2013年11月08日
小梅(あ、凛さんの背中に……)
小梅(どうしよう、教えてあげた方が良いのかな)
小梅(でも、分かったからってどうにかなることじゃないし……)
小梅(でも、分かったからってどうにかなることじゃないし……)
凛「へくちっ――ん、少し寒いな」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363965327
モバP「おはよう、凛。……お前また変な道通っただろ」
小梅(あ、プロデューサーさん)
P「浮翌遊霊が二人憑いてるぞ、まったく」
小梅「え」
凛「ああ、どうりで肌寒いと思った」
P「気をつけろよ、厄介なのに憑かれたら面倒なんだから」
凛「その時はプロデューサーが何とかしてね?」
P「俺だって万能じゃないんだがな……ふんっ!」ドガッ
小梅(ゆ、幽霊を殴り飛ばしてる)
P「よし、祓えたな。今日も仕事頑張れよ!」
凛「言われるまでもなく、頑張るに決まってる。……行ってくるね」
小梅(あ、あの子がプロデューサーさんに見つかったら、天に召されちゃうかも)
小梅(今あの子は……いない。よし!)
小梅「あ、あの……プロデューサーさん」
P「おう、どうした小梅」
小梅「えっと、友達を紹介したくて」
P「友達? よく分からんが、聞かせてくれ」
小梅「今ここにいるわけじゃないんだけど、決して……悪い子じゃないんです」
P「あー……、話が見えないんだが」
小梅「だからその、その子は――」
P「あ、すまん、ちょっと待ってくれ。お前の背後に変なのが」
小梅「え、だ、駄目です……それってたぶん」
P「む、殴る前に逃げやがった。――えっと、それでなんだっけ?」
小梅「……今プロデューサーさんが追い払った子が、私の友達だっていう話……です」
P「いやぁ、すまんすまん。てっきり小梅に憑いてるのかと」
小梅「憑いたりしません……あの子は、えっと、別に悪いことはしないので」
P「うん、それでずっと前から友達なわけだな。重ね重ねすまんな」
小梅「あ、謝らなくて良いですから……あの子を見かけても、殴ったりしないでください、ね?」
P「分かった、肝に銘じておくよ。にしても、小梅も幽霊が見えるんだな……」
小梅「プロデューサーさんみたく、お祓いは……できないですけど」
小梅「その、凄いですね……幽霊を殴れるの」
P「子供の頃からやってるからな。いまいち凄いのかどうか分からん」
小梅「私だったら、触っただけで憑いてくるから……」
P「え、マジで?」
小梅「プロデューサーさん、コメディホラー映画に出てくる……霊媒師みたい」
P「俺ってそんなに色物なのか。なんかショックだ」
小梅「ホラーとしては邪道ですけど、そ、そこまで嫌いじゃないですよ?」
P「しかも嫌いな部類に入る役割かよ。追い討ちだわ」
小梅「ところで……アイドルの皆は、プロデューサーさんが見えるのを、し、知ってるんですか」
P「ああ、皆知ってるはずだ。小梅は最近事務所に入ってきたから、そのうち教えようと思ってたんだよ」
小梅「……さっきの凛さんの反応、ず、随分慣れてました」
P「皆もあんなもんだよ。最初は不気味がってたけど、俺以外には見えてないっぽいし、自然と受け入れられていったな」
小梅(私の周りの人は、気味悪がって離れていく人しかいなかったのに)
小梅(やっぱり、ここの人たちは皆良い人なんだな)
比奈「およ、プロデューサーに小梅ちゃん。おはようございまス」
P「おはよう、比奈」
小梅「お、おはようございます」
比奈「なんの話をしてたんでスか。心霊相談とか?」
P「だいたいそんな感じだな。小梅も俺と同じで幽霊が見えるらしいんだ」
比奈「小梅ちゃんが、へぇ……確かにそんな雰囲気あるっスね」
小梅「き、気味悪がったりしないんです、か……」
比奈「プロデューサーで慣れたし、なにより漫画のネタになるっスから」
小梅「あ、ありがとうございます」
比奈「お礼よりも、なんかネタになりそうな体験があったら教えてほしいっス」
P「ちなみに、小梅には幽霊の友達がいるぞ」
比奈「幽霊を殴れる男と幽霊と友達の少女――いったいどこを狙ってるんっスか」
P「強いて言うならトップアイドルだな」
比奈「小梅ちゃん、コミカライズするときはアタシを作画に起用してほしいっス」
小梅「それは、あ、あの子にも相談しないとなんとも……」
P「それなら俺のお祓い武勇伝も漫画化してくれよ」
比奈「プロデューサーの武勇伝を描くと、どうしても主人公がシスコンで不良のギャグ漫画になってしまうっスよ……」
P「俺に妹はいないんだけど」
比奈「例えっスよ、例え」
比奈「そうえばプロデューサー、不幸のアイドルの話って知ってまスか」
P「なんだそれ。小梅は知ってるか」
小梅「映画のタイトル……とか」
比奈「いやいや、ネットに転がってた噂話っスよ。なんでも、そのアイドルが所属したプロダクションは潰れてしまう、とか」
小梅「もしかして……わ、私のことですか……!」
P「お前はここが初めての事務所だろ」
比奈「まあ、単なる噂話っスね。漫画のネタにするにしても、短すぎてなんともできないっス」
P「それをなんで今話したんだ?」
比奈「霊媒師のプロデューサーなら何か知ってるんじゃないかと」
P「霊媒師とか名乗ったことないわ」
小梅「プロデューサーさんなら……い、今すぐにでも名乗れそう」
P「――あ、そろそろ面談の時間だった」
比奈「誰か来るんっスか」
P「新しいアイドル候補の子だよ。うちに直接志願してきたらしい」
小梅「……その子が、さっきの不幸のアイドルだったり」
P「はっはっは、さすがにそれはないだろ。映画じゃあるまいし」
比奈「ちょいとご都合すぎっスよ」
――バキッ、バタン
「す、すみません。扉を壊しちゃったようで」
小梅(突然事務所の扉の留め具が弾けて、扉が倒れた……)
ほたる「はじめまして……白菊ほたるです。こちらはCGプロダクションで間違いありませんか」
P「……こ、これはどうも。間違いないよ。こっちのソファーにきてくれるかな」
ほたる「すみません、では失礼して――ひゃ!」
小梅(こ、今度はソファーのほたるさんが座った部分だけが破れた)
P「ええ!? すまない、代えの椅子をすぐに」
ほたる「あ、いいんです……慣れてますから。それよりすみません、ソファーを駄目にしちゃって」
P「いや、君のせいじゃないしな、気にしなくて良いよ。お茶を汲んでくるから、待っててくれ」
ほたる「はい、すみません……」
ほたる「……あの、アイドルの方ですか」
小梅「は、はい。……白坂小梅、です」
比奈「荒木比奈っス」
ほたる「小梅さんに比奈さん、ですね。もしここでデビューすることになったら、よろしくお願いします!」
比奈「うん、よろしくっスよ」
小梅「あ」
比奈「ん? どうかしたんっスか、小梅ちゃん」
小梅「ほ、ほたるさんの後ろに」
比奈「……マジっスか」
ほたる「え? すみません、私の後ろがなにか」
P「――待たせたね。お茶をどうぞ」
ほたる「あ、すみません。いただきます」
P「お前らのも一応持ってきたけど、いるか」
比奈「あー……アタシは遠慮しとくっス。実は用事を思い出したんっスよ!」
P「そうなのか、それなら仕方ないな。小梅は?」
小梅「私は、の、残って飲むよ」
P「そうか。まあ、アイドルの説明もしやすいし、小梅には残ってもらった方がありがたい」
――ピキッ!
ほたる「す、すみません。お茶を飲もうとしたら、コップにひびが」
P「え、怪我はないか。すぐに取替えるから……あれ、ほたるさんの後ろになにか」
比奈「私は何も見えなくなって吹っ飛ぶ!」
P「どこに行くんだ比奈! ――に、逃げやがった」
小梅「比奈さんの驚き方……大げさで面白い、かも」
P「だからって虐めるなよ? あいつはけっこう小心なんだから」
ほたる「すみません、私のせいでコップも」
P「いや、気にしなくていいよ。それよりも面談を始めよう」
P「……小梅、ほたるさんの後ろにいる奴、見えてるか」ボソボソ
小梅「う、うん。……ホラー映画に出てくる悪霊みたいなのがいる!」ボソボソ
P「なんでお前は嬉しそうなんだ……。隙をみてあれを祓うから、力を貸してくれ」ボソボソ
小梅「私も、殴るんですか……」ボソボソ
P「違う! ほたるさんの気を引いたりしてくれ」ボソボソ
小梅「了解……しました」ボソボソ
P「待たせたね。それじゃあほたるさん、どうしてうちのプロダクションに?」
ほたる「暗い話で申し訳ないんですが、実は以前所属していたプロダクションが潰れてしまって……すみません」
P「それは災難だったね……。けど、うちは今のところ大丈夫だし、安心してね」
ほたる「でも、私が所属したプロダクションは、その前も……その前も……潰れてしまって」
P・小梅「え」
ほたる「あ、でも私頑張りますので! どうかよろしくお願いします」
小梅「プロデューサー……も、もしかして、ほたるさんってさっきの」
P「……そうかも」
ほたる「な、なんでしょう?」
P「いやいやいや、なんでもないよ、気にしないでくれ!」
P「小梅、ちょっとほたるさんと話してくれ。俺はなんとかして後ろの奴を殴る」ボソボソ
小梅「うちが潰れたら……困りますから」ボソボソ
P「ほたるさん、少し小梅と話しててくれる? 俺はその、うん、ちょっと修行を」
ほたる「は、はあ……修行?」
小梅「ほたるさんは……ほ、ホラー映画とか見ます?」
ほたる「すみません、映画は特別見るわけでは……」
小梅「そ、そうなんだ……」
ほたる「はい、すみません」
小梅(話が続かない)
P「ええい、ちょこまかと!」ブンッ、ブンッ
ほたる「小梅さん、えっとプロデューサーさんはなにを……?」
小梅「あ、あれは……感謝の正拳突き、です」
ほたる「感謝?」
小梅「そ、それよりも……ほたるさんの趣味は……?」
白坂小梅
http://joejackdb.sakura.ne.jp/KOUME_SHIRASAKA/KOUME_SHIRASAKA_001.jpg
ほたる「私の趣味……レッスンですね」
ほたる「あと、その、笑顔の練習とか。……すみません」
小梅「……笑顔、ちょっと見てみたいかも」
ほたる「恥ずかしいから、無理です。すみません」
小梅「い、一回だけ」
ほたる「では、一度だけ……」ニコ
白菊ほたる
http://joejackdb.sakura.ne.jp/HOTARU_SHIRAGIKU/HOTARU_SHIRAGIKU_001.jpg
小梅「わぁ、綺麗です……」
P「む、幽霊の動きが止まった。ふんっ!」ドゴッ
ほたる「綺麗……そんな、私の笑顔なんて地味で華が無くて」
小梅「ほたるさんは……充分、華があると思う……」
ほたる「そう、ですか」
ほたる「……なんだか、体が楽になりました。改めてよろしくお願いします」
小梅「ほたるさんに憑いてたの、祓えて良かった……」
P「あの霊、ほたるさんが笑ったときに動きを止めてたな。見たかったのかね?」
小梅「凄く綺麗な笑みだったから……分かります」
P「俺も正面から見たかったなぁ」
P「まあ、ほたるさんの不幸の原因も祓えたし、これでプロダクションが潰れるなんてことはないだろ」
小梅「ほたるさんと、し、仕事できるの……楽しみ」
ほたる「プロデューサーさん」 P「うぎゃ、水溜りに足を!」
ほたる「プロデューサーさん」 P「黒猫が俺の前を何匹も!」
ほたる「プロデューサーさん」 P「カラスが俺を見て鳴いた!」
ほたる「すみません、すみません。私の不幸って、伝染するみたいで」
P「い、いや、気にしなくて良い。はっはっは!」
小梅「ほたるさんの不幸って、あの幽霊のせいじゃ……なかったんだ」
小梅「ねえ、なんとかしてあげれたり――殴ろうとしてきたから、嫌? そっか……」
P「うお、なんでこんな所にエナドリの瓶が!」
ほたる「すみません、すみません」
おわり
ほたるちゃんは薄幸可愛い。小梅も霊媒可愛い。比奈さん? あ、うん、可愛い可愛い
見てくれた人ありがと
ついでに
荒木比奈
http://joejackdb.sakura.ne.jp/HINA_ARAKI/HINA_ARAKI_002.jpg
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363965327
モバP「おはよう、凛。……お前また変な道通っただろ」
小梅(あ、プロデューサーさん)
P「浮翌遊霊が二人憑いてるぞ、まったく」
小梅「え」
凛「ああ、どうりで肌寒いと思った」
P「気をつけろよ、厄介なのに憑かれたら面倒なんだから」
凛「その時はプロデューサーが何とかしてね?」
P「俺だって万能じゃないんだがな……ふんっ!」ドガッ
小梅(ゆ、幽霊を殴り飛ばしてる)
P「よし、祓えたな。今日も仕事頑張れよ!」
凛「言われるまでもなく、頑張るに決まってる。……行ってくるね」
小梅(あ、あの子がプロデューサーさんに見つかったら、天に召されちゃうかも)
小梅(今あの子は……いない。よし!)
小梅「あ、あの……プロデューサーさん」
P「おう、どうした小梅」
小梅「えっと、友達を紹介したくて」
P「友達? よく分からんが、聞かせてくれ」
小梅「今ここにいるわけじゃないんだけど、決して……悪い子じゃないんです」
P「あー……、話が見えないんだが」
小梅「だからその、その子は――」
P「あ、すまん、ちょっと待ってくれ。お前の背後に変なのが」
小梅「え、だ、駄目です……それってたぶん」
P「む、殴る前に逃げやがった。――えっと、それでなんだっけ?」
小梅「……今プロデューサーさんが追い払った子が、私の友達だっていう話……です」
P「いやぁ、すまんすまん。てっきり小梅に憑いてるのかと」
小梅「憑いたりしません……あの子は、えっと、別に悪いことはしないので」
P「うん、それでずっと前から友達なわけだな。重ね重ねすまんな」
小梅「あ、謝らなくて良いですから……あの子を見かけても、殴ったりしないでください、ね?」
P「分かった、肝に銘じておくよ。にしても、小梅も幽霊が見えるんだな……」
小梅「プロデューサーさんみたく、お祓いは……できないですけど」
小梅「その、凄いですね……幽霊を殴れるの」
P「子供の頃からやってるからな。いまいち凄いのかどうか分からん」
小梅「私だったら、触っただけで憑いてくるから……」
P「え、マジで?」
小梅「プロデューサーさん、コメディホラー映画に出てくる……霊媒師みたい」
P「俺ってそんなに色物なのか。なんかショックだ」
小梅「ホラーとしては邪道ですけど、そ、そこまで嫌いじゃないですよ?」
P「しかも嫌いな部類に入る役割かよ。追い討ちだわ」
小梅「ところで……アイドルの皆は、プロデューサーさんが見えるのを、し、知ってるんですか」
P「ああ、皆知ってるはずだ。小梅は最近事務所に入ってきたから、そのうち教えようと思ってたんだよ」
小梅「……さっきの凛さんの反応、ず、随分慣れてました」
P「皆もあんなもんだよ。最初は不気味がってたけど、俺以外には見えてないっぽいし、自然と受け入れられていったな」
小梅(私の周りの人は、気味悪がって離れていく人しかいなかったのに)
小梅(やっぱり、ここの人たちは皆良い人なんだな)
比奈「およ、プロデューサーに小梅ちゃん。おはようございまス」
P「おはよう、比奈」
小梅「お、おはようございます」
比奈「なんの話をしてたんでスか。心霊相談とか?」
P「だいたいそんな感じだな。小梅も俺と同じで幽霊が見えるらしいんだ」
比奈「小梅ちゃんが、へぇ……確かにそんな雰囲気あるっスね」
小梅「き、気味悪がったりしないんです、か……」
比奈「プロデューサーで慣れたし、なにより漫画のネタになるっスから」
小梅「あ、ありがとうございます」
比奈「お礼よりも、なんかネタになりそうな体験があったら教えてほしいっス」
P「ちなみに、小梅には幽霊の友達がいるぞ」
比奈「幽霊を殴れる男と幽霊と友達の少女――いったいどこを狙ってるんっスか」
P「強いて言うならトップアイドルだな」
比奈「小梅ちゃん、コミカライズするときはアタシを作画に起用してほしいっス」
小梅「それは、あ、あの子にも相談しないとなんとも……」
P「それなら俺のお祓い武勇伝も漫画化してくれよ」
比奈「プロデューサーの武勇伝を描くと、どうしても主人公がシスコンで不良のギャグ漫画になってしまうっスよ……」
P「俺に妹はいないんだけど」
比奈「例えっスよ、例え」
比奈「そうえばプロデューサー、不幸のアイドルの話って知ってまスか」
P「なんだそれ。小梅は知ってるか」
小梅「映画のタイトル……とか」
比奈「いやいや、ネットに転がってた噂話っスよ。なんでも、そのアイドルが所属したプロダクションは潰れてしまう、とか」
小梅「もしかして……わ、私のことですか……!」
P「お前はここが初めての事務所だろ」
比奈「まあ、単なる噂話っスね。漫画のネタにするにしても、短すぎてなんともできないっス」
P「それをなんで今話したんだ?」
比奈「霊媒師のプロデューサーなら何か知ってるんじゃないかと」
P「霊媒師とか名乗ったことないわ」
小梅「プロデューサーさんなら……い、今すぐにでも名乗れそう」
P「――あ、そろそろ面談の時間だった」
比奈「誰か来るんっスか」
P「新しいアイドル候補の子だよ。うちに直接志願してきたらしい」
小梅「……その子が、さっきの不幸のアイドルだったり」
P「はっはっは、さすがにそれはないだろ。映画じゃあるまいし」
比奈「ちょいとご都合すぎっスよ」
――バキッ、バタン
「す、すみません。扉を壊しちゃったようで」
小梅(突然事務所の扉の留め具が弾けて、扉が倒れた……)
ほたる「はじめまして……白菊ほたるです。こちらはCGプロダクションで間違いありませんか」
P「……こ、これはどうも。間違いないよ。こっちのソファーにきてくれるかな」
ほたる「すみません、では失礼して――ひゃ!」
小梅(こ、今度はソファーのほたるさんが座った部分だけが破れた)
P「ええ!? すまない、代えの椅子をすぐに」
ほたる「あ、いいんです……慣れてますから。それよりすみません、ソファーを駄目にしちゃって」
P「いや、君のせいじゃないしな、気にしなくて良いよ。お茶を汲んでくるから、待っててくれ」
ほたる「はい、すみません……」
ほたる「……あの、アイドルの方ですか」
小梅「は、はい。……白坂小梅、です」
比奈「荒木比奈っス」
ほたる「小梅さんに比奈さん、ですね。もしここでデビューすることになったら、よろしくお願いします!」
比奈「うん、よろしくっスよ」
小梅「あ」
比奈「ん? どうかしたんっスか、小梅ちゃん」
小梅「ほ、ほたるさんの後ろに」
比奈「……マジっスか」
ほたる「え? すみません、私の後ろがなにか」
P「――待たせたね。お茶をどうぞ」
ほたる「あ、すみません。いただきます」
P「お前らのも一応持ってきたけど、いるか」
比奈「あー……アタシは遠慮しとくっス。実は用事を思い出したんっスよ!」
P「そうなのか、それなら仕方ないな。小梅は?」
小梅「私は、の、残って飲むよ」
P「そうか。まあ、アイドルの説明もしやすいし、小梅には残ってもらった方がありがたい」
――ピキッ!
ほたる「す、すみません。お茶を飲もうとしたら、コップにひびが」
P「え、怪我はないか。すぐに取替えるから……あれ、ほたるさんの後ろになにか」
比奈「私は何も見えなくなって吹っ飛ぶ!」
P「どこに行くんだ比奈! ――に、逃げやがった」
小梅「比奈さんの驚き方……大げさで面白い、かも」
P「だからって虐めるなよ? あいつはけっこう小心なんだから」
ほたる「すみません、私のせいでコップも」
P「いや、気にしなくていいよ。それよりも面談を始めよう」
P「……小梅、ほたるさんの後ろにいる奴、見えてるか」ボソボソ
小梅「う、うん。……ホラー映画に出てくる悪霊みたいなのがいる!」ボソボソ
P「なんでお前は嬉しそうなんだ……。隙をみてあれを祓うから、力を貸してくれ」ボソボソ
小梅「私も、殴るんですか……」ボソボソ
P「違う! ほたるさんの気を引いたりしてくれ」ボソボソ
小梅「了解……しました」ボソボソ
P「待たせたね。それじゃあほたるさん、どうしてうちのプロダクションに?」
ほたる「暗い話で申し訳ないんですが、実は以前所属していたプロダクションが潰れてしまって……すみません」
P「それは災難だったね……。けど、うちは今のところ大丈夫だし、安心してね」
ほたる「でも、私が所属したプロダクションは、その前も……その前も……潰れてしまって」
P・小梅「え」
ほたる「あ、でも私頑張りますので! どうかよろしくお願いします」
小梅「プロデューサー……も、もしかして、ほたるさんってさっきの」
P「……そうかも」
ほたる「な、なんでしょう?」
P「いやいやいや、なんでもないよ、気にしないでくれ!」
P「小梅、ちょっとほたるさんと話してくれ。俺はなんとかして後ろの奴を殴る」ボソボソ
小梅「うちが潰れたら……困りますから」ボソボソ
P「ほたるさん、少し小梅と話しててくれる? 俺はその、うん、ちょっと修行を」
ほたる「は、はあ……修行?」
小梅「ほたるさんは……ほ、ホラー映画とか見ます?」
ほたる「すみません、映画は特別見るわけでは……」
小梅「そ、そうなんだ……」
ほたる「はい、すみません」
小梅(話が続かない)
P「ええい、ちょこまかと!」ブンッ、ブンッ
ほたる「小梅さん、えっとプロデューサーさんはなにを……?」
小梅「あ、あれは……感謝の正拳突き、です」
ほたる「感謝?」
小梅「そ、それよりも……ほたるさんの趣味は……?」
白坂小梅
http://joejackdb.sakura.ne.jp/KOUME_SHIRASAKA/KOUME_SHIRASAKA_001.jpg
ほたる「私の趣味……レッスンですね」
ほたる「あと、その、笑顔の練習とか。……すみません」
小梅「……笑顔、ちょっと見てみたいかも」
ほたる「恥ずかしいから、無理です。すみません」
小梅「い、一回だけ」
ほたる「では、一度だけ……」ニコ
白菊ほたる
http://joejackdb.sakura.ne.jp/HOTARU_SHIRAGIKU/HOTARU_SHIRAGIKU_001.jpg
小梅「わぁ、綺麗です……」
P「む、幽霊の動きが止まった。ふんっ!」ドゴッ
ほたる「綺麗……そんな、私の笑顔なんて地味で華が無くて」
小梅「ほたるさんは……充分、華があると思う……」
ほたる「そう、ですか」
ほたる「……なんだか、体が楽になりました。改めてよろしくお願いします」
小梅「ほたるさんに憑いてたの、祓えて良かった……」
P「あの霊、ほたるさんが笑ったときに動きを止めてたな。見たかったのかね?」
小梅「凄く綺麗な笑みだったから……分かります」
P「俺も正面から見たかったなぁ」
P「まあ、ほたるさんの不幸の原因も祓えたし、これでプロダクションが潰れるなんてことはないだろ」
小梅「ほたるさんと、し、仕事できるの……楽しみ」
ほたる「プロデューサーさん」 P「うぎゃ、水溜りに足を!」
ほたる「プロデューサーさん」 P「黒猫が俺の前を何匹も!」
ほたる「プロデューサーさん」 P「カラスが俺を見て鳴いた!」
ほたる「すみません、すみません。私の不幸って、伝染するみたいで」
P「い、いや、気にしなくて良い。はっはっは!」
小梅「ほたるさんの不幸って、あの幽霊のせいじゃ……なかったんだ」
小梅「ねえ、なんとかしてあげれたり――殴ろうとしてきたから、嫌? そっか……」
P「うお、なんでこんな所にエナドリの瓶が!」
ほたる「すみません、すみません」
おわり
ほたるちゃんは薄幸可愛い。小梅も霊媒可愛い。比奈さん? あ、うん、可愛い可愛い
見てくれた人ありがと
ついでに
荒木比奈
http://joejackdb.sakura.ne.jp/HINA_ARAKI/HINA_ARAKI_002.jpg
17:10│白坂小梅