2016年08月18日
ありす「…誕生日パーティーを開いてもらえるんですか?」
モバマスSSです。
ありすちゃんの誕生日セリフから妄想して突貫で書いてみました。
誕生日終了ギリギリになってしまいましたが、目を通していただけると嬉しいです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1469975008
ありすちゃんの誕生日セリフから妄想して突貫で書いてみました。
誕生日終了ギリギリになってしまいましたが、目を通していただけると嬉しいです。
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ありす「い…いえ、驚いているわけではありません。Pさんなら言いそうなことですし」
ありす「えっと…それなら、私は何をすれば? 見ているだけというわけには…Pさんだけだと不安ですから、手伝います」
ありす「準備はもうできてる…そう、ですか。それなら…あとは楽しむだけですよね! Pさん、パーティー開始の合図を…さぁ!」
モバP 「よしきた」パチン
(パッ)
ありす「な、なんでPさんいきなり照明消すんですか!? ここ地下のレッスン場だから、電気消しちゃうと何も見えなく…」
(ハッピーバースデートゥーユー)
ありす「え?」
(ハッピーバースデートゥーユー)
ありす「この声…」
(ハッピーバースデー ディア ありすちゃん…)
ありす「これって、もしかして…」
(ハッピーバースデートゥーユー!!)
「ありすちゃん、お誕生日おめでとう!!」クラッカ-パン!×4
(照明パッ)
ありす「やっぱり…文香さんに奏さん、飛鳥さんに周子さんじゃないですか!」
文香「ありすちゃんすみません、驚かせるような形になってしまって。プロデューサーさんがこの方が喜ぶというので、つい…」
奏「でも文香、結構楽しそうに準備してたじゃない。クラッカーなんて鳴らすタイプじゃないでしょ、貴女」
文香「か、奏さん」アセアセ
飛鳥「闇の中から生まれるエモーション…プロデューサーは、きっとそれを狙ってたのだろうね」
周子「私は人魂吊るしてひゅ〜どろどろの音楽流したらどうって提案したんだけど、プロデューサーに却下されちゃった」
ありす「それは当然です!」
飛鳥「ボクも同感だね。誕生日というのは祝福するモノであって、驚かせるモノではないだろう」
周子「飛鳥ちゃんの場合、単純に怖いから嫌だったんじゃないん?」
飛鳥「怖い? それはあくまでヒトが発した電気信号を通して生じる感情表現の一種にしか過ぎない。ボクもただ、電気信号に踊らされてるだけの哀れなマリオネットに過ぎないってことさ」
ありす「怖いってことを否定はしないんですね…」
ありす「それより、皆さんわざわざ私のために来てくれたんですか? レッスンやお仕事は…」
奏「そこのプロデューサーさんがあの手この手に裏の手を使って、なんとか調整してくれたみたいよ」
モバP「裏の手ってなんなんだ…。この5人は最近までユニット活動があったから、まだ調整しやすかっただけだよ。まあ、まったく苦労がなかったわけでもないけど」
ありす「Pさん…ありがとうございます」
文香「私からもお礼を言います。プロデューサーさん、本当にありがとうございました」
モバP「いや、パーティーは人が多い方が楽しいしな。後でレッスンや仕事が終わったアイドルも何人か参加してくれるそうだし」
ありす「そ、そんな、私のためにわざわざ時間をとらせるなんて申し訳ないですよ」
文香「ありすちゃん」
ありす「文香さん?」
文香「私は、ありすちゃんの誕生日を心からお祝いしたくてこの場に来ました。奏さんや飛鳥さん、周子さんもおそらく同じ気持ちだと思います」
奏「「おそらく」はいらないわよ、文香」
飛鳥「生まれた時のコトなんて、誰も覚えてなんかない。ボクもそうだし、ありすもそうだろう。でも、ヒトの想いがそれを特別な日にする…まったく、ヒトとは実に不思議なものだよ」
周子「飛鳥ちゃんは相変わらずだねー。でも、文香ちゃんの言う通りだよ。アタシだって、かわいいかわいいありすちゃんをお祝いしたくてここにいるわけだし」
ありす「みなさん…」ウルウル
文香「後から参加される皆さんもそうなのだと思います。みんなありすちゃんの人となりを見て、触れて、心からお祝いしたいと思ったから参加してくれるのだと思います」
文香「だから、ありすちゃん…胸を張って、私たちの気持ちを受け取ってください」ケ-キスッ
ありす「うわぁ、大きなイチゴのケーキ…文香さん、皆さん、本当に、本当にありがとうございます!」
飛鳥「いい光景だね。こういうのも悪くない」
奏「そうね。こういう甘い展開もたまにはいいものね」
周子「来年の2月3日も楽しみだねー」
飛鳥「2月3日…? って、周子さんまさか」
周子「いやー楽しみだねー、飛鳥ちゃんがどういうリアクションしてくれるか」
奏「ええ、そうね。ふふっ」
飛鳥「奏さんまで!?」
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奏「ケーキ、美味しかったわね」
ありす「はい! イチゴの酸味と生クリームの甘さがちょうど良くて…絶品でした」ホワァ
奏「そう、喜んでもらえて良かったわ」
ありす「あのケーキ、もしかして奏さんが買ってきてくれたんですか?」
奏「一応そうだけど…私はケーキにはあまり詳しくないから、フレちゃんに美味しいお店を聞いて、そこのオススメを買ってきたの」
ありす「フレデリカさんが…」
奏「フレちゃんもレッスンが終わったらすぐに来るって言ってたけど」
ありす「嬉しいような、少し怖いような…フレデリカさんのことですから、きっとまたなにか変なこと」
(パッ)
文香「照明が…?」
周子「停電?」
モバP「あれ、おかしいな。最初の演出以外で照明落とす予定はなかったんだが…。みんなここでじっとしててくれ、照明つけてくる」
ありす「は、はい」
ありす(暗くて何も見えない…うぅ、前に皆さんと行ったお化け屋敷のこと思い出しそう)
ありす(で、でもここはお化け屋敷じゃないですし、皆さんもいますから怖くなんて…怖くない…怖く…)
??「あ〜り〜す〜ちゃーん!!」ダキッ
ありす「◯×△□〜〜〜〜〜!!!!!!」
(照明パッ)
モバP「どうしたありす!?」
ありす「フ、フ、フレデリカさん……?」ウルウル
フレデリカ「ボンジュールありすちゃん、遅れちゃったけどボナ二ヴェルセール!(お誕生日おめでとう)」
ありす「し、心臓が止まるかと思いました…。なんなんですかいきなり…デカいゴーグルまでつけて」
フレデリカ「あ、これ? 暗視ゴーグル」
ありす「そんなものまでつけてドッキリしないでください!」
フレデリカ「大丈夫、これは亜季ちゃんに借りたやつだから! タダだよタダ」
ありす「そういう問題じゃありません! せっかくさっきのケーキの話でフレデリカさんを見直しかけてたのに…台無しです」
フレデリカ「んー、あれフレちゃん、もしかして墓穴掘っちゃった?」
奏「ピラミッドクラスの大穴ね」
フレデリカ「そんなー、アタシはただシューコちゃんのプランに乗っただけなのにー!」
ありす「周子さん!?」ギロリ
周子「いやー、ありすちゃんにお化け屋敷でのトラウマを払拭してもらおうと思ったんだけど」
ありす「余計なお世話です! あと橘です!!」プンプン
飛鳥「お姫様は、どうやらご機嫌ナナメになってしまったようだね」
文香「でもありすちゃん…とても生き生きしてるように見えます」
飛鳥「そうだね…ありすと初めて会った時は、子供とはいえクールな子だと思ったものだけど、意外と喜怒哀楽が激しくて驚いたよ」
文香「ありすちゃんはただ、素直なんだと思います。とても純粋で、素直で、高潔な…そんなありすちゃんが私は好きです」
飛鳥「聞いてて少し照れてしまうね。でもまあ、ボクもありすのことは嫌いじゃないさ。たまにゲームのことで話し合ったりもするしね」
文香「ゲーム…ですか。私はその手のことには疎くて」
飛鳥「ありすはなかなかスジがいい。この前、ボクの好きなタイムリープ物のゲームを貸したんだが、数日後ボク宛てにDメールを送ってきた時はココロが少し震えたよ」
文香「Dメール?」
飛鳥「詳しく話すと長くなってしまうから、今度時間ができた時にでもゆっくりと」
ありす「ちょっと飛鳥さん! 今なにか文香さんに変なこと言いませんでしたか!?」
飛鳥「? ボクは何も変なことは言ってないよ。ただ、ありすには『素質』がある、って話をしてただけさ」
ありす「絶対変なこと言ってるじゃないですか! もうー!」
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莉嘉「ありすちゃん!」
みりあ「お誕生日!」
桃華「おめでとうございますわ!」
ありす「莉嘉さんにみりあさんに桃華さん…」
千枝「これ、マーチングバンドのみんなからのプレゼントです、どうぞ」
ありす「千枝さんまで…ありがとうございます」
莉嘉「アタシからはカブトムシのピンバッジだよー!」
奏「ずいぶん年少組が増えて、騒がしくなってきたわね」
モバP「ありすは結構色々な年層のアイドルと仕事してるからな。年上のお姉さんとの仕事もあれば、マーチングバンドで同年代の娘たちと仕事をすることもあるし」
奏「交友関係が広いのは、素直に羨ましいわね」
モバP「お、噂をすれば今度は年上のお姉さんだぞ」
美波「ありすちゃん、お誕生日おめでとう!」
ありす「美波さん! お久しぶりです、ありがとうございます!」
美波「本当は藍子ちゃんに夕美ちゃんも一緒なら良かったんだけど、どうしても外せないお仕事があって…2人とも、すごく残念がってたわ」
ありす「い、いえ、そう思ってくれるだけですごく嬉しいです」
美波「代わりになんだけど、その2人からプレゼントを預かってるの。受け取ってくれないかしら?」
ありす「も、もちろん! これは…シロツメクサの指輪に冠?」
美波「あの2人、ヴァルキュリアの打ち上げでありすちゃんからもらった指輪と冠をすごく気に入ってて、いつかお返ししたいって思ってたみたいなの」
ありす「藍子さん、夕美さん…」
美波「せっかくだし、今つけてみない?」
ありす「は、はい! えへへ…その、似合いますか?」
美波「ええ、もちろん! 天使みたい」
ありす「て、天使、ですか…。嬉しいですけど、いつかは美波さんみたいなクールビューティーな女神様になりたいです」
美波「そう言われるのは照れちゃうけど…ありすちゃんなら、いつかきっと女神様みたいな美しい女性になれると思うわ」
ありす「はい、見ててください!」
モバP「……クール・タチバナ」ボソッ
ありす「だからそれはもう言わないでください!!」
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周子「料理も結構減ってきたねー、おなかすいたーん」
モバP「こんなに人が来るとは思ってなかったからなあ。近くのコンビニにでも行って何か買って」
巴「お、ありすの誕生パーティー会場はここかのう?」
晴「よう橘! 祝いに来たぞ!」
ありす「巴さんに晴さん!」
巴「ありすの誕生パーティーと聞いてな、最高にふさわしい一品を持ってきたんじゃ! おい若の衆、すまんが『アレ』を運んできてくれんか」
ありす「アレ?」
巴「ああ、食べたらほっぺた落ちる例のヤツじゃ!」
周子「へー、食べ物なんだ。そんなに美味しいん?」
巴「ああ、うちもいろんな料理を食うてきたが、アレ以上の料理は食うたことないのう。まさに絶品じゃ」
モバP「(イヤな予感がする…)」
晴「さっすが巴! いいモン持ってくるじゃねえか、なあ橘!」
ありす「え、ええ。あの…できれば晴さん、その、名前で…」
周子「お、いつの間にかテーブルに料理が置かれてるやん。布かけられてるけど」
巴「おお、塩見の姉御、気にせず布はバッとめくってくれ。存分に堪能してくれい!」
周子「えへへ、じゃあ遠慮せずいただきまーす!」バッ
周子「!!!!!」
周子「……巴ちゃん……あの……これ……」
巴「おお、緋牡丹みたいな色で綺麗じゃろう? これが、以前にありすからレシピを教えてもらって、それを基に作った『ありす特製イチゴパスタ』じゃ!」
モバP「(やっぱり…)」
周子「巴ちゃん…その…」
巴「塩見の姉御、腹ぁへっとるんじゃろ? 遠慮せずたいらげてくれや
周子「(フレちゃん、助けて!)」アイコンタクト
フレデリカ「(むーりぃー)」アイコンタクト
周子「(え、ひどくない!?)」
周子「い、いや、やっぱり、一皿しかないんだし、こんな美味しそうなものアタシ一人が食べちゃうのも申し訳ないなーって」
巴「安心せい塩見の姉御、ちゃんと人数分用意してあるけいのう、遠慮せず食うてええぞ!」
一同「!!!!!!!!!!!!」
黒服ズイッ
カチャカチャ(皿を並べる音)
飛鳥「フッ、どうやら、ボク達は今からカタストロフィーを迎えてしまうようだ」
文香「運命とはかくも、残酷なものですね…」
巴「よーしみな、たんと食え!」
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(トイレ)
ありす「(……なんだかさっきからトイレにこもってる人が何人もいるような)」ジャ-
ありす「(そろそろ戻らなきゃ)」フキフキ
(テクテク)
ありす「…あ、Pさん」
モバP「よう、ありす…」ゲッソリ
ありす「大丈夫ですか、顔色が良くないですよ?」
モバP「ああ、イチゴパ…じゃなかった体調を少し崩してな、部屋の外で休んでたんだ」
ありす「じゃあもう帰った方が…」
モバP「いや、だいぶ良くなってきたから大丈夫。何より、パーティー企画者の俺が真っ先に帰るわけにもいかないしな」
ありす「Pさん…あの、本当に今日はありがとうございました。こうして沢山の人に誕生日を祝ってもらえる時が来るなんて夢にも思ってなくて…すごく幸せで、楽しかったです。これも全部、Pさんのおかげです」
モバP「(クビヨコフリ)」
ありす「Pさん?」
モバP「違うよ、俺はきっかけを作っただけだ。あれだけのアイドルが参加してくれたのは、ありすがこれまで歩んできたアイドルとしての軌跡があって、ありすのアイドルとしての姿を、みんなが見てくれてたからじゃないかな」
ありす「私の…アイドルとしての軌跡…」
モバP「ここまで、色んなことがあったよな」
ありす「はい、本当に、本当に色々なことがありましたね。嬉しいこともありましたし、辛いこと、悲しいこともありました。でも私、アイドルになって本当に良かったと思ってます。本当に素敵な、キラキラした想い出がいっぱいできましたから…」
ありす「不思議ですよね。あの日、あの時、あの場所でPさんと私がたまたま出会ってなければ、私はアイドルになることもなかったでしょうし、今こうしてPさんと一緒にいることもなかったわけで」
モバP「……多分、あの日、あの時、あの場所じゃなくても、きっと俺とありすはどこかで出会ってたと思うよ。運命って、そういうもんだ」
ありす「運命、ですか。飛鳥さんみたいなこと言うんですね…でも、いいです。そういうのも素敵だと、今は思えます。昔の自分なら、きっとバカにしてたんでしょうけど」
モバP「…本当、出会った時と変わったよな。表情が柔らかくなったし、感情もすごく出すようになった。それに……とても可愛くなった」
ありす「ーーーー!!!! か、可愛くなんて望んでません! 私が目指すのはあくまでクールなアイドルですから、もう!」カオマッカ
モバP「はは、ゴメンな。そうだ、遅くなったけど、はいこれ」
ありす「これは…プレゼントですか?」
モバP「ああ。誕生日おめでとうな、ありす」
ありす「Pさん……ありがとうございます。あの、開けてみてもいいですか?」
モバP「ああ」
ありす「うわあ、綺麗なリボン…。でも、おかしいですね。このリボン、初めて見るはずなのに、妙な懐かしさを感じます」
モバP「ありす、リボンの色を見て、なにか思い出さないか?」
ありす「色、ですか? 紺色ですよね、これ。この色がなにか……あっ」
ありす「これ……私がデビューした時のドレスと同じ色です。デザインも似てる…」
モバP「懐かしいよな…ありすがデビューした時の衣装。紺色のドレスに星を散りばめたようなデザインで、とても綺麗だった」
ありす「私も、あの衣装は初めての衣装でしたから…すごく想い出深いです」
モバP「あの衣装を見ると、いつも思い出すんだ…ありすと出会った時のこと。さっき、ありすは今日のことを俺に感謝してくれたけど、違うんだ。俺の方が、ありすに本当に色々なものをもらったんだ」
ありす「え?」
モバP「厳しいレッスンに耐えて、デビューして。下積みばかりでなかなか舞台に恵まれなくて辛い時期もあったけど、ありすはずっと諦めなかったよな。いつか、大きなステージで、自分だけの曲を歌うことを」
ありす「…それが、私の夢でしたから」
モバP「だから、ありすがその夢を叶えた時、俺はすごく嬉しかったんだ。この娘のプロデューサーをやってて、本当に良かったって。途中で諦めなくて、本当に良かったって」
ありす「Pさん…」
モバP「だから、あのデザインにしたんだ。ありすと出会えて本当に感謝してるから、ありすに会えて、ありすが初めてアイドルデビューした、あの衣装のデザインのリボンを渡したかったんだ」
ありす「そんな、Pさん……。私の方こそ、Pさんに出会えて、本当に…本当に……」ナミダポロポロ
モバP「ありす…」
ありす「な、泣いてなんかいませんから! 子供じゃありませんし、そんなこと…」メゴシゴシ
モバP「ああ、そうだよな。ありすは強いもんな」
ありす「そ、そうです! そうなんです!」
モバP「…でも、辛い時があれば、いつでも言ってくれよな。俺はありすの担当プロデューサーなんだから。それに……橘ありすの一番そばにいる、一番のファンなんだから」
ありす「……はい、Pさん!」
17:30│橘ありす