2016年09月02日
凛「あ、乃々」乃々「凛さん……どうも」
【モバマスSS】です
――――プロダクション、事務室
――――プロダクション、事務室
凛「おつかれ。お仕事終わったところ?」
乃々「はい……キノコさんとまゆさんと一緒にラジオのお仕事をしてきました……あんまり喋れなかったですけど……」
凛「それでも喋ろうとしたってことでしょ? 頑張ってるじゃない」
乃々「何度か凛さんと一緒にお仕事したおかげかもです……それで凛さんも、お仕事終わりですか?」
凛「ううん、私はダンスレッスンしてたんだ。それで卯月と未央に一緒に帰ろうって誘われたから、ここで待とうかなって」
乃々「そうだったんですか……」
凛「そういえば、まゆと輝子は一緒じゃないんだね」
乃々「お二人は……机の下で今日のお仕事の反省会をする時に食べる飲み物と食べ物を買いに……もりくぼは、お留守番……」
凛「反省会も机の下でやるんだ……それにしても乃々の出てるラジオか、聞きたかったな」
乃々「……だったら、来週もまたありますから……その……頑張って喋ってみるので、聞いてみてください……」
凛「……ふふっ、分かった。来週は必ず時間を作って聞いてみるね」ナデナデ
乃々「あ、で、でもやっぱり……無理して聞いてもらわなくても……あぅ…………なんでもないです」
凛「そっか」ニコニコ ナデナデ
乃々「……♪」///
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ガチャ
卯月「凛ちゃん待たせてごめんなさい! やっとボーカルレッスンが終わっ……た、から……?」
まゆ「乃々ちゃんおまたせ。思った以上に買うものがいっぱいになっちゃって……え?」
ドンッ
未央「うわっ!? もー、急に止まらないでよ二人共ー! 一体どうしたって……いう、の……!」
輝子「な、なんだ、どうした……フヒ?」
凛「あ、やっと来た。遅いよ二人共……って、まゆ達も一緒だったんだ」ナデナデ
卯月「は、はい、途中で一緒になったんです……ってそうじゃないですよ凛ちゃん!」
凛「なに?」ナデナデ
まゆ「乃々ちゃんも、そ、それ、な、なに、されて……!」
乃々「なにって……見ての通りですけど……?」
未央「うん、ちょっと待ってしぶりん。一旦手を止めて」
凛「もう、なんなの一体?」
輝子「……あ、あの、凛さん……どうしてボノノさんの頭を」
ガシッ
卯月「どうして撫でてるんですか凛ちゃん!! 乃々ちゃんの、頭を!」
凛「ど、どうしてって……別に卯月にいう必要ある?」
卯月「ガーン!!」ヨロヨロ
まゆ「……乃々ちゃん、どうして凛ちゃんに頭を触られていたんですか? なにか、嫌なことでもされて……」
乃々「ち、違うんですけど……! そういうわけじゃなくて……凛さんは、単にもりくぼをホメてくれてただけで……それで」
未央「それで頭を撫でてたっていうの!? しぶりんが!?」
卯月「う、そ……」
凛「……二人共、私をなんだと思ってるの」
卯月「だ、だって、凛ちゃんですよ!?」
未央「うんうん、しぶりんがあんな優しい笑顔で人の頭撫でるなんて想像出来なかったっ!」
輝子「……確かに、凛さんがそういうことしてるイメージ……あんまりない……」
卯月「ですよね輝子ちゃん!」
乃々「……そうなんですか?」
凛「なんだか皆の印象の中の私は、そうなってるみたい……?」
乃々「でも、凛さん……もりくぼのことはよくホメて撫でてくれますよね……?」
まゆ「え……ということは、乃々ちゃん、頭を撫でられたのはさっきのが初めてじゃないの……?」
乃々「えっと、最初に撫でてもらったのは、凛さんとラジオ番組で一緒になった時で……」
凛「その時は乃々のお仕事終わった後の姿がなんだかハナコみたいに思えちゃって、それで無意識に撫でちゃったんだけど」
乃々「もりくぼも、びっくりはしましたけど……でもすごく気分が落ち着いて……」
凛「私も撫でてすごく気持ちよかったから、それ以来、乃々が頑張ってたら撫でるようになったんだ」
乃々「……おかげで、もりくぼも少しはやる気が出てきたかもです……かもですけど……」
凛「そこは、ちゃんとやる気が出るって言って欲しかったな?」
乃々「あ、え、えと……嘘です、かもじゃないです……! 凛さんが褒めてくることを考えたら……頑張れますから……!」アセアセ
凛「それは良かった」ニコニコ
卯月「……うぅ〜……!」ジーッ
凛「……どうしたの卯月、顔が怖いよ?」
未央「いやー……しぶりん、それはちょっとひどくない?」
凛「え、なにが?」
卯月「私も未央ちゃんもお仕事頑張ってるんですよ! ホメてくれたっていいじゃないですかぁ!」
凛「ええ……」
まゆ「それに、乃々ちゃんはまゆと輝子ちゃんのユニットメンバーなんですよ? 凛ちゃんが褒めてたらまゆ達の立場がないじゃないですかぁ」
乃々「あ、ご、ごめんなさい……」
まゆ「乃々ちゃんが謝る必要はありません。でも、褒めて欲しかったのなら言ってくれれば良かったのに……」
輝子「そ、そうだな……ボノノさんが頑張ってるのは、私達のほうがわかってるはずだし……」
乃々「そ、それは……お二人に褒められるのは恥ずかしくて……」
輝子「なら……どうして凛さんならいいんだ……?」
卯月「そ、そうですよ凛ちゃん! どうして乃々ちゃんが良くて私達のことはホメてくれないんですか!?」
凛「それは……」ジーッ
乃々「ええと……」ジーッ
凛・乃々「「……なんでかな……?」」クビカシゲ
未央「そこ曖昧なのかーい!」
凛「いやでも、未央はともかく卯月はほら、一応年上だから……私が褒めて頭撫でるのって変じゃない?」
卯月「そんなことないですよ!」ウズウズ
凛「うわぁ、なんだかすごい期待した目で見られてる……」
未央「というかしぶりん、今の言い方だと私を褒めることは特に問題ないみたいだねっ♪」
凛「それは言葉のあやで……ああもう」
乃々「凛さん……なんだかもりくぼのせいで面倒なことになって……」
凛「いいよ、乃々のせいじゃないから」
まゆ「そうですよぉ。なので凛ちゃんの問題は凛ちゃんで片付けて下さいね。乃々ちゃんを褒めるのはまゆ達がやりますから」
凛「しょうがない、か……それじゃ乃々……私は二人と話をつけてくるから、乃々はまゆ達とどうするか決めて」
乃々「あ……わかりました……」
卯月「それじゃあ凛ちゃん、私達はあっちでちょっとお話ししましょう!」グイグイ
未央「あんまり悩む必要もないと思うけど!」グイグイ
凛「わかったから引っ張らないでってば」
乃々「……」ガックリ
輝子「……フヒ、ボノノさん……なんだかすまなかったな……」ナデナデ
乃々「いえ、いいんですけど――ってキノコさん、あの……」
輝子「へ、変なこと言っちゃって困らせてるのは分かってるから……その、撫でるってこういう感じでいいのか……?」ナデナデ
乃々「褒めるっていうより……慰めてもらってる気がしますけど……あれ?」クビカシゲ
輝子「フヒッ!? あ、や、やっぱり私なんかがやるのはキモかったか……? ま、まゆさん……!」
乃々「い、いえそういうわけじゃないですけど……!」
乃々(でも、凛さんの時となんだか全然感じが……)
まゆ「……よっぽど凛ちゃんに褒められるのが嬉しかったんですね乃々ちゃん」
乃々「う、嬉しいっていうよりも……その、もりくぼなんかにああいうことをしてくれるのが不思議で……」
まゆ「……よしよし」ナデナデ
乃々「あ……」
まゆ「本当はまゆのほうから気付くべきだったのかもしれません。でもこれからは、まゆ達にも褒めさせてくれませんか?」ナデナデ
まゆ「乃々ちゃんは言葉では逃げたいって、無理って言ってますけど、それでも目標は必ずやり遂げるすごい子だって知ってます」ナデナデ
まゆ「そして何よりまゆと輝子ちゃんにとっては大切な机の下仲間なんですから……ね?」ナデナデ
輝子「そうだぞボノノさん……私達にしてほしいことがあったらちゃんと言ってくれていいんだ……トモダチだからな……」
乃々「まゆさん……キノコさん……」
まゆ「うふふっ……それじゃあ今後の乃々ちゃんにすることも決まった所で、今日のお仕事の反省会もしちゃいましょうか」ナデナデ
まゆ(……それにしても、乃々ちゃんを撫でてると本当に気持ちいいですね……)
輝子「そ、そうだな……せっかく色々買ってきたし、机の下で味わうべきだ……フヒッ……ボノノさんはどれにする?」ガサッ
乃々「え、えっと……それじゃあもりくぼは……」
乃々(……どうしよう、まゆさんに撫でられたことも嬉しいはずなのに……やっぱり凛さんの時とはなにかが違うって……言い出せない……)
まゆ「乃々ちゃん……?」
乃々「はっ……え、えと、あの、もりくぼはシュークリームが食べたいんですけど……!」
輝子「い、いいよ……ボノノさんはシュークリームだな」ガサガサ
乃々(……言い出せないから……言わないでおきます……きっとこれは、気のせいですし……――)
――――凛サイド
未央「そーれーでー?」ウズウズ
卯月「凛ちゃん?」ウズウズ
凛「……はぁ。あの、もう一度だけ確認しておくけど、私に褒められていいの?」
卯月「もちろんです!」
未央「正直なところ、普段のしぶりんとのギャップを考えたら褒められる以外の選択肢が浮かばないっ!」
凛「分かったよ……それで、私のほうで適当にやって問題ないのかな?」
卯月「え、ええと……あっ、だったら今日のボーカルレッスンで、トレーナーさんに発声がよくなってるって言われたんです!」
未央「私もしまむーと同じようなこと言われたから、褒めるならそこを重点的にお願い!」
凛「はいはい、まったく。それじゃあやるよ?」スッ
卯月「あ、未央ちゃんと同時なんですね」
凛「同じ内容なんだから一緒に撫でて褒めたほうがいいでしょ? ――とにかく」ナデナデ
凛「レッスンで発声がよくなってるって言われるなんて、よく頑張ったね二人共」ナデナデ
卯月「ふわぁあ……♪」
未央「こ、これは……!」ビクッ
凛「……」ナデナデ
凛(……なんでだろう、乃々を撫でてた時と随分……気のせい、かな?)ナデナデ
卯月「すごく落ち着きます……///」
未央「ま、まずい……これは非常にまずいよ……! 気持ち良いっ……///」
凛「……コホンッ! はい、おしまい! これで十分でしょ?」カァァ///
未央「えぇー!? も、もっといいじゃん! やってよしぶりーん!」
卯月「り、凛ちゃん……もっと……」ウズウズ
凛「ダメ。今日は帰りにどこか遊びに行くって言ってたんだから、もう行かないと……時間なくなるよ?」
卯月・未央「「でもぉ〜!」」
凛「……次に頼まれた時にはちゃんと褒めてあげるから。それでいいでしょ二人共?」
卯月「本当ですかっ!?」
未央「やったねしまむー!」バッ
卯月「はいっ!」バッ
パチンッ!
凛「ハイタッチまでして……なにがそんなにいいのか分からないけど、とにかく今日はもう行くよ。ほら!」タタッ
卯月「あ、凛ちゃん待ってくださーい!!」タタッ
未央「そんなに照れないでよーっ!」タタッ
凛「照れてないっ!」
凛(……結局乃々を撫でてる時と感覚が違った理由は分からなかった……それにしても、これからしばらく面倒な予感がするな……)
――――4日後、プロダクション、休憩室
加蓮「凛〜、聞いたよ?」
凛「……なにを?」
加蓮「とぼけないでってば。凛に頭を撫でられながらホメてもらうと、すごく元気になるって噂、知ってるでしょ?」
凛「……はぁ」
奈緒「頭を抱えるなって。いいじゃないか、悪い噂ってわけでもないんだし」
凛「その噂のせいでここのところずっと、頭を撫でて欲しいってお願いが来てるんだけど……」
奈緒「凛にねぇ」
凛「ほんとどうして私なのって感じだけど……撫でると実際元気になる人がいるから謎で……」
加蓮「大変そうだね。でもまぁ、そんな凛にお願いがあるんだけど」
凛「……まさか加蓮も頭を撫でて欲しいとか言わないよね?」
加蓮「せいかーい。出来ればホメながら撫でてくれるともっと嬉しいな」
凛「勘弁してよ……今更加蓮を褒めるなんて恥ずかしすぎるってば……」
加蓮「えー、それってもしかして私は褒める所が多すぎるからとか?」
凛「むしろ心配しなきゃいけない所が多すぎるから、そっちのことを言いながら撫でてあげようか?」
奈緒「そうだよな。加蓮はもっとこう――」
加蓮「そ、そういうのはいいってば! まぁ……ホメてくれないならせめて頭撫でてくれてもいいんじゃない?」
凛「それだけならまだいいけど……正直さ、私なんかに頭撫でられて嬉しい?」
加蓮「どういうこと?」
凛「その……プロデューサーや楓さんとか、大人の人によしよしってされるのはまだ分かるんだけど」
加蓮「自分より年下の相手によしよしってされるのは、普通不愉快じゃないかって心配してる?」
凛「うん……」
奈緒「心配するなって! 凛って背が高いだろ? それに大人びてるし、そういった子が相手をホメたりするのがいいんだから!」
凛「そういうものなの?」
奈緒「そういうもんなの!」
加蓮「……あ、もしかして奈緒も凛にホメられたいの?」
奈緒「えっ!? い、いやぁ……あたしは別に、その……」イジイジ
凛「……いいよ。こうなったらもう1人も2人も変わらないし、奈緒もおいで。ほら」チョイチョイ
奈緒「え、いやだからな!? ……ま、まぁ、凛がそこまでいうなら、撫でられてあげるけどさ……」スススッ
加蓮(ちょろい)
凛(ちょろい)
加蓮「ま、ともかくほら、凛」
凛「分かったってば――よしよし」ナデナデ
奈緒「ふぁ……♪」
加蓮「……へえ、これは……」
凛(……二人共触り心地いいんだけど、やっぱりなにかが……乃々と感じが……)ナデナデ
奈緒「……いいなこれ……なんかヤバイ……!」
凛「そう? 奈緒はいい子だね」ナデナデ
奈緒「や、やめろってそういうの……うぅ……凛がお姉ちゃんぽく見える……」ニヘラ
加蓮「奈緒、すごい嬉しそうな顔してるよ」パシャ
奈緒「しょ、しょうがないだろこんな――って加蓮今なにした?」
加蓮「写真撮った」
奈緒「はぁーっ!? なにしてるんだよ!? 消せ、データ消せってば!!」
加蓮「ダメー、ダメダメダメダメ。こんないい表情してる奈緒の写真は消せないって。ねえ凛?」スッ
凛「そうだね。この表情になったのが私が撫でたからってのが微妙なとこだけど……」
加蓮「それだけ凛の手で触られるのが良かったってことだよ。このデータ、凛のスマホにも送っておくね」
凛「ありがと」
奈緒「勝手に拡散するんじゃなーい!?」
加蓮「まぁまぁ」
凛「……あ、そういえば二人共そろそろ次のイベントに向けたレッスンの時間じゃない?」
加蓮「え? ――あ、ほんとだ、もうこんな時間。ほら奈緒、ジタバタしてないで。レッスンルームに行くよ」
奈緒「誰の、誰のせいで! あーもう! あとでちゃんとデータ消してもらうからな! いいな加蓮!」
加蓮「はいはいあとでねー。それじゃ凛、気分よくしてくれてありがと。私達いくね」
凛「うん。頑張って」
奈緒「おい加蓮ほんとに消してくれるんだよな!? プロデューサーさんにその写真送ったりしないよな!?」
加蓮「あ、その手もあったっけ……どうしよっかなー♪」ニヤニヤ
奈緒「ほんとにやめろよ!? おい加蓮、ちゃんと返事しろー!!」ドタバタ
バタンッ!
凛「……ほんと、2人共賑やかなんだから……それにしても」ジーッ
凛(ここ数日色んな人の頭を撫でたけど、あの2人を撫でても乃々を撫でた時以上の気持ちよさはなかった……)グー パー
凛(なにが違うんだろう……私が一番最初に撫でたのが乃々だから? それともハナコに似てるって思ったからとか――)
ガチャ
乃々「ふぇぇ……つ、つかれ、ました……」フラフラ
凛「……あれ、乃々?」
乃々「あ、凛さん……良かったぁ……」フラフラ
凛「ちょ、ちょっと大丈夫? なんだか髪や服が乱れてボロボロって感じになってるけど……」
乃々「こ、ここに来るまでに向井さんや美玲さんや色んな人に撫でられて……もうむぅーりぃー……」ドサッ
凛「……あぁ、そういうことだったんだ。もしかして、乃々も妙な噂が?」
乃々「はい……もりくぼの頭を撫でたら気分がすごく良くなるって噂が広まってるらしくて……うぅ、いぢめですか……」グスッ
凛「やっぱり……それで、そんなボロボロになってるのはどうして?」
乃々「あ、あの……この前のことで輝子さんやまゆさんにも頭を撫でてもらうようになったんですけど……」オジオジ
乃々「でもやっぱり……凛さん以外に撫でられるのはまだどうしても、すごく恥ずかしくて……」
凛「……乃々……」
乃々「だから……他の人に撫でられそうになったら逃げまわってたんですけど……でも、掴まってワシャワシャされて……」
凛「それで、そうなったんだ」
乃々「……(コクン)」
凛「そっか、大変だったね」ナデナデ
乃々「あ……」ビクッ
凛「――ってごめん!? 撫でられるのが嫌で逃げてきたのに、私がこんなことしてたら……」
乃々「い、いえ……! 凛さんなら、別に……構わないんですけど……」
凛「……いいの?」
乃々「あの……へ、変なこと言いますけど……その、さっきも触られて確信しました……もりくぼは凛さんに……」
乃々「凛さんに撫でてもらうのが……一番落ち着くみたいです……すごく安心します……」
凛「え……」
乃々「色んな人に撫でられて……でも、誰に撫でられてもなんだかもりくぼ落ち着かなくて……」
凛「だけど、私が撫でた時だけは大丈夫……ってこと?」
乃々「へ、変ですよね……もりくぼはおかしくなったんでしょうか……?」
凛「……おかしくなんてないよ。だって」ナデナデ
乃々「ん……♪」
凛「私もさ、妙な噂のせいで色んな人の頭を撫でることになっちゃったんだけど、でも、誰の頭を撫でても違うって感じがしてたんだ」
乃々「凛さんも、そんなことが……」
凛「うん。だけど乃々の頭を撫でた瞬間、色々しっくりきたんだよ。すごく気持ちよくて、手に馴染むっていうのかな」
凛「私も、乃々に触ってる時が一番良いみたい。だから、乃々がおかしくなったわけじゃないと思う」ナデナデ
乃々「そうだったんですか……もりくぼは凛さんに撫でられてる時が一番よくて、凛さんももりくぼを撫でてる時が一番よくて……」
乃々「不思議なんですけど……」
凛「ほんと、不思議だね」ニコニコ ナデナデ
乃々「んんっ♪ ――あ、よ、喜んでる場合じゃなかったんですけど……そ、それで凛さん、どうしましょう……」
凛「どうするって?」ナデナデ
乃々「もりくぼは凛さんに撫でられるのはいいですし、凛さんももりくぼを撫でるのはいいとしても、このまま噂が広まり続けたら……」
凛「……あ、そっか。こうして私が乃々を撫でる時間もなくなる可能性があるんだ」ナデナデ
乃々「うぅ……そ、それだけは嫌なんですけど……」
凛「うーん……こうなったら、噂をなくすしかない、のかな……」ナデナデ
乃々「ど、どうやってですか……?」
凛「それは……プロデューサーか、ちひろさんに頼んでみる……とか?」
乃々「や、やっぱりそうなっちゃうんですか……大丈夫でしょうか……?」
凛「まぁ、頼んでみないとそれは分からないよ。でも、悪いことを頼みにいくわけじゃないから、きっと問題ないって」
乃々「そうですよね……」
凛「私は、このままなにもしないで乃々を撫でたり褒めたりする時間がなくなるのは嫌だし、乃々もそうなると嫌でしょ?」
乃々「それは、もちろんですけど……」
凛「だったら今から一緒に頼みに行こう? きっと2人で頼めばなんとかなるから!」
乃々「……はい……!」
――その後無事に頼み事が聞き届けられ、奇妙な噂を消すことに成功した2人は、それから毎日のように
仕事やレッスンが終わった後に会っては、凛が乃々を褒めて撫でるという行為を安心して行い続けるのであった。
〈終〉
22:30│森久保乃々