マジすか!? よっしゃ!」
夏樹(あれ、意外だな……)
拓海「おいプロデューサー! テメェさっきこの場にいる連中つってたが、それアタシらも含んでんのか?」
モバP「そりゃそうだろ、つうわけでお前ら小梅が映画を見れるように協力してくれ!」
李衣菜「いいのかなぁ……」
モバP「問題ねえって! いやホントは問題あるんだろうけどよ……小梅だし、大丈夫だろ」
小梅「……え、えへへ……」
早苗「まるでもうあたし以外がハイスコア出すの確定みたいな言い方ね?」
モバP「そりゃあ拓海含めてこんだけ人数いますし、俺も早苗さんに負ける気ねえッスから」
早苗「ふーん……あ、一つ確認なんだけど、願いを聞くっていうのはどのくらいまでならOKなのかしら?」
モバP「は? そ、そりゃ俺の権限が及ぶ範疇でのことならなんでもッスけど……?」
早苗「……そう、それは良かったわ♪ 拓海ちゃん、そのグローブかしてちょーだい?」ニコッ
拓海「お、おう……」スッ
早苗「それじゃあ最初はあたしからやらせてもらうわよ? この方が話が早いでしょうし♪」ギュギュ
夏樹「……なんだか、グローブつけるの様になってるな」
亜季「全身から溢れる闘気……! これは凄まじいことになりそうな予感がします!」
涼「……な、なぁプロデューサーサン、ちょっと戦略間違えた感じがしないか?」アセアセ
モバP「い、いや大丈夫だろ、いくらなんでも一発でそこまでの記録は――」
早苗「それじゃ行くわよ――ハァッ!!」シュッ
ドゴォオン!!
ティロロロロ……
パンチングマシン【953】
モバP「」
小梅「あ……」
輝子「こ、これは……」
里奈「ミット叩いた時の音ゲキヤバ!?」
早苗「ふぅ……ざっとこんなもんね♪ それで、次に挑戦するのは誰かしら……?」
涼「……アタシはもう無理だ」ガックリ
夏樹「プロデューサー、悪い、アタシもあの記録は超えるの無理って分かる」
里奈「りなぽよもパスさせてちょ〜……」
李衣菜「ロックにやってもこれは……」
モバP「あ、諦めるの早すぎじゃねーか!? い、一応カンストまではまだ46残ってる……よな……?」
拓海「残ってるけどよ……しかし早苗さん流石だぜ」
亜季「全身の力が拳に集中していくのが分かる見事な動きでした……これは参考になりますなぁ」
モバP「感心してるんじゃねえぞ二人共! しゃあねえこうなりゃやってやるぜ! 見てろ早苗さん!」
早苗「はいはい、頑張ってねープロデューサー君♪ はいグローブ」ポイッ
李衣菜「うわぁ、完全に勝利を確信してる顔してる……そりゃあの記録だしなぁ」
モバP「いーくーぜー! ドララァッ!」シュ
ドォオン!!
早苗「っと……?」
ティロロロロ……
パンチングマシン【921】
モバP「グワーッ!?」バタンッ
早苗「……ふぅ、ちょっと驚いたけどどうやらあたしの記録は超えられなかったみたいね、残念♪」
モバP「す、すまん小梅……俺の力不足だった……」
小梅「い、いいよ……プロデューサーさんが、頑張ってくれたの、う、嬉しかった……」ニコッ
モバP「すまねぇ……すまねぇ……」ドゲザ
早苗「さーてこれであとは拓海ちゃんと亜季ちゃんだけかしら? その前に一応小梅ちゃんもやっておく?」
小梅「え……?」
早苗「これは小梅ちゃんが映画を見に行こうとしたことが発端だから、一応ね? ほらプロデューサー君グローブ外す……はいどうぞ」スッ
小梅「あ、は、はい……」ギュッ
涼(っていってもなぁ)
里奈「結果見るまでもなくなくない?」
小梅「え、えいっ……!」ポスッ
ティロロロロ……
パンチングマシン【2】
全員「「「「「……」」」」」
早苗「正直ゴメン……」
小梅「あう……」
拓海「むしろ逆にすごい記録な気もするけどな……けどま、こっからだ! 次はアタシが――」
輝子「ま、待ってくれ……! わ、私……私もやる……!」
亜季「おや輝子殿、本気でありますか?」
輝子「と、トモダチの……小梅ちゃんの楽しみにしてた、え、映画が見れるかどうかなんだ……や、やるだけ……やってみる!」
モバP「輝子……」
小梅「しょ、輝子ちゃん……!」
夏樹「だってさ拓海、どうする?」
拓海「……なんだよ輝子、お前熱いとこあるじゃねえか! いいぜ、アタシはそういう気構えのやつは嫌いじゃねえ、やれ輝子!」
輝子「お、おう……! が、頑張る……!」ギュッ
李衣菜「グローブつけてる姿はロックだけど……さて……」
輝子「……落ち着け……ぷ、プロデューサーの動きを思い出すんだ……あ、あれを真似すれば……!」スゥッ
早苗「……んっ?」
輝子「フ、フヒ……大丈夫……ヒヒヒッ……――ヒャッハー! ゴートゥーーヘェエエルッ!!」シュッ
ドォオン!!
モバP「やったか!?」
ティロロロロ……
パンチングマシン【924】
輝子「ノォオオオオオ!!」ガックリ
亜季「ああ、そんな……!」
涼「いい線いってたのに……」
早苗「……フ、フフ、やるじゃない輝子ちゃん! けど、今回は普段の鍛え方の差が出ちゃったみたいね」
輝子「小梅ちゃん……ご、ごめん……ごめん……!」
小梅「う、ううん……いい……輝子ちゃんが……カッコよかったから……」ニコニコ
輝子「うぅ……」
モバP(……つーか俺早苗さんどころか輝子にも微妙に負けたぞ……鍛え直すかなぁ……)ズーン
拓海「輝子、良くやった。あとは亜季とアタシに任せろ!」
亜季「ええ、皆さんの無念、必ず晴らしてみせます!」
李衣菜「がんばれー!」
小梅「が、がんばって……!」パチパチ
早苗「……あれ、なんかあたし悪者みたいじゃない?」
里奈「みたいっていうか、小梅ちゃんからすると結構悪者かもー?」
早苗(うぅ……でもここで負けちゃだめよ早苗! 小梅ちゃんの健全な未来のためにもあんな映画見せるわけにはいかないわ!)
拓海「つうわけでまずはアタシからだ! いくぜ、本気の本気、すげーマジに殴るッ!」ギュギュ
里奈「うわったくみんあっつい〜!」
拓海「へっ当然だっ! いくぜぇー! オラァアッ!!」シュッ
ドゴンッ!!
ティロロロロ……
パンチングマシン【901】
拓海「……ぐわあああああっ!」ドサッ
里奈「たくみーん!?」
夏樹(……さっきから気になってたんだが、だんだんリアクション過激になってないか皆? ……楽しいから良いか)
拓海「す、すまねぇ小梅……偉そうなこと言ってたのにこのザマだ……はっ……笑えよ」
小梅「わ、笑わないよ……た、拓海さんは巻き込まれただけ、なのに……すごかった……!」
拓海「うぅ……小梅……優しいなお前……」グスッ
早苗「拓海ちゃんも見事だったけど、ヤンキーに負けちゃってたら婦警はやれないよね、元だけど。というわけでラスト、亜季ちゃんよ!」
亜季「わ、分かりました……うぅ、改めて最後となりますと緊張しますなぁ……」ギュギュッ
拓海「問題ねぇ! 亜季ならやれる! ぜってー早苗さんの記録超えられるぜ!」
輝子「亜季さんの身体、す、すごいから……きっと、いける……!」
モバP「頼む亜季! やってくれよっ!」
涼「……なんか、もう微妙に小梅の映画のこと関係ない気がするような……?」
亜季「ふぅ……それでは大和亜季、行きます! うおりゃああッ!!」シュッ
ドゴンッ!!
ティロロロロ……
パンチングマシン【901】
亜季「……がはあああああっ!?」ドサッ
里奈「あっきーーっ!?」
李衣菜「結果は拓海さんと一緒かぁ……」
亜季「力、力及ばず……申し訳ない……小梅殿……!」
小梅「……な、なんとなく予想してたから、大丈夫、です……」
亜季「ぐふっ……そ、それはそれでダメージであります……」
早苗「なにはともあれ、これで全員終了ってことにしていいのね? 殴ってない子いるけど、どうする?」
涼「聞かなくても分かるだろ早苗サン」
早苗「それもそうね。というわけで今回の結果を受けて、小梅ちゃんがデッドプール観に行くのはダメってことで決定よ」
小梅「わ、分かりました……ざ、残念だけど……」
輝子「小梅ちゃん……」
小梅(でもDVDが出たら……涼さんと輝子ちゃんと一緒に見よう……その時は幸子ちゃんも、誘えるかな……?)
早苗「それとプロデューサー君!」
モバP「はい、なんスか!」
早苗「あたしが勝負に勝ったってことは、お願いを聞いてくれるってことよねー?」ニコッ
モバP「……は? いやちょっと待って下さい、そいつはさっきの小梅が映画観に行かないって話で終了じゃ」
早苗「お願いの数を指定しなかったのはプロデューサー君のほうよ? 『願いを聞くっていうのはどのくらいまでなら』ってあたし聞いたわよね?」
モバP「な、そ、それは……そうッス……ハイ……」
早苗「あたしが質問して、プロデューサー君が数を指定しなかったってことは、これはもう何個でもお願い聞いてくれるってことよね〜?」
モバP「……ハイ、そうなるッス……くぅ……契約条件の再確認はちゃんとするべきって散々言われてきたのによぉ……」
夏樹「……やり口が悪徳警官っぽくないか早苗さん」
早苗「あーあー聞こえないわー。さーて、なんのお願いを聞いてもらおうかしら♪」
里奈「……もしかしてプロデューサー大ピンチな感じ……!?」
李衣菜「い、いやぁいくら早苗さんでもそこまで無茶なお願いはしない……はず」
早苗「もぉみんなしてなによ、大丈夫。プロデューサー君にはそこまで負担はかけないようにするからね?」
輝子「い、意味深だ……」
モバP(や、やべえぞこのままじゃ何されるか分かんねえ……! なにか、なにか状況を覆す手はねえのか!?)
早苗「それじゃあプロデューサー君には――」
ガチャ
裕子「あーっ! 早苗さんこんな所にいたんですかもぉー!!」
早苗「きゃあ!? び、びっくりした……なんだ、ユッコちゃんか……」
裕子「なんだじゃないですよぉ、駅に雫ちゃんを迎えにいくって話――なんですかこの雰囲気?」
モバP「た、助かった! ユッコ!」ガシッ
裕子「う、うひゃあ!? な、なんですかプロデューサー!? て、手なんて握って、さ、さいきっくの訓練ですか!?」ドキドキ
モバP「違……いやそうだぜ! ユッコ、お前のフルパワーでパンチングマシンを殴るんだ!」
裕子「は、はい!?」
早苗「ちょ、ちょっとプロデューサー君!? どういうつもりよっ!」
モバP「早苗さん、アンタさっき質問してきた時確認しなかったよな。『この場にいる連中』が、正確には誰を指すのかをよ!」
早苗「そ、それはだってこの場にいたのは……ってまさかプロデューサー君!?」
モバP「そうッスよぉ早苗さん! 俺は別に『今』この場にいる連中とは一言も言ってないッスからねぇー! つまり!」
早苗「いま来たユッコちゃんも、パンチングマシンを殴る権利が発生するってこと……くっ、あたしとしたことが……!」
涼「一休さんもびっくりするくらいのとんちじゃないかこれ」
拓海「いくらなんでも屁理屈酷くないかプロデューサー……?」
モバP「しょーがねえだろこの状況なんとかするにはよぉ! ほら、頼むユッコ!」
裕子「えっ、えっ、ええっ!? あ、あの、全然意味が分からないんですがどういうことなんですか!?」
小梅「あ、あのマシンを殴って……953点以上だしたら……プロデューサーさんが、な、なんでもお願い聞いてくれるんだって……」
裕子「本当ですか!? な、なるほど、それで早苗さんが必死な感じだったんですね……分かりました、このエスパーユッコにお任せ下さい!」
モバP「よっしゃあ! 流石ユッコだぜ!」
早苗「もぉ……しょうがないわね。ほら、ユッコちゃん、グローブ」スッ
裕子「あ、ありがとうございます」ギュッギュ
モバP「ふぅ……これで首の皮一枚ってとこか……」
拓海「けどよプロデューサー、これ結局ユッコの奴が早苗さんの記録超えなきゃ意味ねえんじゃねえか?」
里奈「むしろ巻き込んだ子の数が増えた分だけプロデューサーの首絞めちゃってる系?」
モバP「ま、まだだ、俺は最後の最後まで希望を捨てねえぞ!」
拓海「言ってる台詞はカッコイイんだがよ……」
李衣菜「早苗さんの記録を塗り替えるのは厳しいよね……」
輝子「……い、いや、多分……」
小梅「……? ど、どうしたの輝子ちゃん……?」
輝子「いや、た、多分、多分だけど、裕子ちゃんなら……」
裕子(なにがなんだか分かりませんが、とりあえず雫ちゃんを迎えに行く必要がありますし早くしないとああでもどうしよう)ギュッギュ
裕子(もしプロデューサーがなんでもお願いを聞いてくれることになったら……な、なんでも……なんでも……!?)
裕子「あ、う……うぅ……と、とにかく、もうどうにでもなっちゃえ! すぅ……はぁ……行きます!」ピカッ
亜季「……私の目の錯覚でしょうか、裕子殿の右手が光っているように思えるのですが」
早苗「奇遇ね、あたしもそう見えるわ」
李衣菜「い、いやあれホントに光ってるー!?」
裕子「ムムムッ! さいきっくっ!! パァーンチッ!!!」ヒュドッ
ボゴオオンッ!!
ティロロピガロロ……
パンチングマシン【999】
裕子「……や、やりましたーっ!! やりましたよプロデューサー!! 999! エスパーユッコ、ハイスコアを出しましたーっ!」
早苗「……う、うそぉ……」
拓海「ま、マジか……」
モバP「や、やった……やりやがった……おいユッコ! テメェ! この! すげえぞこの野郎!!」ワシワシ
裕子「や、野郎じゃないですエスパーユッコですー! えへへ……♪」
小梅「こ、これ……輝子ちゃんの、予想通り……?」
輝子「あ、ああ……裕子ちゃんは、スゴイからな……フヒ」
早苗「まさかユッコちゃんに記録抜かれるなんて予想もしてなかったわ……」
亜季「むぅ……訓練すればどうにかなる領域でしょうか……」
里奈「パンチングマシンの台のほうもちょっと動いてるしー、まじヤバげぢゃんこれ」
裕子「どうですかみなさん! これがさいきっくの力です!」ドヤァ
夏樹「なんかもう無茶苦茶だな……それで、裕子はどうするんだ?」
裕子「どうするってなにをです?」キョトン
涼「おいおい、早苗サンの記録超えたんだからプロデューサーサンに何でもお願い出来るってこともう忘れたのか?」
裕子「……あっ! そ、そうでした! 点数が999だったから嬉しくてすっかり……」
モバP「おしっ、そういうことで、早苗さん悪いな! さぁユッコ、なんでも好きなこと俺に頼んでこい!」バシッ
裕子「え、ええ!?」
早苗「しょーがないけどなんかあたしの時と態度違いすぎて微妙に腹立つわね」
拓海「悪徳警官みたいなことするからだろ」
早苗「むぅ……とにかくユッコちゃん、遠慮することないわよ! 無茶振りでもなんでもしちゃいなさい!」
裕子「そ、そうですね……で、でもそんなこと急に言われてええとあのー……」
裕子(どうしようなんでもって言われたらむしろなにをお願いすればいいのか全然分かりませんよ〜!? ええっと、ええっと!)ウーンウーン
李衣菜「ユッコちゃんすっごい悩んでるなー」
裕子(ううう! こうなったら何も考えないで素直に口から言葉を出してみるしかない! さいきっくアドリブです!)
裕子「よ、よし、プロデューサー! 私は」グゥウウウウ
裕子「」
シーン
夏樹「……あー……そういや気づいたらもうすぐ18時か……晩飯の時間だな……」
李衣菜「あ、ほ、ほんとだ気づかなかったなー!」
裕子「ぷ、プロデューサー……」
モバP「……お、おう、なんだ」
裕子「……ここにいる皆で駅まで雫ちゃんを迎えに行って、雫ちゃんが合流した後は皆で晩ごはんにしませんか……///」
モバP「……よーし、いいぜ。そういうことだが、みんなの意見は」
拓海「へっ、聞く必要あるのかよ?」
モバP「一応だよ一応……んじゃ、雫迎えに行ったあとは焼肉行くぞテメーらッ!」
全員「「「「「よっしゃー!!」」」」」
――この後、及川雫と駅で合流した一行は焼肉屋へと突撃。全員が満腹になるまで肉などを堪能し、プロデューサーの財布は
無事死亡するのであった。
〈終〉
23:30│藤本里奈