2016年09月01日

若林智香「ハッピーサンシャインデー☆」

智香「……」



佐久間まゆ「智香ちゃん。明日ですけど、まだ夏休みですしお仕事もありませんから、一緒におでかけしませんかぁ? ほら、智香ちゃんの誕生日だし……」



智香「……」





まゆ「智香ちゃん?」



智香「え? あ、ごめん、まゆちゃん」



まゆ「どうしたんですかぁ? なんだか元気がないみたいですけどぉ」



智香「うん……夏も、もう終わりだな……って」



まゆ「? それは……そうですけど」



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智香「アタシ……実は、自分の誕生日ってあんまり好きじゃないんだ」



まゆ「ええー? なんでですかぁ」



智香「8月30日って、なんていうか夏が終わっちゃう……そんな空気に満ちてるんだよね。スポーツやその大会や、夏休み……そういうのが全部終わっちゃう……そういう気分になっちゃうんだ」



まゆ「智香ちゃん……」



智香「セミがアブラゼミからツクツクボウシの鳴き声になって……風の空気が涼しくなって……空が高くなって……」



まゆ「……」

智香「あ、で、でもねっ! 大丈夫!! 秋はアタシも大好きだよっ☆ なんたってスポーツの秋だし!!!」



まゆ「そ、そうですよねえ。智香ちゃんの……応援の季節ですよねぇ!」



智香「うんっ☆ だから……ちょっとだけ、今だけは夏のことを……思いだしていたいんだ……ゴメンね」



まゆ「智香ちゃん……」

日野茜「智香ちゃんの気持ち、ちょっとわかります!」



高森藍子「そうよね。なんとなくだけど」



まゆ「そうなんですかぁ?」



茜「涼しくなってすごしやすくなりますけど、なんだかそれが少しだけ残念で!」



藍子「ええ。空が高くなったのもきれいだけど、夏の暑さや入道雲がなくなってしまうのは……ちょっと寂しいですね」



まゆ「まゆは、ちょっとわからなかったんですけど、そういうものなんですかあ」



茜「炎天下の練習とか試合は、それは辛いですけどなんかこう……そう! 一生懸命って気分になるんですよ!!」



藍子「智香ちゃんは、誕生日がいつもそうだから余計にそう感じるのかも知れないですね」

まゆ「まゆ……智香ちゃんとは仲がいいですし、苦手なダンスレッスンにつき合ってもらってりしてるから、なんとか智香ちゃんを元気づけてあげたいんです」



茜「うーん……どうしたらいいんでしょう!?」



藍子「夏を戻すわけにはいかないし……」



まゆ「みんなで騒いだりしたら、どうでしょうねぇ」



茜「そうですね!」



藍子「でも……」



茜「はい!?」

藍子「なんだか落ち込んでいる智香ちゃんに、無理に騒ぐのも気が引けます」



まゆ「うーん……どうしたらいいんでしょう」



茜「まゆちゃん! ここは!!」



まゆ「えぇ?」



藍子「ふふ……あの人に……まゆちゃんが信頼してる、あの人に聞いてみたらどうかしら?」



まゆ「? あ、Pさんですかぁ? そうか……はい、そうしてみますねぇ!」

P「智香が落ち込んでる?」



まゆ「というより、元気がないみたいなんですよぉ。なんでもですねぇ……」



P「そうか……夏も終わりだからな」



まゆ「え? Pさん、理由がわかるんですかぁ!?」



P「智香は、根っからの太陽娘だからな。自分が燃えて、周りを照らして明るくする。そんな智香だから、夏の終わりが人一倍残念なんだろう」



まゆ「そうなんですよぉ! でもPさん、そんなすぐに智香ちゃんのことわかってあげちゃうんですねぇ……」



P「ん? それがどうした?」



まゆ「……なんでもありませぇん」

P「? まゆ、智香なら心配いらない」



まゆ「どうしてですかぁ?」



P「智香は太陽娘だ、その事を思い出させてみんなで祝ってやれば、すぐに元気になる。なにしろ、応援をチカラにする娘だからな」



まゆ「騒いじゃって大丈夫なんですかぁ?」



Pああ。それでな、その時に……」



まゆ「……! わかりましたぁ!!」



P「頼むぞ、まゆ」



まゆ「はぁい。いつも元気にしてもらっているぶん、明日は誕生日の智香ちゃんを、元気にしてあれげちゃいますねぇ」

P「まゆは、いい娘だな」



まゆ「……えっ!?」



P「優しい、友達想いのいい娘だ」



まゆ「Pさぁん……はい!!!////」





翌日







まゆ「智香ちゃぁん! おはようございますぅ!」



智香「……うーん、まゆちゃん?」



まゆ「今日は、いいお天気ですよぉ。さすが智香ちゃんの誕生日ですねぇ!」



智香「……うん。だけど、もう空気も秋に……」



まゆ「問題!」



智香「えっ!?」



まゆ「今日、8月30日はなんの日でしょうか?」

智香「え? うーん……アタシの誕生日っ?」



まゆ「えへへ。ブブー♪」



智香「?」



まゆ「茜ちゃん、藍子ちゃん、お願いしまーす」



茜「はーい! 智香ちゃん、これを見てください!」



藍子「このフリップ……じゃじゃん! 8月30日は……」



智香「?」

ゆ・茜・藍子「ハッピーサンシャインデーでーす!!!」



智香「ハッピー……サンシャインデーっ?」



まゆ「そうですよぉ」



茜「8月30日は、830なので!」



藍子「ハ(8)ッピーサンシャ(30)インの日なんです」



智香「8月30日だから……830で……ハッピーサンシャイン?」



まゆ「智香ちゃん。智香ちゃんは、明るい太陽の日の生まれなんですよぉ」

茜「はい! いつも明るく輝いて!! 私たちを照らしてくれてます!!!」



藍子「夏は過ぎていくかもしれませんけど、太陽はいつだって智香ちゃんの中にあるんです」



智香「ハッピーサンシャイン……明るい太陽……アタシが……」



まゆ「それにもうひとつ」



智香「なあにっ?」



まゆ「8月30日は、次の年までのこり、123日」



茜「おおっ! ワン、ツー、スリー!! ですか!!!」



藍子「智香ちゃんらしい、躍動する日ですね」

智香「みんな……ありがとうっ! アタシ、元気が出てきたよっ☆」



まゆ「智香ちゃん……良かった」



智香「まゆちゃんっ! アタシを心配してくれたんだよねっ!? ありがとうっ☆ もう、大丈夫っ!!!」



茜「智香ちゃんが、自分の中の元気に気づいてくれて良かったです!」



藍子「じゃあ……みんなで、おでかけしましょうか?」



智香「うんっ! 晴れてるんだし、みんなで騒ごうよっ☆」



「「おーーーーーーっっっ!!!」」





お わ り



20:30│若林智香 
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