2017年01月01日

輝子「芽衣子さんが机の下で体育座りしてる……」


・並木芽衣子さんと星輝子ちゃんのSSです











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〜事務所にて





芽衣子「……」ムスッ



輝子「……」



芽衣子「……」



輝子「あ、あの……お向かいさん……?」



芽衣子「……輝子ちゃん」



輝子「芽衣子さんが、珍しいな……なにかあった……とか?」



芽衣子「……」





輝子「芽衣子さんには、トモダチが世話になってるから……も、もし話してラクになるなら、私が聞くぞ……なんて」



芽衣子「……」



輝子「あ、あああ、むっ、無理に言わなくてもいいんだ……言いたくないことだって、あるしな……」



芽衣子「……」



輝子「でも……いつも元気な芽衣子さんが落ち込んでて……心配、なんだ……」



芽衣子「……」



輝子「私は、ここにいるから……言いたくなったら、いつでも……」



芽衣子「輝子ちゃんっ!」



輝子「フヒィ!」





芽衣子「聞いてよ! プロデューサーが! プロデューサーがねー!」



輝子「あ、あああ」ガクンガクン



芽衣子「もーっ! ほんっとうにさー!」



輝子「ま、待って、めめ芽衣子さんおちついて」ガクンガクン



芽衣子「あっ、ごめん」



輝子「フヒヒ……いいんだ……やっぱり、芽衣子さんはこうじゃないと……」





輝子「あ、あの……」



芽衣子「うん?」



輝子「場所とか……変えなくても……?」



芽衣子「ここで大丈夫だよ。意外といいね、机の下って!」



輝子「私にはちょうどいいけど……芽衣子さんがいいなら……じゃあこれ……」



芽衣子「わっ、キノコ柄のブランケット!」



輝子「ここは寒いから……」



芽衣子「かわいい〜♪」



輝子「色違いのお客様用……お、おそろい、だ…‥」



芽衣子「ありがと、輝子ちゃん♪」





芽衣子「隣行ってもいい?」



輝子「私は大丈夫……狭いかもだけど……」



芽衣子「じゃあおじゃましま〜す♪」



輝子「い、いらっしゃい……飲みものもあるよ……あったかいお茶……」



芽衣子「机の下すごい! 輝子ちゃんの秘密基地だね♪」



輝子「ショウコ・ホシと秘密の部屋……」



芽衣子「ん?」



輝子「な、なんでもない……」





芽衣子「はぁ〜…‥ホッとする〜♪」



輝子「こたつほどじゃないけど……ここもいいところだよ……こたつが一番だけど……」



芽衣子「もしかして、これもキノコとか?」



輝子「いや……これは普通のお茶……キノコ茶は人を選ぶから……」



芽衣子「へぇ〜、いつか飲んでみたいなぁ」



輝子「芽衣子さんって結構……チャレンジャー?」



芽衣子「自分で試してみないと、好きかどうかなんてわからないからねー」



輝子「じゃあ、いいのが入ったら……芽衣子さんに教えるね……フフ……」



芽衣子「あぶない言い方!」





輝子「じゃあ、しゃべりたいときにしゃべってくれたら……」



芽衣子「愚痴ばっかになっちゃうけど、いいの?」



輝子「聞くのは苦手じゃないから……大丈夫……」フンス



芽衣子「ふふ、ありがとっ♪」



輝子「フ、フフ……ど、どんとこい……」





芽衣子「3日前のことなんだけどね」



輝子「う、うん……」



芽衣子「お仕事終わって、美里ちゃん惠ちゃんとご飯食べに行くから事務所待ち合わせにしてたんだー」



輝子「ご飯……うん……」



芽衣子「あっ、今度輝子ちゃんも一緒に行く?」





輝子「えっ、あ、う、い、いいよ……私が行っても、ジメジメするだけだ……キノコにはいいだろうけど……」



芽衣子「じゃあふたりにも連絡しとくね! 今日行くんだ〜」



輝子「う、え、えっ、い、いや、あの……だ、大丈夫……だよ……うん……」



芽衣子「中華なんだけど、辛いのとか大丈夫? 辛くないのもあるけど」



輝子「あ、ああ……へ、平気……だけど……ん、んん〜……」



芽衣子「どうしたの?」



輝子「いや……日本語って、難しい……」



芽衣子「?」



輝子「こっちの話……」





芽衣子「大丈夫だって!」



輝子「返事早い……さすが、リア充……」



芽衣子「そういえば初めてだね? 一緒にご飯行くの」



輝子「あんまり……外で食べないな……」



芽衣子「苦手?」



輝子「外食する友達が……フフ……悲しくなってきた……」



芽衣子「ふたりも楽しみだって〜」



輝子「ちゃんと……普通にしゃべれるかな……あ、黙っとけばいいのか……」



芽衣子「ダメだよ」ズイッ





芽衣子「楽しくご飯は食べなきゃ!」



輝子「わ、私がしゃべったら……」



芽衣子「美里ちゃんも惠ちゃんも、輝子ちゃんとお話したいよ?」



輝子「でも……」



芽衣子「だってもへちまもありません! って言うよね?」



輝子「大丈夫……かな……」



芽衣子「大丈夫! 惠ちゃん、あぁ見えて優しいから!」



輝子「フヒ……それは心配してない……」





芽衣子「私とこうやっておしゃべりできてるんだからイケるイケる♪」



輝子「芽衣子さんがそう言うなら……なんとかなりそう、かな……」



芽衣子「そーそー、芽衣子お姉さんにまっかせなさい!」



輝子「頼もしい……」



芽衣子「大船に乗ったつもりでいて!」





輝子「あ、あの……」



芽衣子「なぁに?」



輝子「本来の目的……」



芽衣子「……」



輝子「……」



芽衣子「……そうだった!」





芽衣子「どこまで言ったっけ?」



輝子「事務所で待ち合わせってとこかな……」



芽衣子「全然進んでなかった!」



輝子「フヒヒ……続きを、どうぞ……」



芽衣子「えーっと、うん、そう。戻ってきたら、ちょうどプロデューサーが席空きで」



輝子「うん……」



芽衣子「机の上に雑誌がまとめてぽんって置いてあったの」



輝子「雑誌……」





芽衣子「プロデューサーもこういうの読むんだなーってペラペラめくってたら」



輝子「めくってたら……?」



芽衣子「ところどころページの角が折られてたの」



輝子「……付箋代わり?」



芽衣子「だね。それはいいんだけど、問題はそこの内容!」



輝子「どんなページに……」





芽衣子「全部がグラビアページで、こう……」



輝子「こう……?」



芽衣子「ぼんっ、きゅっ、ぼんっ」



輝子「ぼんっ、きゅっ、ぼんっ」



芽衣子「そんな子のとこばっかに折り目つけてたの!」





輝子「ぼんっ、きゅっ、ぼんっ……」



芽衣子「私へのあてつけかーってね!」プンプン



輝子「……女子力か」



芽衣子「一冊だけじゃなくて何冊もそうしてたんだよー! セクシーなやつばっかり!」



輝子「……」





輝子「芽衣子さんも、その……ある方じゃないかな……」



芽衣子「私?」



輝子「う、うん……衣装とか、結構……フフ……なんか、私、キモいな……」



芽衣子「でもグラビアの子ほどじゃないし、結構寄せて上げて……ってしてるから」



輝子「寄せて……上げて……」



輝子「……」ペタペタ



輝子「フ、フヒヒ……寄せるものが……なかったな……フフ……泣いてない……」



芽衣子「そして今度は昨日!」





芽衣子「ロケ終わり、プロデューサーに迎えに来たもらったんだけどね」



輝子「仲、良いな……」



芽衣子「車に乗ろうとドア開けたら、助手席のシートに水着写真集だよ、写真集!」



輝子「おぉ……」



芽衣子「冬なのに水着写真集って! しかも露出多いやつっぽかった!」



輝子「季節外れ……あ、南半球なら夏だ……関係ないな……」





芽衣子「その子もおっきくてね、プロデューサーってそういうのがいいんだー、そっかーって」



輝子「私は男じゃないから、わからないけど……うん……」



芽衣子「私だってこれでも大人なんだけどなー」



輝子「芽衣子さんは、芽衣子さんで……魅力がある……とおもう、よ……?」



芽衣子「ありがとっ。そう言ってくれるのは輝子ちゃんだけだよー」



輝子「健康的……? なんて言ったらいいかわからないけど……けっ、結構、ドキドキ……する……」



芽衣子「うぅ〜輝子ちゃん優しい〜」ギュー



輝子「フ、フヒッ」





芽衣子「あの子たちみたいな感じじゃないけど、私だってそこそこ……っておもってたけど、男の人からみたらまだまだなんだろうなーって」



輝子「そ、そうなの、かなぁ……十分、芽衣子さんは柔らかい……あ、いや……い、いいとおもう……私から見ても……」



芽衣子「プロデューサーが鈍いだけだ!」



輝子「そういうことに、なるのか……?」



芽衣子「鈍感プロデューサー!」



輝子「……」





輝子「芽衣子さんも……怒ったり、落ち込んだりするんだな……当たり前だけど……」



芽衣子「うん?」



輝子「いや……いつもニコニコして……ボッチの私には、眩しい人で……」



芽衣子「そう?」



輝子「笑った芽衣子さんしか見たことなかったから……」



芽衣子「うーん、自分じゃよくわからないけど、いつも楽しそうって言われるねっ」



輝子「芽衣子さんのプロデューサーって、すごいんだな……」



芽衣子「どうなんだろ?」



輝子「いろんな芽衣子さんを引き出せる……すごい、よ……?」



芽衣子「んー、プロデューサーのおかげでアイドルが楽しいっていうのは本当かな?」



輝子「そこまで言えるのは、結構すごい……」



芽衣子「私が知らなかった景色を見せてくれた人だからね」



輝子「そう、だな……言われてみれば、親友もそうだ……」



芽衣子「だから輝子ちゃんの言う通りなのかもしれない……けど」



輝子「けど……?」



芽衣子「プロデューサーのせいでこんなことになってるのも事実!」プクー



モバP(※以下表記P)「誰のせいだって?」ニュッ





芽衣子「ひゃあ!」ガンッ



輝子「ヒイッ!」



P「……すまん、お疲れ」



芽衣子「い、いったぁ〜……もーっ! びっくりしたし痛い!」



P「そんなところにいるからだろうよ……星も驚かせてすまんな」



輝子「い、いや……いいんだ……大丈夫……」



惠「……なにやってるの」



美里「キノコごっこぉ?」



芽衣子「輝子ちゃんとおしゃべりしてたのー……うー、こんなところで頭打つなんて久しぶりだよ〜」





P「それで、アイドルが集まってなんだ」



美里「これからみんなでご飯♪」



P「車は出さないぞ」



惠「まだなにも言ってないわよ」



P「伊達にプロデューサーやってないからな」



芽衣子「じゃあ、プロデューサーよろしくぅ♪」



P「話を聞きなさい」





美里「だって、外寒いじゃないですかぁ?」



惠「もう12月も残り半分ね」



輝子「もういくつ寝るとクリスマス……」



芽衣子「風邪もひきやすくなって」



美里「タクシーもお金かかっちゃうしぃ」



P「お前らアイドルだろ……リーマンみたいなこと言うなよ……」



美里「優しい優しいプロデューサーが車を出してくれたら助かるんだけどなぁ♪」





P「星も行くのか?」



芽衣子「行くよ!」



輝子「そ、そういうこと、らしい……」



惠「あら、ちょうどいいところに車のキーが」



P「……もうちょっと自然にできないのか」



惠「ふふ、いいじゃない。たまには」



P「……わかったよ」



芽衣子「やったー♪」





美里「プロデューサーも一緒に食べるぅ?」



P「アイドルだけで楽しみなさい」



惠「遠慮しなくていいのに」



P「俺がいたら悪口言えないだろ?」



芽衣子「そうだね!」



P「……そこは否定しろよ」



芽衣子「てへ♪」





輝子「……」



美里「芽衣子さんと輝子ちゃんは準備準備ぃ♪」



芽衣子「40秒で支度しな!」



惠「あなたはする側でしょう?」



芽衣子「中華ちゅーかー♪」



P「中華か。間中、あまり伊集院に飲ませすぎないようにな」



美里「えぇ〜、ふにゃふにゃになってから本番じゃないですかぁ」



惠「ならないわよ」



P「なるんだよ。大変なんだからな、こっちが。セーブしなさい」





芽衣子「楽しみだねー、ちゅーかちゅーか♪」



輝子「そうだな……フヒ……」



輝子「……」



芽衣子「どうしたの?」



輝子「やっぱり……芽衣子さんのプロデューサーはすごいな……」



芽衣子「?」





おわり





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