2016年06月28日
まゆ「プロデューサーさんの車……」
まゆ「……ふぅ」
まゆ(今日のお仕事はこれでおしまい……)
まゆ(あとは事務所に帰って、プロデューサーさんに報告して……)
まゆ(今日のお仕事はこれでおしまい……)
まゆ(あとは事務所に帰って、プロデューサーさんに報告して……)
まゆ(……できたら、プロデューサーさんにお迎えしてほしかったんだけど)
まゆ(欲張りいっちゃダメですよね……)
まゆ「……」
まゆ「……あら?」
まゆ(あの車は――)
モバP「……」ガチャ
まゆ(あっ……!)
まゆ「プロデューサーさん……!」
モバP「ん……あ、お疲れ、まゆ」バタン
まゆ「うふふ、お疲れ様で――」
モバP「――すまん、急いでるんだ!」ダッ
まゆ「えっ……」
まゆ「……」
まゆ「……」
まゆ「むぅ」
まゆ(迎えに来てくれたと思ったのに……)
まゆ(……でも、本当に忙しそうだったから、贅沢言っちゃダメですよね)
まゆ(車のドア閉めて、すぐ走って行っちゃったし……)
まゆ(……)
まゆ(そういえば……)
まゆ(プロデューサーさん……急いで車のドアを開けて)
まゆ(勢いよく車のドアを閉めて)
まゆ(……鍵は閉めてた?)
まゆ(……)
まゆ「……確かめたほうがいい……ですよね?」
まゆ(鍵が無いと車も動きませんけど……でも、何か大切なもの置きっぱなしかもしれませんし)
まゆ(確認しといたほうがいいですよね……?)
まゆ(……)
まゆ「……」キョロキョロ
まゆ(……まゆが盗人ってわけじゃないんですから、周りの目をはばからなくてもいいですよね)
まゆ「……」
まゆ「……!」ガチャ
まゆ(あ、開いて――)
杏「んあ?」
まゆ「えっ……?」
杏「……」
まゆ「……杏ちゃん?」
杏「ん、杏だよ」
杏「どしたの、まゆ?」
まゆ「いえ……」
まゆ「プロデューサーさん、車の鍵閉めてなかったみたいだったから……」
杏「まあ、杏が中にいるからねー」
杏「鍵の代わりだよ」
まゆ「ああ……なるほど」
杏「ん、杏がいれば誰かが入ってきても大丈夫!」
まゆ「……」
杏「……いや、返事してよ」
まゆ「いえ……」
まゆ「人避けなら寝転がらないで座ってた方がいいと思いますけど」
まゆ「外から見えますから」
杏「あー……」
杏「……」
杏「……つい、寝転がりたくなって」
まゆ「……」
杏「まゆも入る?」
まゆ「……この後どこに行くんですか?」
杏「事務所……というか、寮」
まゆ「ああ、帰るんですね」
杏「うん」
杏「どうせ、同じ道だし」
まゆ「そうですね……じゃあお言葉に甘えて」
杏「んー」
杏「……あ、このままじゃ入れないよね」
杏「よいしょ……っと」
まゆ「うふふ、ありがとうございます」
まゆ「それじゃ……」
杏「いらっしゃーい」
まゆ「お邪魔しまーす」
杏「ま、杏の車じゃないんだけどね」
まゆ「うふふ」
まゆ「……ねぇ、杏ちゃん?」
杏「なにー?」
まゆ「杏ちゃんって、20歳になったら運転するんですかぁ?」
杏「どしたの、急に?」
まゆ「いえ、なんとなく気になって……」
杏「ふーん」
杏「運転かー……たぶんしないと思うな」
まゆ「あら」
杏「意外?」
まゆ「ええ」
まゆ「車って歩くより楽そうですし」
杏「んー……」
杏「まあ、ほら、杏って20歳になってもこんな体系だろうし」
杏「物理的に運転できなくない?」
まゆ「……」
まゆ「否定できない……」
杏「それに、車運転するのも結構疲れそうだしねー」
杏「それだったら杏は歩きでいいかなー」
杏「……というより、まゆにおんぶしてもらう」
まゆ「……もう」
杏「それか、まゆの運転する車に乗せてもらう」
まゆ「まゆの、ですかぁ……?」
杏「うん」
まゆ「うーん……」
杏「……あれ、しない感じ?」
まゆ「なんというか……」
まゆ「……しなくてもいいかな、って感じですねぇ」
まゆ「今だってこうしてプロデューサーさんに送ってもらってますし」
まゆ「休日も、歩きや自転車で色々なところ行けますし」
杏「あー……確かに、杏たちが使う場面って少ないかもね」
まゆ「はい……なので」
まゆ「……うーんって感じです」
杏「そっか」
杏「じゃ、まゆの背中で我慢しよう」
まゆ「結局まゆに乗るんですねぇ……」
杏「ふわぁ……」
まゆ「あら」
杏「……まあ、ほら、杏も仕事終わったばっかりだし」
杏「ちょっと眠い」
まゆ「さっきまで寝転がってましたしねぇ」
杏「まゆがこなかったら本当に深い眠りに入ってたかも」
まゆ「人避けは……?」
杏「……まあ、ほら、かもだから」
杏「たぶん大丈夫だったと思うよ、うん」
まゆ「……」
杏「ふわぁ……」
杏「……ねぇ、まゆ」
まゆ「何ですか?」
杏「寝転がってもいい?」
まゆ「……いいで――」
まゆ「――あ!」
杏「ん?」
まゆ「そういえば……さっきの撮影でこんなのもらってきたんです」ゴソゴソ
まゆ「じゃん!」
杏「……クッション?」
まゆ「はい……ハート型の……うふ」
まゆ「柔らかくて、気持ちいいんですよ、ほら」
杏「ぷにぷに……ほんとだ」
まゆ「これを枕にしたら気持ちいいんじゃないですかぁ?」
杏「……試してみようかな」
まゆ「じゃあ、どうぞ?」
杏「んー」
杏「ダーイブ!」
まゆ「どうですかぁ?」
杏「……」
杏「柔らかくて、気持ちいいんだけどさ」
まゆ「はい」
杏「まゆのふとももの上においてるからさ」
杏「枕高い……」
まゆ「あっ……」
まゆ「……でも、まゆ……これ以上横には行けませんよ?」
杏「じゃあ、枕をどけて……ごろんっと」
まゆ「きゃっ!」
杏「やっぱりまゆ枕だよね……へへ」
杏「この枕があればほかの枕はいらないと思うなー……」
まゆ「……もう」
まゆ「まゆの足が痺れちゃいます……うふ」
杏「ふぃ〜……極楽極楽……」
まゆ「……♪」
杏「まゆー……飴ちょうだい」
まゆ「今は持ってきてませんねぇ」
杏「えー……」
まゆ「今日杏ちゃんと別のお仕事でしたし……」
杏「……残念だ」
杏「……あ」
杏「プロデューサー、かばん置いてってたりしない?」
まゆ「かばんですか……?」
まゆ「……あ、助手席にありますね」
杏「その中に飴入ってると思うからさ」
杏「取って♪」
まゆ「……えー」
杏「……いや、いいじゃん」
杏「それ取るだけだからさ」
まゆ「でも、プロデューサーさんのかばんですし……」
まゆ「勝手にいじるのは……」
まゆ(……ちょっと気になるけど)
杏「……」
杏「……さっき、プロデューサーが食べたくなったら取ってもいいって言ってたよ」
まゆ「嘘ですよねぇ」
杏「……バレた?」
まゆ「さすがにわかります」
杏「……ダメ?」
まゆ「……」
杏「ねー、ダメ?」
まゆ「……うぅ」
杏「まゆー、お願いー」
まゆ「うぅぅ……」
杏「あっ、これ押せばいける奴だ」
まゆ「えっ?」
杏「あっ」
まゆ「……」
杏「……」
杏「……ほら、杏ってアマノジャクだから」
杏「今口に出したのはその正反対の言葉であって――」
まゆ「――我慢しましょうねぇ」
杏「……うぅ」
杏「油断してた……くそう……」
まゆ「うふふ、残念でしたねぇ」
杏「それもこれもこのまゆ枕のせいだー!」
杏「おのれー!」
杏「きもちいいぞー!」
まゆ「……」
まゆ「……ちょっと恥ずかしいですねぇ」
モバP「ふぅ……」ガチャ
モバP「お待たせ、杏――」
モバP「――と、まゆ?」
まゆ「うふ、お邪魔してます」
杏「侵入されちゃった」
モバP「いや、まゆなら別にいいんだけどさ」
まゆ「ごめんなさい、プロデューサーさん」
まゆ「プロデューサーさんが車の鍵閉めたかどうか心配で……つい開けちゃいました」
モバP「ああ、そうだったのか」
モバP「杏から開けたわけじゃないんだな」
まゆ「杏ちゃんは外から見えませんでしたから」
杏「杏、寝てたし」
モバP「……まあ、そっか」
まゆ「プロデューサーさん、急いでたみたいだったので……声もかけられず……」
モバP「ああ、悪い」
モバP「……じゃ、改めて」
モバP「今日の仕事お疲れ様、まゆ」
まゆ「うふふ、ありがとうございます」
モバP「それじゃ、出発するぞ」
まゆ「……あ、その前に……プロデューサーさん」
モバP「ん?」
まゆ「かばんの中に飴……入ってるんですよねぇ?」
モバP「ああ……杏か?」
まゆ「はい……もらっていいですかぁ?」
モバP「ん……じゃ、渡すから勝手に取ってくれ」
まゆ「えっ……」
まゆ「……いいんですか?」
モバP「ああ、そんなに恥ずかしいものが入ってるわけでもないし」
まゆ「……わかりました」
杏「……よかったね」
まゆ「いやっ、別に、まゆは見たかったわけじゃ……!」
モバP「じゃ、出発するぞー」
杏「はーい!」
まゆ「あ、はいっ!」
まゆ「えっと……じゃあ、中見ますねぇ」
モバP「あいよー」
まゆ「……」ゴソゴソ
まゆ「……あっ」
まゆ「プロデューサーさん、このペン使ってるんだ……」
まゆ「まゆも使おうかな……おそろい……うふふっ」
杏「まゆー」
まゆ「はっ!」
まゆ「えっと飴……あ、あった」
まゆ「はい、あーん」
杏「あーん……」
杏「んー……うまー」
杏「いやー、まゆ枕に寝転びながら飴も舐めれてなおかつ移動もできるなんて」
杏「最高だー!」
まゆ「うふふ♪」
おわり
21:30│佐久間まゆ