2013年11月05日
春香「ムラムラするなあ」
律子「集まったわね、みんな」
響「一体どうしたんだ、律子。みんなを休憩室に呼び出したりなんかして」
美希「ふわぁ……ミキ、お昼寝中だったのに……」
響「一体どうしたんだ、律子。みんなを休憩室に呼び出したりなんかして」
美希「ふわぁ……ミキ、お昼寝中だったのに……」
律子「みんなをここに呼び出したのは他でもないわ。最近の休憩室の使い方についてよ」
響「使い方?」
律子「ええ。どうも、あなたたちの中に休憩室の使い方を穿き違えている者がいるようね」
律子「みんな、お気づきかしら。ここ1か月前から、休憩室がイカ臭いことを!」
P「……!」ドキッ
春香「……!」ドキッ
千早「……!」ドキッ
律子「そして、旧ソファーベッドはイカの匂いと謎の染みが着き、その結果、破棄するはめに!」
真「……!」ドキッ
雪歩「……!」ドキッ
真美「……!」ドキッ
律子「さらに、同時期から、トイレットペーパーの消費が早くなっている!」
伊織「……!」ドキッ
あずさ「……!」ドキッ
律子「これらの状況から推測すると、ある一つの真実が導き出される……」
P(……ついにこの時がきたか。覚悟はできている。俺はアイドルたちに手を……)
春香(まずい……いや、逆転の発想よ春香。これは好機!
私とプロデューサーさんの関係を公にすれば美希への牽制に繋がる!)
千早(くっ! 私とプロデューサーの関係がみんなに知れてしまう!
……いえ、逆転の発想よ千早。これを機にプロデューサーと結婚を!)
真(しまったー! ボクとプロデューサーのシークレットラブが! いや、逆転の発想だ真!
この機会を利用してプロデューサーをボクだけの王子様に!)
雪歩(はぅぅ、どうしよう、プロデューサーとの秘密の関係がみんなに知られちゃう!
……ううん、逆転の発想よ雪歩。これを利用してプロデューサーと愛の逃避行に……!)
真美(うあうあ〜! やぱいっしょこれー! 亜美ににーちゃんとの関係がバレちゃうよ〜!
これじゃ本当ににーちゃんが亜美の義兄ちゃんになってしまう!)
伊織(しくじったわ! このスーパーアイドル伊織ちゃんとプロデューサーの関係がみんなに知られてしまったら!
……式はやっぱりグアムかしら? それともハワイ?)
あずさ(ふふ、計算通りだわ。私は今日、幸せの青い鳥を捕まえるわ!)
律子「それは!」
律子「誰かがこの休憩室でイカを食べたということ!」
貴音「なんと!」
律子「それも、かなりのイカ好きね。高頻度でこの休憩室でイカを食べている。そうしなければ、この部屋にイカの匂いが染み付くわけがない」
律子「ソファーベッドの染みはおそらく、イカを食べた時に飛び出てしまった汁ね。それをトイレットペーパーで拭いたのよ」
響「うーん。でも、それだけではトイレットペーパーの減りの早さに説明がつかないと思うぞ」
律子「食べた人間はおっちょこちょいなのよ。毎回、汁を飛び出させてはトイレットペーパーで拭いていたというわけ」
亜美「すごいや、律ちゃん! まるで名探偵!」
やよい「うっうー! 律子さん、すごいですー!」
律子「こ、これくらいどうってことはないわ///」
P「……」
春香「……」
千早「……」
律子「む。なによ、アンタたち。その温かい眼差しは」
真「いやあ……」
雪歩「別に……」
美希「それで誰が犯人なの?」
律子「……残念ながら、犯人まではわからないわ」
真美(わからないのかYO!)
律子「だけど私は始めから犯人捜しをするつもりはなかったの」
律子「私がいいたいことは、休憩室に匂いが染み付くほどの食べ物を持ち出すなってこと!」
律子「休憩室はみんなが使う場所よ! こんなにイカ臭いと、おちおち休むこともできないじゃない!」
律子「エチケットを守りなさい! マナーを守りなさい!」
律子「それにアンタたちはアイドルよ。人の好みにとやかくいうつもりはないけど、
食べ過ぎで身体がイカくさくでもなったら、アイドルとしてのイメージダウンは避けられない!」
律子「今や765プロは一流のアイドル事務所! そこに在籍する以上、もっとプロとしての自覚を持ちなさい!」
貴音「律子嬢のいうとおりです。わたくしたちはさらなる高みを目指さなければならない身
あいどるとして、一人の人間として、もっと礼儀作法を重んじる必要がありますね」
伊織「そうね。まったくもって、律子のいうとおりだわ(律子って意外と……)」
あずさ「ええ。肝に銘じましょう。休憩室はみんなの憩いの場ですものね(律子さんってやっぱり……)」
律子「わかればよろしい! では解散!」
ゾロゾロ……
小鳥「律子さんってピュアなんですね……」
律子「え?」
P「……」 カタカタ
P「ふう……」
P(あれから数日が経った。律子の説教が効いたのか、今のところアイドルからの誘惑もなく、穏やかな日々を過ごせている)
P(このまま、なにもなければいいのだが)
春香「プロデューサーさん、一休みですか? だったら一緒に休憩室に行きませんか?」
P(そんなことはなかった……)
P「コホン。春香、休憩室は…あれだろ? ほら……イカ、食べられなくなっちゃったから、その、行く意味がなくなったというか……」
春香「おかしなこといいますね、プロデューサーさん。私たちはいつ、イカなんて食べました?」
春香「それにぃ、もし、食べるにしてもぉ、匂いや染みを着けずに食べる方法なんていくらでもあるでしょ?」サワッ
P「あっ……」ピクッ
春香「そんな可愛い声出して、本当はプロデューサーさんも休憩室に行きたいんでしょ?」サワサワ
P「……うっ」
ガチャッ……バタン……カチッ
「…んっ……あっ」
「…いい………あぁ…いい…!」
「んふっ…あん……そ、そこいい!」
―28分後
春香「ふぅ」テカテカ
春香「ほらね、プロデューサーさん。匂いも染みも着いてにでしょ?」
春香「これならまた休憩室を安心して使えますね」
春香「それじゃあ私、収録に行ってきます」チュッ
P「……」
ガチャッ……バタン
美希「……」
美希「…………この泥棒猫。なの」
貴音「性欲を持て余します」
P「ブホォッ!!」
貴音「!」
貴音「あなた様、急に噴き出されて、どうなされましたか」
P「ゲホッ、ゲホッ。そ、それはこっちの台詞だ、貴音。突然、なんてことをいい出すんだ……」
貴音「なんと! 申し訳ありません。わたくしとしたことが、思っていたことがそのまま口に出てしまいました」
貴音「あなた様、今の失言、どうか忘れていただけませんか」
P「あ、ああ。それはもちろん……」
P(まさか、貴音まで休憩室とかいい出すんじゃないだろうな?)
P(……念のため、事務所から避難しておくか)
P「お、俺ちょっくらコンビニ行ってくるわ」フラッ
P(うっ、さっきのあずささんの時の、疲労がまだ……足腰に!)ガクッ
貴音「!」
貴音「あなた様、大丈夫ですか?」
P「あ、ああ。すまん。ちょっと貧血起こしたみたいだ。もう大丈夫」
貴音「いいえ、あなた様。少し横になった方がいいです。休憩室に行きましょう」
P「!」
P「だ、ダメだ! それはまずい!」
貴音「……まずいとは?」
P「い、いや、それは……」
貴音「……とにかく参りましょう。このような事態のための休憩室です。さあ、わたくしに掴まってください」スルッ
P(う、貴音の胸が……)ムニュッ
ガチャッ……バタン……カチッ
「……」
「…………」
「………………」
「……ん…あなた様……美味しゅうございます………」
―245分後
P「はっ!」
貴音「お目覚めになりましたか、あなた様」
P「……俺、眠ってたのか」
貴音「それはもう、気持ちよさそうに。大分疲れが溜まっていたみたいですね」
P(貴音の膝枕……)
P「……膝借りてすまなかったな。脚、痺れたろ」
貴音「いいえ。あなた様が少しでも安らげるのであれば、これしきのこと」
P「そ、そうか」
P「……」
P(あれは夢だったのだろうか……)
貴音「どうされました、あなた様」
P「あっ、いや、なんでもない///」
P(それにしても、なんて夢を見たんだ俺は。
あんなにアイドルたちに手を出しておきながら、貴音にまであんなことする夢を見るとは……)
貴音「くすっ、どうやら、まだ惚けているようですね」
P「いやあ、はは。おっと、俺4時間も寝てたのか。10分後には会議だ」
P「ありがとな、貴音。久しぶりにぐっすり眠れたような気がするよ」
貴音「それはなによりです」
ガチャッ……バタン
貴音「ふふ、わたくしも夢のようなひと時を味わえましたよ、あなた様」
春香「プロデューサーさん、休憩室ですよ! 休憩室!」
P「……ああ、わかった、休憩室ね」
千早「プロデューサー、ちょっと曲について相談したいことが。休憩室で」
P「……ああ、うん。休憩室でね」
真「プロデューサー! 一緒にストレッチしませんか? 休憩室で」
P「……ああ、いいよ。休憩室ね」
真美「にーちゃーん、遊んでー? 休憩室で」
P「……ああ、そんじゃ軽く遊ぶか、休憩室で」
響「プロデューサー! 自分、サーターアンダギー作ってきたんだ! よかったら食べて!」
P「おっ、すごく美味そうじゃないか! いただきまーす! 美味い! さすがは響! 響はなにやっても完璧だな! あっはっは!」
雪歩「プロデューサー、また新しいブレンド茶を淹れたんです。休憩室で飲みませんか」
P「……ああ、飲もうか。休憩室で」
亜美「にーちゃん! 一緒にゴッドイーター2やろうぜー!」
P「そうだな。ちょっと時間空いてるし。よし、今度こそあいつを一緒に倒すか!」
やよい「プロデュ―サー! 今日、一緒に家でもやしパーティーやりませんか!」
P「おう! 久しぶりにやよいの弟たちにも会いたいしな! どれ、おみやげにケーキでも買っていくか!」
伊織「ちょっとプロデューサー! 休憩室に来なさいよ!」
P「……はい、かしこまりました、お嬢様」
あずさ「プロデューサーさーん」
P「休憩室ですね」
小鳥「プロデューサーさん! こ、こ、今夜、私と! …………また、飲みに行きませんか」
P「ぜひ喜んで。あ、今度は俺が見つけた店でもいいですか? そこのもつ鍋が格別で」
律子「プロデューサー、次のライブのことで相談したいことが」
P「ああ、俺もちょうど今、そのことについて律子に話したいことが……」
貴音「あなた様、少し休まれてはどうですか? また、膝をお貸ししますよ」
P「い、いや。膝枕はちょっと…嬉しいけど、俺が恥ずかしいから///」
美希「……」
美希(この数日間、お昼寝を我慢してハニーを余すことなく観察した結果……)
美希(ハニーをたぶらかす悪い猫は春香だけじゃないってことがわかったの)
美希(春香に千早さん、真くんに雪歩、真美にデコちゃん、それからあずさ。貴音は……グレーって感じ?)
美希(きっと、みんなしてハニーの優しさにつけこんで、断れない性格を利用して、
休憩室のソファーベッドで、あんな、あんな……!)
美希(許せないの。ハニーの初めての人は美希のはずだったのに……!)
美希(美希がお昼寝なんかしていたばっかりに、ハニーを守ることができなかった)
美希「ぐぬぬ。なの」
美希(美希も、うかうかしてられないって感じ。こうなったら……)
美希「美希、エッチな気分って感じ!」
P「……」
美希「……」
美希「……聞こえたハニー?」
P「ああ。聞こえてるよ。そんな大きな声で高らかに宣言されれば」
美希「そ、そう……」
美希「……はっ」
美希「あ、あのね、美希、今すっごくエッチな気分なの!
だからー、今ならハニーになにをされてもー……全然いやじゃないよ?」
P「お前、基本、俺にならなにをされてもいいって、いつもいってるぞ」
美希(そのとおりだったの……)
美希「……ハニー! じゃあ、美希と休憩室のソファーベッドで×××しよっ!」
P「ど直球だな、お前……」
美希「じ、じゃあ、美希の家に行く? そっちの方が思う存分やれる?」
P「そっちの方が危険極まりないだろ」
美希「もーっ! ハニーはわがままなの! だったら、どこならいいわけ?」
P「あのな、場所の問題じゃなくてだな。俺と美希の間には、立場や年齢や法だったり、色んな壁が」
美希「そんなこと聞きたくないの! 美希はハニーと×××がしたいの!!!」
P「こ、こら美希! そんな大声でいったら周りに聴こえ……」
美希「美希は本気なの! ハニーが『うん』というまで何度だっていってやるの!」
美希(そうなの、誰が春香なんかにハニーを!)
美希「美希はハニーと――!」
P「……わかったよ、美希」
美希「は、ハニー……!」
P「いいよ。美希」
美希「アハッ! じゃあ、すぐに始めるの! これから休憩室のソファーベッドで二人の愛をじっくり確かめ合うの!」
P「お、おい、そんなに引っ張るなって」
P(……ああ、ついにこの時が来たか)
P(春香や千早が俺を襲うのに、美希がなにもしてこないってのはありえないよな)
P(美希は外見とは裏腹に性格は純真なところもあるから、そこに期待していたんだけどな……)
ガチャッ……バタン……カチッ
ドサッ
美希(くっくっく。なの。ついにハニーを休憩室に連れ込むことに成功したの!)
美希(ああ、こうやって間近で見ると、やっぱりハニーってかっこいい……)
P「……」
美希「ハニー。美希、初めてだから優しくしてね?」
P「……ああ」
美希「……」
美希「!」
美希(え、ハニー? どうしてそんな悲しそうな顔をするの?)
〜脳内の美希のみなさんたち〜
美希1『どういうことなの? もしかして、美希とじゃ、いやなの?』
美希2『まさか、美希よりも春香がいいわけ?』
美希3『待ってほしいの! それよりも、本当にこれでいいの?』
美希4『なにが?』
美希3『美希はこんな形でハニーと結ばれて本当に嬉しいの?』
美希5『それは……』
美希6『だって、もたもたしてると春香たちにハニーを奪われちゃうよ!』
美希7『でも、こんなハニーの気持ちを無視したやり方で、美希はそれで満足できるの?』
美希8『……』
美希9『美希、こういうことをするのは、ちゃんとハニーと恋人同士になってからの方がいいって思うな』
美希10『それに、こういうのって早いとか遅いとかじゃないの。美希とハニーの気持ちが一番大事なの』
美希11『……それは、そうだけど』
美希12『大丈夫、美希が春香や千早さんに負けるはずがないでしょ』
美希13『だって、美希が一番、ハニーを愛しているもの!』
ポタ…ポタ…
P「……美希? 泣いてるのか」
美希「ごめんなさい、ハニー。美希…美希、間違ってた」
美希「美希、こんなやり方でハニーと結ばれたくなんかない!」
P「美希……」
美希「だって、美希はハニーが大好きなんだもん!」
美希「うわーん!!」
P「……よしよし。美希はいい子だな」
――数日後
春香「プロデューサーさん、休憩室で一緒に休みませんか」
P「ん? ああ、いいよ」
ガチャッ……バタン
美希「zzz」
春香「あれ? なんで美希がここで寝てるの?」
P「あちゃー、美希が休憩室のソファーベッドを占領してるのか。これじゃ、休めないな」
春香「えっ、そんな!」
P「美希を起こすのも可哀相だし、やっぱり休憩室で休むのはやめよう」
春香「なっ!」
P「おーい、亜美。一緒にゴッドイーター2やろうぜー」
亜美「おっしゃー!」
春香「ちょっと、えっ、待ってください! プロデューサーさーん! カム・プリーズ!」
こうして、美希が休憩室のソファーベッドを占領したことによって
プロデューサーとアイドルの秘密の休息は自然消滅したのでした
めでたしめでたし
〜おわった〜
響「使い方?」
律子「ええ。どうも、あなたたちの中に休憩室の使い方を穿き違えている者がいるようね」
律子「みんな、お気づきかしら。ここ1か月前から、休憩室がイカ臭いことを!」
P「……!」ドキッ
春香「……!」ドキッ
千早「……!」ドキッ
律子「そして、旧ソファーベッドはイカの匂いと謎の染みが着き、その結果、破棄するはめに!」
真「……!」ドキッ
雪歩「……!」ドキッ
真美「……!」ドキッ
律子「さらに、同時期から、トイレットペーパーの消費が早くなっている!」
伊織「……!」ドキッ
あずさ「……!」ドキッ
律子「これらの状況から推測すると、ある一つの真実が導き出される……」
P(……ついにこの時がきたか。覚悟はできている。俺はアイドルたちに手を……)
春香(まずい……いや、逆転の発想よ春香。これは好機!
私とプロデューサーさんの関係を公にすれば美希への牽制に繋がる!)
千早(くっ! 私とプロデューサーの関係がみんなに知れてしまう!
……いえ、逆転の発想よ千早。これを機にプロデューサーと結婚を!)
真(しまったー! ボクとプロデューサーのシークレットラブが! いや、逆転の発想だ真!
この機会を利用してプロデューサーをボクだけの王子様に!)
雪歩(はぅぅ、どうしよう、プロデューサーとの秘密の関係がみんなに知られちゃう!
……ううん、逆転の発想よ雪歩。これを利用してプロデューサーと愛の逃避行に……!)
真美(うあうあ〜! やぱいっしょこれー! 亜美ににーちゃんとの関係がバレちゃうよ〜!
これじゃ本当ににーちゃんが亜美の義兄ちゃんになってしまう!)
伊織(しくじったわ! このスーパーアイドル伊織ちゃんとプロデューサーの関係がみんなに知られてしまったら!
……式はやっぱりグアムかしら? それともハワイ?)
あずさ(ふふ、計算通りだわ。私は今日、幸せの青い鳥を捕まえるわ!)
律子「それは!」
律子「誰かがこの休憩室でイカを食べたということ!」
貴音「なんと!」
律子「それも、かなりのイカ好きね。高頻度でこの休憩室でイカを食べている。そうしなければ、この部屋にイカの匂いが染み付くわけがない」
律子「ソファーベッドの染みはおそらく、イカを食べた時に飛び出てしまった汁ね。それをトイレットペーパーで拭いたのよ」
響「うーん。でも、それだけではトイレットペーパーの減りの早さに説明がつかないと思うぞ」
律子「食べた人間はおっちょこちょいなのよ。毎回、汁を飛び出させてはトイレットペーパーで拭いていたというわけ」
亜美「すごいや、律ちゃん! まるで名探偵!」
やよい「うっうー! 律子さん、すごいですー!」
律子「こ、これくらいどうってことはないわ///」
P「……」
春香「……」
千早「……」
律子「む。なによ、アンタたち。その温かい眼差しは」
真「いやあ……」
雪歩「別に……」
美希「それで誰が犯人なの?」
律子「……残念ながら、犯人まではわからないわ」
真美(わからないのかYO!)
律子「だけど私は始めから犯人捜しをするつもりはなかったの」
律子「私がいいたいことは、休憩室に匂いが染み付くほどの食べ物を持ち出すなってこと!」
律子「休憩室はみんなが使う場所よ! こんなにイカ臭いと、おちおち休むこともできないじゃない!」
律子「エチケットを守りなさい! マナーを守りなさい!」
律子「それにアンタたちはアイドルよ。人の好みにとやかくいうつもりはないけど、
食べ過ぎで身体がイカくさくでもなったら、アイドルとしてのイメージダウンは避けられない!」
律子「今や765プロは一流のアイドル事務所! そこに在籍する以上、もっとプロとしての自覚を持ちなさい!」
貴音「律子嬢のいうとおりです。わたくしたちはさらなる高みを目指さなければならない身
あいどるとして、一人の人間として、もっと礼儀作法を重んじる必要がありますね」
伊織「そうね。まったくもって、律子のいうとおりだわ(律子って意外と……)」
あずさ「ええ。肝に銘じましょう。休憩室はみんなの憩いの場ですものね(律子さんってやっぱり……)」
律子「わかればよろしい! では解散!」
ゾロゾロ……
小鳥「律子さんってピュアなんですね……」
律子「え?」
P「……」 カタカタ
P「ふう……」
P(あれから数日が経った。律子の説教が効いたのか、今のところアイドルからの誘惑もなく、穏やかな日々を過ごせている)
P(このまま、なにもなければいいのだが)
春香「プロデューサーさん、一休みですか? だったら一緒に休憩室に行きませんか?」
P(そんなことはなかった……)
P「コホン。春香、休憩室は…あれだろ? ほら……イカ、食べられなくなっちゃったから、その、行く意味がなくなったというか……」
春香「おかしなこといいますね、プロデューサーさん。私たちはいつ、イカなんて食べました?」
春香「それにぃ、もし、食べるにしてもぉ、匂いや染みを着けずに食べる方法なんていくらでもあるでしょ?」サワッ
P「あっ……」ピクッ
春香「そんな可愛い声出して、本当はプロデューサーさんも休憩室に行きたいんでしょ?」サワサワ
P「……うっ」
ガチャッ……バタン……カチッ
「…んっ……あっ」
「…いい………あぁ…いい…!」
「んふっ…あん……そ、そこいい!」
―28分後
春香「ふぅ」テカテカ
春香「ほらね、プロデューサーさん。匂いも染みも着いてにでしょ?」
春香「これならまた休憩室を安心して使えますね」
春香「それじゃあ私、収録に行ってきます」チュッ
P「……」
ガチャッ……バタン
美希「……」
美希「…………この泥棒猫。なの」
貴音「性欲を持て余します」
P「ブホォッ!!」
貴音「!」
貴音「あなた様、急に噴き出されて、どうなされましたか」
P「ゲホッ、ゲホッ。そ、それはこっちの台詞だ、貴音。突然、なんてことをいい出すんだ……」
貴音「なんと! 申し訳ありません。わたくしとしたことが、思っていたことがそのまま口に出てしまいました」
貴音「あなた様、今の失言、どうか忘れていただけませんか」
P「あ、ああ。それはもちろん……」
P(まさか、貴音まで休憩室とかいい出すんじゃないだろうな?)
P(……念のため、事務所から避難しておくか)
P「お、俺ちょっくらコンビニ行ってくるわ」フラッ
P(うっ、さっきのあずささんの時の、疲労がまだ……足腰に!)ガクッ
貴音「!」
貴音「あなた様、大丈夫ですか?」
P「あ、ああ。すまん。ちょっと貧血起こしたみたいだ。もう大丈夫」
貴音「いいえ、あなた様。少し横になった方がいいです。休憩室に行きましょう」
P「!」
P「だ、ダメだ! それはまずい!」
貴音「……まずいとは?」
P「い、いや、それは……」
貴音「……とにかく参りましょう。このような事態のための休憩室です。さあ、わたくしに掴まってください」スルッ
P(う、貴音の胸が……)ムニュッ
ガチャッ……バタン……カチッ
「……」
「…………」
「………………」
「……ん…あなた様……美味しゅうございます………」
―245分後
P「はっ!」
貴音「お目覚めになりましたか、あなた様」
P「……俺、眠ってたのか」
貴音「それはもう、気持ちよさそうに。大分疲れが溜まっていたみたいですね」
P(貴音の膝枕……)
P「……膝借りてすまなかったな。脚、痺れたろ」
貴音「いいえ。あなた様が少しでも安らげるのであれば、これしきのこと」
P「そ、そうか」
P「……」
P(あれは夢だったのだろうか……)
貴音「どうされました、あなた様」
P「あっ、いや、なんでもない///」
P(それにしても、なんて夢を見たんだ俺は。
あんなにアイドルたちに手を出しておきながら、貴音にまであんなことする夢を見るとは……)
貴音「くすっ、どうやら、まだ惚けているようですね」
P「いやあ、はは。おっと、俺4時間も寝てたのか。10分後には会議だ」
P「ありがとな、貴音。久しぶりにぐっすり眠れたような気がするよ」
貴音「それはなによりです」
ガチャッ……バタン
貴音「ふふ、わたくしも夢のようなひと時を味わえましたよ、あなた様」
春香「プロデューサーさん、休憩室ですよ! 休憩室!」
P「……ああ、わかった、休憩室ね」
千早「プロデューサー、ちょっと曲について相談したいことが。休憩室で」
P「……ああ、うん。休憩室でね」
真「プロデューサー! 一緒にストレッチしませんか? 休憩室で」
P「……ああ、いいよ。休憩室ね」
真美「にーちゃーん、遊んでー? 休憩室で」
P「……ああ、そんじゃ軽く遊ぶか、休憩室で」
響「プロデューサー! 自分、サーターアンダギー作ってきたんだ! よかったら食べて!」
P「おっ、すごく美味そうじゃないか! いただきまーす! 美味い! さすがは響! 響はなにやっても完璧だな! あっはっは!」
雪歩「プロデューサー、また新しいブレンド茶を淹れたんです。休憩室で飲みませんか」
P「……ああ、飲もうか。休憩室で」
亜美「にーちゃん! 一緒にゴッドイーター2やろうぜー!」
P「そうだな。ちょっと時間空いてるし。よし、今度こそあいつを一緒に倒すか!」
やよい「プロデュ―サー! 今日、一緒に家でもやしパーティーやりませんか!」
P「おう! 久しぶりにやよいの弟たちにも会いたいしな! どれ、おみやげにケーキでも買っていくか!」
伊織「ちょっとプロデューサー! 休憩室に来なさいよ!」
P「……はい、かしこまりました、お嬢様」
あずさ「プロデューサーさーん」
P「休憩室ですね」
小鳥「プロデューサーさん! こ、こ、今夜、私と! …………また、飲みに行きませんか」
P「ぜひ喜んで。あ、今度は俺が見つけた店でもいいですか? そこのもつ鍋が格別で」
律子「プロデューサー、次のライブのことで相談したいことが」
P「ああ、俺もちょうど今、そのことについて律子に話したいことが……」
貴音「あなた様、少し休まれてはどうですか? また、膝をお貸ししますよ」
P「い、いや。膝枕はちょっと…嬉しいけど、俺が恥ずかしいから///」
美希「……」
美希(この数日間、お昼寝を我慢してハニーを余すことなく観察した結果……)
美希(ハニーをたぶらかす悪い猫は春香だけじゃないってことがわかったの)
美希(春香に千早さん、真くんに雪歩、真美にデコちゃん、それからあずさ。貴音は……グレーって感じ?)
美希(きっと、みんなしてハニーの優しさにつけこんで、断れない性格を利用して、
休憩室のソファーベッドで、あんな、あんな……!)
美希(許せないの。ハニーの初めての人は美希のはずだったのに……!)
美希(美希がお昼寝なんかしていたばっかりに、ハニーを守ることができなかった)
美希「ぐぬぬ。なの」
美希(美希も、うかうかしてられないって感じ。こうなったら……)
美希「美希、エッチな気分って感じ!」
P「……」
美希「……」
美希「……聞こえたハニー?」
P「ああ。聞こえてるよ。そんな大きな声で高らかに宣言されれば」
美希「そ、そう……」
美希「……はっ」
美希「あ、あのね、美希、今すっごくエッチな気分なの!
だからー、今ならハニーになにをされてもー……全然いやじゃないよ?」
P「お前、基本、俺にならなにをされてもいいって、いつもいってるぞ」
美希(そのとおりだったの……)
美希「……ハニー! じゃあ、美希と休憩室のソファーベッドで×××しよっ!」
P「ど直球だな、お前……」
美希「じ、じゃあ、美希の家に行く? そっちの方が思う存分やれる?」
P「そっちの方が危険極まりないだろ」
美希「もーっ! ハニーはわがままなの! だったら、どこならいいわけ?」
P「あのな、場所の問題じゃなくてだな。俺と美希の間には、立場や年齢や法だったり、色んな壁が」
美希「そんなこと聞きたくないの! 美希はハニーと×××がしたいの!!!」
P「こ、こら美希! そんな大声でいったら周りに聴こえ……」
美希「美希は本気なの! ハニーが『うん』というまで何度だっていってやるの!」
美希(そうなの、誰が春香なんかにハニーを!)
美希「美希はハニーと――!」
P「……わかったよ、美希」
美希「は、ハニー……!」
P「いいよ。美希」
美希「アハッ! じゃあ、すぐに始めるの! これから休憩室のソファーベッドで二人の愛をじっくり確かめ合うの!」
P「お、おい、そんなに引っ張るなって」
P(……ああ、ついにこの時が来たか)
P(春香や千早が俺を襲うのに、美希がなにもしてこないってのはありえないよな)
P(美希は外見とは裏腹に性格は純真なところもあるから、そこに期待していたんだけどな……)
ガチャッ……バタン……カチッ
ドサッ
美希(くっくっく。なの。ついにハニーを休憩室に連れ込むことに成功したの!)
美希(ああ、こうやって間近で見ると、やっぱりハニーってかっこいい……)
P「……」
美希「ハニー。美希、初めてだから優しくしてね?」
P「……ああ」
美希「……」
美希「!」
美希(え、ハニー? どうしてそんな悲しそうな顔をするの?)
〜脳内の美希のみなさんたち〜
美希1『どういうことなの? もしかして、美希とじゃ、いやなの?』
美希2『まさか、美希よりも春香がいいわけ?』
美希3『待ってほしいの! それよりも、本当にこれでいいの?』
美希4『なにが?』
美希3『美希はこんな形でハニーと結ばれて本当に嬉しいの?』
美希5『それは……』
美希6『だって、もたもたしてると春香たちにハニーを奪われちゃうよ!』
美希7『でも、こんなハニーの気持ちを無視したやり方で、美希はそれで満足できるの?』
美希8『……』
美希9『美希、こういうことをするのは、ちゃんとハニーと恋人同士になってからの方がいいって思うな』
美希10『それに、こういうのって早いとか遅いとかじゃないの。美希とハニーの気持ちが一番大事なの』
美希11『……それは、そうだけど』
美希12『大丈夫、美希が春香や千早さんに負けるはずがないでしょ』
美希13『だって、美希が一番、ハニーを愛しているもの!』
ポタ…ポタ…
P「……美希? 泣いてるのか」
美希「ごめんなさい、ハニー。美希…美希、間違ってた」
美希「美希、こんなやり方でハニーと結ばれたくなんかない!」
P「美希……」
美希「だって、美希はハニーが大好きなんだもん!」
美希「うわーん!!」
P「……よしよし。美希はいい子だな」
――数日後
春香「プロデューサーさん、休憩室で一緒に休みませんか」
P「ん? ああ、いいよ」
ガチャッ……バタン
美希「zzz」
春香「あれ? なんで美希がここで寝てるの?」
P「あちゃー、美希が休憩室のソファーベッドを占領してるのか。これじゃ、休めないな」
春香「えっ、そんな!」
P「美希を起こすのも可哀相だし、やっぱり休憩室で休むのはやめよう」
春香「なっ!」
P「おーい、亜美。一緒にゴッドイーター2やろうぜー」
亜美「おっしゃー!」
春香「ちょっと、えっ、待ってください! プロデューサーさーん! カム・プリーズ!」
こうして、美希が休憩室のソファーベッドを占領したことによって
プロデューサーとアイドルの秘密の休息は自然消滅したのでした
めでたしめでたし
〜おわった〜
13:33│天海春香