2016年08月09日

モバP「パッションなお嬢様」

書き溜めあり

ちゃちゃっと終わらせます



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470140756



『今日も1人で、か』





『また何か文句でもあるのかしら?』



『少しは周りのことも見たらどうだ?』



『はっ、くだらないわね。私があの愚鈍に合わせて程度を下げる必要は無いわ。何度も言わせないで』



『天使の歌声なんて言われてるっていうのに…周りに合わせろとまでは言わないが周りを引っ張ることすら出来ないか?』



『あなた達みたいな豚を引っ張るですって?リードをつけてなら引き受けてあげるわ』

『聖歌隊としてより高みを目指すため、なんていっても無駄か?』



『当然よ。そもそも聖歌隊も私にとって人生の暇つぶしの一つ以上の意味はないわ。人生は暇つぶしよ』



『はぁ…聞いてくれないか』



『良い加減諦めなさい。私に合わせられないのがいけないのよ。そもそもそういうあなたはどうなの』



『どうっ、て?』



『私が口をきいてあげる価値があるのかしら?豚とは違って私に合わせられるとでも?』



『ふぅむ。とりあえず歌ってみてくれ。合わせるから」



『面白いことを言うわね。出来なかったらどうなるのかくらい分かってるわよね?』

♪〜♪♪♪〜♪♪〜♪〜



『その歌なら毎日のように聞いてるな。ちょっと待ってろ』



♪〜♪♪♪〜♪♪〜♪〜



『貴方、ピアノなんて弾けたのね』



『まあな。で、どうだ』



『チッ…偽物と本物の差ぐらい分かるわ』



『そりゃどうも。話くらいは聞いてくれるよな』



『言い出したのは私よ。下に出るのではなくプライドを守るの』



『そう言うだろうな。聖歌隊以外でもお前の隣…とまでは言わなくても後ろに立つ人間は必要だぞ』

『そう。そのレベルに至る人間なんてほとんど居ないわ。少なくともここには1人もいない』



『俺はどうなんだ?』



『…いちいち憎らしいわね。私の後ろを歩くだけなら認めるわよ』



『どうも、それじゃついでにもう一つ。崇められるには人がいるぞ』



『はぁ?どういうことよ?』



『女王様なら周りは切り捨てるんじゃないってこと。何事も讃えるものがいてこそだ』

『…チッ、覚えておくわ。誰の言葉よ』



『俺の言葉』



『前言撤回。そんなくだらないことに脳みそを割きたくないわ』



『手厳しいな』



『当然よ。…何故そんな実力があってこんなところにいるのかしらね』



『聖歌隊は留学生を簡単に雇ってくれるからな』



『そんな行く当ての無いような奴に諭されるなんてね』



『何とでも言えよ。ま、これからはもうちょいうまく人を使ってけ』



『ハッ、そうさせてもらうわ』

モバP「んー、ふわぁ、やけに昔の夢を見たな」



ちひろ「プロデューサーさん?お昼休みそろそろ終わりますよ?」



モバP「ああ、すみませんちひろさん。もう起きましたから」



ちひろ「それなら良いですけど、お疲れですか?」



モバP「最近暑いですからね。外でスカウトばっかりだとちょっときついです」



ちひろ「あら、今日の午後は事務仕事しますか?」



モバP「いえ、自分の仕事はアイドル探しですから。さ、午後も行ってきます」



ちひろ「はい。いってらっしゃい」

モバP「とはいえこの炎天下歩き詰めても見つかるかわからないっつのは辛いものだな」



モバP「っと、あの人に声かけて無理そうなら一回戻るか。すみませーん」



財前時子「アァン?何よ。ずいぶん不躾な目で見てくれるじゃない」



モバP「あ、失礼しました。私こういうもので…」スッ



時子「…アイドル?この私が?ハッくっだらな……」ギロッ



モバP「…どうかしましたか?」



時子「ククッ、面白いわね。良いわ、なってあげるわよ」



モバP「へっ?」

時子「返事ははい、よ。一体どんな教育を受けたらそんな間抜けな返事が出来るのかしら」



モバP「は、はい。えっとそれじゃ説明をしたいので事務所の方まで来ていただきたいのですが」



時子「手元に説明資料くらいはあるでしょう?明日行くわ」



モバP「分かりました。事務所の場所までの地図も載っていますが一応電話番号を控えさせてください」



時子「…はい。これで良いわね?もう行くわ」



モバP「はい、ありがとうございます」

ちひろ「どうしたんですか?プロデューサーさん。疲れた顔してますけど」



モバP「いえ、なんかスカウトした人が結構な性格をしていて…」



ちひろ「あら…お疲れ様です」



モバP「いえ…その人明日来るので面接します」



ちひろ「あー、頑張ってくださいね」



モバP「はーい…とりあえず今日のところは上がりますね」



ちひろ「はい。お疲れ様でした」

モバP「えーっと、それで財前時子さん…ですよね」



時子「よく覚えていたじゃない」



モバP「あ、はい。時子さんはアイドルの仕事をお受けいただけるということでよろしいですか?」



時子「受けてあげるわ。よっぽど面白そうなものも見れそうね」



モバP「ええ、アイドルになれば普通では見られないものが見られることは保証します」



時子「そう言うことでは無いのだけれど。まあ良いわ」



モバP「???」

ルキトレ「時子さん、よろしくお願いしますね!」



時子「様。時子様よ。小娘」



ルキトレ「えーっと、はい。時子様。それじゃレッスン始めましょうか」



時子「物分りが良いわね。それで、何から始めるの」



ルキトレ「んー、どれだけ動けるか見たいので私の動きを真似してください」キュッ!



時子「ダンスのレッスンね…これで良いわよね」キュッ!



ルキトレ「むむっ、これならどうですか?」キュキュッ!



時子「こうね」キュキュッ!



ルキトレ「す、凄いですね…今日はここまでを予定してたんですけど…」



時子「この程度だと見くびられてたのかしら?笑わせないで」ギロッ



ルキトレ「ひっ!ご、ごめんなさい!」

ちひろ「あのー、プロデューサーさん。時子ちゃんのことなんですけど…」



モバP「また何かありましたか?」



ちひろ「ルキトレさんに続いてトレさんが音をあげました…」



モバP「ですよね…や、パフォーマンス自体は問題ないんですけどねぇ」



ちひろ「団体行動とかチームプレーとかの対極の位置にいますよね」



モバP「どうしたものでしょう…とりあえず見てきますね」



ちひろ「プロデューサーさんがですか?まあ行ってみてください」

モバP「時子さんまだいますかー?」



時子「間延びした醜い声で鳴くんじゃないわよ」



モバP「ああ、いたいた。調子はどうですか?」



時子「貴方が一番知ってるでしょう。何をバカなことを聞いているのかしら」



モバP「いやいや、本人の体の疲れとかですよ」



時子「そんなやわな体鍛え方してないわよ。ところで、あのトレーナー達はなんなの」



モバP「何か問題がありましたか?」

時子「無いと思ったの?私のレベルに見合わないわ。もっとマシなものを連れてきなさい」



モバP「アイドルなら周りを引き上げることも必要ですよ」



時子「……そうね、それは知っているわ。だからと言って私に合わせられないような豚がコーチしても仕方ないわよ」



モバP「それなら…今度先輩方と合同レッスンを入れましょうか。もし大丈夫そうならミニライブも入れますから」



時子「それで良いわ。それじゃ話は終わりね、出て行きなさい」



モバP「はい。それじゃあまた明日」

マストレ「櫻井!ステップ遅れてるぞ!松永!手先までしっかり集中しろ!」



時子「フッ、フッ」キュッキュッ



マストレ「……」



マストレ「終わり!汗をしっかり拭いてゆっくり休むように!」



櫻井桃華「ふぅ…疲れましたわ…」



松永涼「ああ、何時にも増して厳しかったな」



時子「先にあがらせてもらうわ」バタン



桃華「あの方…話だけは聞いてましたけどやっぱり実力は素晴らしかったですわね…」



涼「そうだな。しかし噂ほど荒れた感じでもなかったな。ムチ振り回して豚扱いしてくるって聞いたけど」



桃華「そうですわね。時子さ…まのこと怖がってる方もいましたが…」



涼「まあ所構わずってわけでも無いんだろうさ」

モバP「お疲れ様でした。どうでしたか?」



時子「悪く無かったわ。あの2人の動きも私ほどではなくても十分よ」



モバP「それなら良かったです。我が道を進むだけ、っていう考えかと思ったんですけど違うんですね」



時子「私の後ろを付き従うものも必要だわ」



モバP「ははっ、確かにそうですね…まあ気に入ってもらえたなら何よりです」



時子「チッ…そうね。貴方にどれだけの脳が入っているのかは知らないけど発言には責任が伴うものよ」



モバP「あー、ミニライブの件ですよね。しっかり場所は抑えてありますよ」



時子「そういうところが…いえ、もう良いわ。今日は帰るわ」

時子(私にあれだけ言って忘れるって、どんな神経してるのかしら)



時子(声を掛けたのもたまたま…ね。本当にくだらないわ)



時子(あの人がなんでこんなことしてるのか気になったけど)



時子(全部無駄だったみたいね)



時子(ま、この事務所にも私の後ろをついてこられる人がいるとわかっただけ収穫だわ)

時子「で、この舞台?本当にミニね。貴方の脳みそかしら?」



モバP「そう言いましてもね…やっぱりまだ名前が売れてませんから」



時子「そんな簡単なことがわからないわけじゃないわ。ただ自分の実力にイラつくだけよ」



モバP「…そうですか。それじゃライブまでの時間、控室にどうぞ」



時子「そうするわ。誰も立ち入らせないようにしておきなさい」



モバP「はい。それじゃあ始まるまでは外で待ってます」



時子「そうしなさい」

コンコンッ



モバP「時子さん。そろそろ時間です」



時子「分かってるわよ。もう出るから少し待ちなさい」



ガチャッ



時子「ククッ、それじゃあ私の下僕を増やしましょうか」



モバP「あの…マイクパフォーマンスにしてもほどほどに…」



時子「一体私を誰だと思ってるの?私のファンは跪くからこそファンよ」



時子「貴方はそこで震えて見ているといいわ」

モバP「あんなに盛り上がるとは思いませんでした…」



時子「当然の結果よ。女王なら人を切り捨てるのでなく讃えさせてこそ、よ」



モバP「え?それ、どこで聞きました?」



時子「どこででしょうね。その愚かな頭で思い出せるかしら」



モバP「……聖歌隊の時の…あのときの子?」



時子「遅すぎね。愚鈍」



モバP「…いや、髪色も変わっててまだ時子さんも幼かったので…」



時子「言い訳?良い度胸ね。くだらない言葉を口にする前に何かあるでしょう」



モバP「忘れててすみませんでした…」



時子「以前はなかなかの人間だと思ったけど違うのね。アイドルのプロデューサーなんて落ちぶれて」

モバP「それだけは違いますよ。プロデューサーは落ちた先なんかじゃないです」



時子「ふぅん。…始めたばかりの私が簡単に会場を沸かせられるの。アイドルなんて大したことないわ」



モバP「それは時子さんの実力です。もし他の人ならこんな簡単にはいきません」



時子「だとしても私にとっては程度が低い、ということに変わりはないわね」



モバP「時子さんには続けてもらいたいのですが…続けるつもりはないということですか?」

時子「そうね。貴方はやっと私を思い出して自分の無能さを実感したでしょうしやる意味はないわね」



時子「それとも何か私を引き止めるような言葉がまだあるのかしら?」



モバP「…………あっ!人生の暇つぶし。ならどうですか?」



時子「…クククッ、ハーッハッハ。はっきり思い出したみたいじゃない」



モバP「正解でしたか?」



時子「及第点、幼い私に女王のなんたるかを仕込んだことも褒めてあげるわ。それじゃあこれからもついてきなさい」



モバP「アイドル、やってくれるんですね」



時子「私はあらゆることで頂点に立つの。それがアイドルの世界だろうと変わりは無いわ」



時子「私の後ろから貴方に世界の一番上を見せてあげるわ。ついてきなさい」



21:30│財前時子 
相互RSS
Twitter
更新情報をつぶやきます。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: