2017年02月24日

愛海「あたしも成長したよねー」シュシュッ

モバP「そうだな」



愛海「でしょー?女の子見たって、急に襲いかかることもなくなったし」バッ クルッ



モバP「そりゃ今までが悪すぎたんだろ」





愛海「あー、ひどいよ。担当アイドルが成長したんだよ?もっと喜ぼうよ」ギュンッ



モバP「喜んでるよ、もちろん」



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愛海「ま、成長したのはあたしだけじゃないけどね」グンッ



モバP「だな。乃々だって結構アクションやらされるけど、なんだかんだいって、ちゃんと達成してるからな。な、乃々」



乃々「あぅ……た、助けてくれても、いいと思うんですけど……」



モバP「そうそう、そういや最近晶葉が、紙に録音するっていう謎技術を開発したらしいぞ」



愛海「へー、そりゃまたよく分からない進化だね。何の役に立つんだろ」ビュッ



乃々「無視……いぢめですか……」

モバP「ま、事務所全体がそんな感じなんだから、当然お前も成長してるさ」



愛海「そうでしょそうでしょ?見てよっ、この動きのキレ!」シュババッ



モバP「見てる見てる」



乃々「うぅ……もりくぼはこれからどうなるんですか……むーりぃー……」



モバP「歌は上手くなったし、外見だってさらに魅力的になった。もちろん、ダンスも、な。ポテンシャルは無限大だ」



愛海「へへっー、ちょっと照れるなー」タタッ













モバP「でもさぁ、その能力をそういうことに使うのはどうかと思うんだよ」



愛海「くうぅー!乃々ちゃんやっぱり手強いね!あれだけの会話でもちっとも目をそらさなかったよ!」ヒュンッ



乃々「助けてぇー……」

モバP「大体さぁ、急に襲いかからなくなったって字面はいいけど、要するに獲物をよく観察するようになったってことだろそれ」



愛海「当然っ!討ち取るには隙を探さないとねっ!」ビュッ ポーンッ



モバP「そういう面じゃ何一つ成長してないだろ。むしろ悪化してるな」



愛海「何いってんの。これ以上ない正当な進化だよ」ゴウッ



モバP(まったく……まさかダンスの動きを接近手段に応用してくるとは。しかも日々のレッスンで身体能力が上がってるし。なんて余計な努力をしてくれたんだ)



愛海「くっ……本当に手強い……!さすがプロ内でも随一の反応速度を持つ乃々ちゃん……!」タタッ



乃々「うぅぅ……諦めてくれませんか……」



愛海「それはできないね!あたしのファンの期待のためにも!絶対に乃々ちゃんを沈めてみせるっ!」ストッ



モバP「!?止まった……!乃々っ、何かくるぞ!」



愛海「ファンのみんな……!あたしに、力を!」



【ポテンシャル解放】

キュートイヤリング×90 キュートペンダント×25 魔法の靴×40

魔法のドレス×15 キュートティアラ×1



スピード 6→8



モバP「たしかにポテンシャルは無限大だっていったけどさぁ!それそう使うもんじゃねぇから!」

モバP「というかファンに失礼だろ!ファンの数が増えていくほどより高みに行ける……それはファンがくれた力なんだ!」



愛海「だからこそ!あたしはこの力を使わないといけないんだ!だってっ!」



ファン『俺たちの力を、棟方師匠に預けます!』



ファン『どうか、俺たちの願いを叶えて下さい!』



愛海『み、みんな……!』



ファン『言葉だけでいいんだ……!たった少しの、言葉だけで……!それだけで俺たちは、これからを生きていけるんです……!だから……!』



愛海『……ありがとう!絶対に、次のライブでみんなに届けるよ!一人でも多くの、アイドルたちの、感触を……!』ポロポロ



ファン『『『うおおおおおおおおぉおぉぉぉぉぉぉ!!!』』』



愛海「みんなのためにも、この力は絶対に無駄にしない!だからまずは乃々ちゃん!あなたから仕留めるッ!」ヒュンヒュンッ ババババッ

乃々「動きが見えなくなりましたけど……もりくぼ、大ピンチぃ……」



モバP(くぅ……試作品だが仕方ない……アレを使うぞ晶葉……!)



モバP「乃々!受け取れ!」



乃々「!」パシッ



愛海「な!?ま、まさか、武器を!?」シュババッ タッタタッ



モバP「ああそうだ、アレは晶葉の特注品……!この状況をひっくり返す力を持つものだ!」



愛海「くっ、た、例えどんな武器だったとしても、あたしは屈しないよ!さぁ乃々ちゃん!どこからでもかかってきなさい!」ヒュンヒュンヒュンッ



乃々(ハリセン装備)「……」



愛海「二人して実はあたしをバカにしてるでしょ!」ビュビュッ

愛海「ちょっとプロデューサー!あたしだっていくらなんでもハリセンじゃ怖気付いたりしないよ!早苗さんたちのお仕置きの辛さをナメてんの!?」ババババッ



モバP「おいおい、お前こそ甘く見てるんじゃないのか。俺はアレがこの状況をひっくり返す力を持つといったはずだぞ」



愛海(ううっ、アレはハッタリなの!?それとも本気!?何か、何か突破口は……!)シュシュシュッ



モバP「……」チラッ スッ



愛海(ドアを見た!そして、手には……スマホ!そうか!)ピョンッ ギュンッ



愛海「見破ったよプロデューサー!これは時間稼ぎだ!そのスマホのメールか何かで仲間を呼ぶつもりなんでしょ!つまり、そのハリセンは、ただのハリセン……!いかに晶葉ちゃんの作品といえど、ただの紙なら恐るるに足りない!」タタタタッ ゴウッ



モバP「……!」

愛海(そうと分かってしまえば、もう勝ったも同然!)ポーンッ



乃々「ひぃぇぇ……来ないで下さいぃぃ……」



愛海「問答無用!乃々ちゃん、覚悟ォ!」ギュンッ



乃々「むううぅぅりぃぃぃぃ!!!」ブンッ スカッ



愛海「もらったあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



『きゃああああああぁぁぁ!愛海ちゃんがっ、私に!!誰か、誰か助けてぇぇ!!』ガチャ



愛海「……」



乃々「……」



モバP「……」

愛海「……プロデューサー、これ、何?」



モバP「……大体、正解だったさ。それが、ただの紙だと予想した点を除けば、な」



愛海「え!?」



モバP「俺はさっきいったよな?それは晶葉の作品だって。で、だ。俺はその前に、晶葉がどんなものを開発したっていったっけ?」



愛海「え……ま、まさか」



モバP「ああそうさ、その紙は、あらかじめ悲鳴を録音しておいたものだ。そしてそれを元に作られたのが……」



愛海「乃々ちゃんの、ハリセン……!」



モバP「その通りだ。見た目から油断させ、その真の力によって相手を絶対の敗北に追い込む武器。すなわち、対愛海用小型決戦兵器の試作品、通称『アツミンキラー』だ」



乃々(これ、そんなよく分からないものだったんですか……)

愛海「そ、そんなバカな……たかだかハリセン一つで、あたしが……!」



モバP「まあ気持ちは分かる。でもな、常識を超えたやつを相手にするなら、こっちだって常識の中から飛び出なきゃいけないのさ」



愛海「で、でもっ!あたしはまだ負けてない!だって、まだ援軍は……!?」



早苗「……」



愛海「」



愛海(撤退、不可能……!?)

愛海「え、一体、いつから……」



早苗「あの声が響いた時にはもういたわよ?」



愛海「そ、そんな」



早苗「さて、行きましょうか?」ムンズッ



愛海「あ、あぅ……」



モバP「……少し待ってもらえませんか、早苗さん」



早苗「あら、どうしたのかしら?」



モバP「いえ、いつものようなお仕置きをするべきではないと思ったんです」



愛海(ぷ、プロデューサー!まさか、庇って……!)

早苗「それは情けをかける、ということかしら?」



モバP「愛海はこの前くるみにも襲いかかっていました。その点も考慮すべきです」



早苗「余罪発覚ね。行くわよ」



愛海「嘘ぉ!?この流れで追い打ち!?ううぅ、あたしは、あたしたちは絶対に諦めないからね!いつか、いつかきっと!」



早苗「はいはい、それは向こうで聞かせてもらうわ」



愛海「あああぁぁぁ……」



モバP「……」



乃々「……」



モバP「……お疲れ」



乃々「……はい」

モバP(その後、愛海は次のライブで戦いの結果を涙ながらに報告。ファンたちも号泣、ともに悲しみを分かち合った)



モバP(そして愛海は再起を誓い、再びファンたちと固い絆を結んだ。まあファンと仲がいいことは褒めるべきなんだが。まったく懲りないやつだよ。あいつは今日も自らの野望を達成すべく奮闘している)



モバP(正直なところ、見てる側はすごく面白いんだよなぁ)



愛海「さぁ、観念し……!?あ、早苗さんこれは……そのぅ……ああぁぁぁ!ちょっと待ってぇ!」



モバP(ま、なんだかんだいってみんな楽しそうだし、これはこれでいいかな)



愛海「ご、ごめんなさぁぁぁぁい!!!」



22:30│棟方愛海 
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