2016年09月14日

二宮飛鳥「楽園からの帰還」 的場梨沙「おかえりー」

飛鳥(ハワイでの仕事が終わって、日本に戻ってきた)



飛鳥「楽園からの帰還……名残惜しいけれど、この国の空気も悪くない」



飛鳥(事務所へ足を運ぶのも、久しぶりだな……みんなと会うのも)





飛鳥「男子三日会わざれば刮目して見よ、なんて言うけれど。果たして女子はどうなんだろうか」



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ガチャ





飛鳥「おはよう――」





梨沙「ふふん♪ どうよこのセクシーポーズ! やっぱりアタシがセクシー担当!」



心「青い、青いぞ若造☆ 見よ、はぁとのせくしぃポーズ☆ くねくね〜〜」ボイーン



梨沙「くっ……む、胸を揺らすのは反則!」



心「自分の武器を生かさない手はないの♪」



梨沙「〜〜〜! アタシだってあと10年もしたらそのくらいぼんっきゅっぼんになってるもん!」



心「ふはは☆ 遠吠えが心地いいわぁ♪」



梨沙「審査員! 判定は! ハートさんレッドカードで退場でしょ!」キッ



ありす「知りませんよ……」



飛鳥「………」



飛鳥「あぁ、間違いない。ボクは楽園から、俗にまみれた日常へと帰還を果たした」



心「あ、飛鳥ちゃんおかえりー」



ありす「おかえりなさい」



梨沙「あ、おかえりー……ね、飛鳥も反則だと思うでしょ!?」



心「いきなりそんなこと言っても反応できるわけ」



飛鳥「ギルティ」



心「反応するんかいっ!」



梨沙「アタシは信じてたわ! 飛鳥は胸あんまり大きくないもん」



ありす「飛鳥さん……」



飛鳥「……ボクも一瞬で俗にまみれてしまった」





心「それはそれとして……飛鳥ちゃん、ちょっと焼けた?」



飛鳥「あぁ。クリームは念入りに塗ったんだけど、それでもね」



ありす「ハワイの陽射しは強かったようですね」



梨沙「それで、ここの机にさりげなく置いてるこれは? おみやげ?」



飛鳥「イグザクトリィ。キミ達に用意していたぶんだ」



梨沙「やった! ハワイのおみやげ!」



飛鳥「これはご当地のお菓子」



心「わぉ、おいしそう♪」



飛鳥「だいたい悠貴が見繕ってくれたからね。外れはないだろうさ」



梨沙「このキーホルダー、きれいな羽の形してるわね」



飛鳥「それはボクが選んだ」フッ



梨沙「なんでちょっとうれしそうなのよ」



飛鳥「ありすにはハワイの動物図鑑を買ってきた。頼子さんの勧めだ」



ありす「図鑑ですか……いいチョイスです。ありがとうございます」



飛鳥「たまには紙媒体の分厚い本を読むのもいいだろう」



心「ねえ。この細い筒みたいなの、なに?」



飛鳥「水遁の術で使う竹筒。手作りだ」



心「キミらハワイでなにやってたの?」



飛鳥「ハワイでNINJAの誤解を広めることに一役買った。主にあやめが」



梨沙「忍者なら忍びなさいよ……まあ、それはそれとして」



梨沙「モノだけじゃなくて、おみやげ話も聞かせてよね!」



飛鳥「スコールに遭遇した時は、思わずはしゃいでしまったよ。初めて、本物のバケツをひっくり返したような……この星を創り上げた原初の雨を体感したから」



ありす「スコール……映像で見たことはありますけど、実際に体験するとどんな感じなんでしょう」



飛鳥「全てを洗い流され、ボク自身のありのままがさらけ出される気分だった。あれは、よかったな」



ありす「なるほど」



梨沙「なるほど、なの?」



心「風邪ひかなくてよかったね♪」



梨沙「しっかし、ウミガメを探したり、イルカの親子を見たり、溺れかけたり。いろいろあったのね」



飛鳥「後半からの参加だったボクですらこれだ。他の3人は、それこそ数え切れないほどの想い出を作っているだろうね」



ありす「それだけ楽しい旅だったなら、最後の夜は少し寂しかったんじゃないですか?」



飛鳥「あぁ。寂寞を感じなかったと言えば嘘になる。ただ、それを覆いつくせるだけの何かが、あの夜には存在した」





梨沙「それって?」



飛鳥「さあ、うまく言葉では表せないモノさ。Pと二人きりで夜景を眺めたり、砂浜を歩いてみたり……その中で、確かな感動があった」



心「二人きりでハワイの夜景! 砂浜! やーん、スウィーティー☆ はぁともそれやりたーい☆」



梨沙「ハートさん、とりあえず二人きりならなんでもいいとか思ってない?」



心「失礼な! 梨沙ちゃんにはハワイの魅力がわからないのー?」ブーブー



ありす「行ったことあるんですか?」



心「ないけど? ほら、なんかほらロマンチック〜って感じじゃん♪ スウィーティーな夜を過ごせそうな」



ありす「なんて感覚的であいまいな……」



飛鳥「でも、心さんの言う通りかもしれないな。あの島には、不思議な魅力があった」



飛鳥「ボクもいつになく舞い上がってしまってね」



梨沙「舞い上がって?」



飛鳥「光と闇のイルミネイトの中で」



心「中で?」



飛鳥「ふと、隣を歩くPにボクの鼓動を感じてほしくて」



ありす「感じてほしくて」



飛鳥「ボクの胸に、Pの手をそっと……あ」



飛鳥「いや、なんでもない」コホン



梨沙「待ちなさい。なんでもないわけないでしょ」



ありす「胸に手を……飛鳥さん、それは」



心「ギルティ☆」



梨沙「ていうか、恥ずかしくなかったの?」



飛鳥「……ええと」



飛鳥「………」





飛鳥「後から思い返すと、少し……いや、かなり恥ずかしいな……」プイ



ありす「その、かなり恥ずかしいことを実行させるほどの魅力が……」



心「ハワイすげえ」



飛鳥「まあ、あれだ」



飛鳥「あれがギルティだというのなら、楽園で原罪を犯したボクらが、あの場に永遠にとどまれなかったのも必然だったということさ」



梨沙「ただのスケジュールの都合でしょうが」



心「ギルティからつなげたのはうまかったぞ☆」





その後





心「プロデューサー♪」



P「なんです?」



心「目つむって☆」



P「いやです」



心「よーし、そのままじっと……っておい☆ 拒否したら話が先に進まないじゃん!」



P「いやですよ……なんか背後に阿修羅が見えますし」



心「黙ってはぁとの鼓動を感じろ☆ もうすっごいバクバクだぞ触らなきゃ損だぞ!」



心「もうめちゃくちゃバクンバクンしてて前代未聞の事態だから!」



P「病院に行きましょうよ」





ありす「Pさん、Pさん」



P「ありす。どうかしたのか」



ありす「少し、お願いがありまして」



P「ああ、いいぞ。なんだ」



ありす「まぶたをですね。ゆっくりでいいので、下のほうへ下ろしていってもらえると」



P「流行ってるのか、それ?」



心「よし♪ はぁとは左目をヤるからありすちゃんは右目を頼むわ☆」



心「協力プレイが勝敗をわける!」



P「俺はゲームのボスキャラかなにかですか」



ありす「ゲーム……なるほど」



P「ゲームが好きなのは知ってるけど、興味を持つのはやめてくれ」







飛鳥「………」



飛鳥「なんだか、過去を掘り返されているみたいで気恥ずかしいな……」



梨沙「うっかり口を滑らせるからよ」



飛鳥「まったくだ」



飛鳥「女子は三日会わざれど、あまり変わってはいないようだね。ハワイに行く前と同じで、騒がしくて落ち着きがない」



梨沙「ずっとハワイにいたほうがよかった?」



飛鳥「いいや。そんなことはないさ。決してね」



梨沙「なんで?」



飛鳥「楽園もいいけれど……住み慣れた故郷があってこそのモノだから」



飛鳥「甘い果実ばかりをかじっていても、味気がないだろう?」



梨沙「えっと……アンタの考えだと、ハワイが楽園で、甘い果実なのよね。じゃあ、ここは?」



飛鳥「そうだな……たとえるなら」



飛鳥「……スナック菓子?」



梨沙「コンビニの?」



飛鳥「うん。コンビニの」



梨沙「ふふっ、なにそれ。いいのか悪いのかわかんないわよ」



飛鳥「そうかな」



梨沙「……ま、アンタがコンビニ好きってことを知ってれば、ちょっとはわかるかもね!」フフッ



梨沙「あ、そうだ。飛鳥、今度水族館連れて行きなさいよ」



飛鳥「水族館?」



梨沙「アタシもウミガメとかイルカとか見たいの! アンタだけ楽しむなんてずるいし!」



梨沙「ありす、この辺でイルカのショーとかやってる水族館って知らない?」



ありす「任せてください。すでにタブレットで検索済みです」



梨沙「さすがありすね!」



心「あ、水族館ならはぁととプロデューサーも行くぞ☆」



P「え、俺も?」







飛鳥「……ふふ」



飛鳥「やれやれ、仕方がないな。日本のイルカに会うのも、また違った趣があるか」







おしまい





おまけ







飛鳥(ハワイでコナコーヒーをたくさん飲んだおかげで、少しは苦味に慣れることができた)



飛鳥「今のボクは、あの苦味さえ心地いいと感じることができる……」



飛鳥(ちょうど喉も渇いたことだし、そこの自販機でコーヒーを買おう)



飛鳥「さて、この自販機の品ぞろえは……」



飛鳥「………あっ」



飛鳥「………」





ピッ



ガガー、ガタンゴトン



飛鳥「ただいま」



心「飛鳥ちゃんおかえり♪」



心「あ、MAXコーヒー飲んでる! いいなあ、それスウィーティーでおいしいよね♪」



飛鳥「……エデンだ」



心「はぇ?」







おまけおわり





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