2014年06月09日
モバP「花屋の娘」
がたんごとん がたんごとん
P(久々にちひろさんから休みを貰って街に出てみたけど…)
P(久々過ぎて結局何もせずに日が暮れちゃったなー)
P「あーあ」
P(って電車内なのに思わず声出しちまった)
P「……」キョロキョロ
P(つってもこの路面電車、俺以外誰ものってないんじゃないか?)
P(癖で席あいてるのに立ったままだし……)
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P「あっ……夕焼けきれい」
P(また声出ちまった、ま、いいけど……)
次は〜○○〜 ○○〜
P(へー結構、街中なのにこんなところに停まるんだ)
P(……)
P(あそこの花屋の前で植木を持ってる女の子、かわいいな……)
P(せっせと植木を並べてるみたいだけど、女子高生ぐらいだから、花屋の娘さんかな?)
P(あの子をプロデュースしたらどんな感じなんだろ……)
がたんごとん がたんごとん
P「ちひろさん」
ちひろ「なんですか?」
P「プロデューサーって難しいですね」
ちひろ「……そうですね」
P「あいつ、あんなに頑張ってたのに何であのおっさんどもはそれを見てくれないんだろ」
ちひろ「……しょうがないですよ」
P「ちひろさん、俺、あいつになんて声をかければいいと思いますか?」
ちひろ「……あの子もすごい頑張ってましたからね、プロデューサーさんや事務所のみんなのためにって……」
ちひろ「……でもね、プロデューサーさん」
ちひろ「プロデューサーさんが思っているよりもあの子はずっと強い子ですよ」
がたんごとん がたんごとん
閉まる扉にご注意くださいー
P(あっ、花屋の娘さんが遠ざかっていく)
P(『花屋の娘さん』か……)
P(……)
P(なんかきりっとしてた子だったな……)
P(……きりっとした雰囲気)
P(……………凛)
P(あの子のことは凛と呼ぼう)
がたんごとん がたんごとん
凛「ねぇ」
P「なんだ、凛?」
凛「いつまでそんな顔してるつもりなの?」
P「……俺、そんなにひどい顔してたか」
凛「うん、乃々みたい」
P「なんだそれ」クスッ
凛「……プロデューサー、私、この前のオーディションさ」
P「ああ」
凛「絶対に受かると思ってた」
P「俺もだ」
凛「人生で一番ってぐらい頑張ったから」
P「そうだな」
凛「……だからさ、他の子の名前が呼ばれたとき、私、アイドルやめようかと思った」
P「うん」
凛「だってあれだけ頑張っても駄目だったんだからさ、これ以上頑張ってもしょうがないって」
P「どうだろうな」
凛「でも今になって思うんだ、あの時落ちて良かったって」
P「そっか」
凛「うん」
P「なあ、凛、どっかいこうか」
凛「……」
凛「いいよ、どこへいこうか?」
がたんごとん がたんごとん
P(ちっちゃい公園だなー)
P(やっぱこの時間じゃ、誰もいないか)
P(……)
P(公園か……)
がたんごとん がたんごとん
凛「公園なんてほんと久しぶり」
P「ま、最近は忙しかったからな」
凛「ううん、そうじゃなくてさ」
凛「……やっぱこの歳になると公園で遊ぶのってなんか恥ずかしいじゃん」
P「そうか?」
凛「うん」
P「でも凛ぐらいの歳でもカップルとかなら結構、公園にいたりするよな」
凛「……」
凛「そうかもね」
P「ち、ちょっと、り、凛、ま、待てよ!」ハアハア
凛「悔しかったら捕まえてみてよ」
P「お、おっさんの、た、……体力じゃ女子高生……捕まえんのは、む、無理だ」ハアハア
凛「何言ってんのプロデューサー、まだそんな歳じゃないじゃん」
P「ち、ちくしょう……って、凛どっちいった?」キョロキョロ
凛「こっちだよ」バッ
P「うわ、びっくりした!!」ドンッ
凛「あっ」
P「悪い、凛、ぶつかって危なかったから、つい」
凛「女子高生抱きしめるなんて犯罪だよ?」
P「ごめん、すぐ離れるから」
凛「待って!!!」
P「えっ?」
凛「もう少し、…………もう少しこのままでいさせて」ポロポロ
P「……ああ」
凛「プロデューサー、汗っかきだね……」ポロポロ
P「……凛ほどじゃないよ」
P「ブランコっておい……」
凛「いいじゃん、誰もいないんだし」ギーコーギーコー
P「これからの方針について話そうって言ったのは凛だろ?」
P「それならこんなブランコじゃなくてさ……」
凛「私はブランコもいいと思うだけど」
P「いや、お前な……」
凛「そこまで言うなら……わかったよ、プロデューサー、じゃ」
凛「どこへいこうか?」
がたんごとん がたんごとん がたんごとん
次は〜 ○○〜 次は○○〜
P(っと変なこと考えてないで降りなくちゃ)
P(もうすっかり、夜になっちゃったな)
P(結局、事務所に来ちゃったし……)
P(…………レッスン室の明かりまだついてる)
がちゃっ
P「誰だ?もう夜遅いぞ」
凛「あれっ、プロデューサー」
P「なんだ、凛か」
凛「私じゃいけなかった?」
P「別に」
凛「そっか」
P「うん」
P「そういえばな、凛、今日、ある駅前に花屋があるのを見たんだが」
P「そこの店員がな、なんていうかお前そっくりだった」
凛「へー、すごい偶然だね」
P「だからさ、柄にもなく昔のこと思い出してちゃってさ」
凛「そっか」
P「うん」
凛「プロデューサー、お腹すいてない?」
P「実はぺこぺこ」
凛「私もだよ、なんか食べに行こっか?」
P「それいいな」
凛「じゃ、どこへいこうか?」
おわり
08:30│渋谷凛