2016年07月25日

モバP「新田美波がいた夏」

のんびりと書いていきます



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あの夏、俺の傍には一人の女神がいた













−−−−−−



−−−−−−−−−−







P「......」カタカタ...







P「ふぅ...」



美波「Pさん、お疲れ様です」



P「おっ、美波か...」



美波「少し休憩したほうがいいんじゃないですか?根を詰めすぎるとよくないですよ」



P「それもそうだな、ちょっと休むか」



美波「はいどうぞ、アイスコーヒーです」



P「おっと悪いな...」



美波「いいんです、私もちょうど飲みたかったところですから」



P「じゃあ、ちょっといっしょにのんびりするか」



美波「ええ、ぜひ♪」

P「それにしても、最近は暑いなぁ...」



美波「今日も30度を超えるらしいです」



P「うわぁ、午後からの外回りキツイなぁ...」



美波「本当に大変ですね、熱中症にならないように気をつけてください」



P「おう、ありがとな」



美波「そうそう、水筒にお茶淹れておきましたから持っていってくださいね」



P「悪いな、いつも...」



美波「ふふっ、気にしなくていいんですよ、これくらい♪」



P「いやいや、美波が細かいところで気を使ってくれるから助かってるよ」



美波「そんな...」



P「仕事やレッスンで忙しいのに、いろいろやってもらってすまないな」



美波「もう...いいんですって、Pさんの方こそ毎日毎日遅くまで大変なんですから...」



P「いや美波の方が...」



美波「Pさんの方が...」





P「......」



美波「......」





P「ぷっ...」



美波「ふふふっ...♪」





P「まっ、お互いに身体にだけは気をつけよう」



美波「そうですね」



P「さっ、そろそろ再開するか」



美波「午後もお仕事がんばってくださいね」



P「おう、任せろ、美波もがんばれよ」



美波「はい、みなみがんばります♪」

ガチャッ





P「ただいまー、はぁ...やっぱ事務所は涼しい...」



美波「あっ、お疲れ様ですPさん」



P「ふぃ〜、疲れた...あっ、これお土産だ」



美波「あっ、かき氷ですか?」



P「たまたま帰り道で売ってたんでな」



美波「ありがとうございます、すみませんわざわざ...」



「ふぅ...美波、悪いけど汗を拭きたいからタオルくれないか」



美波「わっ、すごい汗!」



P「あぁ、こう暑いとどうしてもなぁ...」



美波「ちょっと待っててください、冷やしたのを持ってきますから」



P「いや、別に普通のタオルで...」



美波「ダメです!すぐに持ってきますから待っててください!」



P「お、おう...」

美波「お待たせしました」



P「サンキュー、悪いな手間かけて...」



美波「いいんです、ほら動かないで...」



P「お、おい...自分でできるから...」



美波「いいえ、疲れてるでしょうから♪」



P「んぷっ...」



美波「気持ちいいですか?」



P「うん...冷たくて...すごく気持ちいい...」



美波「よかった...ほら、ここも...」



P「あぁ...美波...」



美波「本当にすごい汗...もうシャツもグショグショになって...」



P「汗臭いから近寄らない方が...」



美波「ふふっ、大丈夫です、私気にしませんから♪」



P「俺が気にするんだけど...」



美波「はい、おしまいです、身体は...さすがに自分でお願いしますね」

美波「はむっ...ん〜♪」



P「美味しいか?」



美波「はい、とっても冷たくて...」



P「やっぱり夏はこれだな」



美波「ふふっ、そうですね♪」



P「あっ、そうそう、次の仕事も決まったぞ」



美波「どんな内容なんですか?」



P「えーっとだな、夏のスクールプールっていうやつで...」



美波「スクールプール?」



P「ああ、プール掃除したり、みんなでレースしたりしてキャッキャするっていう...」



美波「......」ジー...



P「ど、どうした?」



美波「いえ、なんでも...ただ最近のPさんは、私に水着とか結構きわどい衣装のお仕事をよく持ってくるなぁと思って...」



P「そ、そうだったか?」



美波「ええ、なんだか誰かさんの趣味がよく出ているというか...」



P「き、気のせいだ!たまたまそういう仕事が重なってるだけだ!」



美波「そうかなぁ...」

P「そ、それにほら!夏に水着の仕事が増えるのは仕方ないっていうか、美波のファンもそれを望んでるっていうか...」



美波「むぅぅ...」



P「も、もしかして...イヤだったりするか?」



美波「そんなことはないですけど...うーん...」



P「美波...」



美波「...ですか?」



P「えっ?」



美波「Pさんも...期待してたりします?」



美波「私の水着姿...」



P「そ、それは...」



美波「......」ジー...



P「ま、まあな、美波のファン一号としては...見たい気持ちもある、というかなくはない、というか...」



美波「ふーん...」



P「み、美波?」



美波「ふふっ、動揺しすぎですよ♪」



P「お、おう...」



美波「仕方ないなぁ、そんなに私の水着姿を見たいっていう人がいるなら、がんばっちゃおうかな♪」



P「そ、そうか...なら頼むよ」



美波「でも、あんまり鼻の下をのばしたりしちゃダメですからね?他の子たちに嫌われちゃいますよ?」



P「...気をつけます」



美波「ふふっ♪」

P「あ”〜...」グデー...





P「ダルい...」



P「なんか全然やる気が起こらない...」



P「ダメだダメだ、やらなきゃならないことはいっぱいあるんだから...」



P「でもなぁ...うーん...」





美波「Pさん!」





P「んっ?なんだ美波か...」



美波「なんだじゃないです、そんなにダラダラしてちゃダメですよ、他の子に示しがつきません!」



P「わかってるよぉ...でもなんかなぁ...」



美波「具合でも悪いんですか?」



P「そうじゃない、ただなぁ...なんか今日はイマイチやる気が...」



美波「もう...Pさんったら...」



P「もうちょっとだ、もうちょっとしたら復活するから...」



美波「もうちょっとってどれくらいですか?」



P「もうちょっとはもうちょっとだよ...」



美波「もう!」





美波「こうなったら...」テクテク...

P「あ〜...ダラダラするのってなんでやめられないんだ...」





美波「Pさん!」





P「おう、どうしたみな...みぃっ!?」





美波「Pさん、お仕事もせずにダラダラしてるような人は、みなみ嫌いですよ!」



P「み、美波?なんでそんな格好を...てかそれは...」



美波「今度のスクールプールイベントの水着です、試着したのをPさんに見てほしくて」



P「そ、そうか...」



美波「でも、Pさんはダラダラするのに忙しいみたいですから見てもらえそうもないですね」



P「いやいやちょっと待て!別にそんなことは...」



美波「いいですよ無理しなくても、見てもらえないなら着替えちゃおーっと...」



P「わー、待て待て!急にすごく仕事がしたくなってきた!もうダラダラはやめだ!」



美波「やる気出ました?」



P「出た出た、もうやる気でいっぱいだ!」



美波「よかった♪あんまりさぼってるとちひろさんに怒られちゃいますよ?」



P「そうだな、ちひろさんを怒らすと怖いし、まじめに仕事するか...」



美波「ふふっ♪Pさんったら...ところで」



P「んっ?」



美波「その...どうですか?水着、似合ってます?」



P「お、おう...すごくセクシーで、似合ってるよ」



美波「あ、ありがとうございます...」



P「ただその...事務所でそういう恰好されると...さすがに目の毒っていうか...」



美波「じ、ジロジロ見すぎです!」



P「でも美波が見てほしいって...」



美波「でもエッチな目で見るのは禁止ですー!」

ミーンミーンミーン...





P「ひえー、すごい日差しだ...」



P「まだ7月だってのにものすごい暑さだな...」





ピトッ





P「うわ、冷たっ!」



美波「ふふふふ、Pさんったら驚きすぎですよ♪」



P「な、なんだ美波か...」



美波「冷たくしておいたジュースです、ちゃんと水分補給してくださいね」



P「おぉ、ありがとう、他の子たちはどうした?」



美波「少し着替えに時間がかかってるみたいです、もう少しで来ると思いますよ」



P「そうかそうか」



美波「それにしても...ふぅ...本当に暑いですね...」



P「だな、まあ絶好のプール日和と言えなくもないけどな」



美波「それもそうですね、うぅ〜ん...」グググ...



P「美波ならわかってると思うけど、準備運動はしっかりとな」



美波「もちろんです、基本ですからね」



P「それと日焼け止めも忘れずにな、こういう強い日差しの時は念には念を...」



美波「もうっ、心配しすぎですよ」



P「いや、ただ俺は心配で...」



美波「ふふっ、わかってます、Pさんは優しいですからね♪」



P「お、おう...」

美波「でも、こういう学校のプールってすごく久しぶり...」



P「ああ、俺もだいぶ久々だよ、ジムに行って泳いだりはするけど...」



美波「Pさんもジムに行ったりするんですか?」



P「まあな、運動不足になるから暇があるときは行ったりするぞ」



美波「へぇー、そうなんですか......」ジー



P「な、なんだよ?」



美波「あっ、ゴメンなさい...意外と引き締まった身体だなぁって...」



P「あ、ありがとう...でもそんなに見られると...照れるな」



美波「もう...普段は私の水着姿をジロジロ見てるのにですか?」



P「そ、それとこれとは事情が違うっていうかだな...」



美波「うふふ、照れるPさんってなんだか新鮮ですね♪もっとじっくり見ちゃおっかな♪」



P「だ、ダメダメ!もうおしまいだ!これ以上は見るならお金取るぞ!」



美波「あー!ずるいですそんなの!私だけ見られるなんて不公平です!」







ザァァァァァァ...







P「美波、あそこだ!」



美波「はい!」





タッタッタ...





P「ふぅー...」



美波「まさか急に夕立になるなんて...」



P「あぁ、いきなりだったな...」



美波「しばらくやみそうにないですね...」



P「みたいだな、少し雨宿りしていこう」



美波「ええ...それにしてもだいぶ濡れちゃいましたね」



P「くそぉ、こんな時に限って折り畳み傘を忘れるなんて...」



美波「仕方ないですよ、誰だってうっかりすることくらいありますから」



P「むぅぅ、でもなぁ...」



美波「それよりも...」



P「んっ?」





フキフキ...





美波「そのまま濡れっぱなしじゃ風邪引いちゃいますよ?」

P「俺は大丈夫だ、美波の方こそ濡れてるじゃないか」



美波「私はいいんです、それよりPさんを...」



P「バカ、俺より自分を気にしろよ、体調崩したりしたらアーニャが悲しむぞ」



美波「むぅぅ...ここでアーニャちゃんを出すのは卑怯だと思います」



P「いいからまず自分の身体を拭けって、俺は大丈夫だから...」



美波「Pさん、それ悪いクセですよ?」



P「えっ?」



美波「私や他のアイドルたちを心配してくれるのはとっても嬉しいですし、優しくて素敵だと思います」



美波「自分以外に目を向けてばっかりで、全然自分の事を心配しないのはダメです」



P「でも俺はプロデューサーだし...」



美波「プロデューサーだからこそ、自分の事も少しは大切にしてあげてください!」



P「お、おう...」



美波「Pさんに何かあったら、それこそアーニャちゃんがものすごく心配します...」



美波「それに...私だって...」



P「美波...」



美波「......」



P「...わかった、気を付けるよ」



美波「はい、そうしてください」



P「美波やアーニャを悲しませたりしたらちひろさんに説教されそうだしな」



美波「もう!本当にわかってるんですか?」



P「わかってるわかってる、ちゃんとしっかりするよ」







美波「...約束ですよ?」



P「ああ、約束だ...」









−−−−−−



−−−−−−−−−−−

楽しい時には、一緒に笑ってくれた...





辛い時には、横で励ましてくれた...





疲れている時には、そっと手を差し伸べてくれた...





あの夏、美波と共に過ごした日々は...今でも俺の記憶の中で光り輝いている...





新田美波がいた、あの夏の記憶...









しかし...









新田美波は...もう手の届かないところへ行ってしまった...





どれだけ手を伸ばしても、もう決して...





ここではないどこかへ...





あの鮮やかな想い出だけを残して...





今でも時々思い出す...





新田美波の事を...





























美波「なにをブツブツ言ってるんですか?」

P「んぷっ...別になんでも...」



美波「全部口に出てました、なんですかそれ?それだと私がまるで死んじゃったみたいじゃないですか」



P「いやほら、でもさ...『新田美波』はもう本当にいないわけで...」



美波「ただ姓が変わっただけです!まったくもう!」ガシガシガシガシ...



P「いててて...美波、拭くならもうちょっと優しく...」



美波「もう〜、どうしてこの雨の中を走って帰ってきたりしたんですか?」



P「いや、折り畳み傘忘れてさ...」



美波「ちゃんとカバンの中に入れておいたじゃないですか」



P「そうなんだけど、事務所のデスクの上に置きっぱなしにしちゃって...」



美波「まったくもう...Pさんはいつもいつもうっかりして!子供じゃないんですからいい加減に...」



P「はい、はい...すみません...」



美波「風邪引いたらどうするんですか、お仕事で忙しいのはわかりますけどもう少し...」



P「あぁ、あの優しかった19歳の美波はどこへ...」



美波「へー、そうですか、私はもう優しくもないし可愛くもないですかそうですか」



P「あぁ違う!そうじゃない!機嫌直してくれ美波ぃ...」



美波「悪かったですね!口うるさくて可愛くなくて...」プイッ



P「違うって、美波は可愛いよ、俺にはもったいないくらいよくできた嫁さんだ...」ギュッ

美波「...私だって、怒りたくって怒ってるんじゃないんです」



美波「でも昔約束したじゃないですか、自分のことも大切にしてって...」



P「そうだったな、そのとおりだ...」ナデナデ...



美波「今日だって電話さえくれたら迎えに行ったのに...」



P「うーん、だけどそんなことで呼びつけるのも悪いなぁって...」



美波「...私、そんなに頼りになりませんか?」



P「とんでもないよ、俺なんかの為にすごくがんばってくれてる」



美波「だったら...」



P「うーん、でもさ...普段から迷惑ばっかりかけてるから...これ以上何か頼むのは引け目を感じるっていうか...」



美波「...Pさん、怒りますよ?そんなこと言うと」



P「ゴメン」



美波「...私に遠慮なんかしなくていいんです」



美波「してほしいことがあるなら、ちゃんと正直に言ってください」



美波「迷惑だなんて考えなくていいですから...」



美波「私に気を使ってPさんが身体を悪くしたら...とっても悲しいです...」

P「そっか...美波が悲しむのは困るなぁ」



美波「はい...」



P「わかった、今度からは気を付けるよ」



美波「はぁ...そのセリフ、昔から何回聞いたかなぁ...」



P「あはは、成長しないやつでゴメンな...」



美波「知ってます、Pさんいつまでたってもだらしのないままなんだから...」



P「ぐっ...やっぱり昔よりトゲのある感じなった気が...」



美波「ふふっ、気のせいじゃないですか?」



P「やれやれ、美波にはかなわないな...」



美波「はいはい♪」チュッ



P「んっ...」



美波「早くお風呂入っちゃってください、そのままだと本当に風邪ひきますよ」



P「わかってるよ、なんなら一緒に入るか?なーんてな...」



美波「えっ?元からそのつもりでしたけど...?」



P「えぇっ!?マジか...」



美波「ふ、夫婦なんだからいいじゃないですか!」



P「そ、それはまあそうだけど...」



美波「ほ、ほら早く脱いでください!」



美波「あ、洗ってあげますから...」



P「わ、わかったわかった...」











P「なんだかんだ言ってても、やっぱ美波は優しいなぁ...」



P「...まあ、こういうのも悪くない...かな?」









おわり



17:30│新田美波 
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