2013年11月07日

星輝子「し、親友だからな…フヒヒ」

アイドルマスターシンデレラガールズ
星輝子(15)
6/6生まれ

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都内某ラジオスタジオ。
激しいアウトロがフェードアウトしていきます。

「はい、人気上昇中キノコ大好きアイドル! 星輝子ちゃんのデビュー曲でした」

輝子「き、キノコ大好き……フヒヒ」

「いやーふだんの輝子ちゃんからは想像もできないハードな曲ですねー。この曲のジャンルというと…?」

輝子「フフ……キノコメタル、かな」

「キノコメタル! 新しいジャンルですね。えー曲を聞かせてもらったところでですね、こちらをですね」

輝子「へ……ケーキ?」

「そうです! 今日は輝子ちゃんの誕生日ということで、スタッフのほうでケーキを用意させてもらいましたー!」

輝子「え、ほ、ほんと……?」

「ホントです! こっちにはお皿とフォークがありますのでね、はい、おめでとうございます!」

輝子「ヒャッハー! ナイトメアビフォアバースディッ!」

「はい、シャウトを頂いたところで、今日はここまで! 今日のゲストは星輝子ちゃんでした、ありがとうございましたー」

輝子「あ、ありがとう、フヒヒ……」

「はーいオッケーでーすお疲れ様でーす。あ、輝子ちゃんはケーキ食べてていーよ」

輝子はそうしました。

収録を終えてロビーへと輝子が降りていきますと、

P「おう輝子、おつかれー」

輝子「あ、おつかれ、フヒ」

プロデューサーが立ち上がって歩み寄ってきます。
輝子もとてとてと駆け寄りました。

輝子「け、ケーキ、もらっ、もらっちゃった…」

P「えっマジか。すげーな。よかったなぁ」

輝子「うん、フヒヒ…」

スタジオを出て、歩き出します。
空は快晴で、気持ちのいい風が輝子の細く長い髪を揺らしました。

P「マジかー、俺も負けてられんな。よし、輝子、なんか食べに行こう」

輝子「えっ、お、い、いいの」

P「輝子は今日はこれで仕事終わりだしな。ていうか誕生日なのにオフにできなくてごめんな」

輝子「う、ううん…し、親友と、あ、会えるからな…フヒヒ…」

両手の指をつんつんとしながら、少女がそう言うと、隣を歩くプロデューサーの歩調が一瞬乱れました。

輝子「…? ど、どうしたの…? あれ、ぷ、プロデューサー、顔真っ赤だけど…」

P「はァ!? ああ、いや、これはな、うーん、あっホラ、最近外回りが多くてな、日に焼けちゃったんだ」

輝子「ほ、あ、そ、そうなんだ…」

P「そうそう! あー輝子も気をつけろよ、輝子はわりと肌白いほうだし」

輝子「うん…ま、眩しい太陽より、じ、じめじめしたところのがいいよね…ほ、ほらキノコとか、あ、あるしね…」

P「確かにちょっと暑すぎるな。お、ちょうどいいところに公園があるぞ」

輝子「大きな、樹があって、こ、これはキノコが見つかる予感…!」

木陰のベンチにふたりは腰を下ろしました。

P「あー、影はちょうどいい感じだな。風もあるし」

輝子「ち、ちょっと、き、キノコ探していい…?」

うずうずしたように少女は樹の根のあたりを見回しています。
彼は苦笑しながらうなずきました。

P「じゃあ、俺は向こうでサンドイッチでも買ってくるよ」

輝子「う、うん…」

不審者のような挙動で、少女は樹々へと歩いていきました。
彼はそんな彼女の姿をしばらく目で追っていましたが、肩をすくめて屋台へと足を向けるのでした。

サンドイッチを買ってベンチへと戻ってきたプロデューサーは、輝子を見つけて目を剥きました。

P「うわぁ! おい輝子!」

輝子「フヒ…?」

少女は地面にひざをついて頭をぐっと下ろしていたので、あやうく白いスカートの中が見えるところでした。

P「気をつけろって! 女の子なんだから!」

慌ててベンチに荷物を置いて、彼は輝子を起き上がらせました。

P「あーもー土ついてるじゃないか」

そういいながら彼が少女の膝についた土をハンカチで払っていると、少女はきらきらした笑顔で、

輝子「ほ、ほら…ど、ドクベニタケだよ…フヒヒ。ちょっと早いけど、た、たぶん。たい、退色してるしドクベニダマシじゃ、な、ないと思う」

P「おお、毒キノコか…。よく見つけたな」

輝子「フフ…友達だからな…」

P「よし、とりあえずサンドイッチ食べようぜ」

彼が促すと、輝子は素直にベンチに戻りました。

P「お昼時からちょっと過ぎたけど、さっきケーキ食べたし小さめのサイズ頼んだけど良かったか?」

輝子「あ、ありがと…。フヒヒ…さ、さすが親友だな…」

P「はは、任せろ。俺は輝子のプロデューサーだからな」

プロデューサーはサンドイッチにかぶりつきます。
少女も、もそもそと食べ始めました。

輝子「フヒヒ…私の友達はキノコとプロデューサーだけだ…」

P「え? なにいってんだ、事務所のみんなも友達だろ?」

プロデューサーの言葉に、輝子はつまさきを見つめました。

輝子「……そ、……で、でも」

輝子「み、…みんなも、わ、私のこと、とも、友達だって思ってくれてるか、わ、わからないし……」

P「だいじょうぶだって。まずは輝子から友達だって思えばいいだろ?」

あくまで軽い調子のプロデューサーに、もごもごと輝子は言い返します。

輝子「な、馴れ馴れしいと、きら、嫌われるかも……」

P「嫌われない」

プロデューサーはそこで真剣な様子で断言しました。

P「あいつらはそんなやつじゃないよ。俺は知ってる。輝子は俺が嘘ついてると思うか?」

輝子「ううん…プロデューサーは、う、嘘つきじゃない」

なんか言わせたみたいになっちゃったな、と相好を崩しながら彼は少女の口元をぬぐってやります。

P「それに、あいつらはどちらかというと……」

そのとき、輝子のケータイがぴろぴろと鳴りました。

輝子「あ……め、メール」


From:若林智香
To :輝子ちゃん
Sub :バースデー☆
 ------------
おつかれー☆
事務所でパーティしよっ!
待ってるよー


文面を見せられたプロデューサーはくっくと喉を鳴らしました。

P「そうだな、こういうやつらだよ」

嬉しそうに照れ笑いをして、輝子はメールの返信を打ち始めるのでした。

ふたりが事務所に帰ると、

ぱん! ぱぱん!

クラッカーの音が鳴り響きました。
破裂音に驚いて反射的に逃げ出そうとした輝子に、

智香「輝子ちゃん! 誕生日おめでとーっ☆」

千秋「誕生日おめでとう」

みく「きの子チャン、おっめでっとにゃ〜!」

小梅「お、おめでとう…ございます…」

茜「おめでとーございます!!!」

次々と声がかけられます。

輝子「お、は、え……」

P「ほら輝子、こういうときはありがとうだ」

プロデューサーに背中を押されて、一歩、事務所の中に入る輝子。
色紙とモールで少しだけ飾り付けられたテーブルに、お菓子やジュース、そしてケーキが置かれています。

輝子「あ……! え、あ、ありがと、ござます……っ」

智香「さぁさぁパーティしようパーティっ☆」

茜「本日のシュヒンの方のお席はこちら!!!」

ずいずいとふたりにひっぱられていく輝子。
その後ろを、まったく強引ねとため息をつきながら千秋が、
そして嬉しそうに袖を揺らしながら小梅が続きます。

みく「Pチャ〜ン?」

P「ん、どうした」

扉を閉めたプロデューサーに、みくがすりよるように近づいてきました。

みく「で、渡せたのかにゃ?」

いたずら猫のような声音の問いかけに、プロデューサーはちょっと苦い顔をします。

P「渡そうとは、思ってたんだが……」

みく「にゅふふ、ヘタレにゃあ〜ヘタレがいるにゃあ〜」

P「まことに情けない限りです……」

うなだれる彼の背中をばしっと叩いて、みくが得意げに笑顔を見せつけました。

みく「くふっ♪ すべてこのみくにゃんにお任せあれ! にゃ!」

ジュースでの乾杯で、ささやかな誕生日パーティが始まりました。
千秋がケーキを切り分け、智香が配ります。
輝子へと渡ったケーキの上には『Happy birthday to しょうこちゃん!』と書かれたチョコレートプレートが。

小梅「さ、最初はケーキ、作ろうとしたんだけど…」

千秋「却下よ。あんなグロテスクな誕生日ケーキはないでしょ」

小梅「うぅ…目玉、かわいかったのに…」

みく「確かにあれはちょっとキツいにゃ」

茜「でも甘くて美味しかったですよね!!!」

輝子「フヒヒ…ち、ちょっと、見てみたかったかも…」

智香「そうだと思いまして☆ 写真撮っておきましたっ☆」

にぎやかにパーティは進んでいき、みんながケーキとお菓子を食べ終わるころ。

みく「はいはいちゅうも〜っく!」

立ち上がったみくが頭上で手を振り、注目を集めます。

みく「ほらっ、きの子チャンも立って立って!」

輝子「う、うん……?」

いぶかしげな表情で輝子が立ち上がりますと、

茜「チャチャッチャッチャチャーラーッ♪」

と茜の適当な前奏から、みんなが『ハッピーバースディトゥーユー』を歌いました。
そしてそれが終わると、みくが進み出て、

みく「はい! 事務所のみんなから、誕生日プレゼントにゃ!」

輝子にかわいくラッピングされた小箱を渡しました。
彼女はまるでそれを信じられないかのように見つめて停止してしまいました。

智香「輝子ちゃん、開けてみてっ☆」

小梅「よ、喜んでくれると、う、嬉しい……」

輝子「あ、う、うん」

ぎこちない手つきで包装をはずして輝子が小箱から取り出したのは、ポップなフォルムのトイカメラでした。

千秋「好きなだけキノコを撮るといいわ」

茜「たくさん写真撮れますよ!!」

みく「きの子チャン、気に入ってもらえたかにゃ?」

がくがくとうなずいて、

輝子「ほ、ほんとに嬉しい…っ! み、みんな、あり、ありがと!」

嬉しくて震える輝子の手を智香が握ります。

智香「友達だもんっ☆ 当然だよ!」

輝子「あ……と、ともだち…」

茜「そうです! 友情パワーで、うぅぅぅ〜ボンバーッ!!!」

勢いよく茜が輝子と肩を組み、

小梅「わ、私も…あの子も…友達…」

そっともう一方の手を小梅が取り、

千秋「ええ。言うまでもないわね。……友達よ」

腕を組んだ千秋が、ふっと微笑みました。

輝子「み、みんな…と、友達……っ!」

満面の笑みで輝子がぱっとプロデューサーを振り返りました。
プロデューサーは子供のようにニッと笑い返すのでした。

輝子「こ、こんな誕生日、はじ、はじめて…っ」

みく「――まだにゃ」

にやりと、猫が笑いました。

みく「まだプレゼントを渡してないひとがいるにゃ」

輝子「え?」

智香らが輝子から離れました。

みく「それは! Pチャンにゃ!」

びしっとプロデューサーを指差すみく。
指された彼はというと、落ち着かなさ気に頬を掻いています。

輝子「ぷ、プロデューサー…?」

P「あー、うん、俺からも、な、簡単なものだけど」

茜「えー!? プロデューサー、一ヶ月前からどれにしようか悩んでたじゃないですか!!!」

P「茜ぇっ! いや、そのな、まぁせっかくの誕生日だからな、」

小梅「す、スケジュール帳に、お、おおきなマーク、あるって、あの子が言ってた…」

P「俺のプライバシーは!?」

千秋「悩んだ挙句、私に相談してきたのはどこの誰だったかしら」

P「もう勘弁してください」

智香「アタシは今朝、応援しました! ねっプロデューサーさん☆」

P「はい、俺が悪かったです。もう消えてなくなりたい」

後じさりするプロデューサーの後ろに回り込んで、みくがその背中をぐいっと押しました。

みく「ほら! さっさと渡すにゃ!」

プロデューサーと輝子は間近で向かい合っています。

輝子「あ、あの…プロデューサー…?」

声をかけられて、意を決した彼が懐からさっきよりも小さい箱を取り出しました。

P「し、輝子。誕生日、おめでとう。これ、その、プレゼントだ」

みく「カタコトになってるにゃ」

輝子「う、え、あり、がと…?」

智香「ほらっプロデューサーさん! 開けて見せてあげないと☆」

P「う。おう…」

なかばやけになって、プロデューサーがぱかりとふたを取りました。

輝子「…? これ、な、なに…?」

千秋「ネックレスよ」

P「そうだ」

茜「つけてあげないとダメですよ、プロデューサー!!!」

彼はそうしました。

輝子「ん……」

小梅「わあ…きれい……」

P「そ、そうだな」

みくがプロデューサーのわき腹を小突きました。

P「き、ゴホン、きれいだな。似合ってるぞ、輝子」

そう言われて、戸惑っていた輝子は、ほわりと微笑みました。

輝子「う、嬉しい…。あ、ありがとう、プロデューサー」

P「はぁっ、よかった…」

安堵したプロデューサーはどさっとソファに座り込んでしまいました。

千秋「まったく、情けないわね」

小梅「ふふ…嬉しそう……」

みく「にゃはは、きの子チャン、きの子チャンはやっぱりPチャンにとって特別な子ということにゃ」

P「おい前川さん」

狼狽するプロデューサーの隣で、輝子はほのかに威張った様子で笑いました。

輝子「し、親友だからな…フヒヒ」

そして、その言葉にプロデューサーは全身から力を抜いて放心しました。

智香「プロデューサーさん、がんばれーっ☆」

茜「親友! いいですね! 夕日に向かって走りそうです!!」

みく「はぁ…。先は長そうにゃ…」

パーティが終わり、みんながぞろぞろと事務所から出てきました。
すっかり夜になって、月が空で光っています。

茜と小梅、智香と千秋とみくがじゃれあっているのを見ながら、輝子はフフっと笑いました。
最後に出てきたプロデューサーがぽんと輝子のあたまに手をやりました。

P「月がきれいだな」

輝子「う、うん。つ、月といえばツキヨタケだよね…! ふ、含まれてるランプテロフラビンの効果によって、く、暗闇で光るんだよ…」

P「……。そうか」

輝子「き、きれいだけどね、つ、ツキヨタケは毒キノコだから…食べると、お、嘔吐や下痢をひき、引き起こす…」

P「怖いな」

輝子「……。ね、ぷ、プロデューサー」

少女は小さな体を彼に寄せて、見上げました。

P「ん?」

輝子「わ、私、こんなに、し、幸せ…なの、はじめてで…」

P「うん」

輝子「私を、し、幸せにして、くれたのは、ぷ、プロデューサーだから…」

P「そうだといいけど」

輝子「そ、そうだよ…。だ、だからね、うんと、」

輝子「わ、私とプロデューサーはずうっと、し、親友だからな…!」

P「……。もちろんだ!」

無邪気に笑う少女と、肩をすくめて笑い返す彼を、静かに月は照らしているのでした。




おしまい


ありがとうござましたー
誕生日おめでとう輝子

20:47│星輝子 
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